第一一章 麓の邂逅〔一一一五〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第41巻 舎身活躍 辰の巻
篇:第2篇 神機赫灼
よみ(新仮名遣い):しんきかくしゃく
章:第11章 麓の邂逅
よみ(新仮名遣い):ふもとのかいこう
通し章番号:1115
口述日:1922(大正11)年11月11日(旧09月23日)
口述場所:
筆録者:北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:1924(大正13)年6月15日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:黄金姫一行とヤスダラ姫一行は、峠の麓で邂逅した。竜雲は姫をイルナの都に送っていく手助けをしてほしいと呼び掛けた。
黄金姫は、竜雲をはじめヤスダラ姫一行は一度、高照山の狼岩窟に隠れるようにと北光神の指示を告げた。自分たちはイルナの都に行き、セーラン王たち一行を連れて、後で岩窟に送っていくと使命を明かした。
竜雲は、ヤスダラ姫とリーダーを北光神のいる狼の岩窟に案内するため、高照山を目指して登って行った。
黄金姫と清照姫の母娘はイルナの都を指して峠を登っていく。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:2023-02-02 17:51:58
OBC :rm4111
愛善世界社版:156頁
八幡書店版:第7輯 587頁
修補版:
校定版:163頁
普及版:75頁
初版:
ページ備考:
001竜雲『高照山の岩窟に
003思はぬ人に巡り会ひ 004思はぬ使命を受けながら
005秋野を飾る黄金姫の 006貴の命の宣伝使
007心も清照姫命 008母娘は勇み雀躍し
009細き谷間を辿りつつ 010秋風荒ぶ大野原
011神の御歌を歌ひ合ひ 012勇み進んで照山の
014道の傍の岩の上に
015男女三人の人の影
017母娘の姿を打ちまもり 018驚異の眼を光らせて
023帰り行く身の三人連れ 024何卒お供を願ひます
026貴女は尊き宣伝使
028私も同じ三五の
029道を奉ずる神の御子 030心汚き竜雲の
032直日に見直し聞直し
036清き神世も北光の
037目一つ神に助けられ 038七千余国の月の国
039経巡り終へし修験者 040決して怪しき者ならず
044左守の司の姉の御子
048此処まで送り来りたる
049忠誠無比の僕ぞや
053騒ぎを清く打ち鎮め
056神力足らぬ竜雲や
058此大任を果し得む
059三五教の宣伝使 060吾等が微衷を憐れみて
061救はせ給へ惟神 062神の御前に真心を
063捧げて祈り奉る』
064と竜雲は歌を以て黄金姫一行に掛合つて見た。065黄金姫は直に歌を以てこれに答へた。
066黄金姫『天と地とを造らしし
070妾は黄金姫命 071一人の女は吾娘
072清照姫の宣伝使
075登りて見ればこは如何に
078竹野の姫は悠然と 079数多の狼使ひつつ
081禽獣虫魚に至るまで
082尊き神の御恵の
085北光神の御言葉に
086汝黄金姫命 087必ず途中に竜雲が
089イルナの都に進み入る
091汝は吾の言の葉を
093完全に詳細に物語り
095直様進み来るべく
096諭せと厳しく宣べ給ふ 097汝は正しく竜雲か
101狼群がる高照の
103吾等母娘は逸早く
104照山峠を乗り越えて 105入那の都へ進み入り
107救ひ助けて高照山の
108狼岩窟に導きつ 109御身を厚く守るべし
111神の御言を蒙りし
112黄金姫の言の葉を 113夢々疑ふこと勿れ
114人は正しき神の御子
117尊き道の宣伝使と
121早く座を起ち進みませ
123汝等三人に打向ひ
124委曲に勧め奉る
127と歌ひ終れば、128ヤスダラ姫はこれに答へて歌ふ。
129ヤスダラ姫『あゝ有難し有難し 130声名高き三五の
131教を伝ふる宣伝使
133若き女の神司 134音に名高き清照姫の
136存ぜぬ事とは云ひながら
137誠に御無礼仕り
139只今貴女のお言葉に 140妾一行三人は
142一時も早く高照の
143深山の奥の岩窟へ 144進み行けよと宣り給ふ
146宣らせ給へる御親切
148不運の重なるヤスダラ姫の
149吾はかなしき神の御子 150大慈大悲の御心に
151救はせ給へ惟神 152黄金姫や清照姫の
153道の司の御前に 154真心こめて願ぎ奉る
157と歌つて感謝の意を表したり。158清照姫は声も涼しく歌ひ始むる。
159清照姫『御空に月は清照姫
161劫河の真砂の数多き
163救ひ助けて天国の 164御園に導く宣伝使
166御言畏み遥々と
167月の御国を横断し
169尊き使命を身に帯びし 170母娘二人の神司
172セーラン王の御危難を
174神の御言を畏みて
177此場で巡り会うたるも 178全く神の引合せ
179一時も早く吾母の 180言葉に従ひ高照の
182妾は後よりセーラン王の
183国主の命を守りつつ
186魔神の荒ぶ荒野原
187躊躇ひ給ふ其中に 188右守の司に仕へたる
189醜の捕手の来りなば 190又もや一汗心にも
192事なき中に一刻も
194尊き神の御前に
195真心誓ひて宣りまつる
198と歌ひ終はれば、199竜雲は二人の歌に答へて又歌ふ。
200竜雲『あゝ有難し有難し 201尊き神の御教に
204汝が命の宣り言を
206仰せに従ひ今よりは
208虎狼の吠え猛る
211吾等一行三人づれ
213黄金姫よ清照姫の
214貴の命よ吾々が 215行手を守り給ひつつ
216喪なく事なく高照山の 217岩窟に進ませ給へかし
218如何なる枉津の現はれて
221生言霊を打ち出して
222寄せ来る敵を悉く
225送りて行かむ惟神
226神の心に見直して
229神の御霊の幸はひて
230母娘二人の神司
232枉の身魂を悉く
235守らせ給へ大神の
236御前に清き真心を 237捧げて慎み願ぎまつる
241リーダー『黄金姫の神司 242清照姫の宣伝使
243雪か花かと云ふ様な 244容色も形貌も美はしき
245清き心の汝が命 246北光神の御宣言
247吾等三人に隈もなく
249吾等一行三人は 250汝が命の御教を
253進みて神の御恵を
255貴の命の身の上を 256保護しまつらむ吾心
257仮令天地は変るとも
266照山峠を踏み越えて
268厳の言霊打鳴して
269王の身辺守りませ 270天地の神の御前に
271慎み敬ひ二柱 272神の司の成功を
273慎みかしこみ願ぎ奉る
276再び汝の御前に
278大成功を祝ふ日を
279松、竹、梅の潔く 280堅磐常磐に願ぎ奉る
283 ここに五人は各述懐を歌ひ、284別れを惜しみながら三人は高照山へ、285二人は照山峠を野嵐に吹かれながらエチエチと登り行く。
286(大正一一・一一・一一 旧九・二三 北村隆光録)