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雀(すずめ)の領分地(りやうぶんち)

インフォメーション
鏡：水鏡 題名：雀の領分地 よみ： 著者：出口王仁三郎
神の国掲載号：1927（昭和2）年01月号 八幡書店版：431頁 愛善世界社版：173頁 著作集：286頁 第五版：220頁 第三版：220頁 全集： 初版：214頁
概要： 備考： タグ： データ凡例： データ最終更新日： OBC ：kg181
001　雀(すずめ)にも自分(じぶん)の持(も)つ領分(りやうぶん)がある。002雀(すずめ)ばかりではない、003烏(からす)でも、004鷹(たか)でも、005鳶(とび)でも、006虎(とら)でも獅子(しし)でも狼(おほかみ)でも、007禽獣虫魚(きんじうちうぎよ)皆(みな)それぞれ自分(じぶん)の住(す)む範囲(はんゐ)、008即(すなは)ち領分(りやうぶん)があるのである。009そして彼等(かれら)は決(けつ)してその範囲外(はんゐぐわい)には出(で)ないのである。010又(また)お互(たがひ)が決(けつ)して其(その)範囲(はんゐ)を犯(をか)さないものである。011若(も)し他(た)を犯(をか)す時(とき)は忽(たちま)ち争闘(そうとう)が始(はじ)まる。012小鳥(ことり)の領分地(りやうぶんち)は狭(せま)い、013この光照殿(くわうせうでん)の中庭(なかには)にでも雀(すずめ)の幾群(いくむれ)かが住(す)み得(う)る。014鷹(たか)となると余程(よほど)範囲(はんゐ)が広(ひろ)く、015いつも天恩郷(てんおんきやう)の空(そら)を舞(ま)ふて居(ゐ)るキンミー鷹(たか)の如(ごと)きは、016南桑(なんさう)の原野(げんや)の半分(はんぶん)位(くらゐ)の広袤(くわうぼう)を領有(りやういう)して居(ゐ)る、017時(とき)に沢山(たくさん)の鷹(たか)が飛翔(ひしよう)する時(とき)があるが、018それは彼等(かれら)の漫遊客(まんいうきやく)である。019もし彼等(かれら)が移住(いぢう)する時(とき)は、020数百羽(すうひやくは)打(う)ちつれて行(ゆ)く、021斯(か)くの如(ごと)く万物(ばんぶつ)其(その)領(りやう)するところが定(さだ)まつて居(ゐ)るのであるから、022人間(にんげん)にも亦(また)その領有(りやういう)する所(ところ)が無(な)くてはならぬ訳(わけ)である。023だが鳥獣(てうじう)の類(るゐ)は自分(じぶん)の領分(りやうぶん)を他(た)に賃貸(ちんかし)して金銭(きんせん)を取(と)ると云(い)ふやうな事(こと)が無(な)いが如(ごと)く、024人間(にんげん)も亦(また)さうあらねばならぬ。
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