霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二〇章 善悪(ぜんあく)不測(ふそく)〔二七〇〕

インフォメーション
著者: 巻: 篇: よみ(新仮名遣い):
章: よみ(新仮名遣い): 通し章番号:
口述日: 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]: 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: 文字数: OBC :rm0620
愛善世界社版: 八幡書店版: 修補版: 校定版: 普及版: 初版: ページ備考:
001 国祖(こくそ)国治立(くにはるたちの)命(みこと)、002豊国姫(とよくにひめの)命(みこと)の二柱(ふたはしら)は、003千座(ちくら)の置戸(おきど)を負(お)ひて、004根(ね)の国(くに)、005底(そこ)の国(くに)に御(ご)退隠(たいいん)遊(あそ)ばす事(こと)となり、006大慈(だいじ)大悲(だいひ)の御心(みこころ)は、007神界(しんかい)、008現界(げんかい)の当(まさ)に来(きた)らむとする大惨害(だいさんがい)を座視(ざし)するに忍(しの)びず、009暫(しば)らく天教山(てんけうざん)および地教山(ちけうざん)に身(み)を隠(しの)び、010野立彦(のだちひこの)神(かみ)、011野立姫(のだちひめの)神(かみ)と改名(かいめい)し、012神(しん)、013現(げん)二界(にかい)の前途(ぜんと)を見定(みさだ)め、
014『ここに撞(つき)の御柱(みはしら)の神(かみ)、015天(あめ)の御柱(みはしら)の神(かみ)、016国(くに)の御柱(みはしら)の神(かみ)の降臨(かうりん)ありて、017修理(しうり)固成(こせい)の神業(しんげふ)も稍(やや)その緒(しよ)に就(つ)きたれば、018われは是(これ)より進(すす)みて幽界(いうかい)を修理(しうり)固成(こせい)し、019万(よろづ)の身魂(みたま)を天国(てんごく)に救(すく)はむ』
020と、021夫婦(ふうふ)二神(にしん)相(あひ)携(たづさ)へて、022さしも烈(はげ)しき天教山(てんけうざん)の噴火口(ふんくわこう)に身(み)を投(とう)じ、023大地(だいち)中心(ちうしん)の火球界(くわきうかい)なる根底(ねそこ)の国(くに)に落行(おちゆ)き給(たま)ひ、024野立姫(のだちひめの)命(みこと)は、025これより別(わか)れて、026その西南隅(せいなんぐう)なる地汐(ちげき)の世界(せかい)に入(い)らせ給(たま)ひける。
027 至仁(しじん)至愛(しあい)至誠(しせい)至実(しじつ)の身魂(みたま)は、028いかなる烈火(れつくわ)の中(なか)も、029その身魂(みたま)を害(そこな)ふこと無(な)く、030いかなる濁流(だくりう)に漂(ただよ)ふも、031その身魂(みたま)は汚(けが)れ溺(おぼ)るること無(な)きは、032全(まつた)く『誠(まこと)の力(ちから)は世(よ)を救(すく)ふ』の宣伝歌(せんでんか)の実証(じつしよう)なり。033その身魂(みたま)の偉大(ゐだい)にして無限(むげん)の力(ちから)あるときは、034心中(しんちう)一切(いつさい)の混濁(こんだく)溟濛(めいもう)なる貪瞋痴(どんしんち)の悪毒(あくどく)なければ、035悪心(あくしん)ここに消滅(せうめつ)して、036烈火(れつくわ)も亦(また)清涼(せいりやう)の風(かぜ)となるなり。
037 野立彦(のだちひこの)神(かみ)、038野立姫(のだちひめの)神(かみ)は、039さしも烈(はげ)しき噴火口(ふんくわこう)を、040初秋(しよしう)の涼風(りやうふう)に吹(ふ)かるるがごとき心地(ここち)して、041悠々(いういう)として根底(ねそこ)の国(くに)に赴(おもむ)かせ給(たま)ひぬ。042たとへば蚤(のみ)や、043蚊(か)や、044虱(しらみ)のごとき小虫(こむし)は、045『敷島(しきしま)』の煙草(たばこ)の吸殻(すひがら)にも、046その全身(ぜんしん)を焼(や)かれて、047苦悶(くもん)すと雖(いへど)も、048野良(のら)男(をとこ)は其(そ)の同(おな)じ煙草(たばこ)の吸殻(すひがら)を掌(てのひら)に載(の)せて継(つ)ぎ替(か)へながら、049手(て)の甲(かふ)の熱(あつ)さを少(すこ)しも感(かん)ぜざるが如(ごと)し。050三(さん)歳(さい)の童子(どうじ)に五貫目(ごくわんめ)の荷物(にもつ)を負(お)はしむれば、051非常(ひじやう)に苦(くる)しむと雖(いへど)も、052壮年(さうねん)の男子(だんし)は之(これ)を指先(ゆびさき)にて何(なん)の苦(く)もなく取扱(とりあつか)ふがごとく、053すべての辛苦(しんく)艱難(かんなん)なるものは、054自己(じこ)の身魂(みたま)の強弱(きやうじやく)に因(よ)るものなり。055罪(つみ)深(ふか)き人間(にんげん)の火中(くわちう)に投(とう)ずるや、056限(かぎ)りなき苦(くる)しみに悶(もだ)えながら、057その身(み)を毀(やぶ)り遂(つひ)には焼(や)かれて灰(はひ)となるに至(いた)る。058されど巨大(きよだい)なる動物(どうぶつ)ありて人(ひと)を焼(や)く可(べ)き其(そ)の火(ひ)も片足(かたあし)の爪(つめ)の端(さき)にて踏(ふ)み消(け)し、059何(なん)の感(かん)じも無(な)きがごとく、060神格(しんかく)偉大(ゐだい)にして、061神徳(しんとく)無辺(むへん)なる淤能碁呂(おのころ)島(じま)の御(ご)本体(ほんたい)ともいふべき野立彦(のだちひこの)神(かみ)、062野立姫(のだちひめの)神(かみ)においては、063我(わ)が身(み)の一端(いつたん)ともいふべき天教山(てんけうざん)の烈火(れつくわ)の中(なか)に投(とう)じ給(たま)ふは、064易々(いい)たるの業(わざ)なるべし。
065 智慧(ちゑ)暗(くら)く、066力(ちから)弱(よわ)き人間(にんげん)は、067どうしても偉大(ゐだい)なる神(かみ)の救(すく)ひを求(もと)めねば、068到底(たうてい)自力(じりき)を以(もつ)て吾(わ)が身(み)の犯(をか)せる身魂(みたま)の罪(つみ)を償(つぐな)ふことは不可能(ふかのう)なり。069故(ゆゑ)に人(ひと)は唯(ただ)、070神(かみ)を信(しん)じ、071神(かみ)に随(したが)ひ成可(なるべ)く善(ぜん)を行(おこな)ひ、072悪(あく)を退(しりぞ)け以(もつ)て天地(てんち)経綸(けいりん)の司宰者(しさいしや)たるべき本分(ほんぶん)を尽(つく)すべきなり。073西哲(せいてつ)の言(げん)にいふ、
074『神(かみ)は自(みづか)ら助(たす)くるものを助(たす)く』
075と。076然(しか)り。077されど蓋(そ)は有限(いうげん)的(てき)にして、078人間(にんげん)たるもの到底(たうてい)絶対(ぜつたい)的(てき)に身魂(みたま)の永遠(ゑいゑん)的(てき)幸福(かうふく)を生(う)み出(だ)すことは不可能(ふかのう)なり。079人(ひと)は一(ひと)つの善事(ぜんじ)を為(な)さむとすれば、080必(かなら)ずやそれに倍(ばい)するの悪事(あくじ)を不知(しらず)不識(しらず)為(な)しつつあるなり。081故(ゆゑ)に人生(じんせい)には絶対(ぜつたい)的(てき)の善(ぜん)も無(な)ければ、082また絶対(ぜつたい)的(てき)の悪(あく)も無(な)し。083善(ぜん)中(ちう)悪(あく)あり、084悪(あく)中(ちう)善(ぜん)あり、085水(すゐ)中(ちう)火(ひ)あり、086火(くわ)中(ちう)水(すゐ)あり、087陰(いん)中(ちう)陽(やう)あり、088陽(やう)中(ちう)陰(いん)あり、089陰陽(いんやう)善悪(ぜんあく)相(あひ)混(こん)じ、090美醜(びしう)明暗(めいあん)相交(あひまじ)はりて、091宇宙(うちう)の一切(いつさい)は完成(くわんせい)するものなり。092故(ゆゑ)に或(ある)一派(いつぱ)の宗派(しうは)の唱(とな)ふる如(ごと)き善悪(ぜんあく)の真(しん)の区別(くべつ)は、093人間(にんげん)は愚(おろか)、094神(かみ)と雖(いへど)も之(これ)を正確(せいかく)に判別(はんべつ)し給(たま)ふことは出来(でき)ざるべし。
095 如何(いかん)とならば神(かみ)は万物(ばんぶつ)を造(つく)り給(たま)ふに際(さい)し、096霊力体(れいりよくたい)の三大元(さんだいげん)を以(もつ)て之(これ)を創造(さうざう)し給(たま)ふ。097霊(れい)とは善(ぜん)にして、098体(たい)とは悪(あく)なり。099而(しか)して霊体(れいたい)より発生(はつせい)する力(ちから)は、100これ善悪(ぜんあく)混淆(こんかう)なり。101之(これ)を宇宙(うちう)の力(ちから)といひ、102又(また)は神力(しんりき)と称(しよう)し、103神(かみ)の威徳(みいづ)と云(い)ふ。104故(ゆゑ)に善悪(ぜんあく)不二(ふじ)にして、105美醜(びしう)一如(いちによ)たるは、106宇宙(うちう)の真相(しんさう)なり。
107 重(おも)く濁(にご)れるものは地(ち)となり、108軽(かる)く清(きよ)きものは天(てん)となる。109然(しか)るに大空(たいくう)のみにては、110一切(いつさい)の万物(ばんぶつ)発育(はついく)するの場所(ばしよ)なく、111また大地(だいち)のみにては、112正神(せいしん)の空気(くうき)を吸収(きふしう)すること能(あた)はず、113天地(てんち)合体(がつたい)、114陰陽(いんやう)相和(あひわ)して、115宇宙(うちう)一切(いつさい)は永遠(ゑいゑん)に保持(ほぢ)さるるなり。116また善悪(ぜんあく)は時(じ)、117所(しよ)、118位(ゐ)によりて善(ぜん)も悪(あく)となり、119悪(あく)もまた善(ぜん)となることあり。120実(じつ)に善悪(ぜんあく)の標準(へうじゆん)は複雑(ふくざつ)にして、121容易(ようい)に人心(じんしん)小智(せうち)の判知(はんち)すべき限(かぎ)りにあらず。122故(ゆゑ)に善悪(ぜんあく)の審判(しんぱん)は、123宇宙(うちう)の大元霊(だいげんれい)たる大神(おほかみ)のみ、124其(そ)の権限(けんげん)を有(いう)し給(たま)ひ、125吾人(ごじん)はすべての善悪(ぜんあく)を審判(しんぱん)するの資格(しかく)は絶対(ぜつたい)無(な)きものなり。
126 妄(みだり)に人(ひと)を審判(さばく)は、127大神(おほかみ)の職権(しよくけん)を侵(をか)すものにして、128僣越(せんえつ)の限(かぎ)りと言(い)ふべし。
129 唯々(ただただ)人(ひと)は吾(わ)が身(み)の悪(あく)を改(あらた)め、130善(ぜん)に遷(うつ)ることのみを考(かんが)へ、131決(けつ)して他人(たにん)の審判(さばき)を為(な)す可(べ)き資格(しかく)の無(な)きものなることを考(かんが)ふべきなり。
132 吾(われ)を愛(あい)するもの必(かなら)ずしも善人(ぜんにん)に非(あら)ず、133吾(われ)を苦(くる)しむるもの必(かなら)ずしも悪人(あくにん)ならずとせば、134唯々(ただただ)吾人(ごじん)は、135善悪(ぜんあく)愛憎(あいぞう)の外(ほか)に超然(てうぜん)として、136惟神(かむながら)の道(みち)を遵奉(じゆんぽう)するより外(ほか)無(な)しと知(し)るべし。
137 アヽ惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)。
138 録者(ろくしや)いはく、139『虚偽(きよぎ)と虚飾(きよしよく)の生活(せいかつ)に囚(とら)はれたる現代(げんだい)人士(じんし)は、140此(こ)の一節(いつせつ)に躓(つまづ)くの虞(おそれ)あれば特(とく)に熟読(じゆくどく)玩味(ぐわんみ)することを要(えう)す』
141(大正一一・一・二〇 旧大正一〇・一二・二三 外山豊二録)
142(第一三章~第二〇章 昭和一〇・二・九 於那智丸船中 王仁校正)
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