霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三章 臭黄(くさき)の鼻(はな)〔二〇三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻 篇:第1篇 動天驚地 よみ(新仮名遣い):どうてんきょうち
章:第3章 臭黄の鼻 よみ(新仮名遣い):くさきのはな 通し章番号:203
口述日:1922(大正11)年01月04日(旧12月07日) 口述場所: 筆録者:吉見清子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年4月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
持ち帰った神璽は橄欖山の神殿に鎮祭された。それより神殿は一日おきに鳴動するようになった。しかしこの神璽に宿っていたのは、八頭八尾の悪竜の霊であった。
これより聖地エルサレムには怪事が続発して暗雲に包まれた。八王大神はやや反省の色を表し、ひそかに国祖の神霊を人知れず鎮祭していた。
玉春姫と塩光彦は駆け落ちしてエデンの園の大樹の下で、ひそかに暮らしていた。盤古大神は息子がいなくなったのを悲しみ、神示を乞うた。すると、息子はエデンの園の大樹の下に、一人の女性と暮らしているのが見えた。
盤古大神はただちに大樹の周りを探させた。塩光彦と玉春姫は樹上に逃れて捜索の目をくらましていたが、ついに見つかって連れ戻された。
一方常世彦夫婦も、娘がいなくなってしまったために方々を捜索させていたが、何の手がかりもなかった。常世彦は国祖に祈って、エデンの園という神示を得た。
常世彦はそこで、娘・玉春姫の捜索を盤古大神に願い出たが、盤古大神は常世彦に一通の信書を返すのみであった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:0000-00-00 00:00:00 文字数:1568 OBC :rm0503
愛善世界社版:25頁 八幡書店版:第1輯 527頁 修補版: 校定版:27頁 普及版:13頁 初版: ページ備考:
001 いよいよ橄欖山(かんらんざん)の神殿(しんでん)には、002エデンの園(その)より捧持(はうぢ)し参(まゐ)りたる神璽(しんじ)を恭(うやうや)しく鎮祭(ちんさい)された。003この神殿(しんでん)は隔日(かくじつ)に鳴動(めいどう)するのが例(れい)となつた。004これを日毎(ひごと)轟(とどろ)きの宮(みや)と云(い)ふ。005この神霊(しんれい)は誠(まこと)の神(かみ)の御(おん)霊(れい)ではなくして、006八頭(やつがしら)八尾(やつを)の悪竜(あくりう)の霊(れい)であつた。
007 これより聖地(せいち)ヱルサレム宮殿(きうでん)は、008日夜(にちや)に怪事(くわいじ)のみ続発(ぞくはつ)し暗雲(あんうん)につつまれた。009八王(やつわう)大神(だいじん)常世彦(とこよひこ)はやや良心(りやうしん)に省(かへり)みるところあつて、010窃(ひそか)に国祖(こくそ)大神(おほかみ)の神霊(しんれい)を他(ひと)知(し)れず鎮祭(ちんさい)し、011昼夜(ちうや)その罪(つみ)を謝(しや)しつつあつた。012大神(おほかみ)の怒(いか)りやや解(と)けたりけむ、013久(ひさし)振(ぶ)りにて東天(とうてん)に太陽(たいやう)のおぼろげなる御影(みかげ)を見(み)ることを得(え)た。014随(したが)つて月(つき)の影(かげ)が昇(のぼ)りそめた。015八王(やつわう)大神(だいじん)は夜(よる)ひそかに庭園(ていえん)に出(い)で、016月神(げつしん)に向(むか)つて感謝(かんしや)の涙(なみだ)にくれた。017されどその本(ほん)守護神(しゆごじん)は悪霊(あくれい)の憑依(ひようい)せる副(ふく)守護神(しゆごじん)のために根底(こんてい)より改心(かいしん)することは出来(でき)なかつた。
018 玉春姫(たまはるひめ)は塩光彦(しほみつひこ)と手(て)を携(たづさ)へ、019父母(ふぼ)両親(りやうしん)の目(め)をくぐりて、020エデンの大河(たいが)をわたり、021エデンの楽園(らくゑん)にいたり、022園(その)の東北隅(とうほくぐう)の枝葉(しえう)繁茂(はんも)せる大樹(たいじゆ)の下(した)にひそかに暮(くら)してゐた。023盤古(ばんこ)大神(だいじん)は塩光彦(しほみつひこ)の影(かげ)を失(うしな)ひしに驚(おどろ)き、024昼夜(ちうや)禊身(みそぎ)をなし、025断食(だんじき)をおこなひ、026天地(てんち)の神明(しんめい)を祈(いの)つた時(とき)しも、027園(その)の東北(とうほく)に当(あた)つて紫(むらさき)の雲(くも)たち昇(のぼ)り、028雲中(うんちゆう)に塩光彦(しほみつひこ)ほか一柱(ひとはしら)の女神(めがみ)の姿(すがた)を見(み)た。029盤古(ばんこ)大神(だいじん)はただちに従者(じゆうしや)に命(めい)じ、030その方面(はうめん)を隈(くま)なく捜(さが)さしめた。031塩光彦(しほみつひこ)、032玉春姫(たまはるひめ)は、033神々(かみがみ)らの近(ちか)づく足音(あしおと)に驚(おどろ)き、034もつとも茂(しげ)れる木(き)の枝(えだ)高(たか)く登(のぼ)つて姿(すがた)を隠(かく)した。035この木(き)は麗(うるは)しき木(こ)の実(み)あまた実(みの)つて、036いつまで上(のぼ)つてゐても食物(しよくもつ)には充分(じうぶん)であつた。037神々(かみがみ)らは園内(ゑんない)隈(くま)なく捜索(そうさく)した。038されど二人(ふたり)の姿(すがた)は何日(なんにち)経(た)つても見当(みあた)らなかつた。039盤古(ばんこ)大神(だいじん)はこれを聞(き)いて大(おほ)いに悲(かな)しんだ。040しかして自(みづか)ら園内(ゑんない)を捜(さが)し廻(まは)つた。
041 枝葉(しえう)の茂(しげ)つた果樹(くわじゆ)の片隅(かたすみ)より一々(いちいち)仰(あふ)ぎ見(み)つつあつた。042樹上(じゆじやう)の塩光彦(しほみつひこ)は父(ちち)の樹下(じゆか)に来(きた)ることを夢(ゆめ)にも知(し)らず、043平気(へいき)になつて大地(だいち)にむかつて、044木(こ)の葉(は)の薄(うす)き所(ところ)より臀引(しりひ)きまくりて、045穢(きたな)き物(もの)を落(おと)した。046盤古(ばんこ)大神(だいじん)は怪(あや)しき物音(ものおと)と仰向(あふむ)くとたんに、047臭(くさ)き物(もの)は鼻(はな)と口(くち)の上(うへ)に落(お)ちてきた。048驚(おどろ)いて声(こゑ)を立(た)て侍者(じしや)を呼(よ)んだ。049されど一柱(ひとはしら)も近(ちか)くには侍者(じしや)の影(かげ)は見(み)えなかつた。050やむを得(え)ず細(ほそ)き渓水(たにみづ)に下(お)りて洗(あら)ひ落(おと)し、051ふたたび上(うへ)を眺(なが)むれば、052豈計(あにはか)らむや、053天人(てんにん)にも見(み)まがふばかりの美女(びぢよ)を擁(よう)し、054樹上(じゆじやう)にわが子(こ)塩光彦(しほみつひこ)がとまつてゐた。055盤古(ばんこ)大神(だいじん)は大(おほい)に怒(いか)り、056はやくこの木(き)を下(くだ)れと叫(さけ)んだ。057二人(ふたり)は相(あひ)擁(よう)し父(ちち)の声(こゑ)はすこしも耳(みみ)に入(い)らない様子(やうす)であつた。058盤古(ばんこ)大神(だいじん)は声(こゑ)を嗄(から)して呼(よ)んだ。059されど樹上(じゆじやう)の二人(ふたり)の耳(みみ)には、060どうしても入(はい)らない。061如何(いかん)とならば、062この木(き)の果物(くだもの)を食(く)ふときは、063眼(め)は疎(うと)く、064耳(みみ)遠(とほ)くなるからである。065ゆゑにこの木(き)を耳無(みみな)しの木(き)と云(い)ふ。066その実(み)は目無(めな)しの実(み)といふ。067今(いま)の世(よ)に「ありのみ」といひ、068梨(なし)の実(み)といふのはこれより転訛(てんくわ)したものである。
069 盤古(ばんこ)大神(だいじん)は宮殿(きうでん)に馳(は)せ帰(かへ)り、070神々(かみがみ)を集(あつ)めこの木(き)に駆(か)け上(のぼ)らしめ、071無理(むり)に二人(ふたり)を引摺(ひきず)りおろし、072殿内(でんない)に連(つ)れ帰(かへ)つた。073見(み)れば二柱(ふたはしら)とも目(め)うすく耳(みみ)はすつかり聾者(ろうしや)となつてゐたのである。074ここに塩長姫(しほながひめ)は二人(ふたり)のこの姿(すがた)を見(み)て大(おほい)に憐(あは)れみ且(か)つ嘆(なげ)き、075庭先(にはさき)に咲(さ)き乱(みだ)れたる匂(にほ)ひ麗(うるは)しき草花(くさばな)を折(を)りきたりて、076二人(ふたり)の髪(かみ)の毛(け)に挿(さ)した。077これより二人(ふたり)の耳(みみ)は聞(きこ)えるやうになつた。078ゆゑにこの花(はな)を菊(きく)の花(はな)と名(な)づけた。079これが後世(こうせい)頭(かしら)に花簪(はなかんざし)を挿(さ)す濫觴(らんしやう)である。
080 一方(いつぱう)聖地(せいち)ヱルサレムにおいては、081玉春姫(たまはるひめ)の何時(いつ)となく踪跡(そうせき)を晦(くらま)したるに驚(おどろ)き、082両親(りやうしん)は部下(ぶか)の神人(かみがみ)らをして、083山(やま)の尾(を)、084河(かは)の瀬(せ)、085海(うみ)の果(はて)まで残(のこ)る隈(くま)なく捜(さが)さしめた。086されど何(なん)の便(たよ)りもなかつた。087常世彦(とこよひこ)はひそかに国祖(こくそ)の神霊(しんれい)に祈(いの)り、088夢(ゆめ)になりとも愛児(あいじ)の行方(ゆくへ)を知(しら)させたまへと祈願(きぐわん)しつつあつた。089ある夜(よ)の夢(ゆめ)に何処(いづこ)ともなく『エデンの園(その)』といふ声(こゑ)が聞(きこ)えた。090八王(やつわう)大神(だいじん)は直(ただち)にエデンの宮殿(きうでん)に致(いた)り、091盤古(ばんこ)大神(だいじん)に願(ねが)ひ、092エデンの園(その)を隈(くま)なく捜索(そうさく)せむことを使者(ししや)をして乞(こ)はしめた。093盤古(ばんこ)大神(だいじん)は信書(しんしよ)を認(したた)め、094使者(ししや)をして持(も)ち帰(かへ)らしめた。095常世彦(とこよひこ)は恭(うやうや)しく押(お)しいただきこれを披見(ひけん)して、096かつ喜(よろこ)びかつ驚(おどろ)きぬ。
097(大正一一・一・四 旧大正一〇・一二・七 吉見清子録)
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