霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
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水鏡
序
鏡の巻
[001]火の洗礼と水の洗礼
[002]無抵抗主義と抵抗主義
[003]神命と実行
[004]恋愛と、恋と、愛
[005]三猿主義は徳川氏の消極政策
[006]我はキリストの再来に非ず
[007]霊界物語は最後の審判書なり
[008]霊界と神霊界
[009]言霊と言語
[010]祈りは天帝にのみ
[011]玉について
[012]包容力
[013]人を使ふ事
[014]人は度胸
[015]道楽は一つの宗教である
[016]天と地
[017]艮の金神様
[018]神、耶、仏すべてを信ず
[019]霊と記念物
[020]私と仕事
[021]碁と将棋は嫌ひ
[022]小さい蒲公英
[023]毒と薬
[024]和歌と調
[025]悲劇と喜劇
[026]物忘れと無我の境地
[027]見直し聞き直しと嗅ぎ直し
[028]霊体不二
[029]惟神
[030]世の終末と立替
[031]太陽を招び返した清盛
[032]御手代と国替
[033]高姫と妖幻坊
[034]厳と瑞
[035]天国霊国と花壇
[036]三千年に一度実る桃の実
[037]論語読みの論語知らず
[038]裁、制、断、割
[039]人間の霊魂
[040]祖先の罪
[041]追善供養
[042]素盞嗚尊と鼻
[043]守護神
[044]賭場の番人
[045]焼き捨てた紙幣
[046]人に会ひ度くない
[047]何の仕事にも霊をこめる
[048]冠句は大衆文芸
[049]精霊の生命
[050]万有と道
[051]稚姫岐美命の御神体
[052]天津祝詞と神言
[053]月照観音と平安観音
[054]関の地蔵様と一休和尚
[055]竜神の御職務
[056]清姫の事
[057]スバール姫、スダルマン太子
[058]霊と精霊
[059]神様と温室
[060]六百六十六の獣
[061]易の当否
[062]芸術は宗教の親
[063]三都の人の心性
[064]聚楽の第
[065]亀岡と三五教
[066]日本と何鹿郡。綾部町
[067]西南戦争と私
[068]皇霊祭と祖霊大祭
[069]宿命と運命
[070]老人と若人
[071]絵を描く時
[072]天は人に二物を与へず
[073]神的順序と事務的順序(人的順序)
[074]憂国の志士と愛国の志士
[075]若返りと言霊
[076]霊界での話
[077]正夢と霊夢、霊眼
[078]魂は外へ出さねばならぬ
[079]身魂の三種
[080]神様と花
[081]真如聖師と応挙
[082]絶対善と絶対悪
[083]我子の病気は癒り悪い
[084]兇党界
[085]百年の計
[086]変ったものに相手になるな
[087]恋愛と家庭
[088]人生の諸問題
[089]忍耐
[090]大神様方の御容姿
[091]神社参拝の心得
[092]私は大人になった
[093]月宮殿の宝座
[094]祈りの声が聞える
[095]思ひ出の一二
[096]高熊山に現はれた霊石
[097]私憤と公道
[098]線香は嫌ひ
[099]金銀なくてもいける経綸
[100]惟神真道弥広大出口国直日主之命
[101]甲子章について
[102]宣伝の標準
[103]霊衣の事
[104]断食の事
[105]五十六億七千万年
[106]竜宮の乙姫様
[107]親切にしてやれ
[108]大神様御奉斎について
[109]半僧坊様
[110]ミロク、ミロク
[111]神の籍に入らざるもの
[112]昔は血族結婚
[113]断の一字
[114]運は人が作る
[115]因果応報
[116]奇魂の足らなかった南洲翁
[117]名歌、名文章
[118]神様のお仕事は二つ玉
[119]大事業
[120]やり通せばよい
[121]三つの空手
[122]獣肉はお嫌ひ
[123]悪魔の神業妨害
[124]ミロクの世
[125]生命
[126]人生と信仰
[127]神の恵は公平無私である
[128]世の中に最も不幸なるもの
[129]科学の力
[130]無我の境、無我の声
[131]苦集滅道
[132]ミロク三会
[133]王ミロク様
[134]神の経綸
[135]真の宗教
[136]自主的精神
[137]惟神の心性
[138]死に直面しての安心立命
[139]阿弥陀の実現化、弥勒仏
[140]神と倶にある人
[141]金持ちと金番
水の巻
[142]頭髪と人間の使命
[143]心と形
[144]満月と万有
[145]樹木の心を汲め
[146]大江山と邪気線
[147]背に腹はかへられぬ
[148]千の利休は明智光秀
[149]雑魚取りの名人
[150]気候による植物の植ゑ方
[151]日本には金は幾何でもある
[152]三杓子は天国
[153]出産日と男女
[154]牛頭天王と午頭天王
[155]お釈迦さんの頭
[156]土瓶や鉄瓶の置方
[157]人相と其性質
[158]男松と女松
[159]拍手の意義
[160]地震と鉱物
[161]神示の若返り法
[162]動物の寿命
[163]尸解
[164]金剛石
[165]風も浪も七五三
[166]黒は色の王
[167]八月のいら蒸
[168]芋明月
[169]人間は種々の前世をもつ
[170]仏と神
[171]空の星と人間
[172]椢
[173]籔蚊
[174]地上に移写すオリオン星座
[175]奴といふ言葉
[176]天人の五官
[177]霊と食物
[178]月と三日月
[179]植物と精霊
[180]植えかへた木のため
[181]雀の領分地
[182]ドテラの始まり
[183]本宮山は平重盛の居城
[184]神木銀杏
[185]天恩郷の命名
[186]水鳥の温度
[187]樹木のいろいろ
[188]墓の台石
[189]字と筆
[190]与謝の海
[191]死者の枕する方向
[192]結婚と男女の年齢
[193]耐寒力と飲酒、肉食
[194]田植
[195]人間は木から生れた
[196]胞衣と岩田帯
[197]一星霜
[198]虫の触角と鳴き声
[199]開祖様の奥津城
[200]地震の前兆
[201]御神霊を鎮める時
[202]墓場跡と飲食店
[203]南天と蓮
[204]神様の一年
[205]家畜と人間の唾液
[206]山上の家
[207]寝る時の形
[208]狛犬の事
[209]大安石と小安石
[210]面会の事
[211]白髪の増えぬ法
[212]雑草は彼岸前に刈れ
[213]生前に銅像を建ててはならぬ
[214]ラヂオは気候を調節する
[215]花はみな太陽に従って廻る
[216]惟神の寝方
[217]雪の予告
[218]みささぎ、かささぎ
[219]取越日記
[220]草花より生ずる虫
[221]女と蛇と馬
[222]霊木
[223]盲腸は人体の根の国
[224]日本人の肉体
[225]白血球と赤血球
[226]深呼吸の害
[227]癩病と肺病は天刑病
[228]葱と呼吸器病
[229]脚気の妙薬
[230]癲癇
[231]熱と病気
[232]カタバミの葉
[233]平安石と眼病
[234]創をした時
[235]感冒の妙薬
[236]病気の手当二三
[237]瘤を取る法
[238]伝染病根治法
[239]火傷の妙薬
[240]柿は毒消し
[241]大蛇と毒気
[242]痔疾の妙薬
[243]呼吸について
[244]泥は薬
[245]泣く病人は死ぬ
[246]病気と脈搏
[247]病気と薬
[248]松と土と水
[249]四苦
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(B)
(N)
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生命
(
せいめい
)
インフォメーション
鏡:
水鏡
題名:
生命
よみ:
著者:
出口王仁三郎
神の国掲載号:
1928(昭和3)年09月号
八幡書店版:
171頁
愛善世界社版:
61頁
著作集:
75頁
第五版:
145頁
第三版:
145頁
全集:
411頁
初版:
136頁
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
kg125
001
生命
(
せいめい
)
は
永久
(
ゑいきう
)
に
存続
(
そんぞく
)
するもので、
002
過去
(
くわこ
)
現在
(
げんざい
)
未来
(
みらい
)
の
三世
(
さんせ
)
に
渉
(
わた
)
つて
生
(
い
)
きて
居
(
ゐ
)
る、
003
吾々
(
われわれ
)
生物
(
せいぶつ
)
の
生命
(
せいめい
)
は
絶対
(
ぜつたい
)
不変
(
ふへん
)
無始
(
むし
)
無終
(
むしう
)
にして、
004
神
(
かみ
)
の
分霊
(
ぶんれい
)
分身
(
ぶんしん
)
である。
005
故
(
ゆゑ
)
に
永遠
(
ゑいゑん
)
に
渉
(
わた
)
つて
不老不死
(
ふらうふし
)
である。
006
吾人
(
ごじん
)
は
地上
(
ちじやう
)
の
誰人
(
だれ
)
とも
約束
(
やくそく
)
なく、
007
唯々
(
ただただ
)
惟神
(
かんながら
)
の
摂理
(
せつり
)
によつて
生
(
うま
)
るべき
所
(
ところ
)
に
生
(
うま
)
るべき
時
(
とき
)
を
得
(
え
)
て
生
(
うま
)
れたまでだ。
008
それ
故
(
ゆゑ
)
に
愛着
(
あいちやく
)
だとか
悲惨
(
ひさん
)
だとか
苦痛
(
くつう
)
だとか
快感
(
くわいかん
)
だとか
云
(
い
)
ふものは、
009
その
本来
(
ほんらい
)
には
無
(
な
)
いのだ。
010
只
(
ただ
)
喜怒哀楽
(
きどあいらく
)
、
011
愛悪欲
(
あいあくよく
)
の
情
(
じやう
)
の
如
(
ごと
)
きは、
012
肉感的
(
にくかんてき
)
一
(
ひとつ
)
の
衝動
(
しようどう
)
に
過
(
す
)
ぎぬ。
013
現在
(
げんざい
)
は
是
(
これ
)
だ
是
(
これ
)
だと
握
(
にぎ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
得
(
う
)
るが、
014
そうして
掴
(
つか
)
んでる
間
(
ま
)
にそれ
自体
(
じたい
)
の
現在
(
げんざい
)
は
既
(
すで
)
に
過去
(
くわこ
)
に
属
(
ぞく
)
して
了
(
しま
)
ふ。
015
未来
(
みらい
)
と
聞
(
き
)
けば
遠
(
とほ
)
い
様
(
やう
)
に
考
(
かんが
)
へられるが、
016
その
間
(
あひだ
)
もそれは
現在
(
げんざい
)
として
展開
(
てんかい
)
して
来
(
く
)
るでは
無
(
な
)
いか。
017
そう
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
ると、
018
吾々
(
われわれ
)
の
生命
(
せいめい
)
は
絶対
(
ぜつたい
)
無限
(
むげん
)
であらねばならぬ。
019
春夏秋冬
(
しゆんかしうとう
)
と
宇宙
(
うちう
)
の
大自然
(
だいしぜん
)
は、
020
規則
(
きそく
)
正
(
ただ
)
しく
展開
(
てんかい
)
して
永遠
(
ゑいゑん
)
に
変
(
かは
)
りが
無
(
な
)
い。
021
吾々
(
われわれ
)
の
生命
(
せいめい
)
も
愛着
(
あいちやく
)
悲惨
(
ひさん
)
苦痛
(
くつう
)
快感
(
くわいかん
)
と
展廻
(
てんくわい
)
して、
022
永遠
(
ゑいゑん
)
に
変
(
かは
)
りはないのだ。
023
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
現実観
(
げんじつくわん
)
ほど
悲哀
(
ひあい
)
の
多
(
おほ
)
いものは
無
(
な
)
い。
024
あの
仕事
(
しごと
)
をやつて
見
(
み
)
たい、
025
この
望
(
のぞ
)
みも
達
(
たつ
)
したい、
026
明日
(
あす
)
が
来
(
き
)
たら、
027
明後日
(
あさつて
)
が
来
(
き
)
たら
恋人
(
こひびと
)
に
逢
(
あ
)
へる、
028
来春
(
らいしゆん
)
は
久
(
ひさ
)
し
振
(
ふ
)
りで
帰郷
(
ききやう
)
して
懐
(
なつか
)
しい
慈母
(
じぼ
)
に
会
(
あ
)
へると
指折
(
ゆびお
)
り
数
(
かぞ
)
へてゐる。
029
子
(
こ
)
にも
会
(
あ
)
へると
云
(
い
)
つて
自分
(
じぶん
)
が
指
(
ゆび
)
を
折
(
お
)
つて
待
(
ま
)
つて
行
(
い
)
く。
030
引
(
ひ
)
きつける
様
(
やう
)
に
色々
(
いろいろ
)
な
欲求
(
よくきう
)
を
追
(
お
)
つて
行
(
ゆ
)
く。
031
その
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
に
一脈
(
いちみやく
)
の
喜
(
よろこ
)
びが
潜
(
ひそ
)
んでゐる。
032
併
(
しか
)
しそれを
待
(
ま
)
つ
刻一刻
(
こくいつこく
)
に
其
(
その
)
人
(
ひと
)
の
生命
(
せいめい
)
は
幻滅
(
げんめつ
)
に
近
(
ちか
)
づいて
行
(
ゆ
)
く。
033
可愛
(
かあい
)
らしかつた
子
(
こ
)
は
筋肉
(
きんにく
)
逞
(
たくま
)
しき
壮漢
(
さうかん
)
となり、
034
愛
(
あい
)
らしかつた
恋人
(
こひびと
)
は
皺苦茶
(
しわくちや
)
の
姿
(
すがた
)
となり、
035
曲線美
(
きよくせんび
)
は
梅干
(
うめぼし
)
の
如
(
ごと
)
く
乾
(
ひ
)
からびて
行
(
ゆ
)
く。
036
小
(
ちい
)
さい
現実
(
げんじつ
)
の
欲求
(
よくきう
)
を
遂
(
と
)
げんとする
為
(
ため
)
に
死
(
し
)
に
行
(
ゆ
)
く
大
(
だい
)
なる
犠牲
(
ぎせい
)
を
払
(
はら
)
ひつつ
迷路
(
めいろ
)
に
進
(
すす
)
んで
行
(
ゆ
)
くのだ。
037
刻々
(
こくこく
)
にその
人
(
ひと
)
の
生命
(
せいめい
)
は
死
(
し
)
の
関門
(
くわんもん
)
を
指
(
さ
)
して、
038
一歩
(
いつぽ
)
一歩
(
いつぽ
)
近
(
ちか
)
づきつつあるのである。
039
若
(
も
)
しそれ
吾人
(
ごじん
)
の
生命
(
せいめい
)
が
有限
(
いうげん
)
のものであつたら、
040
さうした
欲求
(
よくきう
)
の
行程
(
かうてい
)
は
死
(
し
)
の
行程
(
かうてい
)
であつて、
041
是
(
これ
)
ほど
大
(
だい
)
なる
不幸
(
ふかう
)
と
不安
(
ふあん
)
は
無
(
な
)
いのである。
042
無限
(
むげん
)
の
生命
(
せいめい
)
、
043
そこに
吾人
(
ごじん
)
が
絶対
(
ぜつたい
)
不断
(
ふだん
)
の
生命
(
せいめい
)
を
見出
(
みいだ
)
して、
044
永久
(
ゑいきう
)
に
生
(
い
)
きる
事
(
こと
)
を
悟
(
さと
)
つた
時
(
とき
)
、
045
吾々
(
われわれ
)
の
眼前
(
がんぜん
)
に
展開
(
てんかい
)
されるものは
総
(
すべ
)
てが
試練
(
しれん
)
であり、
046
凡
(
すべ
)
てが
教訓
(
けうくん
)
である
事
(
こと
)
が
覚
(
さと
)
り
得
(
え
)
られる。
047
吾々
(
われわれ
)
が
人間
(
にんげん
)
として
世
(
よ
)
に
処
(
しよ
)
するその
間
(
かん
)
の
出来事
(
できごと
)
を
見
(
み
)
ても、
048
幾多
(
いくた
)
の
曲折
(
きよくせつ
)
があるので
面白
(
おもしろ
)
い。
049
その
当時
(
たうじ
)
は
欲求
(
よくきう
)
に
満
(
み
)
たない、
050
云
(
い
)
はば
一種
(
いつしゆ
)
の
苦痛
(
くつう
)
として
痛
(
いた
)
ましい
事
(
こと
)
であつたその
試練
(
しれん
)
されたことを、
051
時
(
とき
)
過
(
す
)
ぎてから
想
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
した
時
(
とき
)
に、
052
皆
(
みな
)
それは
追憶
(
つゐおく
)
となつて
美
(
うつく
)
しき
過去
(
くわこ
)
を
見
(
み
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
る
楽
(
たの
)
しさがある。
053
過去
(
くわこ
)
の
悲惨
(
ひさん
)
なりし
歴史
(
れきし
)
も、
054
甘
(
あま
)
かりし
恋路
(
こひぢ
)
も
得意
(
とくい
)
も
失敗
(
しつぱい
)
も
幻
(
まぼろし
)
の
如
(
ごと
)
く
現実
(
げんじつ
)
に
浮
(
うか
)
んで
来
(
く
)
る
毎
(
ごと
)
に
一種
(
いつしゆ
)
の
愉快
(
ゆくわい
)
さを
覚
(
おぼ
)
ゆる。
055
そして
過去
(
くわこ
)
から
現在
(
げんざい
)
未来
(
みらい
)
へと
永遠
(
ゑいゑん
)
無窮
(
むきう
)
に
生命
(
せいめい
)
が
継続
(
けいぞく
)
されつつ
天国
(
てんごく
)
の
果
(
は
)
てなき
国
(
くに
)
へと
進
(
すす
)
んで
行
(
ゆ
)
く。
056
是
(
これ
)
が
人生
(
じんせい
)
永遠
(
ゑいゑん
)
の
生命
(
せいめい
)
だ。
057
自分
(
じぶん
)
は
今迄
(
いままで
)
の
体験
(
たいけん
)
から
考
(
かんが
)
へると、
058
吾々
(
われわれ
)
の
過去
(
くわこ
)
は
真
(
まこと
)
に
美
(
うつく
)
しかつた。
059
貧乏
(
びんばふ
)
で
食
(
く
)
ふや
食
(
く
)
はずの
危機
(
きき
)
に
立
(
た
)
つたことも、
060
冤罪
(
ゑんざい
)
を
被
(
か
)
ぶつて
獄舎
(
ごくしや
)
に
自由
(
じいう
)
を
束縛
(
そくばく
)
されて
居
(
ゐ
)
た
事
(
こと
)
も、
061
世間
(
せけん
)
のあらゆる
嘲笑
(
てうせう
)
讒誣
(
ざんぶ
)
の
的
(
まと
)
となつたことも、
062
過去
(
くわこ
)
の
歴史
(
れきし
)
の
一頁
(
いちページ
)
として
語
(
かた
)
る
時
(
とき
)
、
063
それは
皆
(
みな
)
美
(
うつく
)
しい、
064
そして
楽
(
たの
)
しい。
065
仮令
(
たとへ
)
貧乏
(
びんばふ
)
生活
(
せいくわつ
)
でも
悲惨
(
ひさん
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
でも、
066
それを
永続
(
ゑいぞく
)
した
時
(
とき
)
は
勝利
(
しようり
)
となつて
来
(
く
)
る。
067
勝利
(
しようり
)
は
常
(
つね
)
に
正義
(
せいぎ
)
である。
068
社会
(
しやくわい
)
から
何程
(
なにほど
)
嘲罵
(
てうば
)
され、
069
侮辱
(
ぶじよく
)
され、
070
批難
(
ひなん
)
されても、
071
それ
自体
(
じたい
)
が
永続
(
ゑいぞく
)
したら、
072
必
(
かなら
)
ず
末
(
すゑ
)
には
正道
(
せいだう
)
として
認
(
みと
)
めらるる
事
(
こと
)
になる。
073
現代人
(
げんだいじん
)
の
大本
(
おほもと
)
に
対
(
たい
)
する
総
(
すべ
)
ての
観念
(
くわんねん
)
も、
074
今
(
いま
)
や
勝利者
(
しようりしや
)
として
遇
(
ぐう
)
するに
至
(
いた
)
つたのは、
075
吾人
(
ごじん
)
が
永遠
(
ゑいゑん
)
の
生命
(
せいめい
)
を
確信
(
かくしん
)
して
不断
(
ふだん
)
の
活動
(
くわつどう
)
を
続
(
つづ
)
けて
来
(
き
)
た
活歴史
(
くわつれきし
)
の
賜
(
たまもの
)
であるとも
云
(
い
)
へる。
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