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第二五章 武蔵彦(むさしひこ)一派(いつぱ)悪計(あくけい)〔二五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻 篇:第4篇 竜宮占領戦 よみ(新仮名遣い):りゅうぐうせんりょうせん
章:第25章 武蔵彦一派の悪計 よみ(新仮名遣い):むさしひこいっぱのあっけい 通し章番号:25
口述日:1921(大正10)年10月21日(旧09月21日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1921(大正10)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
武蔵彦、春子姫、足長彦ら悪神は、小金橋破壊に失敗したため、魔軍を組織して竜宮上を占領しようと画策していた。
このためには、地の高天原を内部的に瓦解させることが必要と感じ、探女を放って瑞の御魂の肉体を陥れようとしていた。
瑞の御魂は霊を降して大八洲彦命と現れて、探女を追い払って悪神の企みを打ち砕いた。
春子姫は竜宮の従臣神である小島別を説きつけて竜宮を攻めようとしたが、これも大八洲彦命に見破られ、小島別の立ち戻りもあって、春子姫は悶死して根底の国に堕ちて行った。
春子姫の親である武蔵彦は筑波仙人の肉体を借りて、竜宮城の占領を企て、盤古大神を押し立てようとしていた。武蔵彦は竹熊を使って大八洲彦命を襲わせた。大八洲彦命は雷のごとき言霊を駆使して敵を追い払った。このとき、地の高天原では稚姫君命が不思議な神術を実行されて神助を現した。
敗走した竹熊一派は、稚姫君命の前に表面改心を現して謝罪したため、許されたが、心の底では悪計を企んでいた。大江山から現れた邪神の頭領・鬼熊は、竹熊を密議をこらしていた。
しかし竹熊の参謀である木常姫は鬼熊と意見の相違から大争闘を始め、鬼熊は大打撃を受けた。これはすべて、邪神の権力争いから起こったのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2019-06-12 17:57:11 OBC :rm0125
愛善世界社版:151頁 八幡書店版:第1輯 100頁 修補版: 校定版:151頁 普及版:79頁 初版: ページ備考:
001 武蔵彦(むさしひこ)002春子姫(はるこひめ)003足長彦(あしながひこ)悪神(あくがみ)は、004最初(さいしよ)黄金橋(こがねばし)破壊(はくわい)失敗(しつぱい)したので、005こんどは大挙(たいきよ)して一挙(いつきよ)(これ)()(おと)さむとし、006数万(すうまん)雷神(らいじん)や、007悪竜(あくりゆう)008悪狐(あくこ)および醜女(しこめ)009探女(さぐめ)群魔(ぐんま)堂山(だうやま)(かひ)(あつ)密議(みつぎ)()らした。010その(とき)参加(さんか)した悪神(あくがみ)竹熊(たけくま)011木常姫(こつねひめ)大将(たいしやう)とし、012八十熊(やそくま)013鬼熊(おにくま)014猿飛彦(さるとびひこ)015魔子彦(まごひこ)016藤足彦(ふぢたるひこ)017中裂彦(なかさきひこ)018土彦(つちひこ)019胸長彦(むねながひこ)020牛人(うしうど)らの悪神(あくがみ)部将(ぶしやう)位地(ゐち)につき、021黄金橋(こがねばし)占領(せんりやう)破壊(はくわい)全力(ぜんりよく)をつくした。
022 そして木常姫(こつねひめ)023魔子彦(まごひこ)(ひがし)(そら)より、024猿飛彦(さるとびひこ)東南(とうなん)より、025牛人(うしうど)026藤足彦(ふぢたるひこ)西北(せいほく)より(あら)はれて三角形(さんかくけい)(ぢん)をとり、027数万(すうまん)魔神(まがみ)引率(いんそつ)して、028疾風(しつぷう)迅雷(じんらい)(てき)竜宮城(りゆうぐうじやう)占領(せんりやう)すべき計画(けいくわく)をめぐらし手筈(てはづ)(さだ)めた。
029 この目的(もくてき)(たつ)するには、030()高天原(たかあまはら)内部(ないぶ)より混乱(こんらん)瓦解(がくわい)させねばならぬとし、031魔軍(まぐん)はたくみに探女(さぐめ)(はな)ち、032そして(みづ)(みたま)肉体(にくたい)(おとしい)れむとして(ほのほ)(つるぎ)や、033氷柱(つらら)(やり)にて大々(だいだい)(てき)攻撃(こうげき)開始(かいし)した。
034 瑞霊(みづのみたま)(ここ)(れい)(くだ)して大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)(あら)はれ、035()せくる探女(さぐめ)真澄(ますみ)(つるぎ)(ふり)かざし(やま)()ごとに()()せ、036(かは)()ごとに()りまくつた。037その神勇(しんゆう)(おどろ)周章(あわて)ふためき四方(しはう)()()つた。038竹熊(たけくま)039木常姫(こつねひめ)らの計画(けいくわく)(まつた)水泡(すいはう)()し、040数多(あまた)部下(ぶか)(うしな)ひ、041失望(しつばう)結果(けつくわ)042ふたたび(はかりごと)(さだ)め、043金勝要(きんかつかねの)(かみ)薬籠中(やくろうちゆう)のものとせむとした。044その主謀者(しゆぼうしや)奸智(かんち)()けたる春子姫(はるこひめ)であつた。
045 春子姫(はるこひめ)藤足彦(ふぢたるひこ)046牛人(うしうど)とともに、047小島別(こじまわけ)甘言(かんげん)をもつて()きつけ、048小島別(こじまわけ)()によつてその目的(もくてき)(たつ)せむと(たく)らんだのである。049小島別(こじまわけ)元来(ぐわんらい)正直(しやうぢき)性質(せいしつ)であるから、050春子姫(はるこひめ)詐言(さげん)(しん)じて車輪(しやりん)運動(うんどう)開始(かいし)したが、051(かれ)(いづ)(みたま)霊眼(れいがん)見破(みやぶ)られて目的(もくてき)(さまた)げられ、052つひに自棄(やけ)気味(ぎみ)になつて大々(だいだい)(てき)活動(くわつどう)をはじめ、053木常姫(こつねひめ)054中裂彦(なかさきひこ)悪神(あくがみ)(くは)へ、055鞍馬山(くらまやま)()てこもつて該山(がいざん)魔王(まわう)(しめ)(あは)せ、056数万(すうまん)邪霊(じやれい)(ひき)つれ、057強圧(きやうあつ)(てき)竜宮城(りゆうぐうじやう)占領(せんりやう)せむと(くはだ)てた。058しかし注意(ちうい)ぶかき大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)烱眼(けいがん)(ふたた)看破(みやぶ)られ、059小島別(こじまわけ)覚醒(かくせい)(てき)(かへ)(ちゆう)とともに第二(だいに)計画(けいくわく)全然(ぜんぜん)(やぶ)れてしまひ、060春子姫(はるこひめ)(つひ)悶死(もんし)()げ、061()(くに)(そこ)(くに)()()くの()むを()ざる破目(はめ)となつた。
062 春子姫(はるこひめ)(おや)なる武蔵彦(むさしひこ)は、063こんどは筑波(つくば)仙人(せんにん)(からだ)()り、064またもや竜宮城(りゆうぐうじやう)占領(せんりやう)(くはだ)てた。065しかるに武蔵彦(むさしひこ)目的(もくてき)とするところは竜宮城(りゆうぐうじやう)占領(せんりやう)ばかりではなく、066()高天原(たかあまはら)聖地(せいち)をも占領(せんりやう)し、067その(うへ)国常立(くにとこたちの)(みこと)退去(たいきよ)させ、068盤古(ばんこ)大神(だいじん)をもつて、069これに(かは)らしめむとするのが根本(こんぽん)(てき)目的(もくてき)であつた。
070 さて仙人(せんにん)には神仙(しんせん)071天仙(てんせん)072地仙(ちせん)073凡仙(ぼんせん)四階級(しかいきふ)がある。074そしてその四種(よんしゆ)仙人(せんにん)にも、075正邪(せいじや)区別(くべつ)がある。076筑波(つくば)仙人(せんにん)邪神界(じやしんかい)(ぞく)し、077第三(だいさん)階級(かいきふ)(ぞく)する地仙(ちせん)である。
078 またもや武蔵彦(むさしひこ)黒姫(くろひめ)079菊姫(きくひめ)080八足姫(やたるひめ)先頭(せんとう)()て、081竹熊(たけくま)(さく)(さづ)けて再挙(さいきよ)(くはだ)てた。082竹熊(たけくま)はまづ第一(だいいち)金勝要(きんかつかねの)(かみ)をわが()籠絡(ろうらく)せむとし、083土彦(つちひこ)084牛人(うしうど)085中裂彦(なかさきひこ)086鬼熊(おにくま)らの部将株(ぶしやうかぶ)と、087大江山(おほえやま)(あつ)まつて熟議(じゆくぎ)()らした。088竹熊(たけくま)表面(へうめん)きはめて温良(おんりやう)風姿(ふうし)(よそほ)うてゐるが、089その内心(ないしん)(じつ)極悪(ごくあく)無道(むだう)性質(せいしつ)をもつてをり、090いろいろと()()(しな)()へ、091(いづ)御魂(みたま)()りいつて、092表面(へうめん)帰順(きじゆん)()(へう)木常姫(こつねひめ)()()れ、093またもや小島別(こじまわけ)誑惑(たぶらか)し、094牛人(うしうど)をしてつひに大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)計略(けいりやく)をもつて(ほろ)ぼさしめむとした。095牛人(うしうど)悪霊(あくれい)謀計(ぼうけい)をもつて大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)堂山(だうやま)(かひ)(みちび)き、096竹春彦(たけはるひこ)097藤足彦(ふぢたるひこ)その()数名(すうめい)邪神(じやしん)(めい)じて、098雙方(さうはう)より(これ)()()たしめむとした。099そこへ守高彦(もりたかひこ)といふ武勇(ぶゆう)絶倫(ぜつりん)(かみ)(あら)はれて、100大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)危難(きなん)(すく)はむとした。101されど守高彦(もりたかひこ)はある附属(つきもの)女神(によしん)のために後髪(うしろがみ)をひかれて、102(すす)むことができなかつた。
103 竹熊(たけくま)部下(ぶか)は、104(いま)大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)接近(せつきん)しきたり、105十握(とつか)(つるぎ)()()ちて前後(ぜんご)左右(さいう)より()りつけた。106大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)(らい)のごとき言霊(ことたま)活用(くわつよう)し、107(いづ)御魂(みたま)()加勢(てつだい)により、108(もろ)くも(てき)退散(たいさん)した。
109 この(とき)()高天原(たかあまはら)においては稚姫君(わかひめぎみの)(みこと)(おほ)いに()心配(しんぱい)あそばし、110不思議(ふしぎ)神術(かむわざ)実行(じつかう)され、111その神術(かむわざ)言霊(ことたま)相俟(あひま)つて(てき)退散(たいさん)せしめ無事(ぶじ)なるを()たのである。112その神法(しんぱふ)千引(ちびき)(いは)大神(おほかみ)神殿(しんでん)安置(あんち)し、113(いは)(うへ)(しろ)真綿(まわた)と、114(あか)真綿(まわた)とを(かさ)ねて(いは)にかぶせ、115赤色(せきしよく)(なが)(ひも)をもつて十二(じふに)(めぐ)(まは)し、116これを(かた)(しば)らせられたのである。117これは神界(しんかい)禁厭(まじなひ)であつて、118一身(いつしん)(じやう)一大事(いちだいじ)(くわん)した(とき)(おこな)ふものである。
119 大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)言霊(ことたま)雄健(をたけ)びと神術(かむわざ)(とく)によつて一旦(いつたん)退却(たいきやく)した竹熊(たけくま)一派(いつぱ)は、120ただちに()高天原(たかあまはら)()(のぼ)り、121稚姫君(わかひめぎみの)(みこと)御前(みまへ)にまかり()でて表面(へうめん)改心(かいしん)(よそほ)ひ、122(みこと)をして(ふか)安堵(あんど)せしめおき、123油断(ゆだん)(すき)(じやう)じて、124執念(しふねん)(ぶか)くも金勝要(きんかつかねの)(かみ)()にいれむと百方(ひやつぱう)苦心(くしん)をめぐらし、125()()についで大々(だいだい)(てき)活動(くわつどう)(つづ)けをるを()たまひし大神(おほかみ)は、126竹熊(たけくま)一派(いつぱ)(あは)れみ、127善心(ぜんしん)()(かへ)らしめ、128善道(ぜんだう)(みちび)(すく)はむとして、129種々(しゆじゆ)因果(いんぐわ)理法(りはふ)()(をし)へられた。
130 されど元来(ぐわんらい)悪神(あくがみ)系統(けいとう)なれば、131表面(へうめん)には改心(かいしん)せしごとく(よそほ)ひをれども、132内心(ないしん)はますます(すさ)んで()るばかりである。133そこへこの(たび)は、134大江山(おほえやま)から(あら)はれた邪神(じやしん)頭領株(とうりやうかぶ)135鬼熊(おにくま)なるもの(あら)はれきたり、136竹熊(たけくま)密謀(みつぼう)()らし、137あくまでも最初(さいしよ)目的(もくてき)(たつ)せむと(こころ)みたが、138この鬼熊(おにくま)木常姫(こつねひめ)との(あひだ)に、139非常(ひじやう)意見(いけん)衝突(しようとつ)をきたしたために、140竹熊(たけくま)との関係(くわんけい)(じやう)自滅(じめつ)(てき)(やぶ)れてしまつた。141竹熊(たけくま)木常姫(こつねひめ)同腹(どうはら)で、142今度(こんど)計画(けいくわく)()ててゐたのである。143そこで鬼熊(おにくま)木常姫(こつねひめ)は、144意見(いけん)大衝突(だいしようとつ)より大争闘(だいそうとう)をはじめた。145(また)ある事情(じじやう)のために竹熊(たけくま)鬼熊(おにくま)(あらそ)ひ、146鬼熊(おにくま)(たい)して非常(ひじやう)打撃(だげき)(くは)へた。147この衝突(しようとつ)たるや(すべ)(かれ)悪神(あくがみ)権力(けんりよく)(あらそ)ひのために(おこ)つたのである。
148大正一〇・一〇・二一 旧九・二一 加藤明子録)
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