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第55巻(午の巻)
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第58巻(酉の巻)
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第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
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第41巻(辰の巻)
序文
総説
第1篇 天空地平
01 入那の野辺
〔1105〕
02 入那城
〔1106〕
03 偽恋
〔1107〕
04 右守館
〔1108〕
05 急告
〔1109〕
06 誤解
〔1110〕
07 忍術使
〔1111〕
第2篇 神機赫灼
08 無理往生
〔1112〕
09 蓮の川辺
〔1113〕
10 狼の岩窟
〔1114〕
11 麓の邂逅
〔1115〕
12 都入り
〔1116〕
第3篇 北光神助
13 夜の駒
〔1117〕
14 慈訓
〔1118〕
15 難問題
〔1119〕
16 三番叟
〔1120〕
第4篇 神出鬼没
17 宵企み
〔1121〕
18 替へ玉
〔1122〕
19 当て飲み
〔1123〕
20 誘惑
〔1124〕
21 長舌
〔1125〕
余白歌
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> 第1篇 天空地平 > 第7章 忍術使
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第七章
忍術使
(
にんじゆつし
)
〔一一一一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第41巻 舎身活躍 辰の巻
篇:
第1篇 天空地平
よみ(新仮名遣い):
てんくうちへい
章:
第7章 忍術使
よみ(新仮名遣い):
にんじゅつし
通し章番号:
1111
口述日:
1922(大正11)年11月11日(旧09月23日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年6月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
右守の手下・マンモスは、忍術を使って左守クーリンスの屋敷に忍び込んだ。そしてクーリンスの寝室をうかがい、鼠を放ってクーリンスが寝入っているかを確認した。
隣の部屋で不寝番をしていたウヰルスは鼠に気づき、主人の寝室をうかがうと黒装束の男が現れ、主人に切りつけようとする。ウヰルスはやにわにふすまを開けて曲者をねじ伏せ、縛り上げてしまった。
クーリンスはこの物音に驚いて目を覚ました。主従が曲者の顔を改めると、右守の近侍・マンモスであることが見て取れた。クーリンスとウヰルスに責められて、マンモスは右守の命令で左守を暗殺に来たことを明かし、命乞いをした。
クーリンスはマンモスの縄を解き、右守に計画失敗を伝えて改心するようにと言い含めた。マンモスは九死に一生を得て闇にまぎれて逃げて行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-12-11 12:20:50
OBC :
rm4107
愛善世界社版:
96頁
八幡書店版:
第7輯 566頁
修補版:
校定版:
100頁
普及版:
48頁
初版:
ページ備考:
001
大正
(
たいしやう
)
壬戌
(
みづのえいぬ
)
の
年
(
とし
)
002
月日
(
つきひ
)
の
駒
(
こま
)
もスクスクと
003
十一
(
じふいち
)
年
(
ねん
)
の
晩秋
(
ばんしう
)
の
004
十一月
(
しもつき
)
十一
(
かみのいち
)
日
(
にち
)
に
005
奇
(
く
)
しき
神代
(
かみよ
)
の
物語
(
ものがたり
)
006
一千
(
いつせん
)
一百
(
いつぴやく
)
十一
(
じふいち
)
の
007
節面白
(
ふしおもしろ
)
く
述
(
の
)
べ
立
(
た
)
つる
008
時刻
(
じこく
)
も
恰度
(
ちやうど
)
十一
(
じふいち
)
時
(
じ
)
009
治
(
をさ
)
まる
神代
(
みよ
)
を
松村
(
まつむら
)
が
010
昨日
(
きのふ
)
に
変
(
かは
)
る
真澄空
(
ますみぞら
)
011
百年
(
ももとせ
)
千年
(
ちとせ
)
の
礎
(
いしずゑ
)
と
012
万年筆
(
まんねんひつ
)
を
走
(
はし
)
らせて
013
原稿
(
げんかう
)
用紙
(
ようし
)
に
打向
(
うちむか
)
ひ
014
身
(
み
)
もたなしらに
記
(
しる
)
しゆく
015
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
016
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
017
天
(
あま
)
つたひ
行
(
ゆ
)
く
星
(
ほし
)
の
影
(
かげ
)
018
きらめき
渡
(
わた
)
り
秋
(
あき
)
高
(
たか
)
く
019
馬
(
うま
)
の
嘶
(
いなな
)
き
勇
(
いさ
)
ましき
020
御空
(
みそら
)
に
澄
(
す
)
める
瑞月
(
ずゐげつ
)
が
021
安全
(
あんぜん
)
椅子
(
いす
)
に
横
(
よこ
)
たはり
022
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
四方
(
よも
)
の
国
(
くに
)
023
百八十
(
ももやそ
)
島
(
しま
)
の
果
(
はて
)
までも
024
隈
(
くま
)
なく
開
(
ひら
)
き
敷島
(
しきしま
)
の
025
煙草
(
たばこ
)
の
煙
(
けむり
)
を
吹
(
ふ
)
かせつつ
026
現幽神
(
げんいうしん
)
の
三界
(
さんかい
)
を
027
超越
(
てうゑつ
)
したる
物語
(
ものがたり
)
028
教
(
をしへ
)
の
御子
(
みこ
)
や
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
029
青人草
(
あをひとぐさ
)
の
魂柱
(
たまはしら
)
030
太
(
ふと
)
しく
立
(
た
)
てむと
述
(
の
)
べ
立
(
た
)
つる
031
此
(
この
)
物語
(
ものがたり
)
永久
(
とこしへ
)
に
032
天地
(
てんち
)
と
共
(
とも
)
に
極
(
きは
)
みなく
033
神
(
かみ
)
の
御苑
(
みその
)
の
花
(
はな
)
となり
034
果実
(
このみ
)
となりて
五六七
(
みろく
)
神
(
しん
)
035
胎蔵
(
たいざう
)
したる
五種
(
いついろ
)
の
036
味
(
あぢ
)
はひうまく
調合
(
てうがふ
)
し
037
霊魂
(
みたま
)
の
餌
(
ゑさ
)
とならしめよ。
038
○
039
盤古
(
ばんこ
)
神王
(
しんわう
)
奉戴
(
ほうたい
)
し
040
ウラルの
道
(
みち
)
を
開
(
ひら
)
きたる
041
ウラルの
彦
(
ひこ
)
やウラル
姫
(
ひめ
)
042
三五教
(
あななひけう
)
の
神人
(
かみびと
)
に
043
醜
(
しこ
)
の
砦
(
とりで
)
をやらはれて
044
千代
(
ちよ
)
の
住家
(
すみか
)
と
構
(
かま
)
へたる
045
世
(
よ
)
にも
名高
(
なだか
)
きアーメニヤ
046
館
(
やかた
)
をすてて
常世国
(
とこよくに
)
047
ロツキー
山
(
ざん
)
や
常世城
(
とこよじやう
)
048
現
(
あら
)
はれ
出
(
い
)
でて
自在天
(
じざいてん
)
049
大国彦
(
おほくにひこ
)
を
奉戴
(
ほうたい
)
し
050
バラモン
教
(
けう
)
を
建設
(
けんせつ
)
し
051
盤古
(
ばんこ
)
神王
(
しんわう
)
はどこへやら
052
押込
(
おしこ
)
めおきてバラモンの
053
教
(
をしへ
)
を
常世
(
とこよ
)
の
国内
(
くにうち
)
に
054
開
(
ひら
)
き
居
(
ゐ
)
たりし
折
(
をり
)
もあれ
055
又
(
また
)
もや
神
(
かみ
)
の
戒
(
いまし
)
めに
056
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
を
逃
(
に
)
げ
出
(
いだ
)
し
057
埃及国
(
エヂプトこく
)
に
打渡
(
うちわた
)
り
058
豊葦原
(
とよあしはら
)
の
中津国
(
なかつくに
)
059
メソポタミヤの
自凝
(
おのころ
)
の
060
島
(
しま
)
に
渡
(
わた
)
りて
自在天
(
じざいてん
)
061
教
(
をしへ
)
を
開
(
ひら
)
く
折
(
をり
)
もあれ
062
ウラルの
道
(
みち
)
に
仕
(
つか
)
へたる
063
音彦
(
おとひこ
)
、
亀彦
(
かめひこ
)
両人
(
りやうにん
)
が
064
三五教
(
あななひけう
)
に
帰順
(
きじゆん
)
して
065
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
となりすまし
066
大江
(
おほえ
)
の
山
(
やま
)
や
三岳山
(
みたけやま
)
067
鬼
(
おに
)
ケ
城
(
じやう
)
へとかけ
向
(
むか
)
ひ
068
言霊戦
(
ことたません
)
を
開始
(
かいし
)
して
069
勢
(
いきほひ
)
強
(
つよ
)
く
攻
(
せ
)
め
来
(
きた
)
る
070
其
(
その
)
神力
(
しんりき
)
に
辟易
(
へきえき
)
し
071
大国別
(
おほくにわけ
)
に
仕
(
つか
)
へたる
072
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
の
大棟梁
(
だいとうりやう
)
073
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
074
空
(
そら
)
に
塞
(
ふさ
)
がる
黒雲
(
くろくも
)
に
075
隠
(
かく
)
れて
逃
(
に
)
げゆく
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
076
ハルナの
都
(
みやこ
)
に
居
(
きよ
)
を
構
(
かま
)
へ
077
再
(
ふたた
)
びここにバラモンの
078
教
(
をしへ
)
を
開
(
ひら
)
きゐたりしが
079
カルマタ
国
(
こく
)
にウラル
彦
(
ひこ
)
080
ウラルの
姫
(
ひめ
)
の
初発
(
しよつぱつ
)
に
081
盤古
(
ばんこ
)
神王
(
しんわう
)
を
奉戴
(
ほうたい
)
し
082
道
(
みち
)
を
開
(
ひら
)
きしウラル
教
(
けう
)
083
ウラルの
彦
(
ひこ
)
の
系統
(
けいとう
)
と
084
名乗
(
なの
)
る
常暗彦
(
とこやみひこ
)
の
司
(
かみ
)
085
ウラルの
残党
(
ざんたう
)
呼
(
よ
)
び
集
(
あつ
)
め
086
其
(
その
)
勢
(
いきほひ
)
は
日
(
ひ
)
に
月
(
つき
)
に
087
盛
(
さか
)
りとなりてバラモンの
088
教
(
をしへ
)
の
根底
(
こんてい
)
を
覆
(
くつが
)
へし
089
今
(
いま
)
は
危
(
あやふ
)
くなりにける
090
ウラルの
彦
(
ひこ
)
やウラル
姫
(
ひめ
)
091
初
(
はじ
)
めに
開
(
ひら
)
きしウラル
教
(
けう
)
092
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
に
逃
(
に
)
げ
行
(
ゆ
)
きて
093
新
(
あら
)
たに
開
(
ひら
)
きしバラモン
教
(
けう
)
094
其
(
その
)
源
(
みなもと
)
は
一株
(
ひとかぶ
)
の
095
教主
(
けうしゆ
)
の
教
(
をしへ
)
も
主斎神
(
しゆさいしん
)
096
盤古
(
ばんこ
)
神王
(
しんわう
)
自在天
(
じざいてん
)
097
二
(
ふた
)
つに
分
(
わか
)
れし
其
(
その
)
結果
(
けつくわ
)
098
互
(
たがひ
)
に
鎬
(
しのぎ
)
を
削
(
けづ
)
りつつ
099
憎
(
にく
)
み
争
(
あらそ
)
ふぞ
是非
(
ぜひ
)
もなき。
100
小
(
せう
)
亜細亜
(
アジア
)
の
神都
(
しんと
)
エルサレムの
都
(
みやこ
)
に
近
(
ちか
)
き
黄金山
(
わうごんさん
)
下
(
か
)
に
埴安彦
(
はにやすひこ
)
、
101
埴安姫
(
はにやすひめ
)
の
神
(
かみ
)
顕現
(
けんげん
)
して、
102
三五教
(
あななひけう
)
を
開
(
ひら
)
き
給
(
たま
)
ひしより、
103
八岐
(
やまた
)
の
大蛇
(
をろち
)
や
醜狐
(
しこぎつね
)
の
邪神
(
じやしん
)
は、
104
正神界
(
せいしんかい
)
の
経綸
(
けいりん
)
に
極力
(
きよくりよく
)
対抗
(
たいかう
)
せむと、
105
常世彦
(
とこよひこ
)
、
106
常世姫
(
とこよひめ
)
の
子
(
こ
)
なるウラル
彦
(
ひこ
)
、
107
ウラル
姫
(
ひめ
)
に
憑依
(
ひようい
)
し、
108
三五教
(
あななひけう
)
の
神柱
(
かむばしら
)
国治立
(
くにはるたちの
)
命
(
みこと
)
に
対抗
(
たいかう
)
せむと
盤古
(
ばんこ
)
神王
(
しんわう
)
塩長彦
(
しほながひこ
)
を
担
(
かつ
)
ぎ
上
(
あ
)
げ、
109
茲
(
ここ
)
にウラル
教
(
けう
)
を
開設
(
かいせつ
)
し、
110
天下
(
てんか
)
を
攪乱
(
かくらん
)
しつつありしが、
111
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝神
(
せんでんしん
)
の
常住
(
じやうぢゆう
)
不断
(
ふだん
)
の
舎身
(
しやしん
)
的
(
てき
)
活動
(
かつどう
)
に
敵
(
てき
)
し
得
(
え
)
ず、
112
ウラル
山
(
さん
)
、
113
コーカス
山
(
ざん
)
、
114
アーメニヤを
棄
(
す
)
てて
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
に
渡
(
わた
)
り、
115
ロツキー
山
(
ざん
)
、
116
常世城
(
とこよじやう
)
等
(
とう
)
にて
今度
(
こんど
)
は
大自在天
(
だいじざいてん
)
大国彦
(
おほくにひこの
)
命
(
みこと
)
及
(
およ
)
び
大国別
(
おほくにわけの
)
命
(
みこと
)
を
神柱
(
かむばしら
)
とし、
117
再
(
ふたた
)
びバラモン
教
(
けう
)
を
開設
(
かいせつ
)
して、
118
三五教
(
あななひけう
)
を
殲滅
(
せんめつ
)
せむと
計画
(
けいくわく
)
し、
119
エヂプトに
渡
(
わた
)
り、
120
イホの
都
(
みやこ
)
に
於
(
おい
)
て、
121
バラモン
教
(
けう
)
の
基礎
(
きそ
)
を
漸
(
やうや
)
く
固
(
かた
)
むる
折
(
をり
)
しも、
122
又
(
また
)
もや
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
に
追
(
お
)
つ
立
(
た
)
てられ、
123
メソポタミヤに
逃
(
に
)
げ
行
(
ゆ
)
きて、
124
ここに
再
(
ふたた
)
び
基礎
(
きそ
)
を
確立
(
かくりつ
)
し、
125
勢
(
いきほひ
)
漸
(
やうや
)
く
盛
(
さかん
)
ならむとする
時
(
とき
)
、
126
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
の
遣
(
つか
)
はし
給
(
たま
)
ふ
宣伝使
(
せんでんし
)
太玉
(
ふとたまの
)
命
(
みこと
)
に
神退
(
かむやら
)
ひに
退
(
やら
)
はれ、
127
当時
(
たうじ
)
の
大教主
(
だいけうしゆ
)
兼
(
けん
)
大棟梁
(
だいとうりやう
)
たる
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
は
黒雲
(
こくうん
)
に
乗
(
じやう
)
じて
自転倒
(
おのころ
)
島
(
じま
)
の
中心地
(
ちうしんち
)
大江山
(
おほえやま
)
に
本拠
(
ほんきよ
)
を
構
(
かま
)
へ、
128
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
と
共
(
とも
)
に
大飛躍
(
だいひやく
)
を
試
(
こころ
)
みむとする
時
(
とき
)
、
129
又
(
また
)
もや
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
畏縮
(
ゐしゆく
)
して、
130
フサの
国
(
くに
)
を
越
(
こ
)
え、
131
やうやく
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
のハルナの
都
(
みやこ
)
にバラモンの
基礎
(
きそ
)
を
固
(
かた
)
め、
132
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
は
大黒主
(
おほくろぬし
)
と
改名
(
かいめい
)
して
印度
(
いんど
)
七千
(
しちせん
)
余
(
よ
)
ケ
国
(
こく
)
の
刹帝利
(
せつていり
)
を
大部分
(
だいぶぶん
)
味方
(
みかた
)
につけ、
133
その
威勢
(
ゐせい
)
は
日月
(
じつげつ
)
の
如
(
ごと
)
く
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
りつつあつた。
134
然
(
しか
)
るにウラル
彦
(
ひこ
)
、
135
ウラル
姫
(
ひめ
)
の
初発
(
しよつぱつ
)
に
開
(
ひら
)
きたる
盤古
(
ばんこ
)
神王
(
しんわう
)
を
主斎神
(
しゆさいしん
)
とするウラル
教
(
けう
)
の
教徒
(
けうと
)
は、
136
四方
(
しはう
)
八方
(
はつぱう
)
より
何時
(
いつ
)
となく
集
(
あつ
)
まり
来
(
きた
)
りて、
137
ウラル
彦
(
ひこ
)
の
落胤
(
らくいん
)
なる
常暗彦
(
とこやみひこ
)
を
推戴
(
すゐたい
)
し、
138
デカタン
高原
(
かうげん
)
の
東北方
(
とうほくぱう
)
にあたるカルマタ
国
(
こく
)
に、
139
ウラル
教
(
けう
)
の
本城
(
ほんじやう
)
を
構
(
かま
)
へ、
140
本家
(
ほんけ
)
分家
(
ぶんけ
)
の
説
(
せつ
)
を
主張
(
しゆちやう
)
し、
141
ウラル
教
(
けう
)
は
常暗彦
(
とこやみひこ
)
の
父
(
ちち
)
ウラル
彦
(
ひこ
)
の
最初
(
さいしよ
)
に
開
(
ひら
)
き
給
(
たま
)
ひし
教
(
をしへ
)
であり、
142
バラモン
教
(
けう
)
は
常世国
(
とこよのくに
)
に
於
(
おい
)
て、
143
第二回
(
だいにくわい
)
目
(
め
)
に
開
(
ひら
)
かれし
教
(
をしへ
)
なれば、
144
教祖
(
けうそ
)
は
同神
(
どうしん
)
である。
145
只
(
ただ
)
主斎神
(
しゆさいしん
)
が
違
(
ちが
)
つてゐるのみだ。
146
ウラル
教
(
けう
)
は
如何
(
どう
)
してもバラモン
教
(
けう
)
を
従
(
したが
)
へねば
神慮
(
しんりよ
)
に
叶
(
かな
)
はない。
147
先
(
ま
)
づバラモン
教
(
けう
)
を
帰順
(
きじゆん
)
せしめ、
148
一団
(
いちだん
)
となつて
神力
(
しんりき
)
を
四方
(
しはう
)
に
発揮
(
はつき
)
し、
149
次
(
つ
)
いで
三五教
(
あななひけう
)
を
殲滅
(
せんめつ
)
せむものと、
150
ウラル
教
(
けう
)
の
幹部
(
かんぶ
)
は
息
(
いき
)
まきつつあつたのである。
151
茲
(
ここ
)
にバラモン
教
(
けう
)
の
大黒主
(
おほくろぬし
)
は
此
(
この
)
消息
(
せうそく
)
を
耳
(
みみ
)
にし、
152
スワ
一大事
(
いちだいじ
)
と
鬼春別
(
おにはるわけ
)
、
153
大足別
(
おほだるわけ
)
をして
一方
(
いつぱう
)
はウラル
教
(
けう
)
へ、
154
一方
(
いつぱう
)
は
三五教
(
あななひけう
)
へ
短兵急
(
たんぺいきふ
)
に
攻
(
せ
)
め
寄
(
よ
)
せしめ、
155
バラモン
教
(
けう
)
の
障害
(
しやうがい
)
を
除
(
のぞ
)
き、
156
天下
(
てんか
)
を
統一
(
とういつ
)
せむと
計画
(
けいくわく
)
をめぐらし、
157
既
(
すで
)
にウラル
教
(
けう
)
の
本城
(
ほんじやう
)
へは
大足別
(
おほだるわけ
)
の
部隊
(
ぶたい
)
を
差向
(
さしむ
)
け、
158
三五教
(
あななひけう
)
の
中心地
(
ちうしんち
)
と
聞
(
きこ
)
えるたる
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
へは
鬼春別
(
おにはるわけ
)
をして、
159
数多
(
あまた
)
の
勇卒
(
ゆうそつ
)
を
率
(
ひき
)
ゐ、
160
進撃
(
しんげき
)
せしめたるは、
161
前巻
(
ぜんくわん
)
既
(
すで
)
に
述
(
の
)
ぶる
通
(
とほ
)
りである。
162
○
163
秋
(
あき
)
の
夜嵐
(
よあらし
)
吹
(
ふ
)
き
荒
(
すさ
)
び、
164
雨
(
あめ
)
さへ
交
(
まじ
)
り、
165
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
はバラバラと
音
(
おと
)
して
散
(
ち
)
り
布
(
し
)
く。
166
左守
(
さもり
)
の
司
(
かみ
)
クーリンスの
高塀
(
たかへい
)
を
越
(
こ
)
して
忍
(
しの
)
び
入
(
い
)
る
覆面
(
ふくめん
)
頭巾
(
づきん
)
の
曲者
(
くせもの
)
があつた。
167
これは
右守
(
うもり
)
の
司
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
ふるマンモスといふ
忍術
(
にんじゆつ
)
の
達人
(
たつじん
)
である。
168
茲
(
ここ
)
に
忍術
(
にんじゆつ
)
に
就
(
つい
)
て
一言
(
ひとこと
)
述
(
の
)
べておく
必要
(
ひつえう
)
があると
思
(
おも
)
ふ。
169
忍術
(
にんじゆつ
)
とは
変幻
(
へんげん
)
出没
(
しゆつぼつ
)
、
170
肉身
(
にくしん
)
を
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
に
相手
(
あひて
)
の
前
(
まへ
)
に
煙
(
けむり
)
の
如
(
ごと
)
く
消滅
(
せうめつ
)
し、
171
巧
(
たくみ
)
に
其
(
その
)
踪跡
(
そうせき
)
をくらます
魔術
(
まじゆつ
)
の
様
(
やう
)
に
考
(
かんが
)
へてゐる
人
(
ひと
)
もある
様
(
やう
)
だが、
172
忍術
(
にんじゆつ
)
なるものは
決
(
けつ
)
してそんな
不可思議
(
ふかしぎ
)
なものではない。
173
忍術
(
にんじゆつ
)
とは
忍耐術
(
にんたいじゆつ
)
の
意味
(
いみ
)
であつて、
174
敵情
(
てきじやう
)
を
窺
(
うかが
)
ふに
際
(
さい
)
し、
175
屋根裏
(
やねうら
)
に
一
(
いつ
)
週間
(
しうかん
)
でも
十日
(
とをか
)
でも
飲
(
の
)
まず
食
(
く
)
はずに、
176
咳
(
せき
)
もせず、
177
息
(
いき
)
を
潜
(
ひそ
)
めて
様子
(
やうす
)
を
考
(
かんが
)
へたり、
178
或
(
あるひ
)
は
寒暑
(
かんしよ
)
を
問
(
と
)
はず、
179
目的
(
もくてき
)
の
達
(
たつ
)
するまで、
180
仮令
(
たとへ
)
十日
(
とをか
)
でも
二十日
(
はつか
)
でも
水中
(
すゐちう
)
に
身
(
み
)
を
没
(
ぼつ
)
し、
181
鼻
(
はな
)
と
目
(
め
)
だけを
水面
(
すゐめん
)
に
出
(
だ
)
して
空気
(
くうき
)
を
吸
(
す
)
ひ、
182
顔
(
かほ
)
の
上
(
うへ
)
に
藻
(
も
)
などを
被
(
かぶ
)
つて、
183
敵情
(
てきじやう
)
を
視察
(
しさつ
)
したり、
184
或
(
あるひ
)
は
広
(
ひろ
)
き
泉水
(
せんすゐ
)
などを
渡
(
わた
)
るにも
波
(
なみ
)
を
立
(
た
)
てないやうに、
185
水音
(
みづおと
)
のせない
様
(
やう
)
に
活動
(
くわつどう
)
し
得
(
う
)
る
迄
(
まで
)
には、
186
余程
(
よほど
)
の
習練
(
しふれん
)
を
要
(
えう
)
するのである。
187
又
(
また
)
一夜
(
いちや
)
の
中
(
うち
)
に
百
(
ひやく
)
里
(
り
)
以上
(
いじやう
)
も
高飛
(
たかとび
)
を
徒歩
(
とほ
)
でせなくてはならぬのである。
188
其
(
その
)
歩
(
ある
)
き
方
(
かた
)
は
左
(
ひだり
)
の
肩
(
かた
)
を
先
(
さき
)
にし、
189
成
(
な
)
るべく
空気
(
くうき
)
の
当
(
あた
)
らない
様
(
やう
)
にして
道
(
みち
)
を
突破
(
とつぱ
)
し、
190
蟹
(
かに
)
の
如
(
ごと
)
くに
横
(
よこ
)
に
歩
(
あゆ
)
む
時
(
とき
)
は、
191
足音
(
あしおと
)
もせず、
192
三四倍
(
さんしばい
)
の
道
(
みち
)
が
歩
(
あゆ
)
めるのである。
193
甲地
(
かふち
)
にて
宵
(
よひ
)
の
口
(
くち
)
に
或
(
ある
)
目的
(
もくてき
)
を
達
(
たつ
)
し、
194
其
(
その
)
夜
(
よる
)
の
中
(
うち
)
に
百
(
ひやく
)
里
(
り
)
も
離
(
はな
)
れた
乙地
(
おつち
)
へ
到着
(
たうちやく
)
して
納
(
をさ
)
まり
返
(
かへ
)
つてゐるのが
忍術
(
にんじゆつ
)
の
目的
(
もくてき
)
である。
195
又
(
また
)
忍術
(
にんじゆつ
)
を
使
(
つか
)
ふ
者
(
もの
)
は、
196
黒
(
くろ
)
白
(
しろ
)
青
(
あを
)
赤
(
あか
)
其
(
その
)
他
(
た
)
いろいろの
布巾
(
ふきん
)
を
懐
(
ふところ
)
にかくしおき、
197
白壁
(
しらかべ
)
の
前
(
まへ
)
に
立
(
た
)
つ
時
(
とき
)
は
白布
(
はくふ
)
を
出
(
だ
)
して
其
(
その
)
身
(
み
)
を
隠
(
かく
)
し、
198
黒
(
くろ
)
き
物
(
もの
)
の
側
(
そば
)
に
立寄
(
たちよ
)
る
時
(
とき
)
は
黒
(
くろ
)
の
布
(
ぬの
)
を
以
(
もつ
)
て
身
(
み
)
を
蔽
(
おほ
)
ひ、
199
青
(
あを
)
き
所
(
ところ
)
では
青
(
あを
)
き
布
(
ぬの
)
を
出
(
だ
)
して
身
(
み
)
を
蔽
(
おほ
)
ひ、
200
人
(
ひと
)
の
目
(
め
)
を
誤魔化
(
ごまくわ
)
す
事
(
こと
)
を
以
(
もつ
)
て
忍術
(
にんじゆつ
)
の
奥義
(
おくぎ
)
としてゐるのである。
201
つまりカメレオンがあたりの
草木
(
さうもく
)
の
色
(
いろ
)
によつて
変
(
へん
)
ずる
如
(
ごと
)
き
活動
(
くわつどう
)
をするのである。
202
又
(
また
)
上
(
うへ
)
から
下
(
した
)
まで
黒装束
(
くろしやうぞく
)
を
着
(
ちやく
)
し、
203
四五
(
しご
)
尺
(
しやく
)
ばかりもある
手拭
(
てぬぐひ
)
を
一筋
(
ひとすぢ
)
持
(
も
)
ち、
204
之
(
これ
)
を
頬被
(
ほほかぶ
)
りにしたり、
205
或
(
あるひ
)
は
高
(
たか
)
い
所
(
ところ
)
から
吊
(
つ
)
り
降
(
お
)
りる
綱
(
つな
)
にも
応用
(
おうよう
)
するのである。
206
又
(
また
)
一本
(
いつぽん
)
の
鎧透
(
よろひどう
)
しといふ
極
(
きは
)
めて
丈夫
(
ぢやうぶ
)
な
一
(
いつ
)
尺
(
しやく
)
ばかりの
短刀
(
たんたう
)
を
所持
(
しよぢ
)
し、
207
其
(
その
)
短刀
(
たんたう
)
は
無銘
(
むめい
)
である。
208
万一
(
まんいち
)
過
(
あやま
)
つて
遺失
(
ゐしつ
)
した
時
(
とき
)
に、
209
其
(
その
)
主
(
ぬし
)
の
分
(
わか
)
らない
様
(
やう
)
との
注意
(
ちゆうい
)
から
無銘
(
むめい
)
の
刀
(
かたな
)
を
用
(
もち
)
ひ、
210
又
(
また
)
一切
(
いつさい
)
印
(
しるし
)
の
入
(
い
)
つた
持物
(
もちもの
)
は
身
(
み
)
につけないのである。
211
そして
其
(
その
)
短刀
(
たんたう
)
には
三間
(
さんげん
)
も
四間
(
しけん
)
もある
長
(
なが
)
い
丈夫
(
ぢやうぶ
)
な
下
(
さ
)
げ
緒
(
を
)
をくくりつけ、
212
塀
(
へい
)
などを
越
(
こ
)
す
時
(
とき
)
は、
213
下
(
さ
)
げ
緒
(
を
)
の
端
(
はし
)
に
手頃
(
てごろ
)
の
石
(
いし
)
又
(
また
)
は
分銅
(
ふんどう
)
を
括
(
くく
)
りつけ、
214
庭木
(
にはき
)
の
枝
(
えだ
)
などに、
215
外
(
そと
)
からパツとふりかけ、
216
綱
(
つな
)
を
結
(
むす
)
びつけ、
217
短刀
(
たんたう
)
を
大地
(
だいち
)
に
立
(
た
)
て、
218
其
(
その
)
上
(
うへ
)
に
片足
(
かたあし
)
をのせ、
219
下
(
さ
)
げ
緒
(
を
)
を
力
(
ちから
)
として
身
(
み
)
を
跳
(
をど
)
らし
塀
(
へい
)
に
飛上
(
とびあが
)
り、
220
下
(
さ
)
げ
緒
(
を
)
をたぐつて
短刀
(
たんたう
)
を
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れ、
221
又
(
また
)
スルスルとほどける
様
(
やう
)
にして
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
から
吊
(
つ
)
りおり、
222
座敷
(
ざしき
)
に
忍
(
しの
)
び
入
(
い
)
るのである。
223
そして
皮袋
(
かはぶくろ
)
に
二三合
(
にさんがふ
)
ばかりの
水
(
みづ
)
を
入
(
い
)
れておき、
224
ソツと
敷居
(
しきゐ
)
に
流
(
なが
)
し、
225
戸
(
と
)
をあける
時
(
とき
)
、
226
音
(
おと
)
をさせぬ
様
(
やう
)
にして
暗夜
(
あんや
)
に
忍
(
しの
)
び
込
(
こ
)
み、
227
敵情
(
てきじやう
)
を
視察
(
しさつ
)
するのが
忍術使
(
にんじゆつし
)
の
職務
(
しよくむ
)
であつた。
228
そして
敵
(
てき
)
の
寝所
(
しんじよ
)
に
忍
(
しの
)
び
入
(
い
)
つた
時
(
とき
)
は、
229
頭
(
あたま
)
の
方
(
はう
)
から
進
(
すす
)
みよるのである。
230
万一
(
まんいち
)
足
(
あし
)
の
方
(
はう
)
から
進
(
すす
)
む
際
(
さい
)
、
231
敵
(
てき
)
が
目
(
め
)
をさまし、
232
起上
(
おきあが
)
る
途端
(
とたん
)
に
其
(
その
)
姿
(
すがた
)
を
認
(
みと
)
めらるる
事
(
こと
)
を
恐
(
おそ
)
るるからである。
233
頭
(
あたま
)
の
方
(
はう
)
から
進
(
すす
)
む
時
(
とき
)
は、
234
敵
(
てき
)
が
驚
(
おどろ
)
いて
起上
(
おきあが
)
るを、
235
後
(
うしろ
)
から
短刀
(
たんたう
)
にて
切
(
き
)
りつくるのに
最
(
もつと
)
も
便宜
(
べんぎ
)
なからである。
236
又
(
また
)
室内
(
しつない
)
の
様子
(
やうす
)
をよく
考
(
かんが
)
へ、
237
屏風
(
びやうぶ
)
の
蔭
(
かげ
)
とか、
238
行灯
(
あんどん
)
の
蔭
(
かげ
)
とかに
身
(
み
)
を
潜
(
ひそ
)
める
事
(
こと
)
を
努
(
つと
)
めるものである。
239
そして
其
(
その
)
室
(
へや
)
に
入
(
い
)
る
前
(
まへ
)
に
敵
(
てき
)
の
熟睡
(
じゆくすい
)
せるや
否
(
いな
)
やを
瀬
(
せ
)
ぶみする
為
(
ため
)
に、
240
平常
(
ふだん
)
から
飼
(
か
)
ひならしておいた
二匹
(
にひき
)
の
鼠
(
ねづみ
)
を
懐
(
ふところ
)
にかくし
置
(
お
)
き、
241
先
(
ま
)
づ
一匹
(
いつぴき
)
を
室内
(
しつない
)
に
放
(
はな
)
つて
見
(
み
)
る。
242
鼠
(
ねづみ
)
は
変
(
かは
)
つた
家
(
いへ
)
に
行
(
い
)
つた
時
(
とき
)
は、
243
うろたへて
座敷中
(
ざしきちう
)
をガタガタと
騒
(
さわ
)
ぎまはるものである。
244
其
(
その
)
鼠
(
ねづみ
)
の
音
(
おと
)
で
目
(
め
)
をさますやうではまだ
熟睡
(
じゆくすい
)
してゐないのである。
245
寝
(
ね
)
まぐれにシーツ シーツと
相手
(
あひて
)
が
鼠
(
ねづみ
)
を
叱
(
しか
)
り、
246
其
(
その
)
儘
(
まま
)
グツと
寝
(
ね
)
て
了
(
しま
)
ふ。
247
ソツと
障子
(
しやうじ
)
の
穴
(
あな
)
から
忍術使
(
にんじゆつし
)
が
覗
(
のぞ
)
くと、
248
鼠
(
ねづみ
)
は
其
(
その
)
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
て
再
(
ふたた
)
び
懐
(
ふところ
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
る。
249
今度
(
こんど
)
は
又
(
また
)
念
(
ねん
)
の
為
(
ため
)
次
(
つぎ
)
の
鼠
(
ねづみ
)
を
一間
(
ひとま
)
に
投入
(
なげい
)
れると、
250
又
(
また
)
もや
鼠
(
ねづみ
)
はうろたへて
騒
(
さわ
)
いで、
251
ガサガサとかけ
廻
(
まは
)
る。
252
それでも
気
(
き
)
がつかずに
眠
(
ねむ
)
つてゐたならば、
253
最早
(
もはや
)
忍術使
(
にんじゆつし
)
は
安心
(
あんしん
)
して
其
(
その
)
目的
(
もくてき
)
を
達
(
たつ
)
するのである。
254
クーリンスはセーラン
王
(
わう
)
に
面会
(
めんくわい
)
し、
255
種々
(
いろいろ
)
と
右守
(
うもり
)
の
司
(
かみ
)
のカールチンが
陰謀
(
いんぼう
)
に
備
(
そな
)
ふべく、
256
密議
(
みつぎ
)
を
凝
(
こ
)
らし、
257
初夜
(
しよや
)
頃
(
ごろ
)
漸
(
やうや
)
く
吾
(
わが
)
家
(
や
)
に
帰
(
かへ
)
り、
258
草疲
(
くたび
)
れ
果
(
は
)
てて、
259
グツと
寝
(
しん
)
に
就
(
つ
)
いてゐた。
260
そこへ
塀
(
へい
)
を
乗
(
の
)
り
越
(
こ
)
え
黒装束
(
くろしやうぞく
)
となつてやつて
来
(
き
)
たのがマンモスであつた。
261
彼
(
かれ
)
は
型
(
かた
)
の
如
(
ごと
)
くクーリンスの
寝室
(
しんしつ
)
に
忍
(
しの
)
び
入
(
い
)
り、
262
鼠
(
ねづみ
)
を
放
(
はな
)
つて
見
(
み
)
た。
263
第二回
(
だいにくわい
)
目
(
め
)
に
放
(
はな
)
つた
鼠
(
ねづみ
)
はうろたへて
襖
(
ふすま
)
の
破
(
やぶ
)
れ
穴
(
あな
)
から
隣
(
となり
)
の
宿直役
(
とのゐやく
)
のウヰルスの
間
(
ま
)
へ
飛込
(
とびこ
)
んだ。
264
ウヰルスはウツラ ウツラ
眠
(
ねむ
)
つてゐたが、
265
飛込
(
とびこ
)
んだ
鼠
(
ねづみ
)
が
自分
(
じぶん
)
の
顔
(
かほ
)
を
走
(
はし
)
つたので、
266
フツと
目
(
め
)
をさまし、
267
起出
(
おきい
)
でて
見
(
み
)
れば
合点
(
がてん
)
の
行
(
ゆ
)
かぬ
鼠
(
ねづみ
)
の
行動
(
かうどう
)
、
268
こりやキツト
何者
(
なにもの
)
かが
忍
(
しの
)
び
入
(
い
)
つたに
相違
(
さうゐ
)
ない……と、
269
左守
(
さもり
)
の
司
(
かみ
)
の
寝室
(
しんしつ
)
に
耳
(
みみ
)
をすまして
窺
(
うかが
)
つてゐた。
270
そこへノツソリと
黒装束
(
くろしやうぞく
)
で
現
(
あら
)
はれた
男
(
をとこ
)
、
271
「ヤア」と
一声
(
ひとこゑ
)
、
272
左守
(
さもり
)
の
司
(
かみ
)
を
頭
(
あたま
)
の
方
(
はう
)
から
切
(
き
)
りつけむとする。
273
この
声
(
こゑ
)
に
驚
(
おどろ
)
き、
274
矢庭
(
やには
)
に
襖
(
ふすま
)
を
押開
(
おしあ
)
け、
275
夜具
(
やぐ
)
を
抱
(
だ
)
いた
儘
(
まま
)
、
276
曲者
(
くせもの
)
を
捩伏
(
ねぢふ
)
せ、
277
短刀
(
たんたう
)
を
奪
(
うば
)
ひ
取
(
と
)
り、
278
直
(
ただち
)
に
後手
(
うしろで
)
に
縛
(
しば
)
り
上
(
あ
)
げて
了
(
しま
)
つた。
279
左守
(
さもり
)
の
司
(
かみ
)
は
此
(
この
)
物音
(
ものおと
)
に
起上
(
おきあが
)
り、
280
クーリンス(左守)
『ウヰルス、
281
夜中
(
やちう
)
にあわただしく
何者
(
なにもの
)
であつたか』
282
と
尋
(
たづ
)
ぬれば、
283
ウヰルスは
声
(
こゑ
)
を
震
(
ふる
)
はせ
息
(
いき
)
を
喘
(
はづ
)
ませながら、
284
ウヰルス
『
何物
(
なにもの
)
か、
285
あなたの
寝室
(
しんしつ
)
に
忍
(
しの
)
び
入
(
い
)
り、
286
危害
(
きがい
)
を
加
(
くは
)
へむと
致
(
いた
)
しました
故
(
ゆゑ
)
、
287
飛
(
と
)
びかかつて
短刀
(
たんたう
)
をもぎ
取
(
と
)
り、
288
後手
(
うしろで
)
に
縛
(
しば
)
り
上
(
あ
)
げました。
289
サア
是
(
これ
)
からよく
調
(
しら
)
べて
見
(
み
)
ませう』
290
クーリンス
『ヤア
険呑
(
けんのん
)
な
所
(
ところ
)
だつた。
291
よくマア
助
(
たす
)
けてくれた』
292
と
言
(
い
)
ひながら、
293
カンテラの
火
(
ひ
)
を
掻
(
か
)
き
立
(
た
)
て、
294
曲者
(
くせもの
)
の
顔
(
かほ
)
をよくよくすかし
見
(
み
)
れば、
295
右守
(
うもり
)
の
司
(
かみ
)
の
近侍
(
きんじ
)
を
勤
(
つと
)
めるマンモスである。
296
ウヰルス『オヽ
其
(
その
)
方
(
はう
)
はマンモスではないか、
297
大方
(
おほかた
)
カールチンに
頼
(
たの
)
まれたのだらう。
298
之
(
これ
)
には
深
(
ふか
)
き
企
(
たく
)
みのある
事
(
こと
)
ならむ、
299
様子
(
やうす
)
を
逐一
(
ちくいち
)
白状
(
はくじやう
)
致
(
いた
)
せ』
300
マンモスは
恨
(
うら
)
めしげに
歯
(
は
)
を
喰
(
く
)
ひしばり、
301
丸
(
まる
)
き
目
(
め
)
をギヨロリと
剥
(
む
)
いて、
302
ウヰルスを
睨
(
にら
)
みつけ、
303
首
(
くび
)
を
左右
(
さいう
)
にふつて
一言
(
ひとこと
)
も
答
(
こた
)
へない。
304
ウヰルスは
声
(
こゑ
)
を
励
(
はげ
)
まし、
305
ウヰルス
『
委細
(
ゐさい
)
を
白状
(
はくじやう
)
すれば
此
(
この
)
儘
(
まま
)
助
(
たす
)
けてつかはす。
306
さもなくば
汝
(
なんぢ
)
が
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
つて、
307
イルナ
城
(
じやう
)
の
災
(
わざわひ
)
を
除
(
のぞ
)
かねばならぬ。
308
これでも
返答
(
へんたふ
)
いたさぬか、
309
其
(
その
)
方
(
はう
)
はカールチンに
頼
(
たの
)
まれて、
310
左守
(
さもり
)
の
司
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
暗殺
(
あんさつ
)
に
来
(
き
)
たのだらう』
311
マンモス
『
決
(
けつ
)
して
決
(
けつ
)
してカールチンに
頼
(
たの
)
まれたのではない。
312
つい
妙
(
めう
)
な
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
て
知
(
し
)
らず
知
(
し
)
らずにここへ
飛込
(
とびこ
)
んで
来
(
き
)
たのだ。
313
別
(
べつ
)
に
何
(
なん
)
等
(
ら
)
の
考
(
かんが
)
へもないのだから、
314
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
したのは
許
(
ゆる
)
してくれ』
315
ウヰルス
『
馬鹿
(
ばか
)
を
申
(
まを
)
すな、
316
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く
忍術
(
にんじゆつ
)
の
装束
(
しやうぞく
)
を
着
(
つ
)
け、
317
一切
(
いつさい
)
万事
(
ばんじ
)
の
準備
(
じゆんび
)
を
致
(
いた
)
して
来
(
き
)
てゐる
以上
(
いじやう
)
は、
318
最早
(
もはや
)
かくしても
駄目
(
だめ
)
だ。
319
白状
(
はくじやう
)
致
(
いた
)
さぬか』
320
といひながらマンモスの
短刀
(
たんたう
)
を
以
(
もつ
)
て、
321
胸
(
むね
)
のあたりを
切
(
しき
)
りに
擽
(
くすぐ
)
つてみた。
322
マンモスは
可笑
(
をか
)
しさ
痛
(
いた
)
さに
笑
(
わら
)
ひ
泣
(
な
)
きしながら、
323
マンモス
『アハヽヽヽ、
324
イヒヽヽヽ、
325
痛
(
いた
)
い
痛
(
いた
)
い
言
(
い
)
ひます
言
(
い
)
ひますキツト
言
(
い
)
ひます、
326
どうぞこらへて
下
(
くだ
)
さい』
327
ウヰルス
『
最早
(
もはや
)
白状
(
はくじやう
)
するに
及
(
およ
)
ばぬ、
328
証拠
(
しようこ
)
は
歴然
(
れきぜん
)
たるものだ。
329
それよりもチツと
擽
(
こそ
)
ばかして、
330
笑
(
わら
)
はしてやらうかい』
331
と
又
(
また
)
もや
胸
(
むね
)
のあたりをクルリクルリとさいなむ。
332
マンモス
『アハヽヽヽ、
333
イヒヽヽヽ
痛
(
いた
)
い
痛
(
いた
)
いどうぞこらへて
下
(
くだ
)
さいませ。
334
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
は
右守
(
うもり
)
の
司
(
かみ
)
カールチンさまから
頼
(
たの
)
まれました。
335
左守
(
さもり
)
の
司
(
かみ
)
は
吾
(
わが
)
大望
(
たいまう
)
の
邪魔
(
じやま
)
を
致
(
いた
)
す
目
(
め
)
の
上
(
うへ
)
の
瘤
(
こぶ
)
だから、
336
汝
(
なんぢ
)
が
得意
(
とくい
)
の
忍術
(
にんじゆつ
)
にて
甘
(
うま
)
く
仕留
(
しと
)
め
帰
(
かへ
)
りなば、
337
余
(
よ
)
がイルナの
国王
(
こくわう
)
となつた
時
(
とき
)
、
338
其
(
その
)
方
(
はう
)
を
右守
(
うもり
)
の
司
(
かみ
)
にしてやらうと
仰有
(
おつしや
)
いましたので、
339
つい
欲
(
よく
)
にかられて
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
とは
知
(
し
)
りながら、
340
出世
(
しゆつせ
)
の
元
(
もと
)
だと
思
(
おも
)
ひ、
341
忍
(
しの
)
び
込
(
こ
)
みました。
342
モウ
今度
(
こんど
)
はキツと
心得
(
こころえ
)
ますから、
343
どうぞお
赦
(
ゆる
)
しを
願
(
ねが
)
ひます』
344
ウヰルス
『
旦那
(
だんな
)
様
(
さま
)
、
345
如何
(
いかが
)
取計
(
とりはか
)
らひませうか』
346
左守
(
さもり
)
『ウン、
347
俺
(
おれ
)
に
任
(
まか
)
せ』
348
と
云
(
い
)
ひながらマンモスの
顔
(
かほ
)
をグツと
睨
(
にら
)
みつけ、
349
クーリンス
『
許
(
ゆる
)
し
難
(
がた
)
き
悪人
(
あくにん
)
なれども、
350
今日
(
けふ
)
は
見
(
み
)
のがしてくれる。
351
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
右守
(
うもり
)
の
司
(
かみ
)
の
館
(
やかた
)
へ
立帰
(
たちかへ
)
り、
352
クーリンスはビチビチ
致
(
いた
)
して
居
(
ゐ
)
る。
353
其方
(
そなた
)
も
早
(
はや
)
く
改心
(
かいしん
)
なさらぬと
御
(
おん
)
身
(
み
)
の
災
(
わざわひ
)
、
354
目
(
ま
)
のあたりに
迫
(
せま
)
つてゐますぞ。
355
今
(
いま
)
の
中
(
うち
)
に
御
(
ご
)
改心
(
かいしん
)
をなされと、
356
よつく
伝
(
つた
)
へよ』
357
といひながら
縛
(
いまし
)
めの
縄
(
なは
)
を
解
(
と
)
き
放
(
はな
)
ちやれば、
358
マンモスは
九死
(
きうし
)
一生
(
いつしやう
)
の
難関
(
なんくわん
)
を
遁
(
のが
)
れ、
359
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
み、
360
足早
(
あしばや
)
に
暗
(
やみ
)
に
紛
(
まぎ
)
れて、
361
館
(
やかた
)
の
裏口
(
うらぐち
)
より
一目散
(
いちもくさん
)
に
逃
(
に
)
げてゆく。
362
(
大正一一・一一・一一
旧九・二三
松村真澄
録)
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