霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二一章 大地(だいち)の修理(しうり)固成(こせい)〔二一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻 篇:第3篇 天地の剖判 よみ(新仮名遣い):てんちのぼうはん
章:第21章 大地の修理固成 よみ(新仮名遣い):だいちのしゅうりこせい 通し章番号:21
口述日:1921(大正10)年10月20日(旧09月20日) 口述場所: 筆録者:谷口正治 校正日: 校正場所: 初版発行日:1921(大正10)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
大国常立尊は地の世界最高の山頂に登って四方を見渡せば、日月星辰は顕現し、地に山川草木は発生してたとは言え、樹草の類はまだか弱い柔らかいものであった。そこで息吹を放つと、十二の神々が御出現した。
十二の神々の起こした風で樹木は吹き倒されたので、大国常立尊はご自身の骨を粉々に噛み砕き、四方に散布された。その骨の粉末を吸収して、動物には骨が出来、植物は特有の形を取ることになった。また、岩石鉱物が発生した。これが岩の神である。
依然として太陽は強烈な光熱を放射し、月が地上の水を吸収し続けているので、大国常立尊はもろもろの竜神に命じて、海水を持ってこさせた。国祖が海水を天に息吹くと、雲が起こり雨が降り始めた。この竜神たちを雨の神と名づけられた。
国祖は、雨を調節するために太陽の熱を吸って放射した。この熱から火竜神が生まれた。
ここまで書いた天地造成には、数十億年の歳月を要しているのである。
国祖は人類を始め動物、植物をおつくりになられた。人間には日の大神と月の大神の霊魂を付与し、肉体は国常立尊の主宰とした。そして、神のご意思を実行する機関とされた。これが人生の目的である。神示に『神は万物普遍の霊にして人は天地経綸の大司宰なり』とあるのも、この理によっているのである。
地の一方では、天地間にかすのように残っていた邪気が凝って、悪竜、悪蛇、悪狐、邪鬼、妖魅となって人間に憑依し、邪霊の世界を作ることを企て始めた。大国常立大神は憤りから深い吐息を吐き給い、八種の雷神や荒れの神が生まれた。
荒れの神、地震の神が発動するのは、人類への警告である。
大国常立尊が天地を修理固成してからほとんど十万年の期間は、区画された国家もなかった。しかし世がだんだんと悪化して、大神のご神慮にかなわぬことが始まった。そこで大神は再び地上の修理固成を企画し、大声を発して地団駄を踏んだ。これにより現今のアフリカ、南北アメリカの大陸が出現した。また、太平洋ができ、そこに竜形の島が現れた。
日本の国土は大国常立尊の竜体の形そのものである。もと黄金の柱が立っていた場所にあり、柱が東北から西南に倒れた場所である。そこで、自転倒嶋(おのころじま)と言う。
この嶋が四方を海に囲まれているのは、神々のお休みどころとするためであり、日本の土地全体は、大神の御肉体である。
それから大神は、太陽と太陰から陽気と陰気を吸い込んで、息吹の狭霧を吐き出した。この狭霧から、稚姫君命が現れた。
この再度の修理固成により、地上の生き物はほとんど絶滅した。そこで大神は、再び神々と人間を生む必要を感じ、稚姫君命は天稚彦という夫神をもって、三男五女の神を生みたもうた。
再度の修理固成を行うに至ったのは、天が乱れると地が乱れ、地が乱れると天が乱れることで、その乱れが互いに現れて来るからである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2026-03-29 03:23:18 文字数:3230 OBC :rm0121
愛善世界社版:122頁 八幡書店版:第1輯 89頁 修補版: 校定版:122頁 普及版:63頁 初版: ページ備考:
001 大国常立(おほくにとこたちの)尊(みこと)はそこで、002きはめて荘厳(さうごん)な、003厳格(げんかく)な犯(をか)すことのできない、004すばらしく偉大(ゐだい)な御(お)姿(すがた)を顕(あら)はし給(たま)ひて、005地(ち)の世界(せかい)最高(さいかう)の山巓(さんてん)にお登(のぼ)り遊(あそ)ばされて四方(しはう)を見渡(みわた)したまへば、006もはや天(てん)に日月(じつげつ)星辰(せいしん)完全(くわんぜん)に顕現(けんげん)せられ、007地(ち)に山川(さんせん)草木(さうもく)は発生(はつせい)したとはいへ、008樹草(じゆさう)の類(たぐひ)はほとんど葱(ねぎ)のやうに繊弱(かよわ)く、009葦(あし)のやうに柔(やはら)かなものであつた。010そこで国祖(こくそ)は、011その御(おん)口(くち)より息吹(いぶき)を放(はな)つて風(かぜ)を吹(ふ)きおこし給(たま)うた。012その息吹(いぶき)によつて十二(じふに)の神々(かみがみ)が御(ご)出現(しゆつげん)遊(あそ)ばされた。
013 ここに十二(じふに)の神々(かみがみ)は、014おのおの分担(ぶんたん)を定(さだ)めて、015風(かぜ)を吹(ふ)き起(おこ)したまうたが、016その風(かぜ)の力(ちから)によつて松(まつ)、017竹(たけ)、018梅(うめ)をはじめ、019一切(いつさい)の樹草(じゆさう)はベタベタに、020その根本(ねもと)より吹倒(ふきたふ)されてしまうた。021大国常立(おほくにとこたちの)尊(みこと)はこの有様(ありさま)を眺(なが)めたまうて、022御(ご)自身(じしん)の胸(むね)の骨(ほね)をば一本(いつぽん)抜(ぬ)きとり、023自(みづか)ら歯(は)をもつてコナゴナに咬(か)みくだき、024四方(しはう)に撒布(さんぷ)したまうた。
025 すべての軟(やはら)かき動植物(どうしよくぶつ)は、026その骨(ほね)の粉末(ふんまつ)を吸収(きふしう)して、027その質(しつ)非常(ひじやう)に堅(かた)くなり、028倒(たふ)れてゐた樹草(じゆさう)は直立(ちよくりつ)し、029海鼠(なまこ)のやうに柔軟(じうなん)匍匐(ほふく)してゐた人間(にんげん)その他(た)の諸動物(しよどうぶつ)も、030この時(とき)はじめて骨(ほね)が具(そな)はり、031敏活(びんくわつ)に動作(どうさ)することが出来(でき)るやうになつた。032五穀(ごこく)が実(みの)るやうになり、033葱(ねぎ)のやうに一様(いちやう)に柔(やはら)かくして、034区別(くべつ)さへ殆(ほとん)どつかなかつた一切(いつさい)の植物(しよくぶつ)は、035はつきりと、036おのおの特有(とくいう)の形体(かたち)をとるやうになつたのも此(こ)の時(とき)である。037骨(ほね)の粉末(ふんまつ)の固(かた)まり着(つ)いた所(ところ)には岩石(がんせき)ができ、038諸々(もろもろ)の鉱物(くわうぶつ)が発生(はつせい)した。039これを称(しよう)して岩(いは)の神(かみ)と申(まを)し上(あ)げる。
040 しかるに太陽(たいやう)は依然(いぜん)として強烈(きやうれつ)なる光熱(くわうねつ)を放射(はうしや)し、041月(つき)は大地(だいち)の水(みづ)の吸収(きふしう)を続(つづ)けてゐるから、042地上(ちじやう)の樹草(じゆさう)は次第(しだい)に日(ひ)に照(て)りつけられて殆(ほとん)ど枯死(こし)せむとし、043動物(どうぶつ)も亦(また)この旱天(かんてん)つづきに非常(ひじやう)に困(こま)つてゐた。044しかし月(つき)からは、045まだ水(みづ)を吸引(きふいん)することを止(や)めなかつた。046このままで放任(はうにん)しておくならば、047全世界(ぜんせかい)は干鰈(ほしかれい)を焦(こが)したやうに燻(くすぶ)つてしまふかも知(し)れないと、048大国常立(おほくにとこたちの)尊(みこと)は山上(さんじやう)に昇(のぼ)つて、049まだ人体化(じんたいくわ)してをらぬ諸々(もろもろ)の竜神(りゆうじん)に命(めい)じて、050海水(かいすゐ)を口(くち)に銜(ふく)んで持(も)ちきたらしめ給(たま)うた。
051 諸々(もろもろ)の竜神(りゆうじん)は命(めい)を奉(ほう)じて、052海水(かいすゐ)を国祖(こくそ)の許(もと)に持(も)ちきたつた。053国祖(こくそ)はその水(みづ)を手(て)に受(う)けて、054やがてそれを口(くち)に呑(の)み、055天(てん)に向(むか)つて息吹(いぶき)をフーと吹(ふ)き放(はな)たれた。056すると天上(てんじやう)には色(いろ)の濃(こ)い雲(くも)や淡(あは)い雲(くも)や、057その他(た)種々(しゆじゆ)雑多(ざつた)の雲(くも)が起(おこ)つてきた。058たちまち雲(くも)からサツと地上(ちじやう)に雨(あめ)が降(ふ)りはじめた。059この使神(つかひがみ)であつた竜神(りゆうじん)は無数(むすう)にあつたが、060国祖(こくそ)はこれを総称(そうしよう)して雨(あめ)の神(かみ)と名付(なづ)けたまうた。
061 ところが雨(あめ)が降(ふり)すぎても却(かへつ)て困(こま)るといふので、062これを調和(てうわ)するために、063大国常立(おほくにとこたちの)尊(みこと)は御(お)身体(からだ)一杯(いつぱい)に暑(あつ)いほど太陽(たいやう)の熱(ねつ)をお吸(す)ひになつた。064さうして御(ご)自分(じぶん)の御(お)身体(からだ)の各部(かくぶ)より熱(ねつ)を放射(はうしや)したまうた。065その放射(はうしや)された熱(ねつ)はたちまち無数(むすう)の竜体(りゆうたい)と変(へん)じて、066天(てん)に向(むか)つて昇騰(しようとう)していつた。067国祖(こくそ)はこれに火竜神(くわりゆうじん)といふ名称(めいしよう)をお付(つ)けになつた。068(筆(ふで)に書(か)いては短(みじか)いが大国常立(おほくにとこたちの)尊(みこと)がここまで天地(てんち)をお造(つく)りになるのに数十億(すうじふおく)年(ねん)の歳月(さいげつ)を要(えう)してゐる)
069 尊(みこと)はかくの如(ごと)くにして人類(じんるゐ)を始(はじ)め、070動物(どうぶつ)、071植物(しよくぶつ)等(とう)をお創造(つく)り遊(あそ)ばされて、072人間(にんげん)には日(ひ)の大神(おほかみ)と、073月(つき)の大神(おほかみ)の霊魂(みたま)を賦与(ふよ)せられて、074肉体(にくたい)は国常立(くにとこたちの)尊(みこと)の主宰(しゆさい)として、075神(かみ)の御(ご)意志(いし)を実行(じつかう)する機関(きくわん)となし給(たま)うた。076これが人生(じんせい)の目的(もくてき)である。077神示(しんじ)に『神(かみ)は万物(ばんぶつ)普遍(ふへん)の霊(れい)にして人(ひと)は天地(てんち)経綸(けいりん)の大司宰(だいしさい)なり』とあるも、078この理(り)に由(よ)るのである。
079 しかるに星移(ほしうつ)り年(とし)をかさぬるにしたがつて、080人智(じんち)は乱(みだ)れ、081情(じやう)は拗(ねじ)け、082意(こころ)は曲(まが)りて、083人間(にんげん)は次第(しだい)に私欲(しよく)を擅(ほしいまま)にするやうになり、084ここに弱肉(じやくにく)強食(きやうしよく)、085生存(せいぞん)競争(きやうそう)の端(たん)はひらかれ、086せつかく神(かみ)が御(ご)苦心(くしん)の結果(けつくわ)、087創造(さうざう)遊(あそ)ばされた善美(ぜんび)のこの地上(ちじやう)も亦(また)、088もとの泥海(どろうみ)に復(かへ)さねばならぬやうな傾向(けいかう)ができた。
089 しかるに地(ち)の一方(いつぱう)では、090天地間(てんちかん)に残滓(かす)のやうに残(のこ)つてゐた邪気(じやき)は、091凝(こ)つて悪竜(あくりゆう)、092悪蛇(あくじや)、093悪狐(あくこ)を発生(はつせい)し、094或(ある)ひは邪鬼(じやき)となり、095妖魅(えうみ)となつて、096我侭(わがまま)放肆(はうし)な人間(にんげん)の身魂(みたま)に憑依(ひようい)し、097世(よ)の中(なか)を悪化(あくくわ)して、098邪霊(じやれい)の世界(せかい)とせむことを企(くはだ)てた。099そこで大国常立(おほくにとこたちの)大神(おほかみ)は非常(ひじやう)に憤(いきどほ)りたまうて、100深(ふか)い吐息(といき)をおはきになつた。101その太息(といき)から八種(やくさ)の雷神(らいじん)や、102荒(あれ)の神(かみ)がお生(うま)れ遊(あそ)ばしたのである。
103 それで荒(あれ)の神(かみ)の御(ご)発動(はつどう)があるのは、104大神(おほかみ)が地上(ちじやう)の人類(じんるゐ)に警戒(けいかい)を与(あた)へたまふ時(とき)である。105かうしてしばしば大神(おほかみ)は荒(あれ)の神(かみ)の御(ご)発動(はつどう)によつて、106地上(ちじやう)の人類(じんるゐ)を警戒(けいかい)せられたが、107人類(じんるゐ)の大多数(だいたすう)は依然(いぜん)として覚醒(かくせい)しない。108そこで大神(おほかみ)は大(おほ)いにもどかしがりたまひ伊都(いづ)の雄猛(をたけ)びをせられて、109大地(だいち)に四股(しこ)を踏(ふ)んで憤(いか)り給(たま)うた。110そのとき大神(おほかみ)の口(くち)、111鼻(はな)、112また眼(め)より数多(あまた)の竜神(りゆうじん)がお現(あら)はれになつた。113この竜神(りゆうじん)を地震(ぢしん)の神(かみ)と申(まを)し上(あ)げる。114国祖(こくそ)の大神(おほかみ)の極端(きよくたん)に憤(いか)りたまうた時(とき)に地震(ぢしん)の神(かみ)の御(ご)発動(はつどう)があるのである。115大神(おほかみ)の怒(いか)りは私(わたくし)の怒(いか)りではなくして、116世(よ)の中(なか)を善美(ぜんび)に立替(たてか)へ立直(たてなほ)したいための、117大(だい)慈悲心(じひしん)の御(ご)発現(はつげん)に外(ほか)ならぬのである。
118 大国常立(おほくにとこたちの)尊(みこと)が天地(てんち)を修理(しうり)固成(こせい)したまうてより、119ほとんど十万(じふまん)年(ねん)の期間(きかん)は、120別(べつ)に今日(こんにち)のやうに区劃(くくわく)された国家(こくか)はなかつた。121ただ地方(ちはう)地方(ちはう)を限(かぎ)つて、122八王(やつわう)といふ国魂(くにたま)の神(かみ)が配置(はいち)され、123八頭(やつがしら)といふ宰相(さいしやう)の神(かみ)が八王神(やつわうがみ)の下(した)にそれぞれ配置(はいち)されてゐた。
124 しかるに世(よ)の中(なか)はだんだん悪化(あくくわ)して、125大神(おほかみ)の御(ご)神慮(しんりよ)に叶(かな)はぬことばかりが始(はじ)まり、126怨恨(うらみ)、127嫉妬(ねたみ)、128悲哀(かなしみ)、129呪咀(のろい)の声(こゑ)は、130天地(てんち)に一杯(いつぱい)に充(み)ちわたることになつた。131そこで大国常立(おほくにとこたちの)大神(おほかみ)は再(ふたた)び地上(ちじやう)の修理(しうり)固成(こせい)を企劃(きくわく)なしたまうて、132ある高(たか)い山(やま)の頂上(ちやうじやう)にお立(た)ちになつて大声(おほごゑ)を発(はつ)したまうた。133その声(こゑ)は万雷(ばんらい)の一(いち)時(じ)に轟(とどろ)くごとくであつた。134大神(おほかみ)はなほも足(あし)を踏(ふ)みとどろかして地蹈鞴(ぢだんだ)をお踏(ふ)みになつた。135そのため大地(だいち)は揺(ゆ)れゆれて、136地震(ぢしん)の神(かみ)、137荒(あれ)の神(かみ)が挙(こぞ)つて御(ご)発動(はつどう)になり、138地球(ちきう)は一大(いちだい)変態(へんたい)を来(きた)して、139山河(さんか)はくづれ埋(うづ)まり、140草木(さうもく)は倒(たふ)れ伏(ふ)し、141地上(ちじやう)の蒼生(さうせい)はほとんど全(まつた)く淪亡(ほろび)るまでに立(た)ちいたつた。142その時(とき)の雄健(をたけ)びによつて、143大地(だいち)の一部(いちぶ)が陥落(かんらく)して、144現今(げんこん)の阿弗利加(アフリカ)の一部(いちぶ)と、145南北(なんぽく)亜米利加(アメリカ)の大陸(たいりく)が現出(げんしゆつ)した。146それと同時(どうじ)に太平洋(たいへいやう)もでき上(あが)り、147その真中(まんなか)に竜形(りゆうけい)の島(しま)が形造(かたちづく)られた。148これが現代(げんだい)の日本(にほん)の地(ち)である。149それまでは今(いま)の日本海(にほんかい)はなく支那(しな)も朝鮮(てうせん)も、150日本(にほん)に陸地(りくち)で連続(れんぞく)してゐた。151この時(とき)まで現代(げんだい)の日本(にほん)の南方(なんぱう)、152太平洋(たいへいやう)面(めん)にはまだ数百(すうひやく)里(り)の大陸(たいりく)がつづいてゐたが、153この地球(ちきう)の大変動(だいへんどう)によつて、154その中心(ちゆうしん)の最(もつと)も地盤(ぢばん)の鞏固(きやうこ)なる部分(ぶぶん)が、155竜(りゆう)の形(かたち)をして取(と)り残(のこ)されたのである。
156 この日本(にほん)国土(こくど)の形状(けいじやう)をなしてゐる竜(りゆう)の形(かたち)は、157元(もと)の大国常立(おほくにとこたちの)尊(みこと)が、158竜体(りゆうたい)を現(げん)じて地上(ちじやう)の泥海(どろうみ)を造(つく)り固(かた)めてゐられた時(とき)のお姿(すがた)同様(どうやう)であつて、159その長(なが)さも、160幅(はば)も、161寸法(すんぱふ)において何(なん)ら変(かは)りはない。162それゆゑ日本国(にほんこく)は、163地球(ちきう)の艮(うしとら)に位置(ゐち)して神聖(しんせい)犯(をか)すべからざる土地(とち)なのである。164もと黄金(きん)の円柱(ゑんちゆう)が、165宇宙(うちう)の真中(まんなか)に立(た)つてゐた位置(ゐち)も日本国(にほんこく)であつたが、166それが、167東北(とうほく)から、168西南(せいなん)に向(む)けて倒(たふ)れた。169この島(しま)を自転倒(おのころ)嶋(じま)といふのは、170自(おのづか)ら転(ころ)げてできた島(しま)といふ意味(いみ)である。
171 この島(しま)が四方(しはう)に海(うみ)を環(めぐ)らしたのは、172神聖(しんせい)なる神(かみ)の御(お)息(やす)み所(どころ)とするためなのである。173さうしてこの日本(にほん)の土地(とち)全体(ぜんたい)は、174すべて大神(おほかみ)の御(おん)肉体(にくたい)である。175ここにおいて自転倒(おのころ)嶋(じま)と、176他(た)の国土(こくど)とを区別(くべつ)し、177立別(たてわ)けておかれた。
178 それから大神(おほかみ)は天(てん)の太陽(たいやう)、179太陰(たいいん)と向(むか)はせられ、180陽気(やうき)と陰気(いんき)とを吸(す)ひこみたまうて、181息吹(いぶき)の狭霧(さぎり)を吐(は)きだしたまうた。182この狭霧(さぎり)より現(あら)はれたまへる神(かみ)が稚姫君(わかひめぎみの)命(みこと)である。
183 このたびの地変(ちへん)によつて、184地上(ちじやう)の蒼生(さうせい)はほとんど全滅(ぜんめつ)して、185そのさまあたかもノアの洪水(こうずゐ)当時(たうじ)に彷彿(はうふつ)たるものであつた。186そこで大神(おほかみ)は、187諸々(もろもろ)の神々(かみがみ)および人間(にんげん)をお生(う)みになる必要(ひつえう)を生(しやう)じたまひ、188まづ稚姫君(わかひめぎみの)命(みこと)は、189天稚彦(あめのわかひこ)といふ夫神(をつとがみ)をおもちになり、190真道知彦(まみちしるひこ)、191青森(あをもり)知木彦(しるきひこ)、192天地要彦(あめつちかなめひこ)、193常世姫(とこよひめ)、194黄金竜姫(こがねたつひめ)、195合陀琉(あふだる)姫(ひめ)、196要耶麻(かなやま)姫(ひめ)、197言解姫(ことときひめ)の三男(さんなん)五女(ごぢよ)の神人(かみがみ)をお生(う)みになつた。198この天稚彦(あめのわかひこ)といふのは、199古事記(こじき)にある天若彦(あまわかひこ)とは全然(ぜんぜん)別(べつ)の神(かみ)である。200かくのごとく地上(ちじやう)に地変(ちへん)を起(おこ)さねばならぬやうになつたのは、201要(えう)するに天(てん)において天上(てんじやう)の政治(まつりごと)が乱(みだ)れ、202それと同(おな)じ形(かたち)に、203地上(ちじやう)に紛乱(ふんらん)状態(じやうたい)が現(あら)はれ来(きた)つたからである。204天(てん)にある事(こと)はかならず地(ち)に映(うつ)り、205天(てん)が乱(みだ)れると地(ち)も乱(みだ)れ、206地(ち)が乱(みだ)れると、207天(てん)も同様(どうやう)に乱(みだ)れてくるものである。208そこで大神(おほかみ)は天上(てんじやう)を修理(しうり)固成(こせい)すべく稚姫君(わかひめぎみの)命(みこと)を生(う)みたまうて天(てん)にお昇(のぼ)せになり、209地(ち)は御(ご)自身(じしん)に幽界(いうかい)を主宰(しゆさい)し、210現界(げんかい)の主宰(しゆさい)を須佐之男(すさのをの)命(みこと)に御(ご)委任(ゐにん)になつた。
211(大正一〇・一〇・二〇 旧九・二〇 谷口正治録)
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