霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二章 (げふ)意義(いぎ)〔二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻 篇:第1篇 幽界の探険 よみ(新仮名遣い):ゆうかいのたんけん
章:第2章 業の意義 よみ(新仮名遣い):ぎょうのいぎ 通し章番号:2
口述日: 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:1921(大正10)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
霊界の業といえば、深山幽谷に入って世間を出て、難行苦行をなすことと考えている人が多いようである。しかし、業は行であり、顕幽一致、身魂一本の真理により、顕界において可急的大活動をなし、天地の経綸に奉仕するのが、第一の行である。
たとえ一ケ月でも人界の事業を廃して山林に隠匿し、怪行異業に熱中するのは、すなわち一ケ月の社会の損害であり、神界の怠業者、罷業者である。
自分は二十七年間、俗界で悲痛な修行を遂行し、その後にただ一週間、一回のみ空前絶後の実修を行ったのみである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2019-02-18 13:56:05 OBC :rm0102
愛善世界社版:14頁 八幡書店版:第1輯 50頁 修補版: 校定版:14頁 普及版:7頁 初版: ページ備考:
001 霊界(れいかい)(げふ)といへば世間(せけん)一般(いつぱん)深山(しんざん)幽谷(いうこく)()つて、002出世間(しゆつせけん)(てき)難行(なんぎやう)苦行(くぎやう)をなすこととのみ(かんが)へてをる(ひと)(おほ)いやうである。003跣足(はだし)(はだか)になつて、004山神(さんじん)(やしろ)立籠(たてこも)断食(だんじき)をなし、005断湯(だんたう)(まも)火食(くわしよく)をやめて、006神仏(しんぶつ)祈願(きぐわん)()らし、007(めう)動作(どうさ)異行(いぎやう)(あへ)てすることをもつて、008徹底(てつてい)(てき)修行(しうぎやう)完了(かんれう)したやうに(おも)(ほこ)人々(ひとびと)(おほ)い。
009 すべて(げふ)(きやう)である以上(いじやう)は、010顕幽(けんいう)一致(いつち)011身魂(みたま)一本(いつぽん)真理(しんり)により、012顕界(けんかい)において可急(かきふ)(てき)大活動(だいくわつどう)をなし、013もつて天地(てんち)経綸(けいりん)奉仕(ほうし)するのが第一(だいいち)(ぎやう)である。014たとへ(いつ)(げつ)でも人界(じんかい)事業(じげふ)(はい)して山林(さんりん)隠遁(いんとん)怪行(くわいぎやう)異業(いげふ)熱中(ねつちゆう)するは、015すなはち(いつ)月間(げつかん)社会(しやくわい)損害(そんがい)であつて、016いはゆる神界(しんかい)怠業者(たいげふしや)もしくは罷業者(ひげふしや)である。017すべて神界(しんかい)(げふ)といふものは現界(げんかい)において生成(せいせい)化育(くわいく)018進取(しんしゆ)発展(はつてん)事業(じげふ)につくすをもつて第一(だいいち)要件(えうけん)とせなくてはならぬ。
019 大本(おほもと)一部(いちぶ)人士(じんし)のごとく、020何事(なにごと)も『惟神(かむながら)かむながら』といつて(かた)きを()け、021(やす)きに()かむとするは神界(しんかい)より御覧(ごらん)になれば、022(じつ)不都合(ふつがふ)不届(ふとどき)至極(しごく)人間(にんげん)といはれてもしかたはない。023(すこ)しも責任(せきにん)観念(かんねん)といふものがないのみか、024(つく)すべき(みち)をつくさず、025かへつて神業(しんげふ)妨害(ばうがい)ばかりしながら、026いつも神界(しんかい)にたいし(たてまつ)り、027不足(ふそく)ばかりいつてゐる。028これがいはゆる黄泉(よもつ)醜人(しこびと)である。029神諭(しんゆ)に、
030世界(せかい)落武者(おちむしや)()()るから用心(ようじん)なされよ』
031といふことが(しめ)されあるを(かんが)へてみるがよい。032神界(しんかい)(げふ)といふものは、033そんな軽々(かるがる)しき容易(ようい)なものではない。034しかるに自分(じぶん)から山林(さんりん)分入(わけい)りて修行(しうぎやう)することを非難(ひなん)しておきながら、035かんじんの()本尊(ほんぞん)(いつ)週間(しうかん)高熊山(たかくまやま)(げふ)をしたのは、036自家(じか)撞着(どうちやく)もはなはだしいではないか……との反問(はんもん)()るであらうが、037しかし自分(じぶん)はそれまでに二十七(にじふしち)年間(ねんかん)俗界(そくかい)での悲痛(ひつう)修行(しうぎやう)遂行(すゐかう)した。038その卒業式(そつげふしき)ともいふべきものであつて、039生存中(せいぞんちゆう)ただ一回(いつくわい)のみ空前(くうぜん)絶後(ぜつご)実修(じつしう)であつたのである。
040 ()には……釈迦(しやか)でさへ檀特山(だんとくざん)において(すう)年間(ねんかん)難行(なんぎやう)苦行(くぎやう)をやつて、041仏教(ぶつけう)(ひら)いたではないか、042それに(わづ)(いつ)週間(しうかん)ぐらゐの(げふ)で、043三世(さんぜ)達観(たつくわん)することを()るやうになつたとは、044あまりの大言(たいげん)ではあるまいか……と、045疑問(ぎもん)(いだ)人々(ひとびと)もあるであらうが、046釈迦(しやか)印度国(いんどこく)浄飯王(じやうぼんわう)太子(たいし)(うま)れて、047社会(しやくわい)(あら)風波(ふうは)()うたことのない()ンさんであつたから、048(すう)年間(ねんかん)種々(しゆじゆ)苦難(くなん)(あぢ)はつたのである。049自分(じぶん)はこれに(はん)幼少(えうせう)より極貧(ごくひん)家庭(かてい)(うま)れて、050社会(しやくわい)のあらゆる辛酸(しんさん)()めつくしてきたために、051高熊山(たかくまやま)(のぼ)るまでに顕界(けんかい)修行(しうぎやう)()へ、052また幾分(いくぶん)かは幽界(いうかい)消息(せうそく)にも(つう)じてをつたからである。
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