霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第48巻(亥の巻)
序文
総説
第1篇 変現乱痴
01 聖言
〔1255〕
02 武乱泥
〔1256〕
03 観音経
〔1257〕
04 雪雑寝
〔1258〕
05 鞘当
〔1259〕
06 狂転
〔1260〕
第2篇 幽冥摸索
07 六道の辻
〔1261〕
08 亡者苦雑
〔1262〕
09 罪人橋
〔1263〕
第3篇 愛善信真
10 天国の富
〔1264〕
11 霊陽山
〔1265〕
12 西王母
〔1266〕
13 月照山
〔1267〕
14 至愛
〔1268〕
第4篇 福音輝陣
15 金玉の辻
〔1269〕
16 途上の変
〔1270〕
17 甦生
〔1271〕
18 冥歌
〔1272〕
19 兵舎の囁
〔1273〕
20 心の鬼
〔1274〕
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サブスクのお知らせ
霊界物語
>
第48巻
> 第1篇 変現乱痴 > 第3章 観音経
<<< 武乱泥
(B)
(N)
雪雑寝 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
第三章
観音経
(
くわんのんきやう
)
〔一二五七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第48巻 舎身活躍 亥の巻
篇:
第1篇 変現乱痴
よみ(新仮名遣い):
へんげんらんち
章:
第3章 観音経
よみ(新仮名遣い):
かんおんぎょう
通し章番号:
1257
口述日:
1923(大正12)年01月12日(旧11月26日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年10月25日
概要:
舞台:
浮木の森のバラモン軍の陣営
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
ランチ将軍は上機嫌で、三五教の二人の女宣伝使に言い寄られてたいへんなことだった、一方でもてない片彦将軍はすっかり気落ちしてしまったのだ、とのろけている。
蠑螈別が呼び出しの意図を尋ねると、ランチ将軍は、お民を片彦に嫁がせてやってくれないかと言い出した。蠑螈別はこれを聞いて怒りだすが、逆にランチ将軍から酒ばかり飲む役立たずだと引導を渡されてしまう。
蠑螈別は自分の法力でランチ将軍の命を取ってやると言い放ち、次の間に行って大自在天の前に数珠をもみながら端座した。大自在天やウラナイ教の神々を念じ、観音経を唱え始めた。しかしまったく効力を表さないので、観音に向かってブツブツと不平を呟くのみであった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-05-17 10:32:38
OBC :
rm4803
愛善世界社版:
37頁
八幡書店版:
第8輯 601頁
修補版:
校定版:
38頁
普及版:
19頁
初版:
ページ備考:
001
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
002
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
ける
003
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
004
治国別
(
はるくにわけ
)
の
一行
(
いつかう
)
は
005
怪
(
あや
)
しの
森
(
もり
)
を
通過
(
つうくわ
)
して
006
浮木
(
うきき
)
の
森
(
もり
)
に
屯
(
たむろ
)
せる
007
ランチ、
片彦
(
かたひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
の
008
陣営
(
ぢんえい
)
を
守
(
まも
)
る
番卒
(
ばんそつ
)
に
009
其
(
その
)
入口
(
いりぐち
)
に
出会
(
しゆつくわい
)
し
010
種々
(
しゆじゆ
)
様々
(
さまざま
)
の
問答
(
もんだふ
)
を
011
なせる
折
(
をり
)
しも
敵軍
(
てきぐん
)
の
012
企
(
たく
)
みの
穽
(
あな
)
におとされて
013
命
(
いのち
)
危
(
あやふ
)
く
見
(
み
)
えけるが
014
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
りし
神司
(
かむづかさ
)
015
危
(
あやふ
)
き
穽
(
あな
)
に
落
(
お
)
ちながら
016
卯
(
う
)
の
毛
(
け
)
の
露
(
つゆ
)
の
怪我
(
けが
)
もなく
017
治国別
(
はるくにわけ
)
と
竜公
(
たつこう
)
は
018
早速
(
さそく
)
の
頓智
(
とんち
)
番卒
(
ばんそつ
)
の
019
アーク、タールを
説
(
と
)
き
伏
(
ふ
)
せて
020
危難
(
きなん
)
を
逃
(
のが
)
れ
這
(
は
)
ひ
上
(
あが
)
り
021
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
022
いとも
細
(
こま
)
かに
説
(
と
)
きつれば
023
もとより
神
(
かみ
)
の
御魂
(
みたま
)
をば
024
うけたる
二人
(
ふたり
)
の
番卒
(
ばんそつ
)
は
025
忽
(
たちま
)
ち
心機
(
しんき
)
一転
(
いつてん
)
し
026
悔悟
(
くわいご
)
の
花
(
はな
)
も
咲
(
さ
)
き
満
(
み
)
ちて
027
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
より
帰順
(
きじゆん
)
しつ
028
治国別
(
はるくにわけ
)
を
伴
(
ともな
)
ひて
029
ランチの
陣営
(
ぢんえい
)
をさして
行
(
ゆ
)
く
030
ランチ、
片彦
(
かたひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
は
031
治国別
(
はるくにわけ
)
の
一行
(
いつかう
)
が
032
思
(
おも
)
はぬここに
来
(
きた
)
りしを
033
眺
(
なが
)
めて
笑壺
(
ゑつぼ
)
に
入
(
い
)
りながら
034
表面
(
うはべ
)
を
飾
(
かざ
)
る
柔言葉
(
やさことば
)
035
和睦
(
わぼく
)
の
酒
(
さけ
)
と
云
(
い
)
ひながら
036
二人
(
ふたり
)
を
酔
(
よ
)
はせ
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
の
037
秘密
(
ひみつ
)
の
場所
(
ばしよ
)
へ
誘
(
いざな
)
ひて
038
燕返
(
つばめがへ
)
しの
計略
(
けいりやく
)
に
039
千尋
(
ちひろ
)
の
深
(
ふか
)
き
暗窟
(
あんくつ
)
へ
040
落
(
おと
)
し
込
(
こ
)
みしぞ
忌々
(
ゆゆ
)
しけれ
041
治国別
(
はるくにわけ
)
や
竜公
(
たつこう
)
は
042
忽
(
たちま
)
ち
正気
(
しやうき
)
を
失
(
うしな
)
ひて
043
其
(
その
)
霊魂
(
れいこん
)
は
宙
(
ちう
)
に
飛
(
と
)
び
044
精霊界
(
せいれいかい
)
に
踏
(
ふ
)
み
迷
(
まよ
)
ひ
045
一人
(
ひとり
)
の
守衛
(
しゆゑい
)
に
教
(
をし
)
へられ
046
狭
(
せま
)
き
谷道
(
たにみち
)
攀
(
よ
)
ぢのぼり
047
漸
(
やうや
)
う
此処
(
ここ
)
に
八衢
(
やちまた
)
の
048
関所
(
せきしよ
)
の
前
(
まへ
)
にと
着
(
つ
)
きにけり
049
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
との
精霊
(
せいれい
)
が
050
集
(
あつ
)
まり
来
(
きた
)
り
八衢
(
やちまた
)
の
051
審判
(
さばき
)
を
受
(
う
)
くる
有様
(
ありさま
)
を
052
心
(
こころ
)
をひそめて
眺
(
なが
)
めつつ
053
現幽
(
げんいう
)
二界
(
にかい
)
の
真諦
(
しんたい
)
を
054
おぼろげながら
感得
(
かんとく
)
し
055
伊吹戸主
(
いぶきどぬし
)
の
御館
(
みやかた
)
に
056
暫
(
しばら
)
く
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
めつつ
057
外面
(
とのも
)
の
景色
(
けしき
)
を
眺
(
なが
)
め
居
(
ゐ
)
る
058
時
(
とき
)
しもあれや
中天
(
ちうてん
)
を
059
照
(
て
)
らして
来
(
きた
)
る
大火団
(
だいくわだん
)
060
二人
(
ふたり
)
が
前
(
まへ
)
に
顛落
(
てんらく
)
し
061
火花
(
ひばな
)
を
四方
(
しはう
)
に
散乱
(
さんらん
)
し
062
暫
(
しばら
)
く
雲
(
くも
)
に
包
(
つつ
)
まれて
063
四辺
(
あたり
)
も
見
(
み
)
えずなりにけり
064
二人
(
ふたり
)
は
益々
(
ますます
)
怪
(
あや
)
しみて
065
きつと
目
(
め
)
をすゑ
眺
(
なが
)
め
入
(
い
)
る
066
忽
(
たちま
)
ち
一柱
(
ひとり
)
の
神人
(
しんじん
)
が
067
容貌
(
ようばう
)
衣服
(
いふく
)
を
輝
(
かがや
)
かし
068
治国別
(
はるくにわけ
)
に
打向
(
うちむか
)
ひ
069
我
(
われ
)
は
言依別
(
ことよりわけ
)
の
神
(
かみ
)
070
不思議
(
ふしぎ
)
な
処
(
ところ
)
で
会
(
あ
)
ひました
071
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御言
(
みこと
)
もて
072
今
(
いま
)
は
媒介
(
ばいかい
)
天人
(
てんにん
)
と
073
重
(
おも
)
き
使命
(
しめい
)
を
任
(
ま
)
けられぬ
074
いざ
之
(
これ
)
よりは
天国
(
てんごく
)
を
075
巡覧
(
じゆんらん
)
召
(
め
)
され
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
076
汝
(
なれ
)
が
命
(
みこと
)
を
案内
(
あない
)
せむ
077
又
(
また
)
竜公
(
たつこう
)
は
証覚
(
しようかく
)
の
078
まだ
開
(
ひら
)
けざる
身
(
み
)
なれども
079
特
(
とく
)
にお
供
(
とも
)
を
許
(
ゆる
)
すべし
080
之
(
これ
)
を
被
(
かぶ
)
れと
云
(
い
)
ひながら
081
懐中
(
くわいちう
)
探
(
さぐ
)
り
被面布
(
ひめんぷ
)
を
082
とり
出
(
だ
)
し
竜公
(
たつこう
)
にかけ
給
(
たま
)
ふ
083
此処
(
ここ
)
に
二人
(
ふたり
)
は
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
084
最下
(
さいか
)
天国
(
てんごく
)
の
其
(
その
)
一部
(
いちぶ
)
085
巡覧
(
じゆんらん
)
し
終
(
を
)
へ
中間
(
ちうかん
)
の
086
天国
(
てんごく
)
さして
昇
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
く
087
木花姫
(
このはなひめ
)
の
現
(
あら
)
はれて
088
種々
(
いろいろ
)
雑多
(
ざつた
)
と
両人
(
りやうにん
)
が
089
心
(
こころ
)
を
戒
(
いまし
)
め
給
(
たま
)
ひつつ
090
珍彦館
(
うづひこやかた
)
に
導
(
みちび
)
きて
091
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
経綸
(
けいりん
)
の
092
其
(
その
)
大略
(
たいりやく
)
を
示
(
しめ
)
すべく
093
此処
(
ここ
)
に
言霊別
(
ことたまわけ
)
の
神
(
かみ
)
094
治国別
(
はるくにわけ
)
の
徒弟
(
とてい
)
なる
095
五三公
(
いそこう
)
さまと
現
(
あら
)
はれて
096
又
(
また
)
もや
尊
(
たふと
)
き
教訓
(
けうくん
)
を
097
授
(
さづ
)
け
給
(
たま
)
ひし
尊
(
たふと
)
さよ
098
之
(
これ
)
より
二人
(
ふたり
)
は
五三公
(
いそこう
)
の
099
案内
(
あない
)
につれて
天国
(
てんごく
)
の
100
各団体
(
かくだんたい
)
を
巡歴
(
じゆんれき
)
し
101
最高一
(
さいかういち
)
の
天国
(
てんごく
)
や
102
霊国
(
れいごく
)
までも
巡拝
(
じゆんぱい
)
し
103
月
(
つき
)
の
御神
(
みかみ
)
や
日
(
ひ
)
の
御神
(
みかみ
)
104
其
(
その
)
他
(
ほか
)
百
(
もも
)
のエンゼルに
105
清
(
きよ
)
き
教
(
をしへ
)
を
伝
(
つた
)
へられ
106
智慧
(
ちゑ
)
証覚
(
しようかく
)
を
拝受
(
はいじゆ
)
して
107
再
(
ふたた
)
びもとの
肉体
(
にくたい
)
に
108
かへり
来
(
きた
)
りてバラモンの
109
醜
(
しこ
)
の
司
(
つかさ
)
を
悉
(
ことごと
)
く
110
言向和
(
ことむけやは
)
す
物語
(
ものがたり
)
111
語
(
かた
)
るにつけて
面白
(
おもしろ
)
く
112
益々
(
ますます
)
深
(
ふか
)
く
真
(
しん
)
に
入
(
い
)
り
113
其
(
その
)
妙奥
(
めうおう
)
に
達
(
たつ
)
すべく
114
守
(
まも
)
らせ
給
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
115
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る。
116
蠑螈別
(
いもりわけ
)
、
117
お
民
(
たみ
)
、
118
アーク、
119
タールの
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
一
(
いち
)
日
(
にち
)
の
間
(
あひだ
)
酔
(
よひ
)
をさまし、
120
何
(
なに
)
喰
(
く
)
はぬ
顔
(
かほ
)
してランチ
将軍
(
しやうぐん
)
の
前
(
まへ
)
にヌツと
顔
(
かほ
)
を
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
した。
121
ランチ
将軍
(
しやうぐん
)
は
常
(
つね
)
にないニコニコとした
笑顔
(
ゑがほ
)
を
見
(
み
)
せ、
122
ランチ
『ヤア
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
御
(
お
)
歴々
(
れきれき
)
、
123
御
(
ご
)
壮健
(
さうけん
)
で
御
(
お
)
目出度
(
めでた
)
う。
124
何
(
なに
)
か
御用
(
ごよう
)
で
厶
(
ござ
)
るかな』
125
と
脱線振
(
だつせんぶり
)
を
発揮
(
はつき
)
してゐる。
126
察
(
さつ
)
するにランチは
珍客
(
ちんきやく
)
に
余程
(
よほど
)
同情
(
どうじやう
)
ある
待遇
(
たいぐう
)
をされ、
127
精神
(
せいしん
)
の
一部
(
いちぶ
)
に
狂
(
くる
)
ひを
生
(
しやう
)
じて
居
(
ゐ
)
たと
見
(
み
)
える。
128
蠑螈別
(
いもりわけ
)
は
亦
(
また
)
平素
(
へいそ
)
から
少
(
すこ
)
しく
精神
(
せいしん
)
上
(
じやう
)
に
欠陥
(
けつかん
)
のある
男
(
をとこ
)
だが、
129
今
(
いま
)
ランチ
将軍
(
しやうぐん
)
の
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
てニコニコ
笑
(
わら
)
ひながら、
130
蠑螈別
『モシ
将軍殿
(
しやうぐんどの
)
、
131
昨夜
(
さくや
)
は
嘸
(
さぞ
)
御
(
お
)
疲
(
つか
)
れでしただらう。
132
お
察
(
さつ
)
し
申
(
まを
)
します。
133
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
異性
(
いせい
)
が
居
(
を
)
らなくては
威勢
(
いせい
)
の
悪
(
わる
)
いものですよ。
134
空
(
そら
)
を
飛
(
と
)
ぶ
小雀
(
こすずめ
)
だつて、
135
蝶々
(
てふてふ
)
だつて、
136
蜻蛉
(
とんぼ
)
だつて、
137
蝉
(
せみ
)
だつて、
138
土窠蜂
(
どかばち
)
だつて、
139
矢張
(
やつぱ
)
り
男女
(
だんぢよ
)
同棲
(
どうせい
)
して
天与
(
てんよ
)
の
真楽
(
しんらく
)
を
楽
(
たの
)
しんで
居
(
ゐ
)
るのですからな。
140
昔
(
むかし
)
の
世間
(
せけん
)
に
暗
(
くら
)
い
軍人
(
ぐんじん
)
は、
141
陣中
(
ぢんちう
)
に
女
(
をんな
)
は
一切
(
いつさい
)
無用
(
むよう
)
だなどと
云
(
い
)
つて
我慢
(
がまん
)
をしたものですが、
142
最早
(
もはや
)
今日
(
こんにち
)
となつては
軍人
(
ぐんじん
)
も
一種
(
いつしゆ
)
の
商売
(
しやうばい
)
ですから、
143
女
(
をんな
)
がなくちややりきれませぬわい。
144
ウツフヽヽヽ、
145
モシ
将軍
(
しやうぐん
)
さま、
146
大変
(
たいへん
)
な
爽快
(
さうくわい
)
な
面持
(
おももち
)
で
厶
(
ござ
)
りますな』
147
ランチ
『ハイ、
148
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても
双方
(
さうはう
)
から
速射砲
(
そくしやはう
)
的
(
てき
)
に
襲撃
(
しふげき
)
を
受
(
う
)
けたものですから、
149
耳
(
みみ
)
はひツかかれる、
150
頬
(
ほほ
)
は
抓
(
つめ
)
られる、
151
腕
(
うで
)
は
左右
(
さいう
)
からぬける
程
(
ほど
)
引
(
ひ
)
つ
張
(
ぱ
)
られるものだから、
152
イヤもう
きつい
迷惑
(
めいわく
)
を
致
(
いた
)
しました。
153
エツヘヽヽヽ、
154
其
(
その
)
為
(
た
)
め
全身
(
ぜんしん
)
の
細胞
(
さいばう
)
や
繊維
(
せんゐ
)
が
稍
(
やや
)
倦怠
(
けんたい
)
気分
(
きぶん
)
となり、
155
各部
(
かくぶ
)
に
同盟
(
どうめい
)
罷工
(
ひこう
)
をやつたと
見
(
み
)
えて、
156
思
(
おも
)
ふ
様
(
やう
)
に
足
(
あし
)
が
動
(
うご
)
かなくなりました』
157
蠑螈別
『
足
(
あし
)
ばかりぢやありますまい。
158
腰部
(
えうぶ
)
は
如何
(
いかが
)
です、
159
腰部
(
えうぶ
)
は
天国
(
てんごく
)
に
於
(
お
)
ける
夫婦
(
ふうふ
)
の
愛
(
あい
)
と
相応
(
さうおう
)
する
最要部
(
さいえうぶ
)
で
厶
(
ござ
)
りますからな』
160
ランチ
『
成程
(
なるほど
)
、
161
夜前
(
やぜん
)
はあまり
乱痴気
(
らんちき
)
将軍
(
しやうぐん
)
をやつたものだから、
162
少々
(
せうせう
)
ばかり
今日
(
けふ
)
は
二日酔
(
ふつかよ
)
ひの
気味
(
きみ
)
で
厶
(
ござ
)
る。
163
それに
就
(
つ
)
いても
可憐
(
かはい
)
さうなのは
片彦
(
かたひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
だ』
164
蠑螈別
『あの
二人
(
ふたり
)
の
美人
(
びじん
)
は
一人
(
ひとり
)
づつ
貴方
(
あなた
)
等
(
がた
)
のお
相手
(
あひて
)
になさつたのぢやありませぬか』
165
ランチ
『イヤ、
166
それがさうぢやて、
167
……
困
(
こま
)
つた
事
(
こと
)
には
二人
(
ふたり
)
ながらランチ ランチと
云
(
い
)
ひやがつて……エヘヽヽヽヽ
此
(
この
)
一人
(
ひとり
)
の
男
(
をとこ
)
を
双方
(
さうはう
)
から
襲撃
(
しふげき
)
し、
168
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
千万
(
せんばん
)
にも
片彦
(
かたひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
には
目
(
め
)
もくれないのだ。
169
そこで
此
(
この
)
ランチが
聊
(
いささ
)
か
同情
(
どうじやう
)
の
念
(
ねん
)
を
以
(
もつ
)
て
片彦
(
かたひこ
)
に
靡
(
なび
)
かせむと、
170
種々
(
しゆじゆ
)
雑多
(
ざつた
)
と
心
(
こころ
)
を
揉
(
も
)
んだでもないし、
171
揉
(
も
)
まぬでもなかつたが、
172
矢張
(
やつぱり
)
恋愛
(
れんあい
)
と
云
(
い
)
ふものは
合縁
(
あひえん
)
奇縁
(
きえん
)
で
仕方
(
しかた
)
のないものだ。
173
凡
(
すべ
)
て
恋愛
(
れんあい
)
は
一方
(
いつぱう
)
に
偏重
(
へんちよう
)
する
性質
(
せいしつ
)
のものだから、
174
大変
(
たいへん
)
に
都合
(
つがふ
)
の
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
もあるが、
175
然
(
しか
)
しそこが
男子
(
だんし
)
に
取
(
と
)
つて
非常
(
ひじやう
)
に
妙味
(
めうみ
)
のある
所
(
ところ
)
だ。
176
イツヒヽヽヽ』
177
蠑螈別
『さうして
片彦
(
かたひこ
)
さまは
如何
(
どう
)
なつたのですか』
178
ランチ
『ウン、
179
片彦
(
かたひこ
)
は
歯
(
は
)
ぎしりを
噛
(
か
)
んで
怒
(
いか
)
り
出
(
だ
)
し、
180
歯
(
は
)
をガタガタ
云
(
い
)
はせ、
181
ガタガタ
慄
(
ぶる
)
ひをして
到頭
(
たうとう
)
ガタ
彦
(
ひこ
)
となつて
了
(
しま
)
つた。
182
何
(
ど
)
うも
斯
(
か
)
うガタピシヤになつては
陣中
(
ぢんちう
)
の
平和
(
へいわ
)
が
保
(
たも
)
たれないので、
183
聊
(
いささ
)
か
困
(
こま
)
つてるのですよ。
184
斯
(
か
)
うなつて
来
(
く
)
ると、
185
此
(
この
)
ランチを
女
(
をんな
)
にチヤホヤされる
男
(
をとこ
)
らしい
男
(
をとこ
)
に
生
(
う
)
んでくれた
親
(
おや
)
が
怨
(
うら
)
めしい
様
(
やう
)
に、
186
根
(
ね
)
つから
厶
(
ござ
)
らぬわい、
187
エツヘヽヽヽ。
188
そこで
一
(
ひと
)
つ
蠑螈別
(
いもりわけ
)
殿
(
どの
)
に
相談
(
さうだん
)
がある。
189
聞
(
き
)
いては
下
(
くだ
)
されますまいかな』
190
蠑螈別
『
其
(
その
)
御
(
ご
)
相談
(
さうだん
)
とは
何事
(
なにごと
)
で
厶
(
ござ
)
いますか』
191
ランチ
『
外
(
ほか
)
でもござらぬ、
192
其方
(
そなた
)
の
最愛
(
さいあい
)
のお
民
(
たみ
)
さまを
暫
(
しばら
)
く
此
(
この
)
ランチに
自由
(
じいう
)
にさして
頂
(
いただ
)
きたいのだ』
193
お
民
(
たみ
)
は、
194
お民
『アレ、
195
まアー』
196
と
袖
(
そで
)
に
顔
(
かほ
)
を
隠
(
かく
)
す。
197
蠑螈別
『コリヤお
民
(
たみ
)
、
198
何
(
なん
)
だ
其
(
その
)
スタイルは……
細
(
ほそ
)
い
目
(
め
)
をしやがつて………「アレ、
199
マア」
等
(
など
)
とランチ
将軍
(
しやうぐん
)
に
秋波
(
しうは
)
を
送
(
おく
)
つてゐるのか』
200
と
呶鳴
(
どな
)
りつけた。
201
お
民
(
たみ
)
は
泣声
(
なきごゑ
)
になり、
202
お民
『コレ、
203
モシ
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さま、
204
お
情
(
なさけ
)
ない
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
さいますな。
205
貴方
(
あなた
)
はまだ
私
(
わたし
)
の
心
(
こころ
)
が
分
(
わか
)
らないのですか』
206
蠑螈別
『ウン、
207
分
(
わか
)
らぬでもない、
208
が
然
(
しか
)
しあまり
妙
(
めう
)
な
素振
(
そぶり
)
をすると、
209
俺
(
おれ
)
も
聊
(
いささ
)
か
気
(
き
)
にならない
事
(
こと
)
はないからなあ』
210
ランチ
『
実
(
じつ
)
は
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さま、
211
其
(
その
)
お
民
(
たみ
)
さまを
貸
(
か
)
して
頂
(
いただ
)
きたいと
云
(
い
)
ふのは、
212
片彦
(
かたひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
に
綺麗
(
きれい
)
サツパリとやつて
貰
(
もら
)
ひたいのだ。
213
それでなければ
軍規
(
ぐんき
)
の
統一
(
とういつ
)
が
保
(
たも
)
たれないので、
214
此
(
この
)
ランチが
折入
(
をりい
)
つてお
願
(
ねが
)
ひ
申
(
まを
)
すのだ』
215
蠑螈別
『これは
怪
(
け
)
しからぬ。
216
何事
(
なにごと
)
かと
思
(
おも
)
へば
吾々
(
われわれ
)
の
女房
(
にようばう
)
を
片彦
(
かたひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
に
与
(
あた
)
へよなどとは
以
(
もつ
)
ての
外
(
ほか
)
のお
言葉
(
ことば
)
で
厶
(
ござ
)
る。
217
さう
蕪
(
かぶら
)
か
大根
(
だいこん
)
の
様
(
やう
)
にチヤクチヤクと
人
(
ひと
)
に
与
(
や
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ますか。
218
拙者
(
せつしや
)
は
命
(
いのち
)
がけの
芸当
(
げいたう
)
をやつて、
219
漸
(
やうや
)
くお
民
(
たみ
)
を
此処
(
ここ
)
まで
連
(
つ
)
れ
出
(
だ
)
した
所
(
ところ
)
、
220
左様
(
さやう
)
なお
言葉
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
くとは
意外
(
いぐわい
)
千万
(
せんばん
)
だ。
221
斯様
(
かやう
)
な
処
(
ところ
)
に
長居
(
ながゐ
)
は
恐
(
おそ
)
れだ。
222
オイ、
223
お
民
(
たみ
)
、
224
一時
(
いつとき
)
も
早
(
はや
)
うここを
帰
(
かへ
)
らう』
225
お民
『ハイ、
226
有難
(
ありがた
)
う
厶
(
ござ
)
んす。
227
それなら
何卒
(
どうぞ
)
こんな
恐
(
おそ
)
ろしい
処
(
ところ
)
は
嫌
(
いや
)
になりましたから、
228
貴方
(
あなた
)
の
好
(
す
)
きな
処
(
ところ
)
へ
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
229
然
(
しか
)
し
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さま、
230
ここを
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
るとなれば
忽
(
たちま
)
ち
困
(
こま
)
るのはお
金
(
かね
)
でせう。
231
貴方
(
あなた
)
がエキスさまの
手
(
て
)
を
通
(
とほ
)
してランチさまにお
渡
(
わた
)
しなさつた
五千
(
ごせん
)
両
(
りやう
)
の
金
(
かね
)
をスツカリ
返
(
かへ
)
して
貰
(
もら
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
232
それを
路銀
(
ろぎん
)
にして
二人
(
ふたり
)
が
睦
(
むつま
)
じう
暮
(
く
)
らさうぢやありませぬか』
233
蠑螈別
『ウン、
234
然
(
しか
)
し
男
(
をとこ
)
が
一旦
(
いつたん
)
出
(
だ
)
したものを
返
(
かへ
)
してくれなんて、
235
そんな
卑怯
(
ひけふ
)
未練
(
みれん
)
な
事
(
こと
)
が
云
(
い
)
はれようか』
236
お民
『エーエ、
237
お
前
(
まへ
)
さまはそれだからいつも
駄目
(
だめ
)
だと
云
(
い
)
ふのよ。
238
此
(
この
)
先
(
さき
)
ここを
立
(
た
)
ち
出
(
で
)
て
乞食
(
こじき
)
でもする
積
(
つも
)
りで
御座
(
ござ
)
んすかい』
239
蠑螈別
『
成行
(
なりゆき
)
なら
仕方
(
しかた
)
がないぢやないか。
240
あの
金
(
かね
)
だつて
俺
(
おれ
)
が
働
(
はたら
)
いて
造
(
つく
)
つた
金
(
かね
)
ぢやなし、
241
お
寅婆
(
とらばば
)
が
信者
(
しんじや
)
をチヨロまかして
貯
(
た
)
めた
金
(
かね
)
を
何々
(
なになに
)
して
来
(
き
)
たのだから、
242
そんな
執着心
(
しふちやくしん
)
は
持
(
も
)
つものぢやない。
243
サア
行
(
ゆ
)
かう』
244
とお
民
(
たみ
)
の
手
(
て
)
をとり
引
(
ひ
)
き
立
(
た
)
てようとする。
245
お
民
(
たみ
)
は
首
(
くび
)
を
左右
(
さいう
)
にふり、
246
金切
(
かなき
)
り
声
(
ごゑ
)
を
出
(
だ
)
して、
247
お民
『イエイエ
此
(
この
)
陣営
(
ぢんえい
)
に
置
(
お
)
いて
貰
(
もら
)
ふのならばお
金
(
かね
)
は
必要
(
ひつえう
)
はありませぬが、
248
忽
(
たちま
)
ち
今日
(
けふ
)
から
乞食
(
こじき
)
をせねばなりませぬ。
249
なんぼ
私
(
わたし
)
だつて、
250
貴方
(
あなた
)
と
一緒
(
いつしよ
)
に
乞食
(
こじき
)
する
位
(
くらゐ
)
なら
片彦
(
かたひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
のお
妾
(
めかけ
)
にでもなりますわ。
251
ほんに
気
(
き
)
の
利
(
き
)
かぬ
人
(
ひと
)
だな。
252
エー
口惜
(
くや
)
しい、
253
オーン オーン オーン』
254
蠑螈別
『あゝ、
255
それなら
仕方
(
しかた
)
がない。
256
ランチさま、
257
何卒
(
どうぞ
)
私
(
わたし
)
をここに
置
(
お
)
いて
下
(
くだ
)
さい。
258
其
(
その
)
代
(
かは
)
りにお
民
(
たみ
)
を
片彦
(
かたひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
に
渡
(
わた
)
す
事
(
こと
)
だけはお
断
(
ことわ
)
りを
申
(
まを
)
します』
259
ランチ
『
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
はウラナイ
教
(
けう
)
の
教主
(
けうしゆ
)
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さまは、
260
千変
(
せんぺん
)
万化
(
ばんくわ
)
の
妖術
(
えうじゆつ
)
を
使
(
つか
)
ひ、
261
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
でさへも、
262
ウラナイ
教
(
けう
)
に
一指
(
いつし
)
をも
染得
(
そめえ
)
ざるは
蠑螈別
(
いもりわけ
)
の
教主
(
けうしゆ
)
あるためだと
聞
(
き
)
いて
居
(
を
)
つた
所
(
ところ
)
、
263
此
(
この
)
間
(
あひだ
)
より
様子
(
やうす
)
を
考
(
かんが
)
へて
居
(
を
)
れば、
264
見
(
み
)
かけ
倒
(
だふ
)
しの
芸
(
げい
)
なし
猿
(
ざる
)
、
265
女
(
をんな
)
に
目
(
め
)
を
細
(
ほそ
)
うして
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
酒
(
さけ
)
を
喰
(
くら
)
ふばかりが
芸当
(
げいたう
)
で、
266
何一
(
なにひと
)
つ
取柄
(
とりえ
)
が
厶
(
ござ
)
らぬ。
267
もはや
此
(
この
)
陣中
(
ぢんちう
)
に
於
(
おい
)
てはお
前
(
まへ
)
さまの
如
(
ごと
)
き
偽豪傑
(
にせがうけつ
)
はチツトも
必要
(
ひつえう
)
は
厶
(
ござ
)
らぬ。
268
然
(
しか
)
しながら
其方
(
そなた
)
の
連
(
つ
)
れ
添
(
そ
)
うて
厶
(
ござ
)
るお
民
(
たみ
)
は
比較
(
ひかく
)
的
(
てき
)
気
(
き
)
の
利
(
き
)
いた
女
(
をんな
)
、
269
加
(
くは
)
ふるに
十人並
(
じふにんなみ
)
優
(
すぐ
)
れた
美人
(
びじん
)
と
云
(
い
)
ひ、
270
片彦
(
かたひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
の
女房
(
にようばう
)
には
最
(
もつと
)
も
適当
(
てきたう
)
と
認
(
みと
)
めるによつて、
271
お
民
(
たみ
)
をここに
残
(
のこ
)
し、
272
とつと
と
帰
(
かへ
)
つて
下
(
くだ
)
され』
273
蠑螈別
『これは
怪
(
け
)
しからぬ。
274
一旦
(
いつたん
)
貴方
(
あなた
)
の
幕僚
(
ばくれう
)
と
任命
(
にんめい
)
をされた
以上
(
いじやう
)
は、
275
其
(
その
)
様
(
やう
)
な
理由
(
りいう
)
によつて
立去
(
たちさ
)
る
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ませぬ。
276
万一
(
まんいち
)
たつて
立去
(
たちさ
)
れと
仰有
(
おつしや
)
るならば、
277
之
(
これ
)
から
拙者
(
せつしや
)
の
法力
(
ほふりき
)
を
以
(
もつ
)
て
此
(
この
)
陣営
(
ぢんえい
)
をメチヤメチヤに
破壊
(
はくわい
)
し、
278
其方
(
そなた
)
の
生命
(
いのち
)
を
刃
(
やいば
)
を
用
(
もち
)
ゐずして
奪
(
と
)
つて
見
(
み
)
ませう』
279
ランチ
『アハヽヽヽヽ、
280
何
(
なん
)
とえらい
勢
(
いきほひ
)
で
厶
(
ござ
)
るな。
281
見
(
み
)
ると
聞
(
き
)
くとは
大違
(
おほちが
)
ひ、
282
今迄
(
いままで
)
ならば
其
(
その
)
嚇
(
おど
)
しは
利
(
き
)
くだらうが、
283
もはや
今日
(
こんにち
)
となつては
内兜
(
うちかぶと
)
を
見透
(
みすか
)
した
此
(
この
)
方
(
はう
)
、
284
そんな
嚇
(
おど
)
し
文句
(
もんく
)
は、
285
いつかな いつかな
喰
(
く
)
ひませぬぞや。
286
何
(
なん
)
なつと
業力
(
ごふりき
)
を
出
(
だ
)
してランチ
将軍
(
しやうぐん
)
の
息
(
いき
)
の
根
(
ね
)
をとめて
御覧
(
ごらん
)
、
287
それが
出来
(
でき
)
れば
拙者
(
せつしや
)
の
役目
(
やくめ
)
をお
譲
(
ゆづ
)
り
申
(
まを
)
す
約束
(
やくそく
)
を
今
(
いま
)
からしてもよろしい。
288
マサカ
其
(
その
)
神力
(
しんりき
)
は
厶
(
ござ
)
るまい。
289
現在
(
げんざい
)
お
民
(
たみ
)
に
秋風
(
あきかぜ
)
を
吹
(
ふ
)
かされて
居
(
ゐ
)
る
様
(
やう
)
な
今
(
いま
)
の
体裁
(
ていさい
)
、
290
これお
民
(
たみ
)
殿
(
どの
)
、
291
今
(
いま
)
其方
(
そなた
)
は
蠑螈別
(
いもりわけ
)
と
乞食
(
こじき
)
する
位
(
くらゐ
)
なら
片彦
(
かたひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
のお
妾
(
めかけ
)
になると
云
(
い
)
つたな。
292
ウツフヽヽ
出来
(
でか
)
した
出来
(
でか
)
した
天晴
(
あつぱれ
)
天晴
(
あつぱれ
)
、
293
女丈夫
(
ぢよぢやうふ
)
の
亀鑑
(
きかん
)
、
294
貞女
(
ていぢよ
)
の
鑑
(
かがみ
)
、
295
名
(
な
)
を
末代
(
まつだい
)
に
伝
(
つた
)
ふであらう』
296
と
脱線
(
だつせん
)
だらけの
業託
(
ごふたく
)
を
吐
(
は
)
いてゐる。
297
蠑螈別
(
いもりわけ
)
は
躍気
(
やくき
)
となり、
298
蠑螈別
『
然
(
しか
)
らば
此
(
この
)
方
(
はう
)
の
法力
(
ほふりき
)
によつて
此
(
この
)
陣中
(
ぢんちう
)
をたたき
破
(
やぶ
)
り、
299
先
(
ま
)
づ
第一
(
だいいち
)
に
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
ながらランチ
将軍
(
しやうぐん
)
の
息
(
いき
)
の
根
(
ね
)
をとめてくれむ。
300
後
(
あと
)
で
後悔
(
こうくわい
)
召
(
め
)
さるな』
301
と
云
(
い
)
ひ
放
(
はな
)
ち、
302
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
へ
行
(
い
)
つて
大自在天
(
だいじざいてん
)
の
前
(
まへ
)
に
数珠
(
じゆず
)
をもみながらキチンと
端坐
(
たんざ
)
し、
303
先
(
ま
)
づバラモン
大自在天
(
だいじざいてん
)
を
念
(
ねん
)
じ、
304
次
(
つぎ
)
に
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
305
大広木
(
おほひろき
)
正宗
(
まさむね
)
殿
(
どの
)
、
306
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
と
称
(
とな
)
へ
終
(
をは
)
り、
307
ソロソロ
得意
(
とくい
)
の
観音経
(
くわんのんきやう
)
を
誦
(
しよう
)
じ
初
(
はじ
)
めた。
308
蠑螈別
『
真
(
しん
)
観
(
くわん
)
清
(
しやう
)
浄
(
じやう
)
観
(
くわん
)
309
広
(
くわう
)
大
(
だい
)
智
(
ち
)
慧
(
ゑ
)
観
(
くわん
)
310
悲
(
ひ
)
観
(
くわん
)
及
(
ぎう
)
慈
(
じ
)
観
(
くわん
)
311
常
(
じやう
)
願
(
ぐわん
)
常
(
じやう
)
瞻
(
せん
)
仰
(
ごう
)
312
無
(
む
)
垢
(
く
)
清
(
しやう
)
浄
(
じやう
)
光
(
くわう
)
313
慧
(
ゑ
)
日
(
にち
)
破
(
は
)
諸
(
せう
)
闇
(
あん
)
314
能
(
のう
)
伏
(
ふく
)
災
(
さい
)
風
(
ふう
)
火
(
くわ
)
315
普
(
ふ
)
明
(
みやう
)
照
(
せう
)
世
(
せ
)
間
(
けん
)
316
悲
(
ひ
)
体
(
たい
)
戒
(
かい
)
雷
(
らい
)
震
(
しん
)
317
慈
(
じ
)
意
(
い
)
妙
(
めう
)
大
(
だい
)
雲
(
うん
)
318
樹
(
じゆ
)
甘
(
かん
)
露
(
ろ
)
法
(
ほふ
)
雨
(
う
)
319
滅
(
めつ
)
除
(
ぢよ
)
煩
(
ぼん
)
悩
(
なう
)
炎
(
えん
)
320
諍
(
ぜう
)
証
(
しよう
)
経
(
きやう
)
官
(
くわん
)
処
(
しよ
)
321
怖
(
ふ
)
畏
(
ゐ
)
軍
(
ぐん
)
陣
(
ぢん
)
中
(
ぢう
)
322
念
(
ねん
)
彼
(
ぴ
)
観
(
くわん
)
音
(
のん
)
力
(
りき
)
323
衆
(
しう
)
怨
(
をん
)
悉
(
しつ
)
退
(
たい
)
散
(
さん
)
324
妙
(
めう
)
音
(
おん
)
観
(
くわん
)
世
(
ぜ
)
音
(
おん
)
325
梵
(
ぼん
)
音
(
おん
)
海
(
かい
)
潮
(
てう
)
音
(
おん
)
326
勝
(
しよう
)
彼
(
ひ
)
世
(
せ
)
間
(
けん
)
音
(
おん
)
327
是
(
ぜ
)
故
(
こ
)
須
(
しゆ
)
常
(
じやう
)
念
(
ねん
)
328
念
(
ねん
)
々
(
ねん
)
勿
(
もつ
)
生
(
しやう
)
疑
(
ぎ
)
329
観
(
くわん
)
世
(
ぜ
)
音
(
おん
)
浄
(
じやう
)
聖
(
しやう
)
330
於
(
お
)
苦
(
く
)
悩
(
なう
)
死
(
し
)
厄
(
やく
)
331
能
(
のう
)
為
(
ゐ
)
作
(
さ
)
依
(
え
)
怙
(
こ
)
』
332
かく
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
汗
(
あせ
)
をタラタラ
流
(
なが
)
しながら
観音
(
くわんのん
)
を
念
(
ねん
)
じてゐる。
333
されど
観音
(
くわんのん
)
の
感応
(
かんのう
)
はありさうもなく、
334
仏
(
ぶつ
)
が
法
(
ほふ
)
とも
尻喰
(
けつくら
)
へ
観音
(
くわんのん
)
とも
仏
(
ほとけ
)
が
云
(
い
)
はぬので、
335
蠑螈別
(
いもりわけ
)
は
業
(
ごふ
)
を
煮
(
に
)
やし、
336
蠑螈別
『エー、
337
仏
(
ほとけ
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
は、
338
立派
(
りつぱ
)
な
能書
(
のうが
)
きばかり
並
(
なら
)
べよつて、
339
マサカの
時
(
とき
)
はチツとも
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
はぬものぢやな。
340
もう
之
(
これ
)
から
貴様
(
きさま
)
の
様
(
やう
)
な
奴
(
やつ
)
は
拝
(
をが
)
んでやらぬわい。
341
之
(
これ
)
からはこつちから
尻喰
(
けつくら
)
へ
観音
(
くわんのん
)
ぢや』
342
とブツブツ
呟
(
つぶや
)
いて
居
(
ゐ
)
る
其
(
その
)
可笑
(
をか
)
しさ。
343
猫
(
ねこ
)
が
折角
(
せつかく
)
くはへた
松魚節
(
かつをぶし
)
を
犬
(
いぬ
)
にふんだくられた
時
(
とき
)
の
様
(
やう
)
な
不足
(
ふそく
)
さうな
面
(
つら
)
をして
洟
(
はな
)
をすすつてゐる。
344
(
大正一二・一・一二
旧一一・一一・二六
[
※
第1章から第7章の口述日は、版によって相違がある。詳細はオニペディアの「霊界物語第48巻の諸本相違点」を見よ
]
北村隆光
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 武乱泥
(B)
(N)
雪雑寝 >>>
霊界物語
>
第48巻
> 第1篇 変現乱痴 > 第3章 観音経
Tweet
目で読むのに疲れたら耳で聴こう!霊界物語の朗読ユーチューブ
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【03 観音経|第48巻(亥の巻)|霊界物語/rm4803】
合言葉「みろく」を入力して下さい→