霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四〇章 琴平橋(ことひらばし)〔二九〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第6巻 霊主体従 巳の巻 篇:第7篇 黄金の玉 よみ(新仮名遣い):おうごんのたま
章:第40章 琴平橋 よみ(新仮名遣い):ことひらばし 通し章番号:290
口述日:1922(大正11)年01月23日(旧12月26日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年5月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
人馬の音騒がしく、ついにウラル彦が青雲山に現れた。そして四恩郷に入ると、酋長を呼びつけた。
ウラル彦の部下・猛将の鬼掴は居丈高となり、期日になっても四恩河に橋が架けられていないことを酋長に詰問した。
酋長は畏れにぶるぶると震えていたが、そこへどこからともなく人夫の戊が現れて、滑稽な歌を歌うと、鬼掴をはじめウラル軍は笑い出し、一緒に踊り出した。
戊が一同を案内すると、不思議にも四恩河には立派な広い橋がちゃんと架けられていた。
ウラル彦は機嫌を直して橋を渡り始めたが、一隊が全部橋の上に乗ったと見ると、突然橋は音を立てて崩れ落ち、皆河の中に落ちて流されてしまった。不思議にも、ウラル彦一隊が流されてしまうと、また元の立派な橋が河に架かった。
青雲山からは、黄金の玉を黄金山に遷座するために、吾妻彦らの一隊が下ってきて、この橋を無事に渡った。ふと後を振り返ると、橋は跡形もなく、巨大な亀が幾百となく甲を並べて浮かんでいた。
これはまさしく琴平別神の化身であり、黄金の玉を守護する活動であったのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2017-04-02 03:12:31 文字数:1693 OBC :rm0640
愛善世界社版:243頁 八幡書店版:第1輯 713頁 修補版: 校定版:243頁 普及版:102頁 初版: ページ備考:
001 人馬(じんば)の物音(ものおと)騒(さわ)がしく、002旗指物(はたさしもの)を押立(おした)てて、003馬(うま)にまたがり数多(あまた)の戦士(つはもの)引率(ひきつ)れ乍(なが)ら、004四恩河(しおんがは)の袂(たもと)に押(お)し寄(よ)せきたる者(もの)あり。005是(これ)は外(ほか)でも無(な)くアーメニヤの神都(しんと)に勢望(せいばう)高(たか)きウラル彦(ひこ)を初(はじ)め、006鬼掴(おにつかみ)その他(た)の猛将(まうしやう)勇卒(ゆうそつ)なりける。
007 たちまち橋梁(けうりやう)の無(な)きに驚(おどろ)き、008大音声(だいおんじやう)に架橋(かけう)に従事(じうじ)する人夫(にんぷ)に向(むか)つて、
009『酋長(しうちやう)を呼(よ)べ』
010と厳命(げんめい)したるに、011一同(いちどう)は驚(おどろ)き平伏(へいふく)したりしが、012その中(なか)の一(いち)人(にん)は立上(たちあが)り、
013『ハイハイ、014只今(ただいま)酋長(しうちやう)を呼(よ)ンで参(まゐ)ります』
015と言(い)つて、016小走(こばし)りに森林(しんりん)の中(なか)に姿(すがた)を隠(かく)しける。
017 ウラル彦(ひこ)の一行(いつかう)は、018ここに武装(ぶさう)を解(と)き、019携(たづさ)へ来(きた)れる酒(さけ)や兵糧(ひやうらう)を出(だ)して呑(の)み喰(くら)ひ、020つひには、
021『呑(の)めよ騒(さわ)げよ一寸先(いつすんさき)は暗(やみ)よ』
022と唄(うた)ひ始(はじ)めたるが、023そこへ酋長(しうちやう)の寅若(とらわか)が二三(にさん)の部下(てした)を伴(つ)れ、024揉手(もみで)し乍(なが)ら出(い)で来(き)たり、025ウラル彦(ひこ)の前(まへ)に恐(おそ)るおそる現(あら)はれ、
026『何(なに)御用(ごよう)でございますか』
027と跪(ひざまづ)いて、028叮嚀(ていねい)に尋(たづ)ぬる。
029 この時(とき)鬼掴(おにつかみ)は、030居丈高(ゐたけだか)になり酔(ゑい)の廻(まは)つた銅羅声(どらごゑ)を上(あ)げながら、
031『勿体(もつたい)なくもアーメニヤの神都(しんと)に、032御(ご)威勢(ゐせい)は日月(じつげつ)のごとく輝(かがや)き渡(わた)り、033名声(めいせい)は雷(らい)のごとく轟(とどろ)き給(たま)ふウラル彦様(ひこさま)の御(ご)通過(つうくわ)あるは、034前(まへ)以(もつ)て知(し)らせ置(お)いた筈(はず)である。035然(しか)るに其(その)方(はう)どもは、036何(なに)を愚図(ぐづ)々々(ぐづ)いたして居(ゐ)るか。037このざまは何(なん)だ。038今日中(けふぢう)にこの橋(はし)を架(か)け渡(わた)さばよし、039渡(わた)さぬにおいては、040汝(なんぢ)を初(はじ)め四恩郷(しおんきやう)の奴(やつ)らは、041残(のこ)らず八裂(やつざき)に裂(さ)き千切(ちぎ)つて、042この河(かは)に流(なが)してやるぞ。043返答(へんたふ)はどうだ』
044と眼(め)を怒(いか)らして怒鳴(どな)りつける。
045 酋長(しうちやう)寅若(とらわか)は、046猫(ねこ)の前(まへ)の鼠(ねずみ)のやうに縮(ちぢ)み上(あが)りブルブルと慄(ふる)うて一言(いちごん)も発(はつ)し得(え)ず、047顔(かほ)を蒼白(まつさお)にして俯向(うつむ)きゐる。
048 この時(とき)戊(ぼう)は、049忽然(こつぜん)として現(あら)はれ、
050『オツと待(ま)つた。051怒(おこ)るな、052焦(あせ)るな、053目(め)を剥(む)くな鬼掴(おにつかみ)。054細工(さいく)は流々(りうりう)仕上(しあ)げを見(み)てから小言(こごと)を云(い)うたり云(い)うたり。055夫(そ)れより美味(うま)い酒(さけ)を呑(の)んで踊(をど)れよ踊(をど)れ、056踊(をど)らな損(そん)ぢや。
057とかく浮世(うきよ)は色(いろ)と酒(さけ)
058酒(さけ)はこの世(よ)の生命(いのち)ぢやぞ
059酒(さけ)なくて何(なん)の己(おのれ)が桜(さくら)かなだ
060ウラルの彦(ひこ)の司(かみ)とやら
061苦(にが)い顔(かほ)して怒(おこ)るよな
062そんな酒(さけ)なら止(よ)すがよい
063呑(の)んで列(なら)べた瓢箪(へうたん)の
064蒼(あお)い顔(かほ)して沈(しづ)むより
065四恩(しおん)の河(かは)の水(みづ)呑(の)んで
066沈(しづ)んだ方(はう)が面白(おもしろ)い
067浮(う)けよ浮(う)け浮(う)け酒(さけ)呑(の)んで
068四恩(しおん)の河(かは)へ落(おと)されて
069浮(う)けよ浮(う)け浮(う)けしまひにや沈(しづ)め
070沈(しづ)んで死(し)んだら土左衛門(どざゑもん)
071どんなお亀(かめ)もひよつとこも
072女(をんな)が死(し)んだら皆(みな)美人(びじん)
073貴様(きさま)が死(し)んだら土左衛門(どざゑもん)
074どつこいしよのどつこいしよ
075どつこい滑(すべ)つて河底(かはぞこ)へ
076ぶくぶく流(なが)れて青雲山(せいうんざん)の
077黄金(こがね)の宮(みや)をば眺(なが)めて泣(な)いて
078玉(たま)は欲(ほ)しいが生命(いのち)も惜(を)しい
079生命(いのち)知(し)らずのアーメニヤ
080ウラルの神(かみ)の浅猿(あさま)しさ
081浅(あさ)い知慧(ちゑ)をば絞(しぼ)り出(だ)し
082深(ふか)い仕組(しぐみ)を四恩(しおん)の河(かは)の
083蒼(あを)い淵(ふち)へと身(み)を投(な)げに
084うかうか渡(わた)るな四恩橋(しおんばし)
085どつこいしよの、どつこいしよ』
086と唄(うた)ひ、087かつ踊(をど)り狂(くる)ふ。
088 鬼掴(おにつかみ)は初(はじめ)の間(うち)は、089顔色(がんしよく)烈火(れつくわ)のごとく憤懣(ふんまん)の色(いろ)を表(あら)はし、090鼻息(はないき)荒(あら)く今(いま)にも掴(つか)み掛(かか)つて取(と)り挫(ひし)がむず勢(いきほひ)であつたが、091何(ど)うしたものか、092俄(にはか)に菎蒻(こんにやく)か蛸(たこ)のやうに軟(やは)らかくなつてしまひ、093大口(おほぐち)を開(あ)けて、
094鬼掴(おにつかみ)『アハハハハハハ』
095と笑(わら)ひ出(だ)し、096へべれけに酔(よ)ひ潰(つぶ)れた数多(あまた)の戦士(いくさびと)は、097参謀長(さんぼうちやう)の鬼掴(おにつかみ)の笑(わら)ふのを見(み)て、098何(いづ)れも一斉(いつせい)にどつと声(こゑ)を上(あ)げて笑(わら)ひ狂(くる)ひ、099前後(ぜんご)も知(し)らずに踊(をど)り出(だ)したり。
100 不思議(ふしぎ)や、101何時(いつ)の間(ま)にか四恩(しおん)の河(かは)には、102立派(りつぱ)な広(ひろ)き新(あたら)しき長(なが)き橋(はし)が架(かか)つてゐたれば、103一同(いちどう)はいよいよ茲(ここ)に戎衣(じうい)を着(ちやく)し、104青雲山(せいうんざん)に向(むか)つて前進(ぜんしん)する事(こと)となりける。
105 ウラル彦(ひこ)はたちまち機嫌(きげん)を直(なほ)し、106酋長(しうちやう)に向(むか)ひいろいろの褒美(ほうび)を与(あた)へ、107隊伍(たいご)を整(ととの)へ堂々(だうだう)と橋(はし)を渡(わた)りはじめたり。108先鋒隊(せんぽうたい)が橋(はし)の先端(むかふはな)に着(つ)いた頃(ころ)は、109その一隊(いつたい)は全部(ぜんぶ)橋(はし)の上(うへ)に乗(の)りけるが、110この時(とき)めきめきと怪(あや)しい音(おと)するよと見(み)る間(ま)に、111橋(はし)は落(お)ち濁流(だくりう)漲(みなぎ)る河中(かはなか)へ甲冑(かつちう)のまま、112人馬(じんば)共(とも)に一人(ひとり)も残(のこ)らず落(お)ちこんでしまひ、113ウラル彦(ひこ)を初(はじ)め一同(いちどう)は浮(う)きつ沈(しづ)みつ押(お)し流(なが)されて行(ゆ)く。114間(ま)もなく、115又(また)もや立派(りつぱ)な橋(はし)が架(か)けられたり。
116 前方(ぜんぱう)よりは高彦(たかひこの)天使(かみ)を先頭(せんとう)に、117吾妻彦(あづまひこ)[※校正本では「吾妻別」]、118玉守彦(たまもりひこ)、119雲別(くもわけ)は、120数多(あまた)の戦士(つはもの)を随(した)がへ黄金(こがね)の御輿(みこし)を守(まも)り、121黄金(こがね)の玉(たま)を納(をさ)めて之(これ)を担(かつ)がせながら、122悠々(いういう)として進(すす)みきたり難(なん)なくこの橋(はし)を渡(わた)り了(を)へ、123後振(あとふ)り返(かへ)り見(み)れば、124今(いま)渡(わた)りし橋(はし)は跡形(あとかた)も無(な)く、125巨大(きよだい)なる亀(かめ)幾百(いくひやく)ともなく、126甲(かふ)を列(なら)べて浮(うか)びゐたりける。
127 頓(やが)てその亀(かめ)も水中(すゐちう)に姿(すがた)を隠(かく)しけるが、128これぞ正(まさ)しく琴平別(ことひらわけの)神(かみ)の化身(けしん)にして、129黄金(こがね)の玉(たま)を守護(しゆご)するための活動(くわつどう)なりしなり。
130(大正一一・一・二三 旧大正一〇・一二・二六 外山豊二録)
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