霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一八章 霊界(れいかい)情勢(じやうせい)〔一八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻 篇:第2篇 幽界より神界へ よみ(新仮名遣い):ゆうかいよりしんかいへ
章:第18章 霊界の情勢 よみ(新仮名遣い):れいかいのじょうせい 通し章番号:18
口述日:1921(大正10)年10月20日(旧09月20日) 口述場所: 筆録者:谷口正治 校正日: 校正場所: 初版発行日:1921(大正10)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
神界と幽界には、時間空間を超越している。過去・現在・未来が一度に鏡にかけたように見えるが、その区別は歴然と推断される。
時間の差異こそあれ、霊界で目撃したことは、必ず現界に現れてくる。
天界は天照大御神のご支配であるが、これについては後述する。ここでは地上神界の紛乱状態を明らかにする。
地上神界の主宰者は国常立尊であった。しかし事情によって引退せざるを得なくなった。その後を襲ったのは盤古大神という神である。盤古大神は悪神ではなく従順な神であった。
国常立尊の時代には国家のような境界はなかった。しかし天孫降臨以来、日本をはじめとしてさまざまな国家が誕生したのである。
そして支那に生まれた盤古大神は、葦原中津国にやってきて国祖の後を襲った。そして八王大神という直属の番頭神を使って、地の世界の諸国を統括したのである。また、各国々には、それぞれの番頭神として、八王八頭という神々を配置した。
これが、国常立尊後復権までの神界の有様である。
盤古大神の世になってから、各地に三種の悪霊・悪神が生じた。
露国のあたり:八頭八尾の大蛇(各国の八王八頭の番頭神の身魂を侵した)
印度:金毛九尾白面の悪狐(各国の八王八頭の番頭神の妻神に憑依)
ユダヤ:邪鬼(すべての神界ならびに現界の組織を打ち壊して、自分が盟主となって全世界を妖魅界にしようともくろむ)
日本は神国であり、これらの悪神の影響を免れたが、地上神界はこれらの悪神たちによって混乱のきわみに陥った。
ここにおいて天上にまします至仁至愛の大神は、このままでは神界、現界、幽界ともに破滅してしまうと思し召し、ふたたび国常立尊を召し出されて、神界および現界の建替を委任した。
坤之金神、金勝要神、竜宮乙姫、日出神が大神業の補佐に任じられた。また、天津神の嫡流である木花咲耶姫命、彦火々出見命が神業を手伝うことになった。
そもそも太古、葦原瑞穂中津国は、大国主命が武力をもって天下を治めていたが、天祖が天使を使わして武力で大国主命の権力をけん制した。そのため、大国主神も力尽きて、現界の政権を天命にしたがって、天孫に奉還したのであった。
この太古の時代の天孫のご降臨は、現在の日本のような小さな区画を支配するというのではなく、全地球の現界を治めるための降臨であったのである。しかしながら未完成な世界にはあらゆる邪悪が充満しているため、天の大神様のご大望が完成するにいたらなかった。
それどころか、弱肉強食の修羅の巷と化してしまい、地上神界、現界がほとんどまったく崩壊しようという状態に立ち至ったのである。
このような情勢に、天津神様は命令を下し給い、盤古大神に地上一切の幽政の権利を奉還させ、国常立尊に返すことになった。盤古大神は時節を知り、素直に大神様のご命令を奉戴することになった。
しかし、八王大神以下の国魂は、邪神のために精霊が汚されていたので、このような時節においても、悪事を画策していた。
かくして、国常立尊が地上の神界を統一する時節はすでに近づいている。神界平定後は、国常立尊は幽政を総覧し、大国主命は日本の幽政をつかさどるはずである。しかし現時点では、悪霊・悪神たちが、盤古大神を擁立して、幽界および現界を支配しようと悪計をめぐらしている。
天界では事態が容易でないことを見て取り、御三体の大神が地上に降臨して、国常立尊のご経綸に加勢することになった。国常立尊は、御三体の大神様のために仮の御息所を蓮華台上に建設してお迎え奉ることになる。
したがって、天の御三体の大神様の御息所ができれば、神界の経綸がいっそう進んだ証拠であると拝察することができるのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2019-05-20 19:28:04 OBC :rm0118
愛善世界社版:98頁 八幡書店版:第1輯 81頁 修補版: 校定版:98頁 普及版:52頁 初版: ページ備考:
001 ここで自分(じぶん)は、002神界(しんかい)幽界(いうかい)現界(げんかい)にたいする関係(くわんけい)一寸(ちよつと)()べておかうと(おも)ふ。
003 神界(しんかい)幽界(いうかい)とは時間(じかん)空間(くうかん)超越(てうゑつ)して、004(すこ)しも時間(じかん)(てき)観念(かんねん)はない。005それゆゑ霊界(れいかい)において目撃(もくげき)したことが、006二三(にさん)日後(にちご)現界(げんかい)(あら)はれることもあれば、007十年後(じふねんご)(あら)はれることもあり、008数百(すうひやく)年後(ねんご)(あら)はれることもある。009また数百(すうひやく)(ねん)数千(すうせん)(ねん)(ぜん)太古(たいこ)()せられることもある。010その()ゆる有様(ありさま)過去(くわこ)011現在(げんざい)012未来(みらい)一度(いちど)(かがみ)にかけたごとく()ゆるものであつて、013あたかも過去(くわこ)014現在(げんざい)015未来(みらい)区別(くべつ)なきが(ごと)くにして、016しかもその区別(くべつ)がそれと歴然(れきぜん)推断(すいだん)され()るのである。
017 霊界(れいかい)より()れば、018時空(じくう)019明暗(めいあん)020上下(じやうげ)021大小(だいせう)022広狭(くわうけふ)(とう)すべて区別(くべつ)なく、023(みな)一様(いちやう)平列(へいれつ)(てき)霊眼(れいがん)(えい)じてくる。
024 ここに自分(じぶん)()べつつあることは、025霊界(れいかい)において()順序(じゆんじよ)のままに()るとはかぎらない。026霊界(れいかい)において一層(いつそう)(はや)()ふた身魂(みたま)が、027現界(げんかい)では一層(いつそう)(おそ)()ふこともあり、028霊界(れいかい)にて一層(いつそう)(あと)()身魂(みたま)を、029現界(げんかい)にて一層(いつそう)(はや)()ることもある。030今回(こんくわい)三千(さんぜん)世界(せかい)大神劇(だいしんげき)(さい)して、031檜舞台(ひのきぶたい)()つところの霊界(れいかい)役者(やくしや)たちの霊肉(れいにく)一致(いつち)行動(かうどう)は、032自分(じぶん)霊界(れいかい)において()たところとは、033時間(じかん)において非常(ひじやう)差異(さい)がある。
034 されど自分(じぶん)は、035一度(いちど)霊界(れいかい)目撃(もくげき)したことは、036神劇(しんげき)として(かなら)現界(げんかい)再現(さいげん)してくることを(しん)ずるものである。
037 さて天界(てんかい)は、038天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)()支配(しはい)であつて、039これは後述(こうじゆつ)することにするが、040(いま)地上(ちじやう)神界(しんかい)紛乱(ふんらん)状態(じやうたい)(あき)らかにしたいと(おも)ふ。041(いま)までは地上(ちじやう)神界(しんかい)主宰者(しゆさいしや)たる国常立(くにとこたちの)(みこと)は、042(おもて)神諭(しんゆ)」に(しめ)されたるごとくに、043やむを()ざる事情(じじやう)によつて、044引退(いんたい)され(たま)うてゐられた。
045 それに(かは)つて、046太古(たいこ)において衆望(しうばう)(にな)うて、047国常立(くにとこたちの)(みこと)(あと)(おそ)ひたまうた(かみ)(さま)は、048現在(げんざい)支那(しな)といふ()区劃(くくわく)されてゐる地域(ちゐき)に、049発生(はつせい)せられたる身魂(みたま)であつて、050盤古(ばんこ)大神(だいじん)といふ(かみ)である。051この(かみ)はきはめて柔順(じうじゆん)なる(かみ)にましまして、052(けつ)して悪神(わるがみ)ではなかつた。053ゆゑに衆神(おほくのかみ)より多大(ただい)(のぞ)みを(しよく)されてゐたまうた(かみ)である。054(いま)でこそ日本(にほん)といひ、055支那(しな)といひ露西亜(ロシア)といひ、056種々(しゆじゆ)国境(こくきやう)区劃(くくわく)されてゐるが、057国常立(くにとこたちの)(みこと)()神政(しんせい)時代(じだい)は、058日本(にほん)とか外国(ぐわいこく)とかいふやうな差別(さべつ)(まつた)くなかつた。
059 ところが天孫(てんそん)降臨(かうりん)以来(いらい)060国家(こくか)といふ形式(けいしき)ができあがり、061いはゆる日本国(にほんこく)()てられた。062(したが)つて水火沫(しほなは)()りてなれるてふ海外(かいぐわい)()にも国家(こくか)建設(けんせつ)されたのである。063さて、064いはゆる日本国(にほんこく)創建(さうけん)され、065諸々(もろもろ)国々(くにぐに)(わか)()でたるとき、066支那(しな)()まれたまうた盤古(ばんこ)大神(だいじん)は、067葦原(あしはらの)中津国(なかつくに)()たりたまひて国祖(こくそ)(あと)(おそ)ひたまふた(うへ)068八王(やつわう)大神(だいじん)といふ直属(ちよくぞく)番頭神(ばんとうがみ)()使(つか)ひになつて、069()世界(せかい)諸国(しよこく)統轄(とうかつ)せしめられた。070一方(いつぱう)いはゆる外国(ぐわいこく)には、071国々(くにぐに)国魂(くにたま)(かみ)および番頭神(ばんとうがみ)として、072国々(くにぐに)八王(やつわう)八頭(やつがしら)といふ(かみ)配置(はいち)された。073丁度(ちやうど)それは日本(にほん)(くに)盤古(ばんこ)大神(だいじん)があり、074その(した)八王(やつわう)大神(だいじん)がおかれてあつたやうなものである。075日本(にほん)本土(ほんど)における八王(やつわう)大神(だいじん)は、076諸外国(しよぐわいこく)八王(やつわう)八頭(やつがしら)統轄(とうかつ)し、077その(うへ)盤古(ばんこ)大神(だいじん)総攬(そうらん)したまひましたが、078八王(やつわう)八頭(やつがしら)(けつ)して悪神(あくがみ)ではない。079(てん)から(めい)ぜられて各国(かくこく)国魂(くにたま)となつたのは八王(やつわう)であり、080八頭(やつがしら)宰相(さいしやう)位置(ゐち)(やく)である。081こういふ(ふう)なのが、082今日(こんにち)083国常立(くにとこたちの)(みこと)()復権(ふくけん)までの神界(しんかい)有様(ありさま)である。
084 さうかうするうちに、085露国(ろこく)のあたりに天地(てんち)邪気(じやき)()りかたまつて悪霊(あくれい)発生(はつせい)した。086これがすなはち素盞嗚(すさのをの)(みこと)言向和(ことむけやわ)された、087かの(みにく)(かたち)八頭(やつがしら)八尾(やつを)大蛇(をろち)姿(すがた)をしてゐたのである。088この八頭(やつがしら)八尾(やつを)大蛇(をろち)(れい)(みたま)()けて、089国々(くにぐに)国魂神(くにたまがみ)および番頭神(ばんとうがみ)なる八王(やつわう)八頭(やつがしら)身魂(みたま)(をか)し、090次第(しだい)神界(しんかい)悪化(あくくわ)させるやうに努力(どりよく)しながら現在(げんざい)にいたつたのである。091しかるに一方(いつぱう)印度(いんど)においては、092極陰性(ごくいんせい)邪気(じやき)()りかたまつて金毛(きんまう)九尾(きうび)白面(はくめん)悪狐(あくこ)発生(はつせい)した。093この(れい)はおのおのまた(れい)()けて、094国々(くにぐに)八王(やつわう)八頭(やつがしら)相手(あひて)(がた)(をんな)(れい)にのり(うつ)つた。
095 しかして、096また(ひと)つの邪気(じやき)()(かた)まつて(おに)姿(すがた)をして発生(はつせい)したのは、097猶太(ゆだや)土地(とち)であつた。098この邪鬼(おに)は、099すべての神界(しんかい)(なら)びに現界(げんかい)組織(そしき)()(こわ)して、100自分(じぶん)盟主(めいしゆ)となつて、101全世界(ぜんせかい)妖魅界(えうみかい)にしやうと目論(もくろ)みてゐる。102しかしながら日本国(にほんこく)特殊(とくしゆ)なる神国(しんこく)であつて、103この三種(さんしゆ)悪神(あくがみ)侵害(しんがい)(まぬが)れ、104地上(ちじやう)儼然(げんぜん)として、105万古(ばんこ)不動(ふどう)卓立(たくりつ)してをることができた。106この悪霊(あくれい)三つ巴(みつどもゑ)のはたらきによつて、107諸国(しよこく)国魂(くにたま)(かみ)統制力(とうせいりよく)はなくなり、108地上(ちじやう)世界(せかい)憤怒(ふんど)と、109憎悪(ぞうを)と、110嫉妬(しつと)と、111羨望(せんばう)と、112争闘(そうとう)などの諸罪悪(しよざいあく)()()ちて、113つひに収拾(しうしふ)すべからざる三界(さんかい)紛乱(ふんらん)状態(じやうたい)(かも)したのである。
114 ここにおいて、115天上(てんじやう)にまします至仁(しじん)至愛(しあい)大神(おほかみ)は、116このままにては神界(しんかい)117現界(げんかい)118幽界(いうかい)も、119(とも)破滅(はめつ)淪亡(りんばう)(ほか)はないと観察(くわんさつ)したまひ、120ふたたび国常立(くにとこたちの)(みこと)をお(めし)()(あそ)ばされ、121神界(しんかい)および現界(げんかい)建替(たてかへ)委任(ゐにん)(たま)ふことになつた。122さうして(ひつじさる)()金神(こんじん)をはじめ、123金勝要(きんかつかねの)(かみ)124竜宮(りゆうぐうの)乙姫(おとひめ)125日出(ひのでの)(かみ)が、126この大神業(だいしんげふ)輔佐(ほさ)(たてまつ)ることになり、127(のこ)らずの金神(こんじん)すなはち天狗(てんぐ)たちは、128おのおの分担(ぶんたん)(したが)つて()活動(くわつどう)(まを)()げ、129白狐(びやくこ)下郎(げろう)(やく)として、130それぞれ神務(しんむ)参加(さんか)することになつた。131ここにおいて天津(あまつ)(かみ)嫡流(ちやくりう)におかせられても、132木花(このはな)咲耶姫(さくやひめの)(みこと)(ひこ)火々出見(ほほでみの)(みこと)は、133事態(じたい)容易(ようい)ならずと()たまひ、134国常立(くにとこたちの)(みこと)神業(しんげふ)()手伝(てつだ)(あそ)ばすこととなり、135正神界(せいしんかい)()経綸(けいりん)着々(ちやくちやく)その()(すす)(たま)ひつつあるのである。136それと(とも)にそれぞれ因縁(いんねん)ある身魂(みたま)は、137すべて()高天原(たかあまはら)(あつ)まり、138神界(しんかい)修行(しうげやう)参加(さんか)し、139()経綸(けいりん)(はし)なりとも奉仕(ほうし)さるることになつてをるのである。
140 そもそも太古(たいこ)141葦原(あしはらの)瑞穂(みづほの)中津国(なかつくに)大国主(おほくにぬしの)(みこと)武力(ぶりよく)をもつて、142天下(てんか)をお(おさ)めになつてゐた。143天孫(てんそん)降臨(かうりん)(さき)だち、144天祖(てんそ)第三回(だいさんくわい)まで天使(てんし)をお(つかは)しになり、145つひには武力(ぶりよく)をもつて大国主(おほくにぬしの)(みこと)権力(けんりよく)(せい)(たま)うた。146大国主(おほくにぬしの)(かみ)(ちから)()きたまひ、147現界(げんかい)()政権(せいけん)をば天命(てんめい)のままに天孫(てんそん)奉還(ほうくわん)し、148大国主(おほくにぬし)()自身(じしん)は、149青芝垣(あをしばがき)にかくれて(おん)()事代主(ことしろぬし)(とも)に、150幽世(かくりよ)統治(とうち)したまふことになつた。
151 この時代(じだい)天孫(てんそん)()降臨(かうりん)は、152現在(げんざい)日本(にほん)なる地上(ちじやう)小区劃(せうくくわく)()支配(しはい)なし(たま)ふためではなく、153(じつ)全地球(ぜんちきう)現界(げんかい)知食(しろしめ)すための()降臨(かうりん)であり(たま)うた。154しかしながら未完成(みくわんせい)なる世界(せかい)には、155憎悪(にくみ)156憤怒(いかり)157怨恨(うらみ)158嫉妬(ねたみ)159争闘(あらそひ)(とう)あらゆる邪悪(じやあく)充満(じゆうまん)してゐるために、160(てん)大神(おほかみ)(さま)()大望(たいもう)完成(くわんせい)するにいたらず、161(したが)つて弱肉(じやくにく)強食(きやうしよく)修羅(しゆら)(ちまた)(くわ)()地上(ちじやう)神界(しんかい)162現界(げんかい)は、163ほとんど(まつた)崩壊(ほうくわい)淪亡(りんぼう)しやうとする場合(ばあひ)()ちいたつたのである。
164 かかる情勢(じやうせい)見給(みたま)ひし天津(あまつ)(かみ)(さま)は、165命令(めいれい)(くだ)したまひて、166盤古(ばんこ)大神(だいじん)地上(ちじやう)一切(いつさい)幽政(いうせい)()権利(けんり)を、167(うしとらの)金神(こんじん)国常立(くにとこたちの)(みこと)に、168ふたたび()奉還(ほうくわん)になるのやむなき次第(しだい)となつた。169ここに盤古(ばんこ)大神(だいじん)(すで)時節(じせつ)のきたれるを()り、170従順(すなほ)大神(おほかみ)(さま)()命令(めいれい)奉戴(ほうたい)遵守(じゆんしゆ)したまうた。171しかるに八王(やつわう)大神(だいじん)以下(いか)国魂(くにたま)は、172邪神(じやしん)のためにその精霊(せいれい)(まつた)(けが)されきつてゐるので、173まだまだ改心(かいしん)することができず、174いろいろと悪策(あくさく)をめぐらしてゐたのである。175なかには改心(かいしん)(きざし)幾分(いくぶん)()えた(かみ)もあつた。
176 かくの(ごと)くにして国常立(くにとこたちの)(みこと)が、177完全(くわんぜん)地上(ちじやう)神界(しんかい)()統一(とういつ)なしたまふべき時節(じせつ)は、178(すで)(すで)(ちか)づいてゐる。179神界(しんかい)有様(ありさま)現界(げんかい)にうつりきたり、180神界(しんかい)平定後(へいていご)天津日嗣命(あまつひつぎのみこと)現界(げんかい)(をさ)(たま)ひ、181国常立(くにとこたちの)(みこと)幽政(いうせい)総纜(そうらん)したまひ、182大国主(おほくにぬしの)(みこと)日本(にほん)幽政(いうせい)をお(つかさど)りになるはずである。183しかし現在(げんざい)ではまだ、184八頭(やつがしら)八尾(やつを)大蛇(をろち)185金毛(きんまう)九尾(きうび)悪狐(あくこ)および(おに)(れい)は、186盤古(ばんこ)大神(だいじん)擁立(ようりつ)して、187幽界(いうかい)および現界(げんかい)支配(しはい)しやうと、188諸々(もろもろ)悪計(あくけい)をめぐらしつつあるのである。
189 しかしながら従順(じゆうじゆん)盤古(ばんこ)大神(だいじん)は、190神界(しんかい)(たい)するかかる反逆(はんぎやく)賛同(さんどう)されないので、191邪鬼(じやき)(れい)はみづから頭目(とうもく)となり、192赤色旗(せきしよくき)押立(おした)てていろいろの身魂(みたま)をその眷族(けんぞく)使(つか)ひつつ、193高天原(たかあまはら)乗取策(のつとりさく)(かう)じてゐる。
194 そこで(てん)よりは事態(じたい)容易(ようい)ならずとして、195()三体(さんたい)大神(おほかみ)地上(ちじやう)降臨(かうりん)ましまして、196国常立(くにとこたちの)(みこと)()経綸(けいりん)加勢(かせい)なしたまふことになり、197国常立(くにとこたちの)(みこと)(かり)御息所(みやすどころ)蓮華台(れんげだい)(じやう)建設(けんせつ)して、198()三体(さんたい)大神(おほかみ)(さま)奉迎(ほうげい)(たま)ふこととなるのである。
199 したがつて、200()三体(さんたい)大神(おほかみ)(さま)御息所(みやすどころ)ができたならば、201神界(しんかい)()経綸(けいりん)一層(いつそう)(すす)んだ証拠(しようこ)だと拝察(はいさつ)することができる。
202大正一〇・一〇・二〇 旧九・二〇 谷口正治録)
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