霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一一章 大幣(おほぬさ)霊験(れいけん)〔一一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻 篇:第1篇 幽界の探険 よみ(新仮名遣い):ゆうかいのたんけん
章:第11章 大幣の霊験 よみ(新仮名遣い):おおぬさのれいけん 通し章番号:11
口述日: 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:1921(大正10)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
一歩一歩かろうじて前進すると、広大な池があった。池の中には虫がたくさんおり、蛇体の怪物がいた。後ろからは鬼が槍で突きに来る。
進退窮まっていると、頭上から女神の声がして、一本の大幣が下ってきた。大幣を手にとって思わず、「祓戸大神祓いたまへ清めたまへ」と唱えると、池はたちまち平原になり、鬼も怪物も姿を消してしまった。
数万の老若男女の幽体はたちまち蘇生し、「三ツ葉様」と叫んだ。各人の産土の神が現れて、氏子を引き連れて喜び帰って行った。
さらに平原を一人行くと、巨大な洋館が聳え立っていた。中に入ると、獄卒が亡者をひどく責め立てていた。中にたくさんの婦女子が槍で刺されたり、赤子の群れに血を吸われたり、毒蛇に巻かれて苦しんでいる光景があった。
またもや大幣を左右左に振ると、苦しんでいた大勢の婦女子は助けられて、うれし泣きに泣いている。また各人の産土の神が現れて、氏子を伴い、合掌しながら帰って行った。天の一方には歓喜に満ちた声が聞こえる。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0111
愛善世界社版:50頁 八幡書店版:第1輯 63頁 修補版: 校定版:49頁 普及版:26頁 初版: ページ備考:
001 一歩(いつぽ)々々(いつぽ)(から)うじて前進(ぜんしん)すると、002広大(くわうだい)(いけ)があつた。003(いけ)(なか)には全部(ぜんぶ)いやらしい毛虫(けむし)がウザウザしてをる。004その(なか)(まじ)つて(うま)(くび)()(あは)せたやうな(かほ)をした蛇体(じやたい)(つの)()えたものが、005(した)をペロペロ()()してをる。006この(ひろ)(いけ)には、007(ほそ)(ほそ)(こほり)(はし)一筋(ひとすぢ)(なが)(むか)(がは)(わた)してあるばかりである。008(あと)から「(まつ)」「(なか)」「(はたけ)」といふ(おに)十字形(じふじがた)(とが)つた(やり)をもつて()きにくるので、009(まへ)へすすむより仕方(しかた)はない。010(じふ)(にん)(じふ)(にん)ながら、011(いけ)へすべり(おち)毛虫(けむし)()され、012どれもこれも全身(ぜんしん)(はれ)あがつて、013(いた)さと(さむ)さに苦悶(くもん)(こゑ)をしぼり、014(むし)()くやうに(うな)つてをる状態(じやうたい)は、015ほとんど瀕死(ひんし)病人(びやうにん)同様(どうやう)である。016その(うへ)017怪蛇(くわいだ)一人(ひとり)々々(ひとり)カブツとくはへては()きだし、018(ほね)(にく)(しぼ)つたやうにいぢめてをる。019自分(じぶん)もこの(はし)(わた)らねばならぬ。020自分(じぶん)(さいはひ)首尾(しゆび)よく(わた)りうるも、021(つれ)人々(ひとびと)はどうするであらうかと心配(しんぱい)でならぬ。022躊躇(ちうちよ)逡巡(しゆんじゆん)(すす)みかねたるところへ、023三葉殿(みつばどの)」と(あたま)(うへ)から(やさ)しい(をんな)(こゑ)(きこ)えて、024たちまち一本(いつぽん)大幣(おほぬさ)(まへ)(くだ)つてきた。025手早(てばや)()にとつて、026(おも)はず「祓戸(はらひどの)大神(おほかみ)(はら)ひたまへ(きよ)めたまへ」と(とな)へた。027(ひろ)(いけ)はたちまち平原(へいげん)(くわ)し、028(おに)怪蛇(くわいだ)姿(すがた)()してしまつた。029数万(すうまん)(にん)老若(らうにやく)男女(だんぢよ)幽体(いうたい)はたちまち蘇生(そせい)したやうに元気(げんき)(かほ)をして、030一斉(いつせい)に「()()(さま)」と(さけ)んだ。031その(こゑ)は、032天地(てんち)(くづ)れんばかりであつた。033各人(かくじん)産土(うぶすな)(かみ)綺羅星(きらほし)のごとくに出現(しゆつげん)したまひ、034自分(じぶん)氏子(うぢこ)々々(うぢこ)引連(ひきつ)れ、035(よろこ)(いさ)んで(かへ)つて()かれる有難(ありがた)さ。
036 自分(じぶん)比礼(ひれ)神器(しんき)舟木(ふなき)(わた)して、037(こま)つてをつたところへ、038金勝要(きんかつかねの)(かみ)より、039大幣(おほぬさ)をたまはつたので、040百万(ひやくまん)援軍(ゑんぐん)()たる心地(ここち)して、041()()れぬ平原(へいげん)をただ一人(ひとり)またもや(すす)んで()く。
042 (ひと)つの巨大(きよだい)洋館(やうくわん)が、043儼然(げんぜん)として(たか)雲表(うんぺう)にそびえ()つてをる。044門口(もんぐち)には(いか)めしき冥官(めいくわん)(かがみ)のやうな()見張(みは)つて、045前後(ぜんご)左右(さいう)(かうべ)をめぐらし監視(かんし)してをる。046部下(ぶか)冥卒(めいそつ)数限(かずかぎ)りもなく(あら)はれ、047各自(かくじ)亡人(もうじん)酷遇(こくぐう)するその光景(くわうけい)筆紙(ひつし)につくされない惨酷(ざんこく)さである。048自分(じぶん)大幣(おほぬさ)()りながら、049館内(くわんない)()をすすめた。050冥官(めいくわん)も、051冥卒(めいそつ)もただ(もく)して自分(じぶん)通行(つうかう)するのを()らぬふうをしてゐる。052「キヤツキヤツ」と(さけ)(こゑ)にふりかへると、053沢山(たくさん)婦女子(ふぢよし)(くち)から()()いたり、054(やり)腹部(ふくぶ)()()されたり、055赤児(あかご)(むれ)全身(ぜんしん)()()はれたり、056毒蛇(どくじや)(くび)()かれたりして、057悲鳴(ひめい)をあげ七転(しつてん)八倒(ばつたふ)してゐた。058冥卒(めいそつ)竹槍(たけやり)()で、059(あたま)といはず、060(はら)といはず、061身体(しんたい)(ところ)かまはず()きさす(おそ)ろしさ、062()(なが)れて(たき)となり、063異臭(いしう)(はな)ち、064惨状(さんじやう)()もあてられぬ光景(くわうけい)である。065またもや大幣(おほぬさ)左右左(さいうさ)二三回(にさんくわい)()りまはした。066(いま)までのすさまじき(まく)はとざされ、067婦女子(ふぢよし)多勢(おほぜい)自分(じぶん)脚下(あしもと)(なみだ)(なが)して(あつ)まりきたり、068(なか)には身体(しんたい)(くち)をつけ「()()(さま)069有難(ありがた)う、070(かたじけ)なう」と、071異口(いく)同音(どうおん)(うれ)()きに()いてをる。072一天(いつてん)たちまち明光(めいくわう)(あら)はれ、073各人(かくじん)産土(うぶすなの)(かみ)氏子(うぢこ)(とも)なひ、074合掌(がつしやう)しながら、075(ひかり)とともにどこともなく(かへ)らせたまうた。076(てん)一方(いつぱう)には歓喜(くわんき)にみちた(こゑ)(きこ)える。077(こゑ)次第(しだい)(とほ)ざかつて(つひ)には(かぜ)(おと)のみ(みみ)()みこむ。
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