霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。実験用サイトサブスク
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第八章 蚯蚓(みみず)(ささやき)〔六一九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第17巻 如意宝珠 辰の巻 篇:第2篇 千態万様 よみ(新仮名遣い):せんたいばんよう
章:第8章 蚯蚓の囁 よみ(新仮名遣い):みみずのささやき 通し章番号:619
口述日:1922(大正11)年04月22日(旧03月26日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年1月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
正月二十七日の進撃の前、三軍の将に任命された夏彦、常彦、岩高、菊若は、出発に先立って、大将の黒姫への不平不満談に花を咲かせている。
曰く、黒姫の言行一致が最近怪しくなってきた、というのである。そこへ黒姫が現れて、四人の言行を非難し、説教を始めた。
そして出陣したが、青彦、加米彦にさんざんに敗北したのは、先に述べたとおりである。
黒姫の幹部であった夏彦、常彦、岩高、菊若は、黒姫・高山彦結婚の一件以来統一を欠き、三五教に心を移しつつあった。真名井ケ原攻撃の際も、この四人がわざと敗走したところも大いにあったのである。
人心を収攬するためには、ウラナイ教のように権謀術数・巧言令色では行かないのである。
三五教はただ至誠至実をもって神業に奉仕し、ミロクの精神を惟神的に発揮するのみである。そうすれば人心は期せずして三五教に集まり、何時とはなしに天下の大勢力となる。
黒姫は、青彦に懸想しているお節をまず篭絡し、お節を介して青彦をウラナイ教に引き戻そうと画策していた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-02-14 00:31:38 OBC :rm1708
愛善世界社版:125頁 八幡書店版:第3輯 569頁 修補版: 校定版:131頁 普及版:53頁 初版: ページ備考:
001 黒姫(くろひめ)002高山彦(たかやまひこ)発議(はつぎ)により、003(いよいよ)真名井(まなゐ)(はら)(みづ)宝座(ほうざ)蹂躙(じうりん)し、004あはよくば占領(せんりやう)せむとの計画(けいくわく)(さだ)まつた。005黒姫(くろひめ)夫婦(ふうふ)婚礼(こんれい)後片付(あとかたづけ)忙殺(ぼうさつ)(きは)めて()る。006三軍(さんぐん)(しやう)(きま)つた夏彦(なつひこ)007常彦(つねひこ)008岩高(いはたか)009菊若(きくわか)()(にん)入口(いりぐち)()胡坐(あぐら)をかき、010出発(しゆつぱつ)(さき)だち種々(いろいろ)不平談(ふへいだん)(はな)()かし()たりける。
011常彦(つねひこ)人間(にんげん)()ふものは身勝手(みがつて)のものぢやないか、012石部(いしべ)金吉(きんきち)金兜(かなかぶと)()しても()いても(この)信仰(しんかう)(うご)かぬ、013神政(しんせい)成就(じやうじゆ)する(まで)(をとこ)のやうなものは(そば)へも()せぬ、014三十珊(さんじふサンチ)大砲(たいはう)(をとこ)()(をとこ)片端(かたつぱし)から肱鉄砲(ひぢでつぱう)()はすのだ、015(まへ)(たち)神政(しんせい)成就(じやうじゆ)(まで)(わか)いと()うても(けつ)して(をんな)などに()()れてはならぬぞ、016(わか)(もの)(をんな)()()れるやうな(こと)では神界(しんかい)経綸(しぐみ)成就(じやうじゆ)せぬと、017()けても()れても口癖(くちぐせ)のやうに、018(なが)煙管(きせる)をポンと(たた)いて皺苦茶(しわくちや)(づら)をして、019(きび)しいお説教(せつけう)(はじ)めて御座(ござ)つたが、020昨夜(ゆうべ)(ざま)つたら()られたものぢやない、021雪達磨(ゆきだるま)がお天道(てんだう)(さま)(ひかり)()けたやうに、022相好(さうがう)(くづ)しよつて、023「モシ高山彦(たかやまひこ)(わが)夫様(つまさま)」ナンテ、024団栗眼(どんぐりまなこ)(ほそ)うしよつて(なに)(ぬか)しよつたやら、025(わけ)(わか)つたものぢやない、026(おれ)やもう(いや)になつて仕舞(しま)つたワ』
027岩高(いはたか)(きま)つた(こと)ぢや、028(をんな)(をとこ)はつきものだ。029茶碗(ちやわん)(はし)030(のみ)(つち)031(きね)(うす)032(なん)()つたつて(この)()(なか)男女(だんぢよ)(そろ)はねば物事(ものごと)成就(じやうじゆ)せぬのだ、033二本(にほん)()二本(にほん)(あし)とがあつて人間(にんげん)自由(じいう)自在(じざい)(はたら)けるやうなものだ、034三十(さんじふ)後家(ごけ)()つても四十(しじふ)後家(ごけ)()たぬと()(こと)があるぢやないか』
035常彦(つねひこ)四十(しじふ)後家(ごけ)なら仕方(しかた)()いが彼奴(あいつ)五十(ごじふ)後家(ごけ)ぢやないか、036コレコレ(つね)さま、037(まへ)因縁(いんねん)身霊(みたま)ぢやによつて、038()うしても三十(さんじふ)になるまで女房(にようばう)()つてはいけませぬぞえ、039人間(にんげん)三十(さんじふ)にして()つと()(こと)があるなぞと()よるが、040(この)時節(じせつ)三十(さんじふ)にして()(やつ)(ろく)なものぢやない、041(おれ)()(すで)(すで)十六七(じふろくしち)から()つて()るのぢや、042(いま)(おも)うと()つものは(はら)ばかりぢや』
043夏彦(なつひこ)貴様(きさま)()(なに)(くだ)らぬ(こと)()うて()るのだ、044高姫(たかひめ)さまだつて(あま)(おほ)きな(こゑ)では()はれぬが、045何々(なになに)何々(なになに)し、046(また)○○(まるまる)○○(まるまる)し、047(それ)(それ)(くち)でこそ立派(りつぱ)道心(だうしん)堅固(けんご)のやうに()うて()るが、048(くち)(こころ)(おこな)ひの(そろ)つた(やつ)はウラナイ(けう)には一匹(いつぴき)もありやしないワ、049(おれ)魔我彦(まがひこ)や、050蠑螈別(いもりわけ)高姫(たかひめ)(かぎ)つてソンナ(こと)はあるまい、051言行心(げんかうしん)一致(いつち)だと(はじめ)(ほど)(しん)じて()たが、052()(ごろ)()うやら(あや)しくなつて()たやうだ、053本当(ほんたう)気張(きば)(せい)()くなつて(しま)つた。054今迄(いままで)(ふた)()には黒姫(くろひめ)(やつ)055夏彦(なつひこ)()うせう、056常彦(つねひこ)()うせう、057岩高(いはたか)058菊若(きくわか)059()うしたら()からうかなアと(ぬか)しよつて、060(いち)から(じふ)(まで)061ピンからキリ(まで)相談(さうだん)をかけたものだが、062昨日(きのふ)から天候(てんこう)激変(げきへん)063ケロリと吾々(われわれ)念頭(ねんとう)から磨滅(まめつ)しよつて、064(はし)()けた(こと)まで、065ナアもし高山(たかやま)さま、066これもしこちの(ひと)067()うしませう、068()うした(はう)宜敷(よろし)くは御座(ござ)いますまいかと、069皺面(しわづら)にペツタリコと(しろ)いものをつけよつて、070田螺(たにし)のやうな()()()し、071(さけ)(ばか)(くら)ひよつて、072(おれ)(たち)には(ひと)()めとも()ひよりやせむ、073かう天候(てんこう)激変(げきへん)すると何時(いつ)(おれ)(たち)(あたま)(うへ)雷鳴(らいめい)(とどろ)き、074暴風(ばうふう)襲来(しふらい)するか(わか)つたものぢやない、075(おれ)はホトホトウラナイ(けう)真相(しんさう)(わか)つて愛想(あいさう)()きたよ。076今更(いまさら)三五教(あななひけう)入信(はいら)うと()つた(ところ)で、077(ちから)(いつ)ぱい高姫(たかひめ)黒姫(くろひめ)言葉(ことば)(しり)について、078素盞嗚(すさのをの)(みこと)悪口(あくこう)雑言(ざふごん)をふれ(まは)して()たものだから、079どうせ三五教(あななひけう)連中(れんちう)(みみ)(はい)つて()るに(ちが)ひない、080さうすれば三五教(あななひけう)入信(はい)(わけ)にも()かず、081ウラナイ(けう)()ても面白(おもしろ)くはなし、082厄介者(やつかいもの)(あつかひ)のやうな態度(たいど)()せられ、083(くる)しい(はう)(ばか)(まは)されて本当(ほんたう)珠算盤(そろばん)があはぬぢやないか、084何時迄(いつまで)もコンナ(こと)をして()ると身魂(みたま)身代限(しんだいかぎり)をしなくてはならぬやうになつて(しま)ふ、085(いま)(うち)各自(めいめい)身魂(みたま)土台(どだい)(しつか)(かた)めて()かうではないか。086よい(ほど)()使(つか)はれて肝腎(かんじん)(とき)になつてから、087(まへ)()うしても改心(かいしん)出来(でき)ぬ、088身魂(みたま)因縁(いんねん)(わる)いナンテ勝手(かつて)理屈(りくつ)()つてお(はら)(ばこ)にせられては(つま)らぬぢやないか』
089常彦(つねひこ)『それやさうだ。090高姫(たかひめ)変性(へんじやう)男子(なんし)系統(ひつぱう)ぢやと()いた(ばか)りに、091変性(へんじやう)女子(によし)身魂(みたま)より余程(よほど)立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)だと(おも)うて今迄(いままで)ついて()たのだ。092(しか)()出神(でのかみ)もよい加減(かげん)なものだ。093各自(めいめい)ウラナイ(けう)脱退(だつたい)覚悟(かくご)をしやうではないか』
094菊若(きくわか)『オイ、095ソンナ(おほ)きな(こゑ)()うと(おく)(きこ)えるぞ、096(しづか)にせぬかい』
097夏彦(なつひこ)『ナニ、098今日(けふ)何程(なにほど)(おほ)きな(こゑ)()つたところで(おれ)(たち)(こゑ)黒姫(くろひめ)(みみ)(はい)るものか、099(みみ)(はい)るものは高山彦(たかやまひこ)(こゑ)(ばか)りだ、100(おれ)(たち)(こゑ)(みみ)(はい)(ほど)注意(ちうい)(はら)つて()れる(ほど)親切(しんせつ)があるなら、101もとよりコンナ問題(もんだい)提起(ていき)しないのぢや、102乞食(こじき)(しらみ)ぢやないが(くち)(さき)(おれ)(たち)(うま)(ころ)しよつて、103今迄(いままで)(うま)使(つか)つて()たのだ、104随分(ずゐぶん)()()つたと()え、105()れて松葉(まつば)二人(ふたり)(づれ)106(しらみ)(たまご)ぢやないが彼奴(あいつ)()ンでも(はな)れつこは()いぞ、107アハヽヽヽ』
108岩高(いはたか)(しか)し、109そろそろ真名井(まなゐ)(だけ)出発(しゆつぱつ)時刻(じこく)(ちか)よつて()たが、110(まへ)(たち)出陣(しゆつじん)する(かんが)へか』
111夏彦(なつひこ)(いや)()つたつて仕方(しかた)()いぢやないか、112ウラナイ(けう)()以上(いじやう)(いや)でも(おう)でも出陣(しゆつじん)せねばなるまい、113(しか)しながら()つから()つから気乗(きのり)がしなくなつて()た、114仕方(しかた)()いから形式的(おじやうもく)出陣(しゆつぢん)し、115(わざ)三五教(あななひけう)()けて()げてやらうぢやないか、116さうすれば黒姫(くろひめ)(まを)すに(およ)ばず、117高姫(たかひめ)もちつとは(むね)()()てて(かんが)へるだらう、118高山彦(たかやまひこ)だつて愛想(あいさう)をつかして黒姫(くろひめ)()てて()ぬかも()れぬぞ。119(いま)こそ花婿(はなむこ)()たのだと(おも)つて上品(じやうひん)ぶつて、120(おほ)きな鰐口(わにぐち)無理(むり)におちよぼ(ぐち)をしやがつて、121高尚(かうしやう)らしく()せて()るが、122(しばら)くすると地金(ぢがね)()して、123(また)(をんな)だてら大勢(おほぜい)(なか)で、124サイダーやビールの喇叭飲(らつぱの)みをやらかすやうになるのは(きま)つてゐる。125鍍金(めつき)した金属(きんぞく)何時迄(いつまで)()げぬ道理(だうり)はない、126(おれ)(たち)もウラナイ(けう)信者(しんじや)()鍍金(めつき)今迄(いままで)()つて()たが、127もう(たま)らなくなつて、128そろそろ()げかけたぢやないか、129アハヽヽヽ』
130 (かか)(ところ)虎若(とらわか)富彦(とみひこ)両人(りやうにん)(あら)はれ(きた)り、
131(とら)132(とみ)『ヤア四天王(してんわう)大将(たいしやう)(がた)133高山彦(たかやまひこ)134黒姫(くろひめ)(さま)()命令(めいれい)御座(ござ)る、135(いち)()(はや)真名井(まなゐ)(はら)(むか)つて出陣(しゆつじん)用意(ようい)めされ』
136()()てて(この)()(いそ)()()りにけり。
137夏彦(なつひこ)『エヽ(なん)だ、138馬鹿(ばか)にしてゐる。139昨日(きのふ)()(ばか)りの虎若(とらわか)140富彦(とみひこ)使(つか)つて吾々(われわれ)命令(めいれい)(つた)へるナンテ、141あまり吾々(われわれ)軽蔑(けいべつ)()ぎて()るぢやないか、142如何(いか)()()つた高山彦(たかやまひこ)()れて()家来(けらい)ぢやと()つて、143古参者(こさんしや)吾々(われわれ)()つて()勝手(かつて)新参者(しんざんもの)命令(めいれい)(くだ)し、144吾々(われわれ)一段下(いちだんした)(おろ)しよつたな、145これだから()加減(かげん)見切(みき)らねばならぬと()ふのだよ』
146常彦(つねひこ)『アヽ、147仕方(しかた)がない、148()(かく)形式(けいしき)なりと出陣(しゆつぢん)する(こと)にしやうかい』
149 黒姫(くろひめ)突然(とつぜん)(この)()(あら)はれて、
150黒姫『これこれ夏彦(なつひこ)151常彦(つねひこ)152(まへ)(いま)(なに)()つてゐらしたの』
153常彦(つねひこ)『ハイ、154真名井(まなゐ)(だけ)出陣(しゆつぢん)用意(ようい)をしやうと(まをし)()りました』
155黒姫(くろひめ)『それは()苦労(くらう)ぢやつたが、156(その)(つぎ)()かして(くだ)さい、157(その)(つぎ)(なん)(おつしや)つた』
158常彦(つねひこ)『ハイハイ、159(つぎ)矢張(やはり)(その)(つぎ)御座(ござ)いますナ』
160黒姫(くろひめ)(てん)(くち)あり、161(かべ)(みみ)()(こと)をお(まへ)(たち)()らぬか、162最前(さいぜん)から()(にん)(はなし)(はじ)めから(しまひ)(まで)163(つぎ)()(かく)れて()いて()りました。164随分(ずゐぶん)高山(たかやま)さまや黒姫(くろひめ)(こと)()めて(くだ)さつたな』
165 ()(にん)(いち)()(あたま)()いて、
166四人『イヤ(なに)滅相(めつさう)御座(ござ)いませぬ、167つい(さけ)()うて(くち)(すべ)りました、168どうぞ神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)見直(みなほ)()(なほ)して(くだ)さいませ』
169黒姫『お(まへ)()うたと()ふが、170何時(いつ)(さけ)()みたのだい』
171夏彦(なつひこ)『ハイ、172(さけ)()みたのは貴女(あなた)高山(たかやま)さまと祝言(しうげん)(さかづき)をなされました(とき)……ぢやから(その)(ため)(ゑい)(まは)つてつい脱線(だつせん)(いた)しました』
173黒姫(くろひめ)馬鹿(ばか)(こと)()ひなさるな、174(さけ)()まぬに(ゑい)(まは)り、175管捲(くだま)(やつ)何処(どこ)にあるものか、176それやお(まへ)(たち)177本真剣(ほんしんけん)()つたのだらう、178サアサアウラナイ(けう)はお(まへ)さま(たち)のやうな没分暁漢(わからずや)()(もら)へば邪魔(じやま)になる、179サアサア今日(けふ)(かぎ)何処(どこ)へなりと()つて(くだ)さい。180エイエイ、181(まへ)(たち)しやつ(つら)()るのも(けが)らはしい』
182夏彦(なつひこ)『そらさうでせう、183()きな(かほ)()(まへ)にちらついて()たものだから、184吾々(われわれ)しやつ(つら)()るのも(いや)になりましただらう』
185黒姫(くろひめ)『エヽ()らぬ(こと)()ひなさるな、186サアとつとと()んだり()んだり、187ウラナイ(けう)では(ひま)()され、188三五教(あななひけう)では肱鉄(ひぢてつ)()はされ、189野良犬(のらいぬ)のやうに彼方(あつち)にうろうろ、190此方(こつち)にうろうろ、191(しまひ)には棍棒(こんぼう)(あたま)(ひと)つも(くら)はされて、192キヤンキヤンと()うて(また)(もと)のウラナイ(けう)()()つて(かへ)つて()ねばならぬやうにならねばならぬ(こと)()()いて()るわ、193ウラナイ(けう)太元(おほもと)大橋(おほはし)()えてまだ(さき)行方(ゆくへ)(わか)らず後戻(あともど)り、194慢心(まんしん)すると(その)(とほ)り、195白米(しらが)(もみ)(まじ)つたやうに、196謝罪(あやま)つて(かへ)つて()ても(すみ)(はう)(ちひ)さくなつて()るのを()るのが()(どく)ぢや、197(いま)(うち)改心(かいしん)をしてこの黒姫(くろひめ)()(こと)()きなされ、198黒姫(くろひめ)(くち)でかう(きび)しく()つても、199(こころ)(なか)は、200(はな)()もある誠一途(まこといちづ)情深(なさけぶか)性来(しやうらい)ぢや、201(まこと)生粋(きつすゐ)水晶玉(すいしやうだま)()()きの日本(やまと)(だましひ)持主(もちぬし)ぢやぞえ、202サアどうぢや、203(しつか)返答(へんたふ)しなさい、204夏彦(なつひこ)昨夜(ゆうべ)(うた)(なん)ぢや、205目出度(めでた)(とき)だと(おも)うて辛抱(しんばう)して()れば()()になつて悪口(わるくち)たらだら、206大抵(たいてい)(もの)だつたらあの(とき)(つま)()して仕舞(しま)ふのぢやけれど、207(かみ)(さま)のお(みち)(まこと)(おく)(さと)つた(この)黒姫(くろひめ)は、208(こころ)(ひろ)いから(まつ)()(かぜ)()(なが)して(ゆる)して()たのだ、209それに(また)もや()(にん)大将株(たいしやうかぶ)(つばめ)親方(おやかた)のやうに()らぬ(もの)半分(はんぶん)()らぬ(くせ)(なに)()ふのだい。210(まへ)(たち)(まこと)(かみ)大御心(おほみこころ)(わか)つて(たま)るものか、211()らにや()らぬで黙言(だま)つて()なさい』
212夏彦(なつひこ)『ハイハイ、213(まこと)申訳(まをしわけ)がありませぬ、214何卒(どうぞ)今度(こんど)(かぎ)見直(みなほ)()(なほ)して(くだ)さいませ』
215黒姫(くろひめ)(この)(たび)(かぎ)つて(ゆる)して()く、216(この)()(おい)て、217一口(ひとくち)でも半口(はんくち)でも、218高山(たかやま)さまや黒姫(くろひめ)(こと)()はうものなら、219(それ)こそ(たた)(ばらひ)にするからさう(おも)ひなさい、220サアサア常彦(つねひこ)221菊若(きくわか)222岩高(いはたか)(いよいよ)出陣(しゆつぢん)用意(ようい)だ、223高山彦(たかやまひこ)(おん)大将(たいしやう)はもはや出陣(しゆつぢん)準備(じゆんび)(ととの)うたぞへ』
224 ()(にん)一度(いちど)に、
225四人『ハイ(たしか)承知(しようち)(つかまつ)りました』
226 (ここ)黒姫(くろひめ)227高山彦(たかやまひこ)一族(いちぞく)郎党(らうたう)(あつ)め、228旗鼓(きこ)堂々(だうだう)真名井(まなゐ)(はら)(むか)つて進撃(しんげき)したが、229加米彦(かめひこ)230青彦(あをひこ)言霊(ことたま)(もろ)くも()(やぶ)られ、231蜘蛛(くも)()()らすが(ごと)四方(しはう)散乱(さんらん)したりけり。
232 ウラナイ(けう)鍵鑰(けんやく)(にぎ)つて()黒姫(くろひめ)部下(ぶか)四天王(してんわう)(たの)みたる夏彦(なつひこ)233岩高(いはたか)234菊若(きくわか)235常彦(つねひこ)閣僚(かくれう)黒姫(くろひめ)結婚(けつこん)以来(いらい)上下(じやうげ)統一(とういつ)()ぎ、236自然(しぜん)三五教(あななひけう)(むか)つて(その)思想(しさう)暗遷(あんせん)黙移(もくい)しつつありき。237()()め、238折角(せつかく)真名井(まなゐ)(はら)攻撃(こうげき)味方(みかた)四天王(してんわう)より故意(わざ)崩解(ほうかい)し、239黒姫(くろひめ)神力(しんりき)()めたる神算(しんさん)鬼謀(きぼう)作戦(さくせん)計画(けいくわく)(ほとん)画餅(ぐわべい)()(をは)りたるなりき。240嗚呼(ああ)人心(じんしん)収攪(しうらん)せむとするの(かた)き、241到底(たうてい)巧言(こうげん)令色(れいしよく)権謀(けんぼう)術数(じゆつすう)(とう)虚偽(きよぎ)行動(かうどう)をもつて左右(さいう)すべからざるを()るに()る。242(これ)(はん)して三五教(あななひけう)(ひと)つの包蔵(はうざう)もなく手段(しゆだん)もなく、243唯々(ただただ)至誠(しせい)至実(しじつ)をもつて神業(しんげふ)奉仕(ほうし)し、244ミロクの精神(せいしん)惟神(かむながら)(てき)発揮(はつき)するのみ。245されば人心(じんしん)()せずして三五教(あななひけう)(あつ)まり、246()()(その)(かず)増加(ぞうか)し、247何時(いつ)とはなしに天下(てんか)大勢力(だいせいりよく)となりぬ。248ウラナイ(けう)(ひろ)大八洲(おほやしま)(くに)(おい)直接(ちよくせつ)信徒(しんと)(あつ)めたるもの(ただ)一人(ひとり)もなく、249唯々(ただただ)三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)したる未熟(みじゆく)信者(しんじや)(たい)し、250巧言(こうげん)令色(れいしよく)をもつて誘引(いういん)し、251()変性(へんじやう)男子(なんし)系統(けいとう)より()でたる高姫(たかひめ)唯一(ゆゐいつ)看板(かんばん)となし()(あざむ)くのみにして、252根底(こんてい)(よわ)(こと)253砂上(さじやう)()てたる楼閣(ろうかく)(ごと)く、254(その)剥脱(はくだつ)(やす)(こと)炭団(たどん)()せたる金箔(きんぱく)(ごと)く、255豆腐(とうふ)(ごと)く、256(ひと)つの(かなめ)もなく(ただ)(べん)(まか)表面(へうめん)糊塗(こと)するのみ、257(その)()(ところ)(あたか)売薬屋(ばいやくや)効能書(かうのうがき)(ごと)く、258()のみあつて(その)(じつ)なく、259有名(いうめい)無実(むじつ)260有害(いうがい)無益(むえき)贅物(ぜいぶつ)とは、261所謂(いはゆる)ウラナイ(けう)代名詞(だいめいし)であらうと(まで)取沙汰(とりざた)されけり。262されど執拗(しつえう)なる高姫(たかひめ)263黒姫(くろひめ)(すこ)しも(くつ)せず……(をんな)一心(いつしん)(いは)でも突貫(つきぬ)く、264()(じや)でも(じや)()でも仮令(たとへ)太陽(たいやう)西天(せいてん)より(のぼ)()ありとも、265一旦(いつたん)(おも)()めたる(こころ)(うち)決心(けつしん)は、266幾千万(いくせんまん)(たび)(うま)(かは)死代(しにかは)生死(せいし)往来(わうらい)(たび)(かさ)ぬるとも、267いつかないつかな(くぢ)けてならうか……との(だい)磐石心(ばんじやくしん)268(かた)まりきつた(をんな)片意地(かたいぢ)269張合(はりあひ)もなき次第(しだい)なり。
270 黒姫(くろひめ)(ちから)(たの)青彦(あをひこ)三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)せし(こと)日夜(にちや)(をし)み、271如何(いか)にもして(ふたた)びウラナイ(けう)謀主(ぼうしゆ)たらしめむと、272千思(せんし)万慮(ばんりよ)結果(けつくわ)273フサの(くに)より高山彦(たかやまひこ)(したが)(きた)れる虎若(とらわか)274富彦(とみひこ)(めい)じ、275青彦(あをひこ)日夜(にちや)念頭(ねんとう)(はな)れざるお(せつ)()きつけ、276(せつ)より青彦(あをひこ)信仰(しんかう)(おと)させむものと肝胆(かんたん)(くだ)きつつありける。
277大正一一・四・二二 旧三・二六 加藤明子録)
絶賛発売中『超訳霊界物語2/出口王仁三郎の「身魂磨き」実践書/一人旅するスサノオの宣伝使たち』
逆リンク(このページにリンクが張られているページ)
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→  
霊界物語ネットは飯塚弘明が運営しています。【メールアドレス】 / 動作に不具合や誤字脱字等を発見されましたら是非お知らせ下さるようお願い申し上げます。 / 本サイトに掲載されている霊界物語等の著作物の電子データは飯塚弘明ほか、多数の方々の協力によって作られました。(スペシャルサンクス) / 本サイトの著作権(デザイン、プログラム、凡例等)は飯塚弘明にあります。出口王仁三郎の著作物(霊界物語等)の著作権は保護期間が過ぎていますのでご自由にお使いいただいて構いません。ただし一部分を引用するのではなく、本サイト掲載の大部分を利用して電子書籍等に転用する場合には、必ず出典と連絡先を記して下さい。→「本サイト掲載文献の利用について」 / 出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別的と見なされる言葉や表現もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。 / プライバシーポリシー
(C) 2007-2024 Iizuka Hiroaki