累卵の危ふき中に住みながら心用ゐぬ人の多かり〈第1章〉
吾が身魂われの所有とは思ふまじ髪一筋も儘ならぬ身ぞ〈第1章〉
聞く人の心によりて善くも見え悪しくも見ゆるこれの神教〈第3章〉
麓より中程までは雲あれど富士の神山の頂上は晴れたり〈第3章〉
惟神みちの奥処に分け入れば万代散らぬ花の匂へる〈第4章〉
世の中は高き低きの別ちなく神の恵みに漏るる人なし〈第4章〉
夜もすがら和知の流れに禊して世を清めます瑞能大神〈第5章〉
百千々の心の曇り晴れにけり雲井の空の月をし見る夜に〈第5章〉
思ひきや賤が伏家に生れし身の神の大道に奉仕せむとは〈第5章〉
つかの間は嵐吹けども拭ふごとくたちまち秋の大空晴れゆく〈第7章〉
根の国へ落ち行く身魂を哀れみて直日の神は現れ坐しにけむ〈第7章〉
誤解ほど恐ろしきもの世にあらず禍はすべて下より起こり来〈第7章(三版)〉
狼狽へて道踏み外しぬかるみへ落つるは霊の暗き人なり〈第8章〉
掌を覆すが如くかはるなり善と悪との報ひはたちまち〈第8章〉
煎豆に花咲くためしあるものを誠の心の通はざらめや〈第9章〉
奥山の紅葉の色の褪せぬ中にしかと研けよ己が心を〈第9章〉
選まれて神の柱となる身には百千万の悩みを味はふ〈第9章〉
つるぎ刃の下を潜りて大本の神の恵を初めて知りたり〈第11章〉
ねむごろに説き明したる御教はいためる心の薬師なりけり〈第11章〉
皇神は恵みの鞭を加へつつ心の眠醒ましたまへり〈第12章〉
夢の世に夢見る人の眼をさまし神の御国にいざなひ上らな〈第15章(再版)〉
背きたる曲人たちも皇神の光慕ひて来たる世近めり〈第15章(再版)〉
手も足も出し様のなき曲の代を真直に開かす大本の神〈第17章(再版)〉
根の国や底の国まで三五の神の光は照り徹らへり〈第17章(再版)〉
人皆の心の色の黒姫や鼻高姫の猛び忌々しき〈第18章〉
大空の雲にかくれし月影も世人のために露に宿れる〈第18章〉
形ある宝を捨てて皇神の道に進みし乙女ぞ雄々しき〈第18章〉
[この余白歌は八幡書店版霊界物語収録の余白歌を参考に他の資料と付き合わせて作成しました]