高姫は瀬戸内海を西へ航海し、小豆ケ島に着いた。この島には岩窟が多くあって怪物が住むと伝えられていた。
貫州は岩窟の様子を見に中に入って行った。一人残された高姫は、することなすこと裏目に出る自分の境遇を思い起こして、自分に憑いている日の出神に疑いの心を起こす。
そして、腹の中にいる霊を責め立て始めた。高姫が腹の中の玉のようになっている霊を捻りつぶそうとすると、霊は自分は日の出神などではなく、木常姫の霊だと白状した。
木常姫は、高姫の肉体は自分の分霊が凝ってできたのだから、他所へ移ることはできないと言う。高姫は自分の守護神が日の出神ではないと感づいていたような発言をする。
しかし、日の出神と偽って現れた以上は、どこまでも日の出神で通さねばならないのだ、と逆に霊を叱りつけ、今度は自分が霊を教育して使ってやるのだと吠えている。
そこへ東助の館の便所から逃げてきた友彦が偶然やってきた。高姫が自問自答しているのを見て、気がふれているのだと思って思わず独り言を言う。それが高姫の耳に入って、今度は高姫は友彦に八つ当たりを始めだした。
友彦はバラモン教時代の高姫を見知っており、二人は互いに名乗りをする。そこへ貫州が岩窟から出てきた。
貫州は、どうやらここは泥棒の一団の隠れ家らしいと報告する。一行は岩窟の中へ進んで行くと、現れたのはバラモン教の蜈蚣姫であった。蜈蚣姫は高姫を三五教の鷹鳥姫と見て襲おうとする。
高姫は、元は自分もバラモン教だったことを明かして、バラモン教のために三五教に潜入していたのだと蜈蚣姫を丸め込んでしまった。