みろくの世間近くなりて甲子の秋のみまつり遙かに拝むも〈第2章(初版)〉
神の国霊界聖談など読みて秋の長夜を天国に遊ぶ〈第4章(初版)〉
湧き出づる思想の泉汲みておく術さへもなき今日のわれかな〈第4章(初版)〉
神々の御宣を伝へ示さむとおもふ甲斐なき今日の吾なり〈第4章(初版)〉
久験録
瑞月
甲子旧五月二十三朝 富士山上現三個太陽
中央白光左右円像赤 次自七月十一至十三
晴空月面有薄蝕天変 古聖相伝曰国家凶兆
(大正一一、一〇、二二)〈第8章(初版)〉
赤心のあらむ限りを尽しつつ天にとどかむ時待つ久しさ〈第9章(初版)〉
ままならぬ身を横たへて待ち佗びぬ晴れて輝く月日の空を〈第14章(初版)〉
かねてより斯くと知りつつ夜な夜なに世の行く末を今更なげくも〈第14章(初版)〉
言問はむ人さへもなきわが身には窓下の読書頼りなりけり〈第14章(初版)〉
ひむがしの空を眺めて思ふかな生日足日の吉き日あれよと〈第14章(初版)〉
わが思ふ心の一つ通ひなば九十九の峯も安く越ゆべし〈第15章(初版)〉
偉大なる神の光りを力としいつの御年の春を待つなり〈第16章(初版)〉
甲子の空をみとせの艮は世に例しなき雲のゆきかひ〈第17章(初版)〉
三五の月さへ面を曇らしてなげき給はむ巡り来る世を〈第17章(初版)〉
大小の三の災起るともみままにならば確に救はむ〈第17章(初版)〉
唐土の蛸間の山に嵐して野辺の百草寒さに慄ふも〈第18章(初版)〉
事しあらば志古の岩窟押し開き瑞の御魂の世の守り得よ〈第18章(初版)〉
天地は変らざれども曲津見の荒ぶ暗世は亡び失すらむ〈第20章(初版)〉
東の空まだ明けず暁の光の底に吾は雄健ぶ〈第20章(初版)〉
皇道の真意を知らぬ政乱家の得意顔なる御代は淋しき〈第20章(三版)〉
三五の玉〔その二〕
三ツの玉
竜館桶伏山の聖場は金剛不壊の如意宝珠なり
紫の珍の神宝は万寿苑永劫不滅の霊地なりけり
黄金の玉の台は高熊の四十八なす宝座なりけり〈巻末(初版)〉
五ツの玉
紫の麻邇の宝珠は厳御魂瑞の御魂の経綸なりけり
赤色のマニの宝珠は信徒の神国を守る大和魂
白色のマニの宝珠は水晶に研き上げたる御魂なりけり
青色のマニの宝珠は愛信の誠あらはす力なりけり
黄なる色のマニの宝珠は遠近の信徒の持つ誠なりけり〈巻末(初版)〉
[この余白歌は八幡書店版霊界物語収録の余白歌を参考に他の資料と付き合わせて作成しました]