霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第5巻(辰の巻)
序文
凡例
総説嵐の跡
第1篇 動天驚地
第1章 栄華の夢
第2章 松竹梅
第3章 臭黄の鼻
第4章 奇縁万状
第5章 盲亀の浮木
第6章 南天王
第7章 三拍子
第8章 顕恩郷
第9章 鶴の温泉
第2篇 中軸移動
第10章 奇々怪々
第11章 蜃気楼
第12章 不食不飲
第13章 神憑の段
第14章 審神者
第15章 石搗歌
第16章 霊夢
第3篇 予言と警告
第17章 勢力二分
第18章 宣伝使
第19章 旭日出暗
第20章 猿蟹合戦
第21章 小天国
第22章 神示の方舟
第4篇 救世の神示
第23章 神の御綱
第24章 天の浮橋
第25章 姫神の宣示
第26章 艮坤の二霊
第27章 唖の対面
第28章 地教山の垂示
第5篇 宇宙精神
第29章 神慮洪遠
第30章 真帆片帆
第31章 万波洋々
第32章 波瀾重畳
第33章 暗夜の光明
第34章 水魚の情交
第6篇 聖地の憧憬
第35章 波上の宣伝
第36章 言霊の響
第37章 片輪車
第38章 回春の歓
第39章 海辺の雑話
第40章 紅葉山
第41章 道神不二
第42章 神玉両純
第7篇 宣伝又宣伝
第43章 長恨歌
第44章 夜光の頭
第45章 魂脱問答
第46章 油断大敵
第47章 改言改過
第48章 弥勒塔
第49章 水魚の煩悶
第50章 磐樟船
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サブスク完了しました
。どうもありがとうございます。
|
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい
霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
>
第5巻(辰の巻)
> 第2篇 中軸移動 > 第14章 審神者
<<< 神憑の段
(B)
(N)
石搗歌 >>>
第一四章
審神者
(
さには
)
〔二一四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻
篇:
第2篇 中軸移動
よみ(新仮名遣い):
ちゅうじくいどう
章:
第14章 審神者
よみ(新仮名遣い):
さにわ
通し章番号:
214
口述日:
1922(大正11)年01月07日(旧12月10日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年4月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
竜山別は神がかりの状態で小高き丘陵に飛び上がると、盤古大神を非難した。
盤古大神は少しも動ぜず、鎮魂の姿勢を取って対峙した。また、常世姫の襟首を掴むと大地に思い切り投げつけた。常世姫は神がかりが解け、元の温和な性格に戻ってしまった。
このように、邪神は四魂を弱らせ、肉体を衰えさせて憑依するのである。深山幽谷で苦行をなすのは、すでに邪神に精神を惑わされてしまっている証拠である。
神がかりの修法のためには、正食をなし、心身ともに強壮にして爽快である必要があるのである。
盤古大神の審神は功を奏して、いったんは邪霊どもを追い払うことができたが、一度憑依した悪霊は、全部脱却することは難しい。悪霊の部分が、体内に浸潤してしまっていたのである。
そのため次第次第に常世彦、常世姫、竜山別は悪神の本性を表し、ついにまったく八頭八尾の大蛇の容器となって、神界を混乱させてしまうに至るのである。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-03-25 17:53:52
OBC :
rm0514
愛善世界社版:
83頁
八幡書店版:
第1輯 547頁
修補版:
校定版:
85頁
普及版:
39頁
初版:
ページ備考:
001
このとき
竜山別
(
たつやまわけ
)
はたちまち
神憑
(
かむがか
)
りして、
002
小高
(
こだか
)
き
丘陵
(
きうりよう
)
に
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
り、
003
眼下
(
がんか
)
に
神人
(
かみがみ
)
らを
梟鳥
(
ふくろどり
)
の
円
(
まる
)
き
目玉
(
めだま
)
に
睨
(
ね
)
めつけながら、
004
『
吾
(
われ
)
こそは
日
(
ひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
、
005
月
(
つき
)
の
大神
(
おほかみ
)
、
006
国治立
(
くにはるたち
)
の
大神
(
おほかみ
)
なるぞ。
007
ただいま
常世姫
(
とこよひめ
)
に
神憑
(
かむがか
)
りしたる
玉津姫
(
たまつひめの
)
命
(
みこと
)
の
託宣
(
たくせん
)
を
馬耳
(
ばじ
)
東風
(
とうふう
)
と
聞
(
き
)
きながし、
008
剰
(
あま
)
つさへ
雑言
(
ざふごん
)
無礼
(
ぶれい
)
を
恣
(
ほしいまま
)
にしたる
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
塩長彦
(
しほながひこ
)
ははたして
何者
(
なにもの
)
ぞ。
009
汝
(
なんぢ
)
は
六面
(
ろくめん
)
八臂
(
はつぴ
)
の
鬼神
(
おにがみ
)
の
魔軍
(
まぐん
)
に
襲撃
(
しふげき
)
され、
010
危急
(
ききふ
)
存亡
(
そんばう
)
の
場合
(
ばあひ
)
を
八頭
(
やつがしら
)
八尾
(
やつを
)
の
大蛇
(
をろち
)
の
神
(
かみ
)
に
救
(
すく
)
はれしに
非
(
あら
)
ずや。
011
神力
(
しんりき
)
無辺
(
むへん
)
なる
八頭
(
やつがしら
)
八尾
(
やつを
)
の
大蛇
(
をろち
)
の
神
(
かみ
)
の
憑
(
かか
)
りきつたる
常世彦
(
とこよひこ
)
の
妻神
(
つまがみ
)
常世姫
(
とこよひめ
)
の
生宮
(
いきみや
)
にたいして、
012
今
(
いま
)
の
雑言
(
ざふごん
)
聞
(
き
)
き
捨
(
ず
)
てならず。
013
神界
(
しんかい
)
の
規則
(
きそく
)
に
照
(
て
)
らし
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
はこの
場
(
ば
)
かぎり
神界
(
しんかい
)
総統者
(
そうとうしや
)
の
職
(
しよく
)
を
去
(
さ
)
り、
014
その
後任
(
こうにん
)
に
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
を
据
(
す
)
ゑたてまつりなば、
015
万古
(
ばんこ
)
不易
(
ふえき
)
の
神政
(
しんせい
)
は
完全
(
くわんぜん
)
無欠
(
むけつ
)
に
樹立
(
じゆりつ
)
さるべし。
016
満座
(
まんざ
)
の
神人
(
かみがみ
)
ども、
017
大神
(
おほかみ
)
の
言葉
(
ことば
)
を
信
(
しん
)
ずるや
否
(
いな
)
や、
018
返答
(
へんたふ
)
聞
(
き
)
かむ』
019
と
呶鳴
(
どな
)
りつつ
物凄
(
ものすご
)
き
目
(
め
)
をむき
出
(
だ
)
し、
020
口
(
くち
)
を
右上方
(
みぎじやうはう
)
につり
上
(
あ
)
げ、
021
水
(
みづ
)
ばな
を
長
(
なが
)
く
大地
(
だいち
)
に
垂
(
た
)
れながら、
022
さも
厳
(
おごそ
)
かに
宣言
(
せんげん
)
した。
023
あまたの
神人
(
かみがみ
)
は
審神
(
さには
)
の
術
(
じゆつ
)
を
知
(
し
)
らず、
024
日
(
ひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
はじめ
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
一度
(
いちど
)
に
懸
(
かか
)
らせたまひしものと
信
(
しん
)
じ、
025
頭
(
かうべ
)
を
得上
(
えあ
)
ぐるものも、
026
一言
(
いちごん
)
の
答弁
(
たふべん
)
をなすものもなかつた。
027
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
は
空嘯
(
そらうそぶ
)
きて
満面
(
まんめん
)
に
冷笑
(
れいせう
)
を
湛
(
たた
)
へ、
028
常世姫
(
とこよひめ
)
の
面体
(
めんてい
)
を
凝視
(
ぎようし
)
し、
029
鎮魂
(
ちんこん
)
の
姿勢
(
しせい
)
を
取
(
と
)
つてゐた。
030
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
の
眼光
(
ぐわんくわう
)
に
睨
(
にら
)
みつけられたる
常世姫
(
とこよひめ
)
の
神憑
(
かむがか
)
りは、
031
左右
(
さいう
)
の
袖
(
そで
)
に
顔
(
かほ
)
をかくし、
032
泣
(
な
)
き
声
(
ごゑ
)
をふりしぼり、
033
『
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
常世彦
(
とこよひこ
)
よ。
034
いま
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
には、
035
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
に
年古
(
としふる
)
く
棲
(
す
)
める
古狸
(
ふるだぬき
)
の
霊
(
れい
)
、
036
憑依
(
ひようい
)
してこの
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
を
無礼
(
ぶれい
)
千万
(
せんばん
)
にも
睨
(
ね
)
めつけをれり。
037
神力
(
しんりき
)
をもつて
速
(
すみ
)
やかに
彼
(
かれ
)
を
退去
(
たいきよ
)
せしめ、
038
貴下
(
きか
)
は
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
の
地位
(
ちゐ
)
に
就
(
つ
)
かるべし。
039
神勅
(
しんちよく
)
は
至正
(
しせい
)
至直
(
しちよく
)
にして
寸毫
(
すんがう
)
も
犯
(
をか
)
すべからず、
040
満座
(
まんざ
)
の
神人
(
かみ
)
異存
(
いぞん
)
あるや、
041
返答
(
へんたふ
)
聞
(
き
)
かむ。
042
かくも
大神
(
おほかみ
)
の
言葉
(
ことば
)
をもつて
神人
(
かみがみ
)
に
宣示
(
せんじ
)
すれども、
043
一言
(
いちごん
)
の
応
(
いら
)
へなきは、
044
汝
(
なんぢ
)
ら
諸神人
(
しよしん
)
は
神
(
かみ
)
の
言葉
(
ことば
)
を
信
(
しん
)
ぜざるか、
045
ただしは
神
(
かみ
)
を
軽蔑
(
けいべつ
)
するか。
046
かよわき
常世姫
(
とこよひめ
)
の
生宮
(
いきみや
)
として、
047
歯牙
(
しが
)
にかけざるごとき
態度
(
たいど
)
をなすは
無礼
(
ぶれい
)
のいたりなり。
048
アーラ
残念
(
ざんねん
)
や、
049
口惜
(
くちを
)
しやな』
050
と
云
(
い
)
ひつつ
丘陵
(
きうりよう
)
上
(
じやう
)
を
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
飛
(
と
)
んだり、
051
跳
(
は
)
ねたり、
052
転
(
ころ
)
んだり、
053
その
醜態
(
しうたい
)
は
目
(
め
)
もあてられぬ
有様
(
ありさま
)
であつた。
054
常世彦
(
とこよひこ
)
は、
055
やにはに
常世姫
(
とこよひめ
)
の
倒
(
たふ
)
れたる
前
(
まへ
)
に
進
(
すす
)
みいで、
056
襟首
(
えりくび
)
を
無雑作
(
むざふさ
)
に
猫
(
ねこ
)
でも
提
(
ひつさ
)
げたやうに
引掴
(
ひつつか
)
みて、
057
右
(
みぎ
)
の
片腕
(
かたうで
)
に
高
(
たか
)
くさしあげ、
058
大地
(
だいち
)
に
向
(
むか
)
つて
骨
(
ほね
)
も
砕
(
くだ
)
けよとばかり
投
(
な
)
げつけた。
059
常世姫
(
とこよひめ
)
はキヤツと
一声
(
いつせい
)
叫
(
さけ
)
ぶと
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に、
060
邪神
(
じやしん
)
の
神憑
(
かむがか
)
りはにはかに
止
(
や
)
んで、
061
又
(
また
)
もや、
062
もとの
優美
(
いうび
)
にして
温和
(
をんわ
)
なる
常世姫
(
とこよひめ
)
と
変
(
かは
)
つてしまつた。
063
かくのごとく
種々
(
しゆじゆ
)
の
悪神
(
あくがみ
)
たち、
064
大神
(
おほかみ
)
の
御名
(
みな
)
を
騙
(
かた
)
つて
神人
(
かみがみ
)
らに
一度
(
いちど
)
にどつと
憑依
(
ひようい
)
せしは、
065
数十
(
すうじふ
)
日
(
にち
)
の
断水
(
だんすゐ
)
断食
(
だんじき
)
のため
身体
(
しんたい
)
霊魂
(
れいこん
)
ともに
疲労
(
ひらう
)
衰耄
(
すいもう
)
の
極
(
きよく
)
に
達
(
たつ
)
し、
066
肉体
(
にくたい
)
としては
殆
(
ほとん
)
ど
蚤
(
のみ
)
一匹
(
いつぴき
)
の
力
(
ちから
)
さへなくなつた。
067
その
隙
(
すき
)
をねらつて
霊力
(
れいりよく
)
弱
(
よわ
)
き
邪神
(
じやしん
)
が
憑依
(
ひようい
)
したのである。
068
すべて
邪神
(
じやしん
)
の
憑依
(
ひようい
)
せむとするや、
069
天授
(
てんじゆ
)
の
四魂
(
しこん
)
を
弱
(
よわ
)
らせ、
070
肉体
(
にくたい
)
を
衰
(
おとろ
)
へさするをもつて
憑依
(
ひようい
)
の
第一
(
だいいち
)
方便
(
はうべん
)
とするものである。
071
ゆゑに
神道
(
しんだう
)
または
仏道
(
ぶつだう
)
の
修業者
(
しうげふしや
)
などが
深山
(
しんざん
)
幽谷
(
いうこく
)
に
分
(
わ
)
け
入
(
い
)
り、
072
滝水
(
たきみづ
)
にうたれ
火食
(
くわしよく
)
を
断
(
た
)
ち、
073
あるひは
断水
(
だんすゐ
)
の
行
(
ぎやう
)
をなし、
074
または
百
(
ひやく
)
日
(
にち
)
の
断食
(
だんじき
)
などをなすは、
075
その
最初
(
さいしよ
)
よりすでに
妖魅
(
えうみ
)
邪鬼
(
じやき
)
にその
精神
(
せいしん
)
を
蠱惑
(
こわく
)
されて
了
(
しま
)
つてゐるのである。
076
ゆゑに
神
(
かむ
)
がかりの
修養
(
しうやう
)
をなさむとせば、
077
まづ
第一
(
だいいち
)
に
正食
(
せいしよく
)
を
励
(
はげ
)
み、
078
身体
(
しんたい
)
を
強壮
(
きやうさう
)
にし、
079
身魂
(
しんこん
)
ともに
爽快
(
さうくわい
)
となりしとき、
080
初
(
はじ
)
めて
至真
(
ししん
)
、
081
至美
(
しび
)
、
082
至明
(
しめい
)
、
083
至直
(
しちよく
)
の
神霊
(
しんれい
)
にたいし
帰神
(
きしん
)
の
修業
(
しうげふ
)
をなし、
084
憑依
(
ひようい
)
または
降臨
(
かうりん
)
を
乞
(
こ
)
はねばならないのである。
085
総
(
すべ
)
て
神界
(
しんかい
)
には
正神界
(
せいしんかい
)
と
邪神界
(
じやしんかい
)
との
二大別
(
にだいべつ
)
あるは、
086
この
物語
(
ものがたり
)
を
一
(
いち
)
ぺん
読
(
よ
)
みたる
人
(
ひと
)
はすでに
諒解
(
りやうかい
)
されしことならむ。
087
されど
正邪
(
せいじや
)
の
区別
(
くべつ
)
は
人間
(
にんげん
)
として
如何
(
いか
)
に
賢明
(
けんめい
)
なりといへども、
088
これを
正確
(
せいかく
)
に
審判
(
しんぱん
)
することは
容易
(
ようい
)
でない。
089
邪神
(
じやしん
)
は
善
(
ぜん
)
の
仮面
(
かめん
)
を
被
(
かぶ
)
り、
090
善言
(
ぜんげん
)
美辞
(
びじ
)
を
連
(
つら
)
ね、
091
あるひは
一
(
いち
)
時
(
じ
)
幸福
(
かうふく
)
を
与
(
あた
)
へ、
092
あるひは
予言
(
よげん
)
をなし、
093
もつて
審神者
(
さには
)
の
心胆
(
しんたん
)
を
蕩
(
とろ
)
かし、
094
しかして
奥
(
おく
)
の
手
(
て
)
の
悪事
(
あくじ
)
を
遂行
(
すゐかう
)
せむとするものである。
095
また
善神
(
ぜんしん
)
は
概
(
おほむ
)
ね
神格
(
しんかく
)
容貌
(
ようばう
)
優秀
(
いうしう
)
にして、
096
何処
(
いづこ
)
ともなく
権威
(
けんゐ
)
に
打
(
う
)
たるるものである。
097
されど
中
(
なか
)
には
悪神
(
あくがみ
)
の
姿
(
すがた
)
と
変
(
へん
)
じ、
098
あるひは
悪言
(
あくげん
)
暴語
(
ばうご
)
を
連発
(
れんぱつ
)
し、
099
一
(
いち
)
時
(
じ
)
的
(
てき
)
災害
(
さいがい
)
を
下
(
くだ
)
し、
100
かつ
予言
(
よげん
)
の
不適中
(
ふてきちう
)
なること
屡
(
しばしば
)
なるものがある。
101
これらは
神界
(
しんかい
)
の
深
(
ふか
)
き
御
(
ご
)
経綸
(
けいりん
)
の
然
(
しか
)
らしむる
処
(
ところ
)
であつて、
102
人心
(
じんしん
)
小智
(
せうち
)
の
窺知
(
きち
)
し
得
(
う
)
べき
範囲
(
はんゐ
)
ではないのである。
103
ゆゑに
審神者
(
さには
)
たらむものは、
104
相当
(
さうたう
)
の
知識
(
ちしき
)
と
経験
(
けいけん
)
と
胆力
(
たんりよく
)
とがもつとも
必要
(
ひつえう
)
である。
105
かつ
幾分
(
いくぶん
)
か
霊界
(
れいかい
)
の
消息
(
せうそく
)
に
通
(
つう
)
じてゐなければ、
106
たうてい
正確
(
せいかく
)
な
審神者
(
さには
)
は
勤
(
つと
)
まらないのである。
107
世間
(
せけん
)
の
審神者
(
さには
)
先生
(
せんせい
)
の
神術
(
かむわざ
)
にたいしては、
108
ほとんど
合格者
(
がふかくしや
)
はないといつても
過言
(
くわげん
)
に
非
(
あら
)
ずと
思
(
おも
)
ふのである。
109
却説
(
さて
)
、
110
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
の
注意
(
ちうい
)
周到
(
しうたう
)
なる
審神
(
さには
)
はよくその
効
(
かう
)
を
奏
(
そう
)
し、
111
邪神
(
じやしん
)
はここに
化
(
ばけ
)
の
皮
(
かは
)
をむかれ、
112
一目散
(
いちもくさん
)
にウラルの
山上
(
さんじやう
)
目蒐
(
めが
)
けて
雲霞
(
くもかすみ
)
のごとく
逃
(
に
)
げ
帰
(
かへ
)
つた。
113
されど
一度
(
いちど
)
憑依
(
ひようい
)
せし
悪霊
(
あくれい
)
は
全部
(
ぜんぶ
)
脱却
(
だつきやく
)
することは
至難
(
しなん
)
の
業
(
わざ
)
である。
114
ちやうど
新
(
あたら
)
しき
徳利
(
とくり
)
に
酒
(
さけ
)
を
盛
(
も
)
り、
115
その
酒
(
さけ
)
を
残
(
のこ
)
らず
飲
(
の
)
み
干
(
ほ
)
し
空
(
から
)
にしたその
後
(
ご
)
も、
116
なほ
幾分
(
いくぶん
)
酒
(
さけ
)
の
香
(
にほひ
)
が
残存
(
ざんぞん
)
してゐるごとく、
117
悪霊
(
あくれい
)
の
幾
(
いく
)
部分
(
ぶぶん
)
はその
体内
(
たいない
)
に
浸潤
(
しんじゆん
)
してゐるのである。
118
この
神憑
(
かむがか
)
りありしより、
119
常世彦
(
とこよひこ
)
、
120
常世姫
(
とこよひめ
)
、
121
竜山別
(
たつやまわけ
)
も、
122
日
(
ひ
)
を
追
(
お
)
ひ
月
(
つき
)
を
重
(
かさ
)
ねて、
123
ますます
悪神
(
あくがみ
)
の
本性
(
ほんしやう
)
を
現
(
あら
)
はし、
124
つひには
全部
(
ぜんぶ
)
八頭
(
やつがしら
)
八尾
(
やつを
)
の
大蛇
(
をろち
)
の
容器
(
ようき
)
となり、
125
神界
(
しんかい
)
を
大混乱
(
だいこんらん
)
の
暗黒界
(
あんこくかい
)
と
化
(
くわ
)
してしまつたのである。
126
あゝ
慎
(
つつし
)
むべきは
審神
(
さには
)
の
研究
(
けんきう
)
と
神憑
(
かむがか
)
りの
修業
(
しうげふ
)
である。
127
(
大正一一・一・七
旧大正一〇・一二・一〇
加藤明子
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 神憑の段
(B)
(N)
石搗歌 >>>
霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
>
第5巻(辰の巻)
> 第2篇 中軸移動 > 第14章 審神者
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第14章 審神者|第5巻|霊主体従|霊界物語|/rm0514】
合言葉「みろく」を入力して下さい→