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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第1巻(子の巻)
序
基本宣伝歌
発端
第1篇 幽界の探険
第1章 霊山修業
第2章 業の意義
第3章 現界の苦行
第4章 現実的苦行
第5章 霊界の修業
第6章 八衢の光景
第7章 幽庁の審判
第8章 女神の出現
第9章 雑草の原野
第10章 二段目の水獄
第11章 大幣の霊験
第2篇 幽界より神界へ
第12章 顕幽一致
第13章 天使の来迎
第14章 神界旅行(一)
第15章 神界旅行(二)
第16章 神界旅行(三)
第17章 神界旅行(四)
第18章 霊界の情勢
第19章 盲目の神使
第3篇 天地の剖判
第20章 日地月の発生
第21章 大地の修理固成
第22章 国祖御隠退の御因縁
第23章 黄金の大橋
第24章 神世開基と神息統合
第4篇 竜宮占領戦
第25章 武蔵彦一派の悪計
第26章 魔軍の敗戦
第27章 竜宮城の死守
第28章 崑崙山の戦闘
第29章 天津神の神算鬼謀
第30章 黄河畔の戦闘
第31章 九山八海
第32章 三個の宝珠
第33章 エデンの焼尽
第34章 シナイ山の戦闘
第35章 一輪の秘密
第36章 一輪の仕組
第5篇 御玉の争奪
第37章 顕国の御玉
第38章 黄金水の精
第39章 白玉の行衛
第40章 黒玉の行衛
第41章 八尋殿の酒宴(一)
第42章 八尋殿の酒宴(二)
第43章 丹頂の鶴
第44章 緑毛の亀
第45章 黄玉の行衛
第46章 一島の一松
第47章 エデン城塞陥落
第48章 鬼熊の終焉
第49章 バイカル湖の出現
第50章 死海の出現
附記 霊界物語について
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> 第5篇 御玉の争奪 > 第45章 黄玉の行衛
<<< 緑毛の亀
(B)
(N)
一島の一松 >>>
第四五章
黄玉
(
わうぎよく
)
の
行衛
(
ゆくへ
)
〔四五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻
篇:
第5篇 御玉の争奪
よみ(新仮名遣い):
みたまのそうだつ
章:
第45章 黄玉の行衛
よみ(新仮名遣い):
おうぎょくのゆくえ
通し章番号:
45
口述日:
1921(大正10)年10月25日(旧09月25日)
口述場所:
筆録者:
桜井重雄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1921(大正10)年12月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
時彦は黄金水の十二の玉が次々と邪神の手に落ちていくさまをみて、自ら所有する黄金の玉を保護しようと、ヒマラヤ山に立て籠もった。そして岩窟を掘って地中深くに玉を隠し、その上に神殿を建てて守っていた。
数年後、山中にときの声がするのを怪しんでみれば、大八洲彦命ら諸将が、軍勢を率いてデカタン高原に進軍中であった。山上より見れば、十二の輿に宝玉を乗せて進軍している。
時彦が部下に様子を見に行かせると、部下たちは大八洲彦命の軍容の壮大さを復命した。時彦はみろく神政の成就に遅れてはならじと、ただちにデカタン高原にはせ参じた。
するとおりしも、荘厳な宿営地にて、大八洲彦命は演説をしていた。曰く、みろく神政成就のために、ここデカタン高原を地の高天原と選定した。ついては、時彦の持っている黄金の玉が神政成就に必須の神宝である。もし時彦があってこの玉を奉納するならば、神界の殊勲者として天神に奏上し、我が地位を譲ろう、と。
これを聞いた時彦は名誉欲にかられて群神の中から名乗り出で、黄金の玉を献上した。大八洲彦命は黄金の玉を輿に納め、十二個の玉すべてが揃った祝いに、荘厳な祭典が催された。
すると天の一方に妖雲が起こり、雨が滝のように降り注いだ。神司たちは争って神輿の中から玉を取り出し、解散してしまった。荘厳な宿営地の宮殿は、いつしか荒涼たる原野と化していた。
時彦が驚いて輿の中に残っていた黄金の玉を取り出すと、見た目はまったく変わらなかったが、重量が軽い偽物にすりかえられていた。このとき天から『大馬鹿者!』というお叱りの叫びが聞こえた。
大八洲彦命の軍勢と見えたのは、邪神・武熊別の変身であった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-03-22 22:28:48
OBC :
rm0145
愛善世界社版:
242頁
八幡書店版:
第1輯 132頁
修補版:
校定版:
241頁
普及版:
125頁
初版:
ページ備考:
001
時彦
(
ときひこ
)
は
黄金
(
わうごん
)
の
玉
(
たま
)
を
生命
(
いのち
)
にかへても、
002
神政
(
しんせい
)
成就
(
じやうじゆ
)
の
暁
(
あかつき
)
まで
之
(
これ
)
を
保護
(
ほご
)
し
奉
(
たてまつ
)
らねばならぬと
決心
(
けつしん
)
し、
003
既
(
すで
)
に
竜宮神
(
りゆうぐうしん
)
の
不覚
(
ふかく
)
不注意
(
ふちうい
)
より
九個
(
きうこ
)
の
玉
(
たま
)
を
竹熊
(
たけくま
)
に
奪
(
うば
)
はれ、
004
無念
(
むねん
)
やるかたなく、
005
せめてはこの
玉
(
たま
)
をわれ
一人
(
ひとり
)
になるとも
保護
(
ほご
)
せむとて
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
にいたり、
006
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
[
※
言霊彦命は第2巻から登場するので、ここにある言霊彦命は大八洲彦命または美山彦命(言霊彦命の旧名)の間違いか?
]
の
許
(
ゆる
)
しをえて
諸方
(
しよはう
)
を
逍遥
(
せうえう
)
し、
007
つひにヒマラヤ
山
(
さん
)
に
立
(
た
)
て
籠
(
こも
)
つた。
008
そしてヒマラヤ
山
(
さん
)
に
巌窟
(
がんくつ
)
を
掘
(
ほ
)
り、
009
巌中
(
がんちゆう
)
深
(
ふか
)
く
之
(
これ
)
を
秘
(
ひ
)
め、
010
その
上
(
うへ
)
に
神殿
(
しんでん
)
を
建
(
た
)
て
時節
(
とき
)
のいたるを
待
(
ま
)
ちつつあつた。
011
居
(
を
)
ること
数年
(
すうねん
)
たちまち
山下
(
さんか
)
におこる
鬨
(
とき
)
の
声
(
こゑ
)
、
012
不審
(
ふしん
)
にたへず
殿
(
との
)
を
立
(
た
)
ちいで
声
(
こゑ
)
するかたを
眺
(
なが
)
むれば、
013
豈計
(
あにはか
)
らむや、
014
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
は
大足彦
(
おほだるひこ
)
、
015
玉照彦
(
たまてるひこ
)
を
両翼
(
りやうよく
)
となし
数多
(
あまた
)
の
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
竜宮
(
りゆうぐう
)
の
神司
(
かみがみ
)
と
共
(
とも
)
に、
016
デカタン
高原
(
かうげん
)
にむかつて
錦旗
(
きんき
)
幾百
(
いくひやく
)
ともなく
風
(
かぜ
)
に
靡
(
なび
)
かせ、
017
種々
(
しゆじゆ
)
の
音楽
(
おんがく
)
を
奏
(
そう
)
しつつ
旗鼓
(
きこ
)
堂々
(
だうだう
)
として
進行中
(
しんかうちゆう
)
である。
018
時彦
(
ときひこ
)
は
山上
(
さんじやう
)
より
遠
(
とほ
)
くこれを
見渡
(
みわた
)
せば、
019
十二個
(
じふにこ
)
の
同型
(
どうけい
)
同色
(
どうしよく
)
の
神輿
(
しんよ
)
をあまたの
徒歩
(
とほ
)
の
神司
(
かみがみ
)
が
担
(
かつ
)
いで
進
(
すす
)
みくるのである。
020
時彦
(
ときひこ
)
は
直
(
ただ
)
ちに
天
(
あま
)
の
鳥船
(
とりふね
)
を
取出
(
とりいだ
)
し、
021
従臣
(
じゆうしん
)
をして
地上
(
ちじやう
)
に
下
(
くだ
)
り
一行
(
いつかう
)
の
動静
(
どうせい
)
を
窺
(
うかが
)
はしめた。
022
従臣
(
じゆうしん
)
はその
荘厳
(
さうごん
)
なる
行列
(
ぎやうれつ
)
と
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
の
盛装
(
せいさう
)
を
見
(
み
)
て
肝
(
きも
)
を
潰
(
つぶ
)
し、
023
あはただしく
鳥船
(
とりふね
)
に
乗
(
じやう
)
じてヒマラヤ
山
(
さん
)
にその
詳細
(
しやうさい
)
を
復命
(
ふくめい
)
したのである。
024
時彦
(
ときひこ
)
は
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
の
一行
(
いつかう
)
と
聞
(
き
)
きて
心
(
こころ
)
も
心
(
こころ
)
ならず、
025
吾
(
われ
)
は
徒
(
いたづら
)
に
深山
(
みやま
)
にかくれて、
026
ミロク
神政
(
しんせい
)
の
神業
(
しんげふ
)
参加
(
さんか
)
に
後
(
おく
)
れたるかと
大地
(
だいち
)
を
踏
(
ふ
)
んで
残念
(
ざんねん
)
がり、
027
ただちに
天
(
あま
)
の
鳥船
(
とりふね
)
に
打乗
(
うちの
)
りて
地上
(
ちじやう
)
に
下
(
くだ
)
り、
028
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
の
一行
(
いつかう
)
の
後
(
あと
)
に
出
(
い
)
でて
恐
(
おそ
)
るおそる
扈従
(
こじゆう
)
した。
029
されども
時彦
(
ときひこ
)
は
吾
(
わ
)
が
身
(
み
)
の
神業
(
しんげふ
)
に
後
(
おく
)
れたるを
恥
(
は
)
ぢて、
030
花々
(
はなばな
)
しく
名乗
(
なのり
)
も
得
(
え
)
せず、
031
デカタン
高原
(
かうげん
)
に
着
(
つ
)
いたのである。
032
デカタン
高原
(
かうげん
)
には
荘厳
(
さうごん
)
なる
殿堂
(
でんだう
)
が
幾十
(
いくじふ
)
とも
限
(
かぎ
)
りなく
建
(
た
)
て
列
(
なら
)
べられ、
033
八百万
(
やほよろづ
)
の
神司
(
かみがみ
)
は
喜々
(
きき
)
として
神務
(
しんむ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
してゐる。
034
四辺
(
あたり
)
は
得
(
え
)
もいはれぬ
香気
(
かうき
)
をはなてる
種々
(
しゆじゆ
)
の
花木
(
くわぼく
)
に
廻
(
めぐ
)
らされ、
035
天人
(
てんにん
)
天女
(
てんによ
)
の
歓
(
よろこ
)
び
狂
(
くる
)
ふ
有様
(
ありさま
)
は、
036
実
(
じつ
)
に
天国
(
てんごく
)
、
037
浄土
(
じやうど
)
、
038
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
の
光景
(
くわうけい
)
であつた。
039
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
は
中央
(
ちゆうあう
)
の
荘厳
(
さうごん
)
なる
殿堂
(
でんだう
)
に
立
(
た
)
ち、
040
八百万
(
やほよろづ
)
の
神司
(
かみ
)
らにむかつて
宣
(
せん
)
して
曰
(
いわ
)
く、
041
『ミロクの
世
(
よ
)
は
未
(
いま
)
だ
時期
(
じき
)
尚早
(
しやうそう
)
なれども、
042
国常立
(
くにとこたちの
)
尊
(
みこと
)
の
天
(
てん
)
に
嘆願
(
たんぐわん
)
されし
結果
(
けつくわ
)
、
043
地上
(
ちじやう
)
の
神人
(
しんじん
)
を
救
(
すく
)
ふため、
044
末法
(
まつぱふ
)
の
世
(
よ
)
を
縮
(
ちぢ
)
めて
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
を
開
(
ひら
)
き、
045
完全
(
くわんぜん
)
なる
神代
(
かみよ
)
を
現出
(
げんしゆつ
)
せしめ、
046
このデカタンの
野
(
の
)
を
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
と
定
(
さだ
)
めたまへり。
047
されど
悲
(
かな
)
しむべし、
048
黄金水
(
わうごんすゐ
)
より
出
(
で
)
たる
十二個
(
じふにこ
)
の
宝玉
(
ほうぎよく
)
はもはや
十一個
(
じふいつこ
)
まで
悪神
(
あくがみ
)
の
手
(
て
)
に
占領
(
せんりやう
)
されたるを、
049
大神
(
おほかみ
)
の
神力
(
しんりき
)
によりてこれを
敵
(
てき
)
より
奪
(
と
)
り
還
(
かへ
)
し、
050
ここに
十二
(
じふに
)
の
神輿
(
しんよ
)
を
作
(
つく
)
りて、
051
この
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
の
治政
(
ちせい
)
の
重要
(
ぢゆうえう
)
なる
神器
(
しんき
)
として、
052
永遠
(
ゑいゑん
)
に
保存
(
ほぞん
)
すべしとの
神命
(
しんめい
)
なり。
053
されど
一個
(
いつこ
)
の
黄色
(
わうしよく
)
の
玉
(
たま
)
の
行衛
(
ゆくへ
)
は
今
(
いま
)
に
判明
(
はんめい
)
せず、
054
この
玉
(
たま
)
なきときは
折角
(
せつかく
)
のミロクの
世
(
よ
)
も
再
(
ふたた
)
び
瓦壊
(
ぐわくわい
)
するの
恐
(
おそ
)
れあり、
055
かの
黄玉
(
わうぎよく
)
を
携
(
たづさ
)
へたる
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
の
従臣
(
じゆうしん
)
たりし
時彦
(
ときひこ
)
は、
056
今
(
いま
)
いづこに
在
(
あ
)
るや、
057
彼
(
かれ
)
が
持
(
も
)
てる
一個
(
いつこ
)
の
宝玉
(
ほうぎよく
)
は、
058
この
十一個
(
じふいつこ
)
の
玉
(
たま
)
に
匹敵
(
ひつてき
)
するものなり。
059
もし
時彦
(
ときひこ
)
にして
後
(
おく
)
れ
馳
(
ば
)
せながらも、
060
いづれよりか
其
(
そ
)
の
玉
(
たま
)
を
持
(
も
)
ちきたらば、
061
神界
(
しんかい
)
の
殊勲者
(
しゆくんしや
)
として
吾
(
われ
)
は
之
(
これ
)
を
天神
(
てんしん
)
に
奏上
(
そうじやう
)
し、
062
わが
地位
(
ちゐ
)
を
譲
(
ゆづ
)
らむ』
063
と
大声
(
おほごゑ
)
に
呼
(
よ
)
ばはりたまうた。
064
このとき、
065
時彦
(
ときひこ
)
思
(
おも
)
へらく、
066
「われ
多年
(
たねん
)
苦心
(
くしん
)
惨憺
(
さんたん
)
して
此
(
こ
)
の
玉
(
たま
)
を
保護
(
ほご
)
す。
067
しかるに
今
(
いま
)
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
の
教示
(
けうじ
)
を
聞
(
き
)
き
喜
(
よろこ
)
びに
堪
(
た
)
へず、
068
この
時
(
とき
)
こそ
吾
(
われ
)
は
花々
(
はなばな
)
しく
名乗
(
なの
)
りを
上
(
あ
)
げ、
069
もつて
神界
(
しんかい
)
の
花
(
はな
)
と
謳
(
うた
)
はれむ」と
笑
(
ゑ
)
みを
満面
(
まんめん
)
にたたへ、
070
恐
(
おそ
)
るおそる
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
の
御前
(
ごぜん
)
に
出
(
い
)
で
九首
(
きうしゆ
)
三拝
(
さんぱい
)
して、
071
『
時彦
(
ときひこ
)
ここに
在
(
あ
)
り、
072
黄色
(
わうしよく
)
の
玉
(
たま
)
を
持参
(
ぢさん
)
仕
(
つかまつ
)
り
候
(
さふらふ
)
』
073
と
言葉
(
ことば
)
すずしく
言上
(
ごんじやう
)
した。
074
あまたの
神司
(
かみがみ
)
は、
075
突如
(
とつじよ
)
として
名告
(
なの
)
り
出
(
いで
)
たる
時彦
(
ときひこ
)
の
様子
(
やうす
)
を
見
(
み
)
て
感
(
かん
)
に
打
(
う
)
たれたもののごとく、
076
時彦
(
ときひこ
)
は
神司
(
かみがみ
)
らの
羨望
(
せんばう
)
の
的
(
まと
)
となつた。
077
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
は
大
(
おほ
)
いに
喜
(
よろこ
)
び、
078
かつ
時彦
(
ときひこ
)
を
招
(
まね
)
き
殿内
(
でんない
)
深
(
ふか
)
く
入
(
い
)
りたまうた。
079
殿内
(
でんない
)
には
十二
(
じふに
)
の
同色
(
どうしよく
)
同型
(
どうけい
)
の
立派
(
りつぱ
)
な
神輿
(
みこし
)
が
奉安
(
ほうあん
)
されてある。
080
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
は
正中
(
せいちゆう
)
にある
一個
(
いつこ
)
の
神輿
(
みこし
)
の
扉
(
とびら
)
を
開
(
ひら
)
き、
081
『
十一個
(
じふいつこ
)
は
各色
(
かくしよく
)
の
玉
(
たま
)
をもつて
充
(
み
)
たされあり、
082
されど
見
(
み
)
らるる
如
(
ごと
)
くこの
神輿
(
みこし
)
は
空虚
(
くうきよ
)
なり。
083
速
(
すみ
)
やかに
汝
(
なれ
)
が
玉
(
たま
)
を
是
(
これ
)
に
奉安
(
ほうあん
)
し、
084
ミロクの
代
(
よ
)
のために
尽
(
つく
)
されよ』
085
と
厳命
(
げんめい
)
した。
086
この
時
(
とき
)
、
087
時彦
(
ときひこ
)
は
歓天
(
くわんてん
)
喜地
(
きち
)
身
(
み
)
のおくところを
知
(
し
)
らず、
088
ただちに
玉
(
たま
)
を
取出
(
とりだ
)
し
神輿
(
みこし
)
の
中
(
なか
)
深
(
ふか
)
くこれを
納
(
をさ
)
めた。
089
そこでいよいよ
十二
(
じふに
)
の
神輿
(
みこし
)
に
種々
(
しゆじゆ
)
の
供
(
そな
)
へ
物
(
もの
)
を
献
(
けん
)
じ、
090
荘厳
(
さうごん
)
なる
祭典
(
さいてん
)
がおこなはれた。
091
ついで
十二
(
じふに
)
の
神輿
(
みこし
)
はデカタン
国
(
こく
)
の
麗
(
うるは
)
しき
原野
(
げんや
)
を
神司
(
かみがみ
)
らによつて
担
(
かつ
)
ぎまはされた。
092
実
(
じつ
)
に
賑
(
にぎは
)
しき
得
(
え
)
もいはれぬ
爽快
(
さうくわい
)
な
祭典
(
さいてん
)
であつた。
093
原野
(
げんや
)
の
中心
(
ちゆうしん
)
に
各自
(
かくじ
)
神輿
(
みこし
)
を
下
(
おろ
)
し
神司
(
かみがみ
)
らの
休憩
(
きうけい
)
を
命
(
めい
)
じたまうた。
094
折
(
をり
)
から
天
(
てん
)
の
一方
(
いつぱう
)
に
妖雲
(
えううん
)
おこり、
095
たちまち
雲中
(
うんちゆう
)
より
種々
(
しゆじゆ
)
の
鮮光
(
せんくわう
)
があらはれた。
096
その
光景
(
くわうけい
)
はあたかも
花火
(
はなび
)
を
数百千
(
すうひやくせん
)
ともなく
一度
(
いちど
)
に
観
(
み
)
るやうな
壮観
(
さうくわん
)
であつた。
097
神司
(
かみがみ
)
らは、
098
皆
(
みな
)
天
(
てん
)
の
一方
(
いつぱう
)
に
心
(
こころ
)
を
惹
(
ひ
)
かれて
見
(
み
)
つめてゐた。
099
そのあひだに
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
、
100
大足彦
(
おほだるひこ
)
は
神輿
(
みこし
)
の
位置
(
ゐち
)
を
変更
(
へんかう
)
しておいた。
101
いづれの
神輿
(
みこし
)
も
同型
(
どうけい
)
同色
(
どうしよく
)
のものである。
102
にはかに
天
(
てん
)
の
一方
(
いつぱう
)
より
黒雲
(
くろくも
)
おこり
雨
(
あめ
)
は
地上
(
ちじやう
)
に
滝
(
たき
)
のごとく
降
(
ふり
)
そそいだ。
103
あまたの
神司
(
かみがみ
)
は
狂気
(
きやうき
)
のごとく
神輿
(
みこし
)
の
中
(
なか
)
より
各自
(
かくじ
)
に
黄色
(
わうしよく
)
の
玉
(
たま
)
を
取
(
と
)
りだし
四方
(
しはう
)
に
解散
(
かいさん
)
した。
104
時彦
(
ときひこ
)
は
驚
(
おどろ
)
いて
吾
(
わ
)
が
奉
(
たてまつ
)
れる
玉
(
たま
)
を
保護
(
ほご
)
すべく
神輿
(
みこし
)
に
近
(
ちか
)
づき、
105
その
玉
(
たま
)
を
懐中
(
ふところ
)
に
入
(
い
)
れむとした。
106
いづれの
者
(
もの
)
も
四方
(
しはう
)
八方
(
はつぱう
)
に
四散
(
しさん
)
して、
107
宮殿
(
きうでん
)
はいつしか
荒涼
(
くわうりやう
)
たる
原野
(
げんや
)
に
化
(
くわ
)
してゐた。
108
時彦
(
ときひこ
)
は
夢
(
ゆめ
)
に
夢見
(
ゆめみ
)
る
心地
(
ここち
)
してその
玉
(
たま
)
を
取
(
と
)
りだし
点検
(
てんけん
)
した。
109
こはそも
如何
(
いか
)
に、
110
容積
(
ようせき
)
において
光沢
(
くわうたく
)
において、
111
少
(
すこ
)
しも
変化
(
へんくわ
)
はない。
112
されど
重量
(
ぢゆうりやう
)
のはなはだ
軽
(
かる
)
きを
訝
(
いぶ
)
かり、
113
混雑
(
こんざつ
)
に
紛
(
まぎ
)
れて
吾
(
わ
)
が
玉
(
たま
)
を
取換
(
とりかへ
)
られしやと
歯
(
は
)
がみをなして
口惜
(
くちを
)
しがつた。
114
このとき
空中
(
くうちゆう
)
に
声
(
こゑ
)
あり、
115
『
大
(
おほ
)
馬鹿者
(
ばかもの
)
!』
116
と
叫
(
さけ
)
ぶ。
117
今
(
いま
)
まで、
118
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
と
見
(
み
)
えしは
武熊別
(
たけくまわけ
)
の
変身
(
へんしん
)
であり、
119
大足彦
(
おほだるひこ
)
以下
(
いか
)
の
正神
(
せいしん
)
と
見
(
み
)
えしは
彼
(
かれ
)
が
部下
(
ぶか
)
の
邪神
(
じやしん
)
であつた。
120
アゝいかに
信仰
(
しんかう
)
厚
(
あつ
)
く、
121
節
(
せつ
)
を
守
(
まも
)
るとも、
122
時彦
(
ときひこ
)
のごとく
少
(
すこ
)
しにても
野心
(
やしん
)
を
抱
(
いだ
)
く
時
(
とき
)
は、
123
ただちに
邪神
(
じやしん
)
のために
誑
(
たぶ
)
らかされ、
124
呑臍
(
どんぜい
)
の
悔
(
くい
)
を
遺
(
のこ
)
すことあり。
125
注意
(
ちうい
)
すべきは、
126
執着心
(
しふちやくしん
)
と
功名心
(
こうみようしん
)
である。
127
花
(
はな
)
と
見
(
み
)
て
来
(
き
)
たであらうか
火取虫
(
ひとりむし
)
128
(
大正一〇・一〇・二五
旧九・二五
桜井重雄
録)
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(B)
(N)
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