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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第5巻(辰の巻)
序文
凡例
総説嵐の跡
第1篇 動天驚地
第1章 栄華の夢
第2章 松竹梅
第3章 臭黄の鼻
第4章 奇縁万状
第5章 盲亀の浮木
第6章 南天王
第7章 三拍子
第8章 顕恩郷
第9章 鶴の温泉
第2篇 中軸移動
第10章 奇々怪々
第11章 蜃気楼
第12章 不食不飲
第13章 神憑の段
第14章 審神者
第15章 石搗歌
第16章 霊夢
第3篇 予言と警告
第17章 勢力二分
第18章 宣伝使
第19章 旭日出暗
第20章 猿蟹合戦
第21章 小天国
第22章 神示の方舟
第4篇 救世の神示
第23章 神の御綱
第24章 天の浮橋
第25章 姫神の宣示
第26章 艮坤の二霊
第27章 唖の対面
第28章 地教山の垂示
第5篇 宇宙精神
第29章 神慮洪遠
第30章 真帆片帆
第31章 万波洋々
第32章 波瀾重畳
第33章 暗夜の光明
第34章 水魚の情交
第6篇 聖地の憧憬
第35章 波上の宣伝
第36章 言霊の響
第37章 片輪車
第38章 回春の歓
第39章 海辺の雑話
第40章 紅葉山
第41章 道神不二
第42章 神玉両純
第7篇 宣伝又宣伝
第43章 長恨歌
第44章 夜光の頭
第45章 魂脱問答
第46章 油断大敵
第47章 改言改過
第48章 弥勒塔
第49章 水魚の煩悶
第50章 磐樟船
余白歌
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霊主体従(第1~12巻)
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第5巻(辰の巻)
> 第3篇 予言と警告 > 第18章 宣伝使
<<< 勢力二分
(B)
(N)
旭日出暗 >>>
第一八章
宣伝使
(
せんでんし
)
〔二一八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻
篇:
第3篇 予言と警告
よみ(新仮名遣い):
よげんとけいこく
章:
第18章 宣伝使
よみ(新仮名遣い):
せんでんし
通し章番号:
218
口述日:
1922(大正11)年01月09日(旧12月12日)
口述場所:
筆録者:
井上留五郎
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年4月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
国祖が野立彦命として現れた天教山には、木花姫命の招きにより、四天使(大八洲彦命=月照彦神、言霊別命=少彦名神、神国別命=弘子彦神、大足彦=足真彦)、国直姫命=国照姫神、大道別=日の出神、磐楠彦(万寿山の八王)=磐戸別神、斎代彦(天山の八王)=祝部神、大島別(南高山の八王)=太田神、鬼武彦=大江神、月日明神(高倉、旭の合体神)をはじめとする神々らであった。
召集された神々は、野立彦命の神勅を奉じて、予言者となって世界各地に派遣された。その神言は、『三千世界一度に開く梅の花、月日と土の恩を知れ、心一つの救ひの神ぞ、天教山に現はれる』というものであった。
しかし神々はこの予言を軽視し、単なる流行歌としてのみ聞き流していた。
あるとき、常世神王・大自在天は、門前に月日明神が予言歌を節面白く歌っているのを聞いて招き、宴席で歌い舞わせた。
月日明神の歌舞に、宴席の神々らは感嘆して見とれていたが、常世神王は苦悶と恐怖の色を浮かべて、落ち着かない様子であった。部下の問いかけにも、常世神王はただ、月日明神を賓客として大切に扱うように、とだけ言い残して、奥殿に下がってしまった。
月日明神は『世の終わりが近づいたため、心底より懺悔せよ』と言い残して、姿は煙のように消えてしまった。
常世神王は、月日明神の童謡は普通の神人が作ったものではない、天上の神の予言警告である、として天地の神霊を奉斎すべき、と宣言した。そして、それについては盤古神王と心を合わせるべきであるとし、捕虜としていた盤古神王の娘・塩治姫とウラル彦の娘・玉春姫を送還した。
アーメニヤでは、常世神王がにわかに前非を悔いて捕虜を送還してきたことに慢心し、意気盛んになった。そこへ、三千世界一度に開く梅の花、と歌う宣伝使・日の出神の声が聞こえてきた。
盤古神王はその歌を聞くと、威徳に打たれてその場に平伏した。しかしウラル彦夫妻は冷笑を浮かべるのみであった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm0518
愛善世界社版:
105頁
八幡書店版:
第1輯 554頁
修補版:
校定版:
107頁
普及版:
48頁
初版:
ページ備考:
001
ここに
天教山
(
てんけうざん
)
(
一名
(
いちめい
)
須弥仙
(
しゆみせん
)
山
(
ざん
)
ともいふ)に
鎮
(
しづ
)
まり
坐
(
ま
)
す
木花姫
(
このはなひめの
)
命
(
みこと
)
の
招
(
まね
)
きにより、
002
集
(
あつま
)
つた
神人
(
かみ
)
は、
003
大八洲彦
(
おおやしまひこの
)
命
(
みこと
)
(
一名
(
いちめい
)
月照彦
(
つきてるひこの
)
神
(
かみ
)
)、
004
大足彦
(
おほだるひこ
)
(
一名
(
いちめい
)
足真彦
(
だるまひこ
)
)、
005
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
(
一名
(
いちめい
)
少彦名
(
すくなひこなの
)
神
(
かみ
)
)、
006
神国別
(
かみくにわけの
)
命
(
みこと
)
(
一名
(
いちめい
)
弘子彦
(
ひろやすひこの
)
神
(
かみ
)
)、
007
国直姫
(
くになほひめの
)
命
(
みこと
)
(
一名
(
いちめい
)
国照姫
(
くにてるひめの
)
神
(
かみ
)
)、
008
大道別
(
おほみちわけ
)
(
一名
(
いちめい
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
)、
009
磐樟彦
(
いはくすひこ
)
(
一名
(
いちめい
)
磐戸別
(
いはとわけの
)
神
(
かみ
)
)、
010
斎代彦
(
ときよひこ
)
(
一名
(
いちめい
)
祝部
(
はふりべの
)
神
(
かみ
)
)、
011
大島別
(
おおしまわけ
)
(
一名
(
いちめい
)
太田
(
おほたの
)
神
(
かみ
)
)、
012
鬼武彦
(
おにたけひこ
)
(
一名
(
いちめい
)
大江
(
おほえの
)
神
(
かみ
)
)、
013
高倉
(
たかくら
)
、
014
旭
(
あさひ
)
の
二神
(
にしん
)
合体
(
がつたい
)
して
月日
(
つきひ
)
明神
(
みやうじん
)
015
その
他
(
た
)
の
神人
(
かみがみ
)
なりける。
016
それらの
神人
(
かみがみ
)
は、
017
天教山
(
てんけうざん
)
の
中腹
(
ちうふく
)
青木
(
あをき
)
ケ
原
(
はら
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
に
会
(
くわい
)
し、
018
野立彦
(
のだちひこの
)
命
(
みこと
)
の
神勅
(
しんちよく
)
を
奉
(
ほう
)
じ、
019
天下
(
てんか
)
の
神人
(
しんじん
)
を
覚醒
(
かくせい
)
すべく、
020
予言者
(
よげんしや
)
となりて
世界
(
せかい
)
の
各地
(
かくち
)
に
派遣
(
はけん
)
せられた。
021
その
予言
(
よげん
)
の
言葉
(
ことば
)
にいふ。
022
『
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
、
023
月日
(
つきひ
)
と
土
(
つち
)
の
恩
(
おん
)
を
知
(
し
)
れ、
024
心
(
こころ
)
一
(
ひと
)
つの
救
(
すく
)
ひの
神
(
かみ
)
ぞ、
025
天教山
(
てんけうざん
)
に
現
(
あら
)
はれる』
026
以上
(
いじやう
)
の
諸神人
(
しよしん
)
はこの
神言
(
かみごと
)
を
唱
(
とな
)
へつつ、
027
あるひは
童謡
(
どうえう
)
に、
028
あるひは
演芸
(
えんげい
)
に、
029
あるひは
音楽
(
おんがく
)
に
ことよせ
、
030
千辛
(
せんしん
)
万苦
(
ばんく
)
して
窃
(
ひそか
)
に
国祖
(
こくそ
)
の
予言
(
よげん
)
警告
(
けいこく
)
を
宣伝
(
せんでん
)
した。
031
されど、
032
大蛇
(
をろち
)
や
金狐
(
きんこ
)
の
邪霊
(
じやれい
)
に
心底
(
しんてい
)
より
誑惑
(
けうわく
)
され
切
(
き
)
つたる
神人
(
かみがみ
)
らは、
033
ほとんどこの
予言
(
よげん
)
を
軽視
(
けいし
)
し、
034
酒宴
(
しゆえん
)
の
席
(
せき
)
における
流行歌
(
はやりうた
)
とのみ
聞
(
き
)
きながし、
035
事
(
こと
)
に
触
(
ふ
)
れ
物
(
もの
)
に
接
(
せつ
)
してただちに
口吟
(
くちずさ
)
みながら、
036
その
警告
(
けいこく
)
の
真意
(
しんい
)
を
研究
(
けんきう
)
し、
037
日月
(
じつげつ
)
の
神恩
(
しんおん
)
を
感謝
(
かんしや
)
し、
038
身魂
(
みたま
)
を
錬磨
(
れんま
)
せむとする
者
(
もの
)
は、
039
ほとんど
千中
(
せんちう
)
の
一
(
いち
)
にも
当
(
あた
)
らぬくらゐであつた。
040
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
は、
041
門前
(
もんぜん
)
に
節
(
ふし
)
面白
(
おもしろ
)
く「
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
云々
(
うんぬん
)
」と
歌
(
うた
)
ひくる
月日
(
つきひ
)
明神
(
みやうじん
)
の
童謡
(
どうえう
)
を
聞
(
き
)
いて
首
(
くび
)
をかたむけ、
042
大鷹別
(
おほたかわけ
)
をして
月日
(
つきひ
)
明神
(
みやうじん
)
をともなひ
殿中
(
でんちう
)
に
招
(
まね
)
き、
043
諸神
(
しよしん
)
満座
(
まんざ
)
の
中
(
なか
)
にてこの
歌
(
うた
)
を
謡
(
うた
)
はしめた。
044
月日
(
つきひ
)
明神
(
みやうじん
)
は、
045
面白
(
おもしろ
)
く
手拍子
(
てべうし
)
足拍子
(
あしべうし
)
を
揃
(
そろ
)
へ、
046
かつ
優美
(
いうび
)
に
歌
(
うた
)
ひ
舞
(
ま
)
ひはじめた。
047
いづれもその
妙技
(
めうぎ
)
に
感嘆
(
かんたん
)
して
見
(
み
)
とれゐたり。
048
神人
(
かみがみ
)
らは、
049
嬉々
(
きき
)
として
天女
(
てんによ
)
の
音楽
(
おんがく
)
を
聴
(
き
)
くごとく
勇
(
いさ
)
みたち、
050
中
(
なか
)
には
自
(
みづか
)
ら
起
(
た
)
ちてその
歌
(
うた
)
をうたひ、
051
月日
(
つきひ
)
明神
(
みやうじん
)
と
相並
(
あひなら
)
んで
品
(
ひん
)
よく
踊
(
をど
)
り
狂
(
くる
)
ふものあり。
052
殿内
(
でんない
)
は
神人
(
かみがみ
)
らの
歓喜
(
くわんき
)
の
声
(
こゑ
)
に
充
(
みた
)
されて
春
(
はる
)
のやうであつた。
053
独
(
ひと
)
り
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
は、
054
神人
(
かみがみ
)
らの
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
み
踊
(
をど
)
り
狂
(
くる
)
うて
他愛
(
たあい
)
なきに
引
(
ひ
)
きかへ、
055
両手
(
りやうて
)
に
頭
(
あたま
)
を
抑
(
おさ
)
へながら
苦悶
(
くもん
)
に
堪
(
た
)
へざる
面持
(
おももち
)
にて、
056
始終
(
しじう
)
俯
(
うつむ
)
きがちにその
両眼
(
りやうがん
)
よりは
涙
(
なみだ
)
を
垂
(
た
)
らし、
057
かつ
恐怖
(
きようふ
)
戦慄
(
せんりつ
)
の
色
(
いろ
)
をあらはし、
058
何
(
なん
)
となく
落着
(
おちつ
)
かぬ
様子
(
やうす
)
であつた。
059
この
様子
(
やうす
)
を
窺
(
うかが
)
ひ
知
(
し
)
つたる
大鷹別
(
おほたかわけ
)
は、
060
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
の
御前
(
みまへ
)
に
恭
(
うやうや
)
しく
拝礼
(
はいれい
)
し、
061
かついふ、
062
『
神王
(
しんわう
)
は、
063
何故
(
なぜ
)
かかる
面白
(
おもしろ
)
き
歌舞
(
かぶ
)
を
みそなは
しながら、
064
憂鬱
(
いううつ
)
煩慮
(
はんりよ
)
の
体
(
てい
)
にましますや、
065
一応
(
いちおう
)
合点
(
がてん
)
ゆかず、
066
御
(
ご
)
真意
(
しんい
)
を
承
(
うけたま
)
はりたし、
067
小子
(
せうし
)
の
力
(
ちから
)
に
及
(
およ
)
ぶことならば、
068
いかなる
難事
(
なんじ
)
といへども、
069
神王
(
しんわう
)
のためには
一身
(
いつしん
)
を
惜
(
を
)
しまず
仕
(
つか
)
へまつらむ』
070
と
至誠
(
しせい
)
面
(
おもて
)
にあらはれて
進言
(
しんげん
)
した。
071
されど、
072
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
はただ
俯向
(
うつむ
)
いて
一言
(
いちごん
)
も
発
(
はつ
)
せず、
073
溜息
(
ためいき
)
吐息
(
といき
)
を
吐
(
は
)
くばかりであつた。
074
大鷹別
(
おほたかわけ
)
は
重
(
かさ
)
ねてその
真意
(
しんい
)
を
言葉
(
ことば
)
しづかに
伺
(
うかが
)
つた。
075
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
はただ
一言
(
いちごん
)
、
076
『
月日
(
つきひ
)
明神
(
みやうじん
)
を
大切
(
たいせつ
)
に
饗応
(
きやうおう
)
し、
077
本城
(
ほんじやう
)
の
主賓
(
しゆひん
)
として
優待
(
いうたい
)
せよ』
078
といひ
残
(
のこ
)
し、
079
奥殿
(
おくでん
)
に
逸早
(
いちはや
)
く
姿
(
すがた
)
をかくした。
080
月日
(
つきひ
)
明神
(
みやうじん
)
は
衆神
(
しうじん
)
にむかひ、
081
『
世
(
よ
)
の
終
(
をは
)
りは
近
(
ちか
)
づけり、
082
天地
(
てんち
)
の
神明
(
しんめい
)
に
身魂
(
みたま
)
の
罪
(
つみ
)
を
心底
(
しんてい
)
より
謝罪
(
しやざい
)
せよ』
083
といひつつ、
084
姿
(
すがた
)
は
烟
(
けむり
)
のごとく
消
(
き
)
えてしまつた。
085
しばらくあつて
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
は
大鷹別
(
おほたかわけ
)
にむかひ、
086
『
旭
(
あさひ
)
明神
(
みやうじん
)
とやらの
唱
(
とな
)
ふる
童謡
(
どうえう
)
は、
087
普通
(
ふつう
)
一般
(
いつぱん
)
の
神人
(
しんじん
)
の
作
(
つく
)
りし
歌
(
うた
)
にあらず、
088
天上
(
てんじやう
)
にまします
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
予言
(
よげん
)
警告
(
けいこく
)
なれば、
089
吾
(
われ
)
らは
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
前非
(
ぜんぴ
)
を
悔
(
く
)
い、
090
月日
(
つきひ
)
と
土
(
つち
)
の
大恩
(
たいおん
)
を
感謝
(
かんしや
)
し、
091
天地
(
てんち
)
の
神霊
(
しんれい
)
を
奉斎
(
ほうさい
)
せざるべからず。
092
是
(
これ
)
については
吾々
(
われわれ
)
も
一大
(
いちだい
)
決心
(
けつしん
)
を
要
(
えう
)
す。
093
すみやかに
盤古
(
ばんこ
)
神王
(
しんわう
)
の
娘
(
むすめ
)
塩治姫
(
しほはるひめ
)
およびウラル
彦
(
ひこ
)
の
娘
(
むすめ
)
玉春姫
(
たまはるひめ
)
をアーメニヤの
神都
(
しんと
)
に
礼
(
れい
)
を
厚
(
あつ
)
くしてこれを
送還
(
そうくわん
)
し、
094
時
(
とき
)
を
移
(
うつ
)
さずロッキー
山上
(
さんじやう
)
に
仮殿
(
かりどの
)
を
建
(
た
)
て、
095
すみやかに
転居
(
てんきよ
)
の
準備
(
じゆんび
)
に
着手
(
ちやくしゆ
)
せよ』
096
と
厳命
(
げんめい
)
した。
097
大鷹別
(
おほたかわけ
)
は
神王
(
しんわう
)
の
真意
(
しんい
)
を
解
(
かい
)
しかね、
098
心中
(
しんちう
)
に
馬鹿
(
ばか
)
らしく
感
(
かん
)
じつつも、
099
命
(
めい
)
のごとく
数多
(
あまた
)
の
神人
(
かみがみ
)
をして
二
(
に
)
女性
(
ぢよせい
)
をアーメニヤに
送還
(
そうくわん
)
せしめ、
100
ロッキー
山
(
ざん
)
の
頂上
(
ちやうじやう
)
に
土引
(
つちひ
)
き
均
(
なら
)
し、
101
形
(
かたち
)
ばかりの
仮殿
(
かりどの
)
を
建設
(
けんせつ
)
することとなつた。
102
アーメニヤの
神都
(
しんと
)
にては、
103
盤古
(
ばんこ
)
神王
(
しんわう
)
をはじめウラル
彦
(
ひこ
)
は、
104
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
の
俄
(
にはか
)
に
前非
(
ぜんぴ
)
を
悔
(
く
)
い、
105
心底
(
しんてい
)
より
帰順
(
きじゆん
)
したる
表徴
(
へうちよう
)
として
安堵
(
あんど
)
し、
106
かつ
軽侮
(
けいぶ
)
の
念
(
ねん
)
を
高
(
たか
)
めつつ
意気
(
いき
)
衝天
(
しようてん
)
の
勢
(
いきほ
)
ひであつた。
107
頃
(
ころ
)
しも
仮
(
かり
)
宮殿
(
きうでん
)
の
傍近
(
そばちか
)
く、
108
『
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
』
109
と
謡
(
うた
)
うて
通
(
とほ
)
る
言触
(
ことぶれの
)
神
(
かみ
)
(
宣伝使
(
せんでんし
)
)があつた。
110
盤古
(
ばんこ
)
神王
(
しんわう
)
はこの
声
(
こゑ
)
に
耳
(
みみ
)
をそばだて
胸
(
むね
)
を
抑
(
おさ
)
へてその
場
(
ば
)
に
平伏
(
へいふく
)
した。
111
この
声
(
こゑ
)
の
耳
(
みみ
)
に
入
(
い
)
るとともに
頭
(
かしら
)
は
割
(
わ
)
るるがごとく、
112
胸
(
むね
)
は
引
(
ひ
)
き
裂
(
さ
)
くるごとくに
感
(
かん
)
じたからである。
113
ウラル
彦
(
ひこ
)
夫妻
(
ふさい
)
は、
114
神王
(
しんわう
)
のこの
様子
(
やうす
)
を
見
(
み
)
て
不審
(
ふしん
)
に
堪
(
た
)
へず、
115
あわただしく
駆
(
か
)
けよつて
介抱
(
かいほう
)
せむとした。
116
神王
(
しんわう
)
は
右
(
みぎ
)
の
手
(
て
)
を
挙
(
あ
)
げて
左右
(
さいう
)
に
振
(
ふ
)
り、
117
苦
(
くる
)
しき
息
(
いき
)
を
吐
(
つ
)
きながら、
118
『ただ
今
(
いま
)
の
言触
(
ことぶれの
)
神
(
かみ
)
の
声
(
こゑ
)
を
聴
(
き
)
け』
119
といつた。
120
二神
(
にしん
)
は
答
(
こた
)
へて、
121
『
彼
(
かれ
)
は
神人
(
かみがみ
)
らに
食
(
しよく
)
を
求
(
もと
)
めて
天下
(
てんか
)
を
遍歴
(
へんれき
)
する
流浪人
(
さすらひびと
)
なり、
122
かくのごとき
神人
(
かみがみ
)
の
言
(
げん
)
を
信
(
しん
)
じて
心身
(
しんしん
)
を
悩
(
なや
)
ませたまふは、
123
平素
(
へいそ
)
英邁
(
えいまい
)
にして
豪胆
(
がうたん
)
なる
神王
(
しんわう
)
の
御
(
お
)
言葉
(
ことば
)
とも
覚
(
おぼ
)
えず、
124
貴下
(
きか
)
は
神経
(
しんけい
)
を
悩
(
なや
)
ましたまふにあらざるか』
125
とやや
冷笑
(
れいせう
)
を
浮
(
うか
)
べて
問
(
と
)
ひかけた。
126
神王
(
しんわう
)
は
二人
(
ふたり
)
の
言葉
(
ことば
)
の
耳
(
みみ
)
にも
入
(
い
)
らざるごとき
様子
(
やうす
)
にて、
127
両手
(
りやうて
)
を
合
(
あは
)
せ、
128
或
(
あるひ
)
は
天
(
てん
)
を
拝
(
はい
)
し
或
(
あるひ
)
は
地
(
ち
)
を
拝
(
はい
)
し、
129
『
月日
(
つきひ
)
と
土
(
つち
)
の
恩
(
おん
)
を
知
(
し
)
れ、
130
月日
(
つきひ
)
と
土
(
つち
)
の
恩
(
おん
)
を
知
(
し
)
れ、
131
世界
(
せかい
)
の
神人
(
しんじん
)
の
罪
(
つみ
)
を
赦
(
ゆる
)
し、
132
吾
(
われ
)
ら
一族
(
いちぞく
)
をこの
大難
(
だいなん
)
より
救
(
すく
)
はせたまへ』
133
と
流汗
(
りうかん
)
淋漓
(
りんり
)
、
134
無我
(
むが
)
夢中
(
むちう
)
に
祈願
(
きぐわん
)
をこらす。
135
ウラル
彦
(
ひこ
)
夫妻
(
ふさい
)
は、
136
この
体
(
てい
)
を
見
(
み
)
て
可笑
(
をか
)
しさに
堪
(
た
)
へかね
噴出
(
ふきだ
)
さむばかりになつたが、
137
神王
(
しんわう
)
の
御前
(
みまへ
)
をはばかつて、
138
両眼
(
りやうがん
)
より
可笑
(
をか
)
し
涙
(
なみだ
)
を
垂
(
た
)
らしてこの
場
(
ば
)
を
退
(
ひ
)
きさがつてしまつた。
139
そしてこの
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれた
言触
(
ことぶれの
)
神
(
かみ
)
は
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
であつた。
140
(
大正一一・一・九
旧大正一〇・一二・一二
井上留五郎
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(B)
(N)
旭日出暗 >>>
霊界物語
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