霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二章 照魔灯(せうまとう)〔一二九六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第50巻 真善美愛 丑の巻 篇:第1篇 和光同塵 よみ(新仮名遣い):わこうどうじん
章:第2章 照魔燈 よみ(新仮名遣い):しょうまとう 通し章番号:1296
口述日:1923(大正12)年01月20日(旧12月4日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年12月7日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高天原の最奥における霊国および天国の天人は、すべて愛の善徳を完備し信の真善を成就し、智慧証覚に満ちている。ゆえに中間天国以下の天人のように決して信を説かず、信についても知らない。また神の真についても論究しない。
なぜなら、最高天人は大神の神格に充たされ、愛善信真はこれ天人の本体であるからである。だから他界の天人のように、これは果たして善なりや、悪なりや、などと真理を争うことはない。
また最奥天人は視覚ではなく、その聴覚によって宇宙に瀰漫せるアオウエイの五大父音の音響如何によってその証覚を円満にしていく。
大本神諭にあるごとく、生まれ赤子の心は清浄無垢であるから、たとえ智慧証覚は劣るといえども、その清浄無垢が最奥天国に和合する。またすべての物欲をすてて老後を楽しみ罪悪に遠ざかり、天命を楽しむ老人は、証覚ありかつ無垢な者であることを現している。
大本開祖は夫を見送り世間的生涯を終えて無垢の生涯に入り給うた時、初めて神は予言者として神格に充たされた聖霊を降し給うたのは、開祖の身魂を清浄無垢に復活し、その精霊をして天国の籍におかせ給うたからである。
ゆえに開祖は生前においてすでに霊的復活をせられたのである。これを霊的人格の再生という。大神は、人間の齢が進むにしたがってこれに善と真とを流入し給うものである。まず人間を導いて善と真との知識に入らしめ、不動不滅の智慧に入らしめ、最後に証覚に進ませ給う。
しかし現代の人間は、齢が進むにしたがってますます奸智に長け、表面は世捨て人のごとく装うといえども、その実ますます不良老年の域に進む者が大多数である。
老齢にいたってもますます権謀術数をたくましうして世間的権勢を掌握し無上の功名としている人物のごときは、霊界から見れば憐れむべき盲者である。無智にしてその日の労働にいそしみ不遇の生活を生涯送りし人間が、霊界に至って神の恩寵に浴し、善と真との徳に包まれるのである。
神には一片の偏波もないことを信じ、ひたすら神を愛し神に従い、正しき予言者の教えに信従すれば、生前に物質上の満足は得られなくても、その内分に受ける歓喜と悦楽は、とうてい現界の富者や権力者や智者学者のうかがい知ることはできない。
この物語の主人公たる初稚姫は再び天の命を受け、地上に降誕して大本開祖となり、世間的務めを完成し、八人の子女を生みそれぞれ神界の内的事業に奉仕せしむべく知らず知らずの間にその任を果たし、そして仁愛と信の智を発揮して地獄界を照破する神業に奉仕し、その任務を終えて後事を瑞霊に充たされた予言者に託し、ここにめでたく昇天復活されたのである。
ゆえに開祖は生前よりその容貌はあたかも少女のごとく、正音は優雅微妙にして、開祖に接近する者はその円満な霊容に感化され霊光に照らされ、善人は信従し尊敬し、悪人を嫌忌し恐怖したのである。
開祖の前身たる初稚姫もまた神代における神格者にして大予言者であった。しかしてその霊徳を深く秘して和光同塵の態度をもってあまねく万民を教化すべく、霊的・自然的活動を続け給うたのである。
神は瑞月を呼んで大化け物と宣らせ給うた。現代人はこれを聞いて、大悪人や権謀術数家のごとく認める者も少なくない。しかし神格に充たされた者を、頑迷不霊の地獄界に籍を置いた人間の目からみたときは、眼くらみ頭痛み息苦しくなり、恐怖心に駆られて、予言者を大怪物としか見ることができないものである。このような頑迷の徒を神の光明に浴せしめ、天国の生涯を送らせるのは実に最大難事である。
大正五年、口述者が役員室で神諭を紐解いていると、高島久子があわただしく居間に走ってやってきて、一厘の秘密を知らせるという。瑞月は厳然として神の道に秘密などないことを説き諭すと、高島久子の精霊は大いに怒ってわが耳をつかみ頬をたたいて狂い回った。
瑞月はやむを得ず霊縛をかけて彼女の動きを止め、また神に祈ってお許しを乞うた。起き上がった彼女は悪態をつきながら開祖の居間に侵入した。久子の精霊は開祖の容貌を拝するや、アッと仰向けに倒れ、開祖に悪態をつきながら吾が居間に戻ってきて、仁王立ちとなって瑞月をにらみつけた。
そこに開祖が梅の杖をつきながらちょっと障子を開けてのぞかれた。久子はまたもやキャッと叫んでその場に転倒し、毬のように表に駆け出してしまった。
後で高島久子に聞けば、開祖の居間の障子を開くやいなや、開祖の肉体は金色燦爛たる光明に満ち、その御姿を熟しすることができず、恐ろしくなって自分の守護神が一生懸命駆け出した、と答えた。
またあるときは修行場へ暴れこんで修行者に馬乗りになって小便をかけたりしたが、聖場で小便をしても神罰が当たらなかったのは神格が高いからだ、などと誇っている始末である。神は畜生が糞尿を垂れても看過したまう、これと同じ道理であることがわからないのである。
自愛心強く世間愛を善事としている人間はかえってこのような奇矯な行いを神秘とみなし、人間業でできることではないと感心するのである。
悪霊は、開祖の身内であれば決して悪神が憑依すべきものでない、という人々の思い込みを利用し、高島久子を従えてしまうと、二三の迷える信者を引き連れて八木に逃げ帰り、兇党界の団体をますます大ならしめ、大神の神業を妨害せんと企みつつある。
久子本人は元来開祖を思うこと深く、無知にして比較的その心も清ければ、兇霊も開祖の神諭を非難することはできなかった。そこで表面には厳瑞二霊を尊敬し信従するごとく装い、狂惑した久子を使って世人を魔道に引き入れようと企みつつあるのである。
この悪霊の教えを妙に曲解して随喜渇仰し随伴している者がたくさん現れてきたのは、神界のために実に悲しむべきことである。八木の停車場で狂態を演じて人々を驚かせ、大本の教えを破壊せんと企んだこともあった。
兇霊はこの筆法を用いてあるときは変性男子を極力賞賛し、また対する者の心の中に男子・女子を否んでいることを認めるときは声をひそめて頻りに誹謗し、吾が薬籠中のものになそうと企むものである。初稚姫と高姫の今後の活動は、これに類するものが多ければ巻頭に引証することとした。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2018-11-04 06:52:28 OBC :rm5002
愛善世界社版:19頁 八幡書店版:第9輯 154頁 修補版: 校定版:20頁 普及版:11頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 【宗教編】第四篇 神霊世界 > 第八章 照魔燈
001 高天原(たかあまはら)最奥(さいあう)()ける霊国(れいごく)(およ)天国(てんごく)天人(てんにん)は、002すべて(あい)善徳(ぜんとく)完備(くわんび)し、003(しん)真善(しんぜん)成就(じやうじゆ)し、004智慧(ちゑ)証覚(しようかく)()()るを(もつ)て、005中間(ちうかん)天国(てんごく)以下(いか)天人(てんにん)(ごと)く、006(けつ)して(しん)()かず、007(また)(しん)(なん)たるかも()らないのである。008(また)(かみ)(しん)()いて論究(ろんきう)せないのである。009何故(なにゆゑ)ならば、010()かる霊的(れいてき)(およ)天的(てんてき)最高(さいかう)天人(てんにん)は、011大神(おほかみ)神格(しんかく)()たされ、012愛善(あいぜん)信真(しんしん)これ天人(てんにん)本体(ほんたい)なるが(ゆゑ)である。013(ゆゑ)他界(たかい)天人(てんにん)(ごと)く、014これは(はた)して(ぜん)なりや、015(あく)なりや、016などと()つて真理(しんり)(あらそ)はない。017(ただ)(あらそ)ふものは中間(ちうかん)(およ)下層(かそう)天界(てんかい)天人(てんにん)内分(ないぶん)()(ひく)いものの所為(しよゐ)である。018(また)最奥(さいあう)天人(てんにん)視覚(しかく)によらず、019(かなら)(その)聴覚(ちやうかく)によつて、020(すなは)宇宙(うちう)瀰漫(びまん)せるアオウエイの五大(ごだい)父音(ふおん)音響(おんきやう)如何(いかん)によつて、021(その)証覚(しようかく)をして益々(ますます)円満(ゑんまん)ならしむるものである。022大本(おほもと)神諭(しんゆ)に『(うま)赤子(あかご)(こころ)にならねば、023(かみ)(まこと)(わか)りは(いた)さぬぞよ……』とお(しめ)しになつてゐるが、024すべて赤子(あかご)(こころ)清浄(せいじやう)無垢(むく)にして水晶(すゐしやう)(ごと)きものであるから、025仮令(たとへ)智慧(ちゑ)証覚(しようかく)(おと)ると(いへど)も、026(ただ)ちに(その)清浄(せいじやう)無垢(むく)とは、027最奥(さいあう)天界(てんかい)和合(わがふ)()るからである。028(また)社会(しやくわい)(てき)覊絆(きはん)(だつ)し、029すべての物欲(ぶつよく)()て、030悠々(いういう)として老後(らうご)(たの)しみ、031罪悪(ざいあく)(とほ)ざかり、032天命(てんめい)(たの)しむ(ところ)老人(らうじん)(もつ)て、033証覚(しようかく)ありて無垢(むく)なる(もの)たることを(あら)はし(たま)ふのである。034大本(おほもと)開祖(かいそ)世間(せけん)(てき)生涯(しやうがい)(をは)り、035(をつと)見送(みおく)り、036無垢(むく)生涯(しやうがい)()(たま)うた(とき)037(はじ)めて(かみ)予言者(よげんしや)として、038これに神格(しんかく)(みた)されたる精霊(せいれい)(くだ)(たま)ひ、039天国(てんごく)福音(ふくいん)(あまね)地上(ちじやう)宣伝(せんでん)(たま)うたのは、040(じつ)清浄(せいじやう)無垢(むく)身魂(みたま)復活(ふくくわつ)し、041精霊(せいれい)をして天国(てんごく)(せき)におかせ(たま)うたからである。042(ゆゑ)開祖(かいそ)(ごと)きは、043生前(せいぜん)(おい)(すで)霊的(れいてき)復活(ふくくわつ)をせられたのである。044(この)復活(ふくくわつ)(しよう)して霊的(れいてき)人格(じんかく)再生(さいせい)といふのである。045大神(おほかみ)人間(にんげん)をして(その)(よはひ)(すす)むに(したが)ひ、046(これ)(たい)して(ぜん)(しん)とを流入(りうにふ)(たま)ふものである。047()人間(にんげん)(みちび)いて(ぜん)(しん)との知識(ちしき)()らしめ、048これより(すす)んで不動(ふどう)不滅(ふめつ)智慧(ちゑ)()り、049最後(さいご)(その)智慧(ちゑ)より仏者(ぶつしや)所謂(いはゆる)阿羅耶(あらや)(しき)八識(はつしき)(すなは)証覚(しようかく)(すす)ませ(たま)ふものである。050(これ)仏教(ぶつけう)にては、051阿耨(あのく)多羅(たら)052三藐(さんみやく)三菩提心(さんぼだいしん)無上(むじやう)証覚(しようかく))といふのである。053(しか)しながら現代(げんだい)人間(にんげん)は、054(その)(よはひ)(すす)むに(したが)つて、055益々(ますます)奸智(かんち)()け、056表面(へうめん)楽隠居(らくいんきよ)(ごと)世捨人(よすてびと)(ごと)く、057(あるひ)聖人(せいじん)君子(くんし)(ごと)(よそほ)ふと(いへど)も、058その(じつ)益々(ますます)不良(ふりやう)老年(らうねん)(ゐき)(すす)むものが大多数(だいたすう)である。059優勝(いうしよう)劣敗(れつぱい)060弱肉(じやくにく)強食(きやうしよく)(もつ)社会(しやくわい)真理(しんり)看做(みな)してゐる現代(げんだい)()ち、061多数(たすう)党与(たうよ)(ひき)ゐて政治界(せいぢかい)(また)実業界(じつげふかい)跋扈(ばつこ)跳梁(てうりやう)し、062益々(ますます)権謀(けんぼう)術数(じゆつすう)(たくま)しうし、063(わづか)(その)地位(ちゐ)(たも)ち、064世間(せけん)(てき)権勢(けんせい)掌握(しやうあく)して無上(むじやう)功名(こうみやう)看做(みな)してゐる人物(じんぶつ)(ごと)きは、065(じつ)霊界(れいかい)より(これ)()(とき)(あは)れむべき盲者(まうじや)である。066(かく)(ごと)現界(げんかい)()ける権力者(けんりよくしや)よりも、067無智(むち)にして(その)()労働(らうどう)(いそ)しみ、068現代人(げんだいじん)無道(むだう)権力(けんりよく)圧倒(あつたう)され、069孜々(しし)として(これ)盲従(まうじゆう)し、070不遇(ふぐう)生活(せいくわつ)生涯(しやうがい)(おく)りし人間(にんげん)が、071霊界(れいかい)(いた)つて(かみ)恩寵(おんちやう)(よく)し、072(その)霊魂(れいこん)智慧(ちゑ)相応(さうおう)(ひかり)(はな)ち、073(ぜん)(しん)との(とく)(つつ)まれて、074生前(せいぜん)位地(ゐち)転倒(てんたう)してゐる(もの)沢山(たくさん)にあるのである。075(ゆゑ)霊的(れいてき)観察(くわんさつ)よりすれば、076権勢(けんせい)ある(もの)077()める(もの)078智者(ちしや)学者(がくしや)といはるる(もの)よりも、079(まづ)しき(もの)080(いや)しき(もの)081(ちから)(よわ)(もの)082現界(げんかい)(おい)ていと(ちひ)さき(もの)として、083世人(せじん)脚下(きやくか)()(にじ)られたる人間(にんげん)が、084(かへ)つて愛善(あいぜん)(とく)(ぢゆう)し、085信真(しんしん)(ひかり)(かがや)いて、086天国(てんごく)団体(だんたい)円満(ゑんまん)なる生涯(しやうがい)(おく)るものである。087(ゆゑ)(かみ)には一片(いつぺん)依怙(えこ)もなく偏頗(へんぱ)もない(こと)(しん)じ、088只管(ひたすら)(かみ)(あい)(かみ)(したが)ひ、089(ただ)しき予言者(よげんしや)(をしへ)信従(しんじゆう)せば、090生前(せいぜん)(おい)ても、091仮令(たとへ)物質(ぶつしつ)(じやう)満足(まんぞく)()られずとも、092(その)内分(ないぶん)()くる歓喜(くわんき)悦楽(えつらく)とは、093到底(たうてい)現界(げんかい)富者(ふうじや)権力者(けんりよくしや)智者(ちしや)学者(がくしや)窺知(きち)()(ところ)ではないのである。094(この)物語(ものがたり)主人公(しゆじんこう)たる初稚姫(はつわかひめ)(ふたた)(てん)(めい)()け、095地上(ちじやう)降誕(かうたん)して大本(おほもと)開祖(かいそ)となり、096世間(せけん)(てき)(つと)めを完成(くわんせい)し、097(はち)(にん)子女(しぢよ)()夫々(それぞれ)神界(しんかい)内的(ないてき)事業(じげふ)奉仕(ほうし)せしむべく、098()らず()らずの(あひだ)(その)(にん)(はた)し、099微賤(びせん)(くだ)りて、100(あふ)るる(ばか)りの仁愛(じんあい)透徹(とうてつ)したる(しん)()発揮(はつき)して、101暗黒(あんこく)無道(むだう)地獄界(ぢごくかい)照破(せうは)する神業(しんげふ)奉仕(ほうし)し、102(その)任務(にんむ)()へて、103後事(こうじ)瑞霊(ずゐれい)(みた)されたる予言者(よげんしや)(たく)し、104(ここ)目出度(めでた)昇天(しようてん)復活(ふくくわつ)されたのである。105(ゆゑ)開祖(かいそ)生前(せいぜん)より(その)容貌(ようばう)(あだか)少女(せうぢよ)(ごと)く、106(その)声音(せいおん)優雅(いうが)美妙(びめう)にして、107(また)少女(せうぢよ)(ごと)く、108玲瓏(れいろう)(たま)(ごと)顔容(かんばせ)抱持(はうぢ)(たま)ひ、109開祖(かいそ)接近(せつきん)する(もの)は、110何時(いつ)とはなしに(その)円満(ゑんまん)なる霊容(れいよう)感化(かんくわ)され、111霊光(れいくわう)(てら)され、112善人(ぜんにん)(これ)信従(しんじゆう)尊敬(そんけい)し、113悪人(あくにん)(これ)嫌忌(けんき)恐怖(きようふ)したのである。114開祖(かいそ)前身(ぜんしん)たる初稚姫(はつわかひめ)(また)神代(かみよ)()ける神格者(しんかくしや)にして、115(だい)予言者(よげんしや)であつた。116その容貌(ようばう)(およ)全身(ぜんしん)より金色(こんじき)光明(くわうみやう)放射(はうしや)し、117悪魔(あくま)をして容易(ようい)(ちか)づき()ざらしめたのである。118されど初稚姫(はつわかひめ)は、119(その)霊徳(れいとく)霊光(れいくわう)(ふか)()(たま)ひ、120和光(わくわう)同塵(どうぢん)態度(たいど)(もつ)(あまね)万民(ばんみん)教化(けうくわ)天国(てんごく)(すく)はむため、121ワザと(その)神相(しんさう)(かく)(たま)ひて、122霊的(れいてき)(およ)自然(しぜん)(てき)活動(くわつどう)(つづ)(たま)うたのである。123開祖(かいそ)(つね)()はれた……出口(でぐち)(なほ)正体(しやうたい)(あら)はしたなれば、124人民(じんみん)(まなこ)くらみ、125到底(たうてい)(そば)へは()りつくことは出来(でき)ない、126(ゆゑ)にワザとに()におちぶらし、127(いま)まで衆生(しゆじやう)済度(さいど)(ため)(ばか)してあつたのだ……と物語(ものがた)られた(こと)屡々(しばしば)である。128(この)(とき)(そば)(した)しく()してゐた役員(やくゐん)(ども)は、129開祖(かいそ)平素(へいそ)人格(じんかく)には敬服(けいふく)してゐたが、130(しか)(その)言葉(ことば)(あま)りに高調(かうてう)(てき)なるに(たい)し、131開祖(かいそ)慢心(まんしん)をされたものとのみ(おも)うてゐた(もの)沢山(たくさん)にあつたのである。132(かみ)(かなら)順序(じゆんじよ)(まも)らせ(たま)ひ、133相応(さうおう)()()りて和合(わがふ)(とく)(あら)はし(たま)ふが(ゆゑ)に、134(その)対者(たいしや)(むか)つて(あま)懸隔(けんかく)なき(やう)(あら)はれ(たま)ふのである。135(ゆゑ)対者(たいしや)(とく)智慧(ちゑ)如何(いかん)によつて、136(かみ)(また)開祖(かいそ)()(ところ)()非常(ひじやう)差等(さとう)があるのは、137()むを()ないのである。138(かみ)瑞月(ずゐげつ)()んで大化物(おほばけもの)予言者(よげんしや)(つう)じて()らせ(たま)うた。139現代人(げんだいじん)大化物(おほばけもの)()()いて、140大悪人(だいあくにん)代名詞(だいめいし)(ごと)(あるひ)権謀(けんぼう)術数(じゆつすう)()別称(べつしよう)(ごと)く、141(また)巧言(かうげん)令色(れいしよく)142(おもて)(ぜん)(かざ)虚偽(きよぎ)(おこな)ひ、143世人(せじん)誑惑(きやうわく)する悪人(あくにん)(みと)むる(もの)(すくな)くないのである。144(しか)神格(しんかく)(みた)されたる(もの)を、145頑迷(ぐわんめい)不霊(ふれい)地獄界(ぢごくかい)(せき)()ける人間(にんげん)()より()るときは、146(たちま)(まなこ)(くら)(かしら)(いた)み、147(いき)(くる)しくなり、148癲狂(てんきやう)痴呆(ちはう)(たちま)(へん)じて、149恐怖心(きようふしん)()られ、150その真相(しんさう)看取(かんしゆ)することは出来(でき)ないものである。151(ゆゑ)にかかる人間(にんげん)地位(ちゐ)()ちて予言者(よげんしや)(あふ)()(とき)は、152大怪物(だいくわいぶつ)とより()ることが出来(でき)ないのである。153(ああ)(かく)(ごと)頑迷(ぐわんめい)()をして、154(かみ)光明(くわうみやう)(よく)せしめ、155愛善(あいぜん)(とく)(ぢゆう)せしめて、156永遠(えいゑん)無窮(むきう)天国(てんごく)生涯(しやうがい)()きながらに(おく)らしめむとするは、157(じつ)最大(さいだい)難事(なんじ)である。158大正(たいしやう)()(ねん)(こと)であつた。159口述者(こうじゆつしや)役員室(やくゐんしつ)()つて神諭(しんゆ)(ひもと)(をり)しも、160(あわただ)しく()(きた)りしは開祖(かいそ)(むすめ)なる高島(たかしま)久子(ひさこ)であつた。161(かれ)前節(ぜんせつ)()べたる(ごと)肉体(にくたい)(てき)兇霊(きようれい)心身(しんしん)占領(せんりやう)されて、162(わが)居間(ゐま)(はし)()りて、163恭敬(きようけい)礼拝(らいはい)()ふ。164(みづ)御霊(みたま)(さま)165一大事(いちだいじ)突発(とつぱつ)(いた)しました。166一厘(いちりん)秘密(ひみつ)をお()らせ(まを)します』と()ふより(はや)く、167(わが)(みみ)(そば)(くち)をよせ、168()のぬけた(くち)から、169(くさ)(いき)(つば)を、170(わが)顔面(がんめん)にふきかけながら、171(くだ)らぬ不合理(ふがふり)()ちたことを喋々(てふてふ)(べん)()てた。172そこで瑞月(ずゐげつ)儼然(げんぜん)として、173(まこと)(みち)秘密(ひみつ)のあるべき道理(だうり)なし、174秘密(ひみつ)()(かなら)(しめ)すといふことである。175(けつ)して隠蔽(いんぺい)すべきものでない。176(みみ)もとに(ささや)(ごと)きは神人(しんじん)のなすべき(ところ)でない。177これは体主(たいしゆ)霊従(れいじう)(てき)人獣(にんじう)()へてする行為(かうゐ)である』と()ふや(いな)や、178高島(たかしま)久子(ひさこ)精霊(せいれい)(おほ)いに(いか)つて、179わが(みみ)たぶを(ひだり)()にて引張(ひつぱ)り、180(みぎ)()(もつ)てわが(ほほ)をピシヤピシヤと(たた)きつけ『義理(ぎり)天上(てんじやう)日出(ひのでの)(かみ)秘密(ひみつ)忠告(ちうこく)()かねば、181()高天原(たかあまはら)大騒動(だいさうどう)(おこ)りますぞ。182()うなつても日出(ひのでの)(かみ)()らぬぞよ』とわめき()て、183(くる)ひまはつた。184そこで瑞月(ずゐげつ)兇霊(きようれい)憑依(ひようい)せるものなることを本人(ほんにん)懇々(こんこん)(さと)してみたが、185もはや兇霊(きようれい)霊肉(れいにく)(まつた)占領(せんりやう)された彼女(かれ)には(なん)効能(かうのう)もなかつた、186のみならず(おほ)いに(いか)つて、187(わが)喉元(のどもと)()びかかり、188()みつかむとした。189そこで瑞月(ずゐげつ)()むを()ず、190(みぎ)人指(ひとさし)(まへ)()けて『ウン』と一声(ひとこゑ)191(かみ)(いの)つて、192(その)面体(めんてい)霊光(れいくわう)(てら)すや(いな)や、193(たちま)ちパタリと(たふ)れて(しま)つた。194そこで瑞月(ずゐげつ)(ただち)(かみ)(かれ)(ため)謝罪(しやざい)をなし、195(ゆる)しを()うた。196彼女(かれ)はムクムクと立上(たちあが)り、197(くち)(きは)めて『変性(へんじやう)女子(によし)糞奴(くそやつこ)198(くそ)先生(せんせい)()先生(せんせい)199小松林(こまつばやし)悪魔(あくま)()』と(わめ)()てながら、200(なが)廊下(らうか)韋駄天(ゐだてん)(ばし)りに開祖(かいそ)居間(ゐま)侵入(しんにふ)した。
201(たちま)久子(ひさこ)憑依(ひようい)せる兇霊(きようれい)は、202開祖(かいそ)容貌(ようばう)(はい)するや、203アツと仰向(あふむ)けに(たふ)れ、204キヤアキヤアと(わめ)きながら、205長廊下(ながらうか)(まり)(ごと)くころげて、206(ふたた)びわが居間(ゐま)()(かへ)(きた)り『奴開祖(どかいそ)糞開祖(くそかいそ)()207これから(おれ)(まこと)(うしとら)金神(こんじん)ぢや、208変性(へんじやう)男子(なんし)女子(によし)此処(ここ)()()け、209これから()高天原(たかあまはら)は、210高島(たかしま)久子(ひさこ)(うしとら)金神(こんじん)変性(へんじやう)男子(なんし)(あら)はれて、211日出(ひのでの)(かみ)()(いた)し、212大広木(おほひろき)正宗(まさむね)殿(どの)(みたま)御用(ごよう)使(つか)うて、213神政(しんせい)成就(じやうじゆ)神業(しんげふ)奉仕(ほうし)するから、214(この)(はう)(まを)(こと)(みみ)(はい)らぬ(やつ)は、215一人(ひとり)(のこ)らず()てゆけ。216金勝要(きんかつかねの)(かみ)身魂(みたま)()(つよ)いぞよ。217木花(このはな)咲耶姫(さくやひめ)生宮(いきみや)(わけ)(わか)らぬぞよ。218これから(この)高島(たかしま)久子(ひさこ)(たい)()つて、219(まこと)(こと)()らすぞよ』などと狂態(きやうたい)(えん)じ、220身体(からだ)(しき)りに震動(しんどう)させて、221猛悪(まうあく)(さう)(あら)はし、222座敷(ざしき)中央(まんなか)仁王立(にわうだ)ちとなつて()めつけてゐた。223そこへ開祖(かいそ)(うめ)(つゑ)をつきながら、224障子(しやうじ)をあけて一寸(ちよつと)(のぞ)かれると、225(また)もやキヤツと(さけ)んで(その)()顛倒(てんたう)し、226(まり)のやうになつて(おもて)()()して(しま)つた。227(あと)(いた)つて高島(たかしま)久子(ひさこ)()けば、228(かれ)()ふ……開祖(かいそ)居間(ゐま)障子(しやうじ)(ひら)くや(いな)や、229開祖(かいそ)全肉体(ぜんにくたい)金色(きんしよく)燦爛(さんらん)たる光明(くわうみやう)にみち、230そのお姿(すがた)熟視(じゆくし)する(あた)はず、231(たちま)(おそ)ろしくなつて、232(わたし)守護神(しゆごじん)一生(いつしやう)懸命(けんめい)()()しました……と(こた)へたのである。233(また)彼女(かれ)自筆(じひつ)筆先(ふでさき)にも(この)(こと)明記(めいき)してゐる。234それから久子(ひさこ)(おもて)へまはり、235金竜殿(きんりうでん)侵入(しんにふ)した。236そこには数多(あまた)役員(やくゐん)修業者(しゆげふしや)幽斎(いうさい)最中(さいちう)であつた。237久子(ひさこ)矢庭(やには)(あば)()していふ……(なんぢ)()盲役員(めくらやくゐん)238幽斎(いうさい)修業(しうげふ)などとは(もつ)ての(ほか)だ、239この生宮(いきみや)(まを)(こと)()け……と呶鳴(どな)りながら、240修業(しうげふ)()てゐた河井(かはゐ)芳男(よしを)といふ青年(せいねん)引捉(ひつとら)へ、241殿中(でんちう)(おい)馬乗(うまのり)となり、242(その)青年(せいねん)(くび)にジヤウ ジヤウ ジヤウとぬくい小便(せうべん)をたれかけ……(なんぢ)(ごと)(もの)(これ)にて結構(けつこう)だ……と(わめ)()て、243狂態(きやうたい)(えん)じてゐた。244この(こと)高島(たかしま)久子(ひさこ)精霊(せいれい)()いた筆先(ふでさき)自慢(じまん)さうに(しる)してある。245すべて兇党界(きようたうかい)悪霊(あくれい)順序(じゆんじよ)(わきま)へず(また)善悪(ぜんあく)美醜(びしう)区別(くべつ)がつかないから、246神聖(しんせい)なる金竜殿(きんりうでん)(ない)(おい)て、247(ひと)(くび)小便(せうべん)をかけ、248得意(とくい)となつてゐるのである。249(しか)して彼女(かれ)はいふ……わが守護神(しゆごじん)(じつ)偉大(ゐだい)なものだ、250あの(やう)(きよ)御殿(ごてん)(おい)て、251(ほか)(もの)小便(せうべん)こかうものなら、252(たちま)守護神(しゆごじん)肉体(にくたい)神罰(しんばつ)(あた)るのであるが、253(なに)をいつても神格(しんかく)(たか)いから、254あの(とほ)りチツとも(ばち)(あた)らなかつたのだ……と(ほこ)つてゐるのは(じつ)済度(さいど)(がた)難物(なんぶつ)である。255丁度(ちやうど)(ねこ)(ねずみ)大神(おほかみ)鎮座(ちんざ)まします神聖(しんせい)なる(とびら)(なか)()をくみ、256(あるひ)糞尿(ふんねう)をたれても、257(かみ)畜生(ちくしやう)として看過(かんくわ)(たま)ひ、258(これ)(きた)(たま)はざると同様(どうやう)()である(こと)()らない癲狂(てんきやう)痴呆者(ちはうしや)である。259自愛心(じあいしん)(つよ)世間愛(せけんあい)のみを(もつ)唯一(ゆゐいつ)善事(ぜんじ)思惟(しゐ)しゐたる人間(にんげん)は、260(かへ)つて()かる奇矯(きけう)なる行為(かうゐ)(もつ)て、261神秘(しんぴ)行為(かうゐ)となし、262(これ)随喜(ずゐき)渇仰(かつかう)していふ……(まつた)くあの(おこな)ひは人間(にんげん)ではない、263人間心(にんげんごころ)で、264()うして殿内(でんない)(おい)て、265(しか)人間(にんげん)(くび)(また)がり、266小便(せうべん)がかけられようか、267(まつた)(かみ)(さま)証拠(しようこ)である……と、268()()つて感心(かんしん)するのである。269(かれ)()()(ごと)(けつ)して人間(にんげん)ではない。270(しか)しながら(かみ)だと(おも)つたら大変(たいへん)間違(まちがひ)である。271スツカリ肉体(にくたい)(てき)兇霊(きようれい)272悪魔(あくま)彼女(かれ)全身(ぜんしん)支配(しはい)して(おこな)うた(ところ)狂態(きやうたい)であるのである。
273 (その)()かれ悪霊(あくれい)久子(ひさこ)肉体(にくたい)(たい)し、274いろいろと幻覚(げんかく)(しめ)し、275益々(ますます)誑惑(きやうわく)(ふち)(おとしい)れ、276(あるひ)(いつ)月間(げつかん)断食(だんじき)(あた)へ、277地獄(ぢごく)有様(ありさま)眼前(がんぜん)髣髴(はうふつ)せしめ……(なんぢ)わが(げん)(もち)ゐざる(とき)は、278(かく)(ごと)無間(むげん)地獄(ぢごく)陥落(かんらく)すべし。279(また)わが(げん)信従(しんじゆう)し、280わが頤使(いし)(したが)つて活動(くわつどう)する(とき)は、281(なんぢ)をして将来(しやうらい)(かく)(ごと)結構(けつこう)なる位地(ゐち)につかしむべし……と、282(あるひ)はたらし(あるひ)(おど)し、283(やうや)くにして開祖(かいそ)身内(みうち)たる肉体(にくたい)を、284わが自由(じいう)駆使(くし)する(こと)()たのである。285(かれ)()悪業(あくごふ)遂行(すゐかう)せむとすれば、286現界人(げんかいじん)浅薄(せんぱく)なる識見(しきけん)より()て、287開祖(かいそ)血統(けつとう)(うま)れし人間(にんげん)なれば、288大丈夫(だいぢやうぶ)289(けつ)して悪神(あくがみ)憑依(ひようい)すべきものでないと信用(しんよう)させ()るの便宜(べんぎ)があるからである。290かれ兇霊(きようれい)無智(むち)なる久子(ひさこ)霊肉(れいにく)完全(くわんぜん)占領(せんりやう)した(うへ)291()高天原(たかあまはら)霊光(れいくわう)にゐたたまらず、292二三(にさん)(まよ)へる信者(しんじや)引連(ひきつ)れ、293一目散(いちもくさん)八木(やぎ)へさして()(かへ)り、294ここに久子(ひさこ)記憶(きおく)信仰(しんかう)基礎(きそ)として、295(その)想念中(さうねんちう)(ふか)()()み、296兇党界(きようたうかい)団体(だんたい)をして益々(ますます)(だい)ならしめ、297大神(おほかみ)神業(しんげふ)極力(きよくりよく)妨害(ばうがい)せむと(たく)みつつあるのである。298さりながら久子(ひさこ)(その)(ひと)元来(ぐわんらい)開祖(かいそ)(おも)(こと)(もつと)(ふか)(かつ)無智(むち)にして比較(ひかく)(てき)(その)(こころ)(きよ)ければ、299(さすが)兇霊(きようれい)開祖(かいそ)神諭(しんゆ)非難(ひなん)することを()ず、300(かつ)(また)(いづ)御霊(みたま)301(みづ)御霊(みたま)極力(きよくりよく)排斥(はいせき)し、302誹謗(ひばう)しては(その)目的(もくてき)完成(くわんせい)()ざるを()るが(ゆゑ)に、303表面(へうめん)厳瑞(げんずゐ)二霊(にれい)尊敬(そんけい)信従(しんじゆう)する(ごと)(よそほ)ひ、304()久子(ひさこ)誑惑(きやうわく)(その)(くち)()(もつ)世人(せじん)魔道(まだう)引入(ひきい)れむと(たく)みつつあるのである。305(これ)(けつ)して瑞月(ずゐげつ)(いや)しき(こころ)より()ぶるのではない。306大神(おほかみ)御子(みこ)たる可憐(かれん)なる精霊(せいれい)人間(にんげん)をして、307一人(ひとり)なりとも邪道(じやだう)(おちい)らざらしめむが(ため)慈愛心(じあいしん)(ほか)ならぬのである。308かれ精霊(せいれい)久子(ひさこ)肉体(にくたい)綾部(あやべ)停車場(ていしやぢやう)仰向(あふむ)けに(たふ)し、309陰部(いんぶ)(さら)して大呼(たいこ)して()ふ……われは()高天原(たかあまはら)変性(へんじやう)男子(なんし)出口(でぐち)(なほ)肉体(にくたい)をかりて(うま)れた日出(ひのでの)(かみ)生宮(いきみや)であるぞよ。310(みな)(もの)311これを()て、312大本(おほもと)(をしへ)(さと)れよ……と呶鳴(どな)()てた。313精霊(せいれい)久子(ひさこ)()かる衆人(しうじん)環視(くわんし)(まへ)にて狂態(きやうたい)(えん)ぜしめた(その)底意(そこい)は、314(えう)するに(かみ)()冒涜(ぼうとく)し、315世人(せじん)をして大本(おほもと)信用(しんよう)せしめざらむが(ため)悪計(あくけい)であつた。316されど暗愚(あんぐ)なる信者(しんじや)は、317そんな(ところ)(すこ)しも注意(ちゆうい)せずしていふ……ああ吾々(われわれ)改心(かいしん)()らぬ(ゆゑ)(かみ)(さま)変性(へんじやう)男子(なんし)系統(けいとう)肉宮(にくみや)をかつて、318(いまし)(くだ)さつたのであらう、319(まへ)(たち)(こころ)(この)(とほ)(みにく)いのだ、320(まへ)(たち)神界(しんかい)より(ばつ)せられ、321地獄(ぢごく)(かま)のドン(ぞこ)(おと)されるのだが、322高島(たかしま)久子(ひさこ)千座(ちくら)置戸(おきど)()はして(たす)けてやつて()るぞよ、323との(ふか)思召(おぼしめし)であらう……などと(めう)(ところ)曲解(きよくかい)して益々(ますます)随喜(ずゐき)渇仰(かつかう)し、324精霊(せいれい)誑惑(きやうわく)()せられて、325遠近(ゑんきん)神社(じんじや)調査(てうさ)するといつて、326(あるひ)(その)費用(ひよう)(けん)じ、327(あるひ)随伴(ずゐはん)してゐる(もの)沢山(たくさん)(あら)はれて()たのは、328(じつ)神界(しんかい)(ため)(かな)しむべきことである。329されど(かみ)(けつ)して(かく)(ごと)兇霊(きようれい)(けが)され(たま)ふものでもなく、330(また)如何(いか)妨害(ばうがい)せむとするも(いささ)かの痛痒(つうやう)(かん)(たま)はないのである。331只々(ただただ)可憐(かれん)なる(かみ)御子(みこ)(かれ)()兇霊(きようれい)心身(しんしん)誑惑(きやうわく)され邪神界(じやしんかい)引入(ひきい)れられ、332無間(むげん)地獄(ぢごく)陥落(かんらく)しゆくを(かな)しみ(たま)ふのみである。333かかる仁慈(じんじ)無限(むげん)大神(おほかみ)御心(みこころ)()らず、334男子(なんし)()うだとか、335女子(によし)言行(げんかう)がなんだとか()つて、336その光明(くわうみやう)(そむ)き、337醜穢(しうわい)(きは)まる地獄(ぢごく)転移(てんい)するは、338(じつ)仁慈(じんじ)()より()(しの)(がた)(ところ)である。339かれ精霊(せいれい)久子(ひさこ)(また)もや八木(やぎ)停車場(ていしやぢやう)()()き、340大声(たいせい)叱呼(しつこ)して()ふ……(この)(をんな)(もと)(ただ)せば、341丹波国(たんばのくに)何鹿(いかるが)(こほり)綾部町(あやべちやう)342本宮(ほんぐう)新宮(しんぐう)(つぼ)(うち)343変性(へんじやう)男子(なんし)身魂(みたま)出口(でぐち)(なほ)(たい)をかり、344出口(でぐち)政五郎(まさごらう)といふ(ちち)()ち、345(わか)(とき)から男女(をとこをんな)()ばれたる、346ヤンチヤ(むすめ)出口(でぐち)久子(ひさこ)347(いま)(かみ)因縁(いんねん)()つて、348八木(やぎ)高島(たかしま)寅之助(とらのすけ)(つま)となり、349あの(やま)の、350(やま)のほでらのあばらや住居(ずまゐ)351(いま)はおちぶれて()れども、352結構(けつこう)身魂(みたま)()におとしてあるぞよ。353(あなど)りて()りたものは、354アフンと(いた)してあいた(くち)がすぼまらぬぞよ。355(いま)天地(てんち)がかへるぞよ。356(よく)(いた)して沢山(たくさん)(かね)をためて()りても、357(その)(たから)持切(もちきり)には出来(でき)(たから)であるぞよ。358(この)(かみ)(まを)した(こと)には一分(いちぶ)一厘(いちりん)間違(まちが)ひはないぞよ。359(さき)をみてゐて(くだ)されよ、360(まへ)をまくつて大音声(だいおんぜう)……と(みづか)()ばはり、361停車場(ていしやぢやう)(あつ)まる人々(ひとびと)(おどろ)かせ、362(これ)鎮定(ちんてい)せむと()(きた)りし長左(ちやうざ)といふ(をとこ)(うで)にかぶりつき、363狂態(きやうたい)(えん)じ、364大本(おほもと)(をしへ)破壊(はくわい)せむと(たく)んだ(こと)もあつたのである。365兇霊(きようれい)(この)筆法(ひつぱふ)(もつ)て、366(ある)(とき)変性(へんじやう)男子(なんし)極力(きよくりよく)賞讃(しやうさん)し、367また対者(たいしや)(こころ)(うち)男子(なんし)女子(によし)(いな)むと(みと)むる(とき)は、368(こゑ)()そめて(しき)りに誹謗(ひばう)し、369(わが)薬籠中(やくろうちう)のものとなさむと(たく)むものである。
370 さて、371初稚姫(はつわかひめ)高姫(たかひめ)との今後(こんご)活動(くわつどう)(これ)(るゐ)するもの(おほ)ければ、372巻頭(くわんとう)引証(いんしよう)することとしたのである。
 
373追伸(つゐしん)霊界(れいかい)物語(ものがたり)読者(どくしや)(なか)には(すべ)て、374斯様(かやう)であります……とか、375()(かんが)へます……とかいふ謙譲(けんじやう)言葉(ことば)がなく、376かうである……どうである……などと断定(だんてい)(てき)に、377(かつ)高圧(かうあつ)(てき)口述(こうじゆつ)してあるのは、378所謂(いはゆる)口述者(こうじゆつしや)慢心(まんしん)した結果(けつくわ)379かかる不遜(ふそん)言辞(げんじ)(ろう)するのだと非難(ひなん)する(ひと)間々(まま)あるさうです。380(しか)しながら『あります』と()へば活字(くわつじ)四字(よじ)(もち)ひなくてはなりませぬ。381『ある』といへば二字(にじ)(こと)がすみます。382それ(ゆゑ)にかかる洪瀚(かうかん)物語(ものがたり)には一字(いちじ)なりとも冗言(じようげん)(はぶ)き、383可成(なるべく)数多(あまた)意味(いみ)読者(どくしや)()らさむが(ため)忠実(ちうじつ)なる意思(いし)より()でたのであります。384(しか)して口述者(こうじゆつしや)自身(じしん)(ただ)神格(しんかく)にみたされたる聖霊(せいれい)(れい)(たい)(まか)せきつてゐるのでありますから、385口述者(こうじゆつしや)(これ)(あらた)めようと(いた)しましても、386肝腎(かんじん)(きよく)(あた)聖霊(せいれい)()かなければ是非(ぜひ)ない(こと)であります。387一寸(ちよつと)(ここ)一言(いちごん)(ことわ)つておく次第(しだい)であります。
388大正一二・一・二〇 旧一一・一二・四 松村真澄録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
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