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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第6巻(巳の巻)
序歌
松葉の塵
総説
第1篇 山陰の雪
第1章 宇宙太元
第2章 瀑布の涙
第3章 頓智奇珍
第4章 立春到達
第5章 抔盤狼藉
第6章 暗雲消散
第7章 旭光照波
第2篇 常世の波
第8章 春の海面
第9章 埠頭の名残
第10章 四鳥の別れ
第11章 山中の邂逅
第12章 起死回生
第13章 谷間の囁
第14章 黒竜赤竜
第3篇 大峠
第15章 大洪水(一)
第16章 大洪水(二)
第17章 極仁極徳
第18章 天の瓊矛
第4篇 立花の小戸
第19章 祓戸四柱
第20章 善悪不測
第21章 真木柱
第22章 神業無辺
第23章 諸教同根
第24章 富士鳴戸
第5篇 一霊四魂
第25章 金勝要大神
第26章 体五霊五
第27章 神生み
第28章 身変定
第29章 泣沢女
第30章 罔象神
第6篇 百舌鳥の囁
第31章 襤褸の錦
第32章 瓔珞の河越
第33章 五大教
第34章 三大教
第35章 北光開眼
第36章 三五教
第7篇 黄金の玉
第37章 雲掴み
第38章 黄金の宮
第39章 石仏の入水
第40章 琴平橋
第41章 桶伏山
第8篇 五伴緒神
第42章 途上の邂逅
第43章 猫の手
第44章 俄百姓
第45章 大歳神
第46章 若年神
第47章 二王と観音
第48章 鈿女命
第49章 膝栗毛
第50章 大戸惑
余白歌
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霊界物語
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霊主体従(第1~12巻)
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第6巻(巳の巻)
> 第6篇 百舌鳥の囁 > 第33章 五大教
<<< 瓔珞の河越
(B)
(N)
三大教 >>>
第三三章
五大教
(
ごだいけう
)
〔二八三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第6巻 霊主体従 巳の巻
篇:
第6篇 百舌鳥の囁
よみ(新仮名遣い):
もずのささやき
章:
第33章 五大教
よみ(新仮名遣い):
ごだいきょう
通し章番号:
283
口述日:
1922(大正11)年01月22日(旧12月25日)
口述場所:
筆録者:
藤原勇造
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年5月10日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
ウラル教の治世を恨む歌を歌いながら、エデン川の岸辺を降る漂浪人の一団があった。そこへ、『神が面に現れて 善と悪とを立て別ける』と節面白く謡い来る宣伝使があった。
これは、混乱の世をただすべく黄金山の麓に現れた、埴安彦という大神が立てられた、五大教という教えの宣伝使・東彦であった。
漂浪人たちは、宣伝使の歌う宣伝歌に興味を持ち、宣伝使を呼び止めた。宣伝使・東彦は路傍の平たい石に腰かけ、一同はその周りに座って問答を始めた。
漂浪人の一人は、今の世の中は宣伝歌にあったような、公明正大な神様が現れて善と悪とを立て別ける、といったことがあるのでしょうか、と問いかけた。
東彦はそれに答えて、今の世は神様の御用のために作られた、神の生宮であるはずの人間が汚れてしまっているので、それを清めるために、神様が諸方に宣伝使を派遣することになったのである、と答えた。
もう一人の漂浪人は、弱肉強食の世の中で一部の人間が財産を独占していることに対して、いつ神様が現れて善と悪とを立て別けてくれるのか、と質問した。
東彦は、現世的な財産はかりそめの富であり、人間が死後にも滅ぶことがない宝とは、神の御国に積む誠という宝である、と諄々と説いた。
一同は息をこらして東彦の教えに耳を傾けていた。そこへ、『ただ何事も人の世は 直日に見直せ聞き直せ 身の過ちは宣り直せ』と謡って来る宣伝使があった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-04-23 18:44:01
OBC :
rm0633
愛善世界社版:
196頁
八幡書店版:
第1輯 696頁
修補版:
校定版:
195頁
普及版:
80頁
初版:
ページ備考:
001
『
可飲
(
かいん
)
の
流
(
なが
)
れは
止
(
と
)
まるとも
002
とめて
止
(
と
)
まらぬ
色
(
いろ
)
の
道
(
みち
)
003
酒
(
さけ
)
と
博奕
(
ばくち
)
は
猶
(
なほ
)
やまぬ
004
飲
(
の
)
めよ
騒
(
さわ
)
げよ
一寸先
(
いつすんさき
)
や
暗
(
やみ
)
と
005
旨
(
うま
)
いこといふ
宣伝使
(
せんでんし
)
006
俺
(
おい
)
らは
裸体
(
はだか
)
で
蓑蟲
(
みのむし
)
の
007
雨
(
あめ
)
に
曝
(
さら
)
され
荒風
(
あらかぜ
)
に
008
吹
(
ふ
)
かれて
深山
(
みやま
)
の
霜
(
しも
)
を
踏
(
ふ
)
み
009
常夜
(
とこよ
)
の
露
(
つゆ
)
に
曝
(
さら
)
されて
010
飲
(
の
)
み
渡
(
た
)
き
酒
(
さけ
)
もヱー
飲
(
の
)
まず
011
食
(
く
)
ひたいものもヨー
食
(
く
)
はず
012
人
(
ひと
)
の
屑
(
くづ
)
やら
余
(
あま
)
りもの
013
貰
(
もら
)
うて
其
(
その
)
日
(
ひ
)
をひよろひよろと
014
渡
(
わた
)
る
浮世
(
うきよ
)
の
丸木橋
(
まるきばし
)
015
吾
(
わが
)
身
(
み
)
に
襤褸
(
ぼろ
)
は
纏
(
まと
)
へども
016
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
魂
(
たましひ
)
は
017
錦
(
にしき
)
を
飾
(
かざ
)
る
大丈夫
(
ますらを
)
ぞ
018
ウラルの
彦
(
ひこ
)
の
邪曲
(
よこしま
)
に
019
虐
(
しひた
)
げられて
吾々
(
われわれ
)
は
020
昨日
(
きのふ
)
は
山
(
やま
)
に
今日
(
けふ
)
は
又
(
また
)
021
野辺
(
のべ
)
の
嵐
(
あらし
)
に
晒
(
さら
)
されて
022
臭
(
くさ
)
い
狗
(
いぬ
)
めに
嗅出
(
かぎだ
)
され
023
捕
(
つかま
)
へられて
何時
(
いつ
)
の
日
(
ひ
)
か
024
ウラルの
山
(
やま
)
に
連
(
つ
)
れ
行
(
ゆ
)
かれ
025
舌
(
した
)
を
捩
(
ねじ
)
られ
眼
(
め
)
を
抜
(
ぬ
)
かれ
026
手足
(
てあし
)
を
菱
(
ひし
)
に
縛
(
しば
)
られて
027
飲
(
の
)
めよ
騒
(
さわ
)
げよ
暢気
(
のんき
)
なる
028
歌
(
うた
)
を
聞
(
き
)
かされ
木兎
(
みみづく
)
の
029
身
(
み
)
の
行
(
ゆ
)
く
果
(
はて
)
を
偲
(
しの
)
ぶれば
030
この
世
(
よ
)
は
鬼
(
おに
)
か
大蛇
(
をろち
)
か
暗
(
やみ
)
の
夜
(
よ
)
か
031
旦
(
あした
)
の
露
(
つゆ
)
と
消
(
き
)
ゆる
身
(
み
)
の
032
実
(
げ
)
にも
果敢
(
はか
)
なき
身
(
み
)
の
宿世
(
すぐせ
)
033
救
(
すく
)
ひの
神
(
かみ
)
は
何時
(
いつ
)
の
世
(
よ
)
か
034
天
(
あめ
)
より
降
(
くだ
)
り
来
(
きた
)
るらむ
035
助
(
たす
)
けの
船
(
ふね
)
は
何時
(
いつ
)
の
日
(
ひ
)
か
036
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
より
浮
(
うか
)
び
出
(
で
)
む
037
憂
(
うれ
)
ひに
沈
(
しづ
)
む
吾々
(
われわれ
)
は
038
何時
(
いつ
)
の
世
(
よ
)
にかは
浮
(
うか
)
ばれむ
039
嗚呼
(
ああ
)
味気
(
あぢき
)
なの
闇
(
やみ
)
の
世
(
よ
)
や
040
嗚呼
(
ああ
)
あぢきなの
闇
(
やみ
)
の
夜
(
よ
)
や』
041
と
謡
(
うた
)
ひながら、
042
エデン
川
(
がは
)
の
岸
(
きし
)
を
降
(
くだ
)
る
漂浪神
(
さすらいがみ
)
の
一群
(
ひとむれ
)
があつた。
043
このとき
前方
(
ぜんぱう
)
より、
044
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
045
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立
(
た
)
て
別
(
わ
)
ける
046
魂
(
たま
)
を
研
(
みが
)
けよ
立替
(
たてか
)
へよ
047
身
(
み
)
の
行
(
おこな
)
ひも
立
(
た
)
て
直
(
なお
)
せ
048
誠
(
まこと
)
の
力
(
ちから
)
は
世
(
よ
)
を
守
(
まも
)
る』
049
と
節
(
ふし
)
面白
(
おもしろ
)
く
謡
(
うた
)
ひ
来
(
く
)
る
宣伝使
(
せんでんし
)
ありけり。
050
是
(
これ
)
は
黄金山
(
わうごんざん
)
の
麓
(
ふもと
)
に、
051
この
混乱
(
こんらん
)
紛糾
(
ふんきう
)
の
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふべく、
052
埴安彦
(
はにやすひこ
)
といふ
大神
(
おほかみ
)
現
(
あら
)
はれて、
053
五大教
(
ごだいけう
)
といふ
教
(
をしへ
)
を
立
(
た
)
てられ、
054
その
宣伝使
(
せんでんし
)
なる
東彦
(
あづまひこ
)
と
云
(
い
)
ふ
神人
(
かみ
)
なりき。
055
一行
(
いつかう
)
はこの
声
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
いて
耳
(
みみ
)
を
傾
(
かたむ
)
けゐる。
056
宣伝使
(
せんでんし
)
は
猶
(
なほ
)
も、
057
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
謡
(
うた
)
ひながら
此方
(
こなた
)
に
向
(
むか
)
つて
進
(
すす
)
み
来
(
き
)
たる。
058
宣伝使
(
せんでんし
)
は、
059
蓑笠
(
みのかさ
)
を
纏
(
まと
)
ひ、
060
草鞋
(
わらぢ
)
脚絆
(
きやはん
)
の、
061
身軽
(
みがる
)
な
扮装
(
いでたち
)
にて
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
高唱
(
かうしやう
)
しながら、
062
一行
(
いつかう
)
と
行
(
ゆ
)
き
違
(
ちが
)
ひ
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
063
一同
(
いちどう
)
は
互
(
たがひ
)
に
顔
(
かほ
)
を
見合
(
みあは
)
せ、
064
甲
(
かふ
)
『
今
(
いま
)
の
歌
(
うた
)
は
何
(
なん
)
だか、
065
吾々
(
われわれ
)
の
耳
(
みみ
)
にはいり
易
(
や
)
すい
様
(
やう
)
な
気
(
き
)
がして、
066
何処
(
どこ
)
ともなく
面白
(
おもしろ
)
いぢやないか』
067
乙
(
おつ
)
『ウン、
068
さう
云
(
い
)
へばさうだ。
069
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御声
(
みこゑ
)
のやうにも
響
(
ひび
)
いた』
070
丙
(
へい
)
『
兎
(
と
)
もかく
呼
(
よ
)
び
止
(
と
)
めて、
071
詳
(
くは
)
しい
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いたらどうだ』
072
丁
(
てい
)
『
呼
(
よ
)
び
止
(
と
)
めたつて、
073
吾々
(
われわれ
)
のような
人間
(
にんげん
)
に、
074
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
いては
呉
(
く
)
れはしないだらう。
075
恥
(
はぢ
)
をかくよりは、
076
止
(
よ
)
したらどうだ』
077
丙
(
へい
)
『
馬鹿
(
ばか
)
云
(
い
)
へ、
078
人
(
ひと
)
を
助
(
たす
)
けるのが
宣伝使
(
せんでんし
)
だ。
079
そりや、
080
屹度
(
きつと
)
呼
(
よ
)
び
止
(
と
)
めたら、
081
待
(
ま
)
つてくれるよ』
082
一同
(
いちどう
)
『それがよからう。
083
オーイ オーイ』
084
と
一同
(
いちどう
)
は
声
(
こゑ
)
を
揃
(
そろ
)
へ、
085
右手
(
みぎて
)
をあげてさし
招
(
まね
)
いた。
086
宣伝使
(
せんでんし
)
はあと
振返
(
ふりかへ
)
りつつ、
087
こなたを
見詰
(
みつ
)
めてゐた。
088
そこへ
一人
(
ひとり
)
のみすぼらしい
男
(
をとこ
)
が、
089
一行
(
いつかう
)
の
中
(
なか
)
から
抜擢
(
ばつてき
)
されて
走
(
はし
)
つて
行
(
い
)
つた。
090
そして
宣伝使
(
せんでんし
)
の
前
(
まへ
)
に
手
(
て
)
を
突
(
つ
)
き、
091
『
貴神
(
あなた
)
の
御
(
お
)
歌
(
うた
)
を、
092
吾々
(
われわれ
)
は
承
(
うけたま
)
はりまして、
093
何
(
なん
)
とも
知
(
し
)
れぬ
心
(
こころ
)
に
力
(
ちから
)
が
着
(
つ
)
いた
様
(
やう
)
に
思
(
おも
)
ひます。
094
どうぞ
御
(
ご
)
面倒
(
めんだう
)
でもありませうが、
095
吾々
(
われわれ
)
一同
(
いちどう
)
を
救
(
すく
)
ふ
為
(
ため
)
に、
096
詳
(
くは
)
しい
御
(
お
)
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
かして
戴
(
いただ
)
けませぬか』
097
と
真心
(
まごころ
)
を
面
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はして
頼
(
たの
)
み
込
(
こ
)
んだ。
098
宣伝使
(
せんでんし
)
は、
099
東彦天使
『
吾
(
われ
)
は
天下
(
てんか
)
の
混乱
(
こんらん
)
窮乏
(
きうばふ
)
を
救
(
すく
)
はむために、
100
黄金山
(
わうごんさん
)
麓
(
ろく
)
に
現
(
あら
)
はれ
玉
(
たま
)
ふ
埴安彦
(
はにやすひこの
)
命
(
みこと
)
の
教
(
をしへ
)
を
奉
(
ほう
)
じて、
101
天下
(
てんか
)
に
宣伝
(
せんでん
)
するものであります。
102
吾々
(
われわれ
)
の
宣伝
(
せんでん
)
を
御
(
お
)
聞
(
き
)
き
下
(
くだ
)
さるならば、
103
喜
(
よろこ
)
んでこれに
応
(
おう
)
じます』
104
といつた。
105
そのうちに、
106
一同
(
いちどう
)
は
宣伝使
(
せんでんし
)
の
傍
(
かたはら
)
に
集
(
あつ
)
まり
来
(
きた
)
り、
107
一々
(
いちいち
)
鄭重
(
ていちよう
)
に
会釈
(
ゑしやく
)
をした。
108
宣伝使
(
せんでんし
)
もまた
慇懃
(
いんぎん
)
に
礼
(
れい
)
を
返
(
かへ
)
し、
109
傍
(
かたはら
)
の
美
(
うる
)
はしき
平
(
ひら
)
たき
岩
(
いは
)
の
上
(
うへ
)
に
座
(
ざ
)
を
占
(
し
)
め、
110
一同
(
いちどう
)
はその
周囲
(
しうゐ
)
に
坐
(
ざ
)
して、
111
問答
(
もんだふ
)
を
始
(
はじ
)
めける。
112
甲
(
かふ
)
『
只今
(
ただいま
)
の
御
(
お
)
歌
(
うた
)
の
中
(
なか
)
に、
113
「
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて、
114
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立
(
た
)
て
別
(
わ
)
ける」といふ
御
(
お
)
言葉
(
ことば
)
がありましたが、
115
実際
(
じつさい
)
にこの
世
(
よ
)
に、
116
吾々
(
われわれ
)
を
守
(
まも
)
つて
下
(
くだ
)
さる
尊
(
たふと
)
い
神
(
かみ
)
が
在
(
あ
)
るのでせうか。
117
善悪
(
ぜんあく
)
を
公明
(
こうめい
)
正大
(
せいだい
)
に
審判
(
さば
)
いて
下
(
くだ
)
さる
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
が
現
(
あら
)
はれますのでせうか。
118
吾々
(
われわれ
)
はこの
事
(
こと
)
のみが
日夜
(
にちや
)
気
(
き
)
にかかつてなりませぬ』
119
宣伝使
(
せんでんし
)
は
答
(
こた
)
へていふ。
120
東彦天使
『この
世界
(
せかい
)
は
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が、
121
御
(
お
)
造
(
つく
)
り
遊
(
あそ
)
ばしたのである。
122
さうして
人間
(
にんげん
)
は、
123
御用
(
ごよう
)
を
努
(
つと
)
める
様
(
やう
)
に、
124
神
(
かみ
)
が
御
(
お
)
造
(
つく
)
りになつたのである。
125
神
(
かみ
)
は
人間
(
にんげん
)
を
生宮
(
いきみや
)
として
是
(
これ
)
に
降
(
くだ
)
り、
126
立派
(
りつぱ
)
な
世
(
よ
)
を
開
(
ひら
)
かうと
日夜
(
にちや
)
焦慮
(
せうりよ
)
して
居
(
を
)
られます。
127
あなた
方
(
がた
)
一同
(
いちどう
)
の
肉体
(
にくたい
)
もまた、
128
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
霊魂
(
みたま
)
と
肉
(
にく
)
とを
分
(
わ
)
け
与
(
あた
)
へられて
造
(
つく
)
られた
人間
(
にんげん
)
である。
129
さうして
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
生宮
(
いきみや
)
となつて、
130
働
(
はたら
)
くべき
結構
(
けつこう
)
な
万物
(
ばんぶつ
)
の
霊長
(
れいちやう
)
である。
131
然
(
しか
)
るに
人間
(
にんげん
)
の
本分
(
ほんぶん
)
を
忘
(
わす
)
れて、
132
ただただ
飲食
(
のみくひ
)
や、
133
色
(
いろ
)
の
道
(
みち
)
ばかりに
耽溺
(
たんでき
)
するのは、
134
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
対
(
たい
)
して、
135
最
(
もつと
)
も
深
(
ふか
)
き
罪悪
(
ざいあく
)
である。
136
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
には
善
(
ぜん
)
の
神
(
かみ
)
もあれば、
137
悪
(
あく
)
の
神
(
かみ
)
もある。
138
さうして
善
(
ぜん
)
の
神
(
かみ
)
一人
(
ひとり
)
に
対
(
たい
)
し、
139
悪
(
あく
)
の
神
(
かみ
)
は
九百
(
きうひやく
)
九十九
(
きうじふきう
)
人
(
にん
)
の
割合
(
わりあひ
)
に、
140
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
はなつてしまつてゐる。
141
そこで
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は、
142
この
世界
(
せかい
)
を
清
(
きよ
)
め、
143
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
たる
人間
(
にんげん
)
の
身魂
(
みたま
)
を
清
(
きよ
)
めて、
144
立派
(
りつぱ
)
な
神国
(
しんこく
)
を
建
(
たて
)
むと
思召
(
おぼしめ
)
し、
145
宣伝使
(
せんでんし
)
を
四方
(
しはう
)
に
派遣
(
はけん
)
され
居
(
を
)
るなり』
146
と、
147
大略
(
たいりやく
)
を
物語
(
ものがた
)
りける。
148
甲
(
かふ
)
『
吾々
(
われわれ
)
はどうしても、
149
合点
(
がつてん
)
の
行
(
ゆ
)
かぬことが
沢山
(
たくさん
)
あります。
150
それで
貴神
(
あなた
)
に
御
(
お
)
尋
(
たづ
)
ねをしたいと
思
(
おも
)
つて、
151
呼
(
よ
)
び
止
(
と
)
めました。
152
一体
(
いつたい
)
今日
(
こんにち
)
の
人間
(
にんげん
)
は、
153
広
(
ひろ
)
い
山
(
やま
)
や
野
(
の
)
を
独占
(
どくせん
)
し、
154
さうして
吾々
(
われわれ
)
の
働
(
はたら
)
く
処
(
ところ
)
もなく、
155
また
働
(
はたら
)
かしてもくれない。
156
何
(
なに
)
ほど
働
(
はたら
)
くに
追
(
お
)
ひ
付
(
つ
)
く
貧乏
(
びんばふ
)
なしと
云
(
い
)
つても、
157
働
(
はたら
)
く
種
(
たね
)
がなければ、
158
吾々
(
われわれ
)
は
乞食
(
こじき
)
でもするより、
159
仕方
(
しかた
)
がないではありませぬか。
160
勿論
(
もちろん
)
吾々
(
われわれ
)
は、
161
遊
(
あそ
)
んで
楽
(
らく
)
に
飲
(
の
)
んだり
食
(
く
)
つたり、
162
贅沢
(
ぜいたく
)
をしようとは
思
(
おも
)
ひませぬ。
163
唯
(
ただ
)
働
(
はたら
)
いて、
164
親子
(
おやこ
)
夫婦
(
ふうふ
)
が、
165
その
日
(
ひ
)
をどうなりと、
166
暮
(
くら
)
すことが
出来
(
でき
)
ればそれで
満足
(
まんぞく
)
するのであります。
167
然
(
しか
)
るに
吾々
(
われわれ
)
は、
168
この
広
(
ひろ
)
い
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
に、
169
脚踏
(
あしふ
)
み
立
(
た
)
てる
場所
(
ばしよ
)
も
持
(
も
)
つて
居
(
を
)
りませぬ。
170
皆
(
みな
)
強
(
つよ
)
い
者
(
もの
)
、
171
大
(
おほ
)
きな
者
(
もの
)
に、
172
独占
(
どくせん
)
されて、
173
働
(
はたら
)
くに
処
(
ところ
)
なく、
174
親子
(
おやこ
)
兄弟
(
きやうだい
)
は、
175
ちりぢりばらばらになり、
176
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
を
苦
(
くる
)
しみながら、
177
漂浪
(
さすら
)
ひつつわづかにその
日
(
ひ
)
を
暮
(
くら
)
してをります。
178
こんな
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
を
立替
(
たてか
)
へて
御
(
お
)
日
(
ひい
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
照
(
てら
)
しの
様
(
やう
)
に、
179
万遍
(
まんべん
)
なく、
180
吾々
(
われわれ
)
にも
天地
(
てんち
)
の
恵
(
めぐみ
)
が
身
(
み
)
に
潤
(
うるほ
)
ふ
事
(
こと
)
ができるならば、
181
こんな
有難
(
ありがた
)
いことはなからうと
思
(
おも
)
ひます。
182
さうしてその
結構
(
けつこう
)
な
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
何時
(
いつ
)
御
(
お
)
現
(
あら
)
はれになりませうか』
183
と
首
(
くび
)
を
傾
(
かたむ
)
け、
184
宣伝使
(
せんでんし
)
の
顔
(
かほ
)
を
覗
(
のぞ
)
き
込
(
こ
)
む。
185
宣伝使
(
せんでんし
)
は
両眼
(
りやうがん
)
に
涙
(
なみだ
)
を
湛
(
たた
)
へながら、
186
東彦天使
『
空
(
そら
)
翔
(
た
)
つ
鳥
(
とり
)
も、
187
野辺
(
のべ
)
に
咲
(
さ
)
く
花
(
はな
)
も、
188
みな
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
厚
(
あつ
)
き
恵
(
めぐみ
)
をうけて、
189
完全
(
くわんぜん
)
に
生活
(
せいくわつ
)
を
続
(
つづ
)
けてをります。
190
况
(
いは
)
んや
万物
(
ばんぶつ
)
の
霊長
(
れいちやう
)
たり、
191
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
たる
人間
(
にんげん
)
に
於
(
おい
)
ておや。
192
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
守
(
まも
)
りがどうして
無
(
な
)
いといふ
事
(
こと
)
がありませうか。
193
ただ
何事
(
なにごと
)
も
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御心
(
みこころ
)
に
任
(
まか
)
せ、
194
今日
(
けふ
)
只今
(
ただいま
)
を、
195
有難
(
ありがた
)
い
有難
(
ありがた
)
いで
暮
(
くら
)
して
行
(
ゆ
)
けば、
196
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
春
(
はる
)
に
会
(
あ
)
はして
下
(
くだ
)
さいます。
197
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
暗夜
(
やみよ
)
ばかりではない、
198
暗夜
(
やみよ
)
があつても
何時
(
いつ
)
かは
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
ける。
199
冷
(
つめ
)
たい
雪
(
ゆき
)
の
降
(
ふ
)
る
冬
(
ふゆ
)
があれば、
200
また
長閑
(
のどか
)
な
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
き
鳥
(
とり
)
唄
(
うた
)
ふ
春
(
はる
)
が
出
(
で
)
て
来
(
く
)
る
様
(
やう
)
に、
201
きつと
苦
(
くるし
)
みの
後
(
あと
)
には
楽
(
たの
)
しみがあります。
202
あなた
方
(
がた
)
も
働
(
はたら
)
く
場所
(
ばしよ
)
がないからといつて、
203
そこら
中
(
ぢう
)
を
漂浪
(
さまよ
)
ひなさるのも、
204
無理
(
むり
)
はありませぬが、
205
この
世界
(
せかい
)
は
皆
(
みな
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のものである。
206
人間
(
にんげん
)
のものは、
207
足
(
あし
)
の
裏
(
うら
)
に
附
(
つ
)
いて
居
(
ゐ
)
る
土埃
(
つちほこり
)
一
(
ひと
)
つだもありませぬ。
208
今
(
いま
)
の
人間
(
にんげん
)
は
広大
(
くわうだい
)
な
山野
(
さんや
)
を
独占
(
どくせん
)
して、
209
自分
(
じぶん
)
のもののやうに
思
(
おも
)
つてゐるが、
210
命数
(
めいすう
)
尽
(
つ
)
きて、
211
幽界
(
いうかい
)
に
至
(
いた
)
るときは、
212
いかなる
巨万
(
きよまん
)
の
財宝
(
ざいほう
)
も、
213
妻子
(
さいし
)
も、
214
眷属
(
けんぞく
)
も
一切
(
いつさい
)
を
捨
(
す
)
てて、
215
ただ
独
(
ひとり
)
トボトボと
行
(
ゆ
)
かねばならぬのである。
216
唯
(
ただ
)
自分
(
じぶん
)
の
連
(
つ
)
れとなるものは
深
(
ふか
)
い
罪
(
つみ
)
の
重荷
(
おもに
)
ばかりである。
217
あなた
方
(
がた
)
も、
218
神
(
かみ
)
を
信
(
しん
)
じ、
219
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
心
(
こころ
)
を
持
(
も
)
つて、
220
この
広
(
ひろ
)
い
天地
(
てんち
)
の
間
(
あひだ
)
に
活動
(
くわつどう
)
なさい。
221
きつと
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
幸
(
さいはひ
)
を
与
(
あた
)
へて
下
(
くだ
)
さいます。
222
この
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
の
形
(
かたち
)
ある
宝
(
たから
)
は、
223
亡
(
ほろ
)
ぶる
宝
(
たから
)
であります。
224
水
(
みづ
)
に
流
(
なが
)
れ
火
(
ひ
)
に
焼
(
や
)
かれ、
225
虫
(
むし
)
に
蝕
(
く
)
はれ、
226
錆朽
(
さびく
)
ちる、
227
果敢
(
はか
)
ない
宝
(
たから
)
である。
228
それよりも
人間
(
にんげん
)
は、
229
永遠
(
ゑいゑん
)
無窮
(
むきう
)
に
朽
(
く
)
ちず、
230
壊
(
くづ
)
れず、
231
焼
(
や
)
けず、
232
亡
(
ほろ
)
びぬ
誠
(
まこと
)
といふ
一
(
ひと
)
つの
宝
(
たから
)
を
神
(
かみ
)
の
御国
(
みくに
)
に
積
(
つ
)
む
事
(
こと
)
を
努
(
つと
)
めねばなりませぬ』
233
と
諄々
(
じゆんじゆん
)
として
五大教
(
ごだいけう
)
の
教理
(
けうり
)
を
説
(
と
)
き
勧
(
すす
)
めたるに、
234
一同
(
いちどう
)
は
呼吸
(
いき
)
を
凝
(
こ
)
らして、
235
熱心
(
ねつしん
)
に
宣伝使
(
せんでんし
)
の
教示
(
けうじ
)
を
聞
(
き
)
き
入
(
い
)
りぬ。
236
この
時
(
とき
)
またもや、
237
声
(
こゑ
)
張
(
は
)
り
揚
(
あ
)
げて、
238
北光天使
『この
世
(
よ
)
を
創造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
239
御魂
(
みたま
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
240
ただ
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
は
皆
(
みな
)
241
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
せ
聞直
(
ききなほ
)
せ
242
身
(
み
)
の
過
(
あやまち
)
は
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せ』
243
と
謡
(
うた
)
ひつつ、
244
此方
(
こなた
)
に
向
(
むか
)
つて
進
(
すす
)
み
来
(
く
)
る
宣伝使
(
せんでんし
)
ありけり。
245
(
大正一一・一・二二
旧大正一〇・一二・二五
藤原勇造
録)
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