霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三七章 顕国(うつしくに)御玉(みたま)〔三七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻 篇:第5篇 御玉の争奪 よみ(新仮名遣い):みたまのそうだつ
章:第37章 顕国の御玉 よみ(新仮名遣い):うつしくにのみたま 通し章番号:37
口述日:1921(大正10)年10月23日(旧09月23日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1921(大正10)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
天使・稚姫君命、大八洲彦命、金勝要神らは、諸神を引き連れて、天の安河の源に上った。この山の水上には、シオンの霊山が雲をつくほど高くそびえていた。
シオンの山の意義とは、浄行日域と言って、天男天女が常に来て音楽を奏で、舞曲を演じる、という意味である。
山の頂には広い高原があり、珍しい花が一年中咲き満ちている。また、さまざまな美味の果実が実っている安全境である。
この高原の中央に、高さ五十間、幅五十間の方形の堅固な岩石が据えられている。これは、国常立尊が天の御柱となって星辰を生み出したとき、最初に現れた星巌である。神業祈念のために、最初の一個を地上にとどめて、地上の国魂の守護として隠しておかれたのである。
天地が分かれた初めから、一週間ごとに十二柱の天人がこの山上に現れて遊楽するとき、この星巌を中心にして巡り、舞曲を演じる。そのときに天人の羽衣の袖にすり磨かれて、星巌の容積は自然に減じ、今は中心の玉だけになっていた。
玉は直径三尺の円球となっていた。ここまでになるのに、すでに天地の初めから幾億万年が経過していた。
稚姫君命は星巌に近づき、天人たちの功績を賞してそれぞれに宝を下した。星巌は地球に酷似していたが、大地の神霊である金勝要神は星巌を手に取って息吹の狭霧を吹きかけた。すると星巌は光沢を放射し始めた。
金勝要神は突然、山頂から星巌を天の安河へと投げ捨てた。神々は星巌の行方を追っていくと、星巌は滝に洗われて、金剛不壊の宝珠を化していた。金勝要神は竜体となってその玉をすくい上げると、稚姫君命に奉呈した。
このたまは顕国の御玉であり、表面は紫で、中心には赤・白・青の三つの宝玉が包まれているのが、外部から透けて見えるのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0137
愛善世界社版:199頁 八幡書店版:第1輯 117頁 修補版: 校定版:199頁 普及版:103頁 初版: ページ備考:
001 国常立(くにとこたちの)(みこと)厳命(げんめい)(ほう)じ、002ここに天使(てんし)稚姫君(わかひめぎみの)(みこと)003(どう)大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)004金勝要(きんかつかねの)(かみ)三柱(みはしら)は、005高杉別(たかすぎわけ)006森鷹彦(もりたかひこ)007田依彦(たよりひこ)008玉彦(たまひこ)009芳彦(よしひこ)010神彦(かみひこ)011鶴若(つるわか)012亀若(かめわか)013倉高(くらたか)014杉生彦(すぎふひこ)015時彦(ときひこ)016猿彦(さるひこ)以下(いか)神司(かみがみ)引率(いんそつ)し、017(なが)れも(きよ)(あま)安河(やすかは)(みなもと)参上(まゐのぼ)りたまうた。018この(やま)水上(みなかみ)にはシオンの霊山(れいざん)雲表(うんぺう)(たか)(そび)えてゐる。019シオンの(やま)意義(いぎ)は、020浄行(じやうぎやう)日域(にちゐき)といつて天男(てんなん)天女(てんによ)(つね)(きた)りて、021音楽(おんがく)(そう)舞曲(ぶきよく)(えん)じて、022遊楽(いうらく)する」といふことである。023この(やま)(いただき)には(ひろ)高原(かうげん)があつて、024(めづら)しき五色(ごしき)(はな)馥郁(ふくいく)たる香気(かうき)をはなつて、025春夏(しゆんか)秋冬(しうとう)区別(くべつ)なく()()ちてゐる。026また種々(しゆじゆ)美味(びみ)なる果実(くわじつ)木々(きぎ)(こづゑ)(えだ)もたわわに(みの)つてゐる安全境(あんぜんきやう)である。027この高原(かうげん)中央(ちゆうあう)に、028(たか)五十間(ごじつけん)(はば)五十間(ごじつけん)方形(ほうけい)(きは)めて堅固(けんご)なる岩石(がんせき)()ゑられてある。029これは国常立(くにとこたちの)(みこと)(あめ)御柱(みはしら)黄金(こがね)(はしら)となつて星辰(せいしん)()()(たま)ひしとき、030最初(さいしよ)(あら)はれたる星巌(せいがん)である。031神業(かむわざ)祈念(きねん)のために最初(さいしよ)一個(いつこ)地上(ちじやう)にとどめ、032これを地上(ちじやう)国魂(くにたま)守護(しゆご)(さだ)めて(いま)まで()めおかれたのである。
033 天地(てんち)剖判(ぼうはん)(はじ)めより、034(いつ)週間(しうかん)ごとに十二柱(じふにはしら)天人(てんにん)035この山上(さんじやう)(あら)はれて遊楽(いうらく)する(とき)036この星巌(せいがん)(なか)()き、037天男(てんなん)(ひだり)より、038天女(てんによ)(みぎ)より(めぐ)りて音楽(おんがく)(そう)し、039舞曲(ぶきよく)(えん)ずる(ところ)である。040そのとき天男(てんなん)041天女(てんによ)薄衣(うすぎぬ)のごとき(あま)羽衣(はごろも)(そで)にすり(みが)かれて、042その星巌(せいがん)自然(しぜん)容積(ようせき)(げん)じ、043(いま)中心(ちゆうしん)(たま)のみになつてゐたのである。044この(たま)直径(ちよくけい)三尺(さんじやく)円球(ゑんきう)である。045これを()ても天地(てんち)剖判(ぼうはん)(はじ)めより(いく)万億(まんおく)(ねん)経過(けいくわ)したるかを想像(さうざう)される。
046 稚姫君(わかひめぎみの)(みこと)以下(いか)神司(かみがみ)は、047(あま)安河原(やすかはら)渓流(けいりう)御禊(みそぎ)神業(しんげふ)(しう)したまひ、048ただちに(くも)(おこ)し、049これに()り、050シオン(ざん)(いただき)(のぼ)りたまひ、051山上(さんじやう)高原(かうげん)(のこ)(くま)なく踏査(たふさ)し、052諸天神(しよてんじん)御魂(みたま)各自(かくじ)()座所(ざしよ)(さだ)め、053地鎮祭(ぢちんさい)をおこなひ、054神言(かみごと)奏上(そうじやう)し、055永遠(ゑいゑん)(かみ)霊地(れいち)(さだ)めたまうた。
056 この高原(かうげん)中央(ちゆうあう)には、057前記(ぜんき)十二柱(じふにはしら)天男(てんなん)天女(てんによ)一個(いつこ)星巌(せいがん)中心(ちゆうしん)に、058左右(さいう)より(めぐ)(あそ)んでゐた。059ここに稚姫君(わかひめぎみの)(みこと)以下(いか)神司(かみがみ)は、060その星巌(せいがん)(ちか)づきたまへば、061天男(てんなん)天女(てんによ)ははるか後方(こうはう)退(しりぞ)き、062地上(ちじやう)拝跪(はいき)して太古(たいこ)より今日(こんにち)まで星巌(せいがん)(みが)き、063かつ守護(しゆご)せしことの詳細(しやうさい)(みこと)進言(しんげん)した。
064 稚姫君(わかひめぎみの)(みこと)多年(たねん)労苦(らうく)(しや)し、065かつ神勅(しんちよく)(たが)はず、066数万(すうまん)年間(ねんかん)これを守護(しゆご)せしその功績(こうせき)激賞(げきしやう)し、067種々(しゆじゆ)(めづら)しき(たから)十二(じふに)天人(てんにん)にそれぞれ(あた)へたまうた。
068 一見(いつけん)するところ()(まる)星巌(せいがん)地球(ちきう)酷似(こくじ)してゐる。069大地(だいち)神霊(しんれい)たる金勝要(きんかつかねの)(かみ)は、070いと軽々(かるがる)しくその円巌(ゑんがん)()にして三回(さんくわい)ばかり頭上(づじやう)(たか)(ささ)げ、071(てん)(むか)つて感謝(かんしや)し、072ついでこれを胸先(むなさき)(くだ)し、073息吹(いぶき)狭霧(さぎり)()きかけたまへば、074円巌(ゑんがん)はますます(まる)(かたち)変化(へんくわ)し、075その(うへ)()もいはれぬ光沢(くわうたく)放射(はうしや)するにいたつた。076このとき金勝要(きんかつかねの)(かみ)はいかが思召(おぼしめし)けむ、077この円巌(ゑんがん)山頂(さんちやう)より安河原(やすかはら)渓流(けいりう)めがけて()()てたまうた。078急転(きふてん)直下(ちよくか)079六合(りくがふ)()るるばかりの音響(おんきやう)(はつ)して谷間(たにま)転落(てんらく)した。080稚姫君(わかひめぎみの)(みこと)以下(いか)諸神司(しよしん)諸々(もろもろ)従臣(じゆうしん)(とも)に、081星巌(せいがん)(あと)(たづ)ねてシオン(ざん)(くだ)り、082星巌(せいがん)行方(ゆくへ)いかにと谷間(たにま)彼方(あなた)こなたを(さが)させたまうた。083はるか上流(じやうりう)(あた)つて、084以前(いぜん)十二(じふに)天人(てんにん)(きり)()ちのぼる谷間(たにま)面白(おもしろ)()(くる)うてゐる姿(すがた)()につき、085(たま)行方(ゆくへ)(たしか)にそこと見定(みさだ)め、086渓流(けいりう)(さかのぼ)りたまうた。087幾百丈(いくひやくぢやう)とも()れぬ大瀑布(だいばくふ)(した)に、088以前(いぜん)星巌(せいがん)()ちこみ滝水(たきみづ)()たれ、089(ある)ひは水上(すゐじやう)()かび、090あるひは水中(すゐちゆう)(しづ)み、091風船玉(ふうせんだま)(みづ)(ちから)によつて(うご)くがごとく、092あるひは(みぎ)(ある)ひは(ひだり)旋転(せんてん)して(まる)さはますます(まる)く、093(ひかり)はますます(つよ)金剛(こんがう)不壊(ふえ)宝珠(ほつしゆ)(くわ)してゐる。094この(とき)金勝要(きんかつかねの)(かみ)はたちまち金色(こんじき)竜体(りゆうたい)(くわ)し、095水中(すゐちゆう)()びいり両手(りやうて)にその(たま)(ささ)げて、096稚姫君(わかひめぎみの)(みこと)御前(ごぜん)捧呈(ほうてい)された。097(あら)(さら)された()(たま)は、098表側(おもてがは)紫色(むらさきいろ)にして、099中心(ちゆうしん)には(あか)100(しろ)101(あを)()つの宝玉(ほうぎよく)(ふか)(つつ)まれてゐるのを外部(ぐわいぶ)から透見(とうけん)することができる。102これを顕国(うつしくに)御玉(みたま)(とな)(まつ)る。
103大正一〇・一〇・二三 旧九・二三 加藤明子録)
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