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月宮殿(げつきうでん)の宝座(ほうざ)

インフォメーション

鏡：水鏡題名：月宮殿の宝座よみ：著者：出口王仁三郎

神の国掲載号：1927（昭和2）年10月号八幡書店版：123頁愛善世界社版：75頁著作集：第五版：113頁第三版：113頁全集：392頁初版：102頁

概要：備考：タグ：データ凡例：データ最終更新日： OBC ：kg093

001　時(とき)は昭和(せうわ)二年(にねん)旧(きう)八月(はちぐわつ)十五日(じふごにち)即(すなは)ち名月(めいげつ)の夜(よ)、002聖師様(せいしさま)は筆者(ひつしや)を月宮殿(げつきうでん)の宝座(ほうざ)に導(みちび)かれ、003月宮殿(げつきうでん)と其(その)宝座(ほうざ)について、004月面(げつめん)と照(てら)し合(あは)せつつ御説明(ごせつめい)下(くだ)さいました。005其(その)お言葉(ことば)は左(さ)の通(とほ)りであります。

006　月宮殿(げつきうでん)の設計図(せつけいづ)は月(つき)の面(おもて)である。007誰(たれ)も知(し)らない事(こと)であるが、008私(わたし)は月面(げつめん)のあのくまの通(とほ)りをこの宝座(ほうざ)に移写(いしや)したので、009月(つき)の面(おもて)を眺(なが)めては、010寸分(すんぶん)も違(ちが)はぬやうにと試(こころ)みたのである。011見(み)よ、012右(みぎ)の細(ほそ)くなつて居(ゐ)る所(ところ)はそれ此(この)東(ひがし)の登(のぼ)り口(ぐち)、013左(ひだり)の細(ほそ)い所(ところ)は、014これこの西(にし)の登(のぼ)り口(ぐち)、015中央(ちうおう)の広(ひろ)い所(ところ)が正面(しやうめん)の上(あが)り口(ぐち)、016神集殿(しんしふでん)前(まへ)の上(あが)り口(ぐち)も、017艮(うしとら)の隅(すみ)のあの細(ほそ)い上(あが)り口(ぐち)も、018あれあの通(とほ)りハツキリと現(あら)はれて居(を)るであろう、019中央(ちうおう)の平(たひら)な所(ところ)が御神殿(ごしんでん)に当(あた)るので、020其所(そこ)に十字形(じふじがた)の神殿(しんでん)が建設(けんせつ)されるのである。021学者(がくしや)が噴火山(ふんくわざん)の跡(あと)だなど称(しよう)するあの濃淡(のうたん)、022それあのモグモグとして見(み)ゆる所(ところ)を石(いし)の高低(かうてい)で現(あら)はしてあるので、023参差(しんし)として其儘(そのまま)の感(かん)があるであろう、024日本(にほん)の位置(ゐち)にあたる所(ところ)にあの二基(にき)の燈篭(とうろう)が立(た)ててある。025二本(にほん)の燈篭(とうろう)は日本(にほん)の光明(くわうみやう)を意味(いみ)する。026あの燈篭(とうろう)から迸(ほとばし)り出(いづ)る光明(くわうみやう)が全世界(ぜんせかい)の暗(やみ)を照破(せうは)する時(とき)こそは、027真(しん)の文明(ぶんめい)が世界的(せかいてき)に建設(けんせつ)せらるる時(とき)なのである。028光(ひかり)は日本(にほん)からと云(い)ふ事(こと)になる。029又(また)後方(こうはう)に据(す)えられたる二基(にき)の石燈篭(いしとうろう)には火袋(ひぶくろ)があるまい、030形(かたち)は同(おな)じでも光(ひかり)が出(で)ない、031西洋(せいやう)文明(ぶんめい)の象徴(しやうちよう)である。032即(すなは)ち体主霊従(たいしゆれいじゆう)の文明(ぶんめい)は光(ひかり)の出口(でぐち)がないと云(い)ふ事(こと)になる。033此(この)宝座(ほうざ)は又(また)蓮華台(れんげだい)とも呼(よ)ばるるので、034蓮(はす)の花(はな)に似(に)て居(を)り、035所々(ところどころ)に立(た)ててあるチヨンマツは蓮(はす)の実(み)を型(かた)どつてある。036泥(どろ)の中(なか)よりぬけ出(い)でて濁(にごり)にしまぬ蓮花(はちすはな)は清浄(せいじやう)無垢(むく)の象徴(しやうちよう)、037朝(あさ)未(ま)だき、038ポンと音(おと)立(た)てて開花(かいくわ)する様(さま)は、039転迷開悟(てんめいかいご)の花(はな)に似通(にかよ)ふ。040火袋(ひぶくろ)のない燈篭(とうろう)は又(また)一名(いちめい)多宝塔(たほうたふ)と呼(よ)ばるるのであつて、041竜宮様(りうぐうさま)の宝庫(ほうこ)である。042此(この)多宝塔(たほうたふ)が出来上(できあが)れば物質(ぶつしつ)が豊(ゆたか)になる、043兎(うさぎ)が餅(もち)を搗(つ)くと云(い)ふ月(つき)の面(おもて)のあの隈(くま)は、044実(じつ)に四十八(しじふはち)宝座(ほうざ)の形(かたち)なのであつて、045築(きづ)いた宝座(ほうざ)は月(つき)の形(かたち)其儘(そのまま)であるから、046月宮殿(げつきうでん)の名(な)も出(で)て来(く)るので、047まだこの上(うへ)に西北(せいほく)と東北(とうほく)の隅(すみ)から南(みなみ)にかけて神殿(しんでん)と、048私(わたし)の控(ひか)へ所(しよ)と二棟(ふたむね)の建造物(けんざうぶつ)が出来(でき)、049東南(とうなん)と西南(せいなん)の隅(すみ)には宝物庫(ほうもつこ)が建(た)ち、050周囲(しうゐ)には白壁(しろかべ)を廻(めぐ)らしもつて完成(くわんせい)するのである。

051　因(ちなみ)に宝座(ほうざ)の周囲(しうゐ)には兎(うさぎ)とつきものの砥草(とくさ)（兎(うさぎ)は自衛(じゑい)のため砥草(とくさ)の中(なか)によく隠(かく)れる）を植(うゑ)るのである。052明治(めいじ)三十六七年(さんじふろくしちねん)の頃(ころ)私(わたし)は今(いま)の大本(おほもと)神苑(しんゑん)別荘(べつさう)の北手(きたて)にあつた三坪(さんつぼ)ばかりの小(ちい)さい庭(には)に、053和知川(わちがは)から小石(こいし)を拾(ひろ)ふて来(き)ては積(つ)んで楽(たの)しんで居(ゐ)たものであるが、054それがこの宝座(ほうざ)の模型(もけい)であつて、055些(ち)つとも違(ちが)つて居(ゐ)ないのである。

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