霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一四章 審神者(さには)〔二一四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻 篇:第2篇 中軸移動 よみ(新仮名遣い):ちゅうじくいどう
章:第14章 審神者 よみ(新仮名遣い):さにわ 通し章番号:214
口述日:1922(大正11)年01月07日(旧12月10日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年4月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
竜山別は神がかりの状態で小高き丘陵に飛び上がると、盤古大神を非難した。
盤古大神は少しも動ぜず、鎮魂の姿勢を取って対峙した。また、常世姫の襟首を掴むと大地に思い切り投げつけた。常世姫は神がかりが解け、元の温和な性格に戻ってしまった。
このように、邪神は四魂を弱らせ、肉体を衰えさせて憑依するのである。深山幽谷で苦行をなすのは、すでに邪神に精神を惑わされてしまっている証拠である。
神がかりの修法のためには、正食をなし、心身ともに強壮にして爽快である必要があるのである。
盤古大神の審神は功を奏して、いったんは邪霊どもを追い払うことができたが、一度憑依した悪霊は、全部脱却することは難しい。悪霊の部分が、体内に浸潤してしまっていたのである。
そのため次第次第に常世彦、常世姫、竜山別は悪神の本性を表し、ついにまったく八頭八尾の大蛇の容器となって、神界を混乱させてしまうに至るのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-03-25 17:53:52 文字数:2098 OBC :rm0514
愛善世界社版:83頁 八幡書店版:第1輯 547頁 修補版: 校定版:85頁 普及版:39頁 初版: ページ備考:
001 このとき竜山別(たつやまわけ)はたちまち神憑(かむがか)りして、002小高(こだか)き丘陵(きうりよう)に飛(と)び上(あが)り、003眼下(がんか)に神人(かみがみ)らを梟鳥(ふくろどり)の円(まる)き目玉(めだま)に睨(ね)めつけながら、
004『吾(われ)こそは日(ひ)の大神(おほかみ)、005月(つき)の大神(おほかみ)、006国治立(くにはるたち)の大神(おほかみ)なるぞ。007ただいま常世姫(とこよひめ)に神憑(かむがか)りしたる玉津姫(たまつひめの)命(みこと)の託宣(たくせん)を馬耳(ばじ)東風(とうふう)と聞(き)きながし、008剰(あま)つさへ雑言(ざふごん)無礼(ぶれい)を恣(ほしいまま)にしたる盤古(ばんこ)大神(だいじん)塩長彦(しほながひこ)ははたして何者(なにもの)ぞ。009汝(なんぢ)は六面(ろくめん)八臂(はつぴ)の鬼神(おにがみ)の魔軍(まぐん)に襲撃(しふげき)され、010危急(ききふ)存亡(そんばう)の場合(ばあひ)を八頭(やつがしら)八尾(やつを)の大蛇(をろち)の神(かみ)に救(すく)はれしに非(あら)ずや。011神力(しんりき)無辺(むへん)なる八頭(やつがしら)八尾(やつを)の大蛇(をろち)の神(かみ)の憑(かか)りきつたる常世彦(とこよひこ)の妻神(つまがみ)常世姫(とこよひめ)の生宮(いきみや)にたいして、012今(いま)の雑言(ざふごん)聞(き)き捨(ず)てならず。013神界(しんかい)の規則(きそく)に照(て)らし盤古(ばんこ)大神(だいじん)はこの場(ば)かぎり神界(しんかい)総統者(そうとうしや)の職(しよく)を去(さ)り、014その後任(こうにん)に八王(やつわう)大神(だいじん)を据(す)ゑたてまつりなば、015万古(ばんこ)不易(ふえき)の神政(しんせい)は完全(くわんぜん)無欠(むけつ)に樹立(じゆりつ)さるべし。016満座(まんざ)の神人(かみがみ)ども、017大神(おほかみ)の言葉(ことば)を信(しん)ずるや否(いな)や、018返答(へんたふ)聞(き)かむ』
019と呶鳴(どな)りつつ物凄(ものすご)き目(め)をむき出(だ)し、020口(くち)を右上方(みぎじやうはう)につり上(あ)げ、021水(みづ)ばなを長(なが)く大地(だいち)に垂(た)れながら、022さも厳(おごそ)かに宣言(せんげん)した。023あまたの神人(かみがみ)は審神(さには)の術(じゆつ)を知(し)らず、024日(ひ)の大神(おほかみ)はじめ尊(たふと)き神(かみ)の一度(いちど)に懸(かか)らせたまひしものと信(しん)じ、025頭(かうべ)を得上(えあ)ぐるものも、026一言(いちごん)の答弁(たふべん)をなすものもなかつた。027盤古(ばんこ)大神(だいじん)は空嘯(そらうそぶ)きて満面(まんめん)に冷笑(れいせう)を湛(たた)へ、028常世姫(とこよひめ)の面体(めんてい)を凝視(ぎようし)し、029鎮魂(ちんこん)の姿勢(しせい)を取(と)つてゐた。
030 盤古(ばんこ)大神(だいじん)の眼光(ぐわんくわう)に睨(にら)みつけられたる常世姫(とこよひめ)の神憑(かむがか)りは、031左右(さいう)の袖(そで)に顔(かほ)をかくし、032泣(な)き声(ごゑ)をふりしぼり、
033『八王(やつわう)大神(だいじん)常世彦(とこよひこ)よ。034いま盤古(ばんこ)大神(だいじん)には、035常世(とこよ)の国(くに)に年古(としふる)く棲(す)める古狸(ふるだぬき)の霊(れい)、036憑依(ひようい)してこの尊(たふと)き神(かみ)の生宮(いきみや)を無礼(ぶれい)千万(せんばん)にも睨(ね)めつけをれり。037神力(しんりき)をもつて速(すみ)やかに彼(かれ)を退去(たいきよ)せしめ、038貴下(きか)は盤古(ばんこ)大神(だいじん)の地位(ちゐ)に就(つ)かるべし。039神勅(しんちよく)は至正(しせい)至直(しちよく)にして寸毫(すんがう)も犯(をか)すべからず、040満座(まんざ)の神人(かみ)異存(いぞん)あるや、041返答(へんたふ)聞(き)かむ。042かくも大神(おほかみ)の言葉(ことば)をもつて神人(かみがみ)に宣示(せんじ)すれども、043一言(いちごん)の応(いら)へなきは、044汝(なんぢ)ら諸神人(しよしん)は神(かみ)の言葉(ことば)を信(しん)ぜざるか、045ただしは神(かみ)を軽蔑(けいべつ)するか。046かよわき常世姫(とこよひめ)の生宮(いきみや)として、047歯牙(しが)にかけざるごとき態度(たいど)をなすは無礼(ぶれい)のいたりなり。048アーラ残念(ざんねん)や、049口惜(くちを)しやな』
050と云(い)ひつつ丘陵(きうりよう)上(じやう)を前後(ぜんご)左右(さいう)に飛(と)んだり、051跳(は)ねたり、052転(ころ)んだり、053その醜態(しうたい)は目(め)もあてられぬ有様(ありさま)であつた。054常世彦(とこよひこ)は、055やにはに常世姫(とこよひめ)の倒(たふ)れたる前(まへ)に進(すす)みいで、056襟首(えりくび)を無雑作(むざふさ)に猫(ねこ)でも提(ひつさ)げたやうに引掴(ひつつか)みて、057右(みぎ)の片腕(かたうで)に高(たか)くさしあげ、058大地(だいち)に向(むか)つて骨(ほね)も砕(くだ)けよとばかり投(な)げつけた。059常世姫(とこよひめ)はキヤツと一声(いつせい)叫(さけ)ぶと見(み)る間(ま)に、060邪神(じやしん)の神憑(かむがか)りはにはかに止(や)んで、061又(また)もや、062もとの優美(いうび)にして温和(をんわ)なる常世姫(とこよひめ)と変(かは)つてしまつた。
063 かくのごとく種々(しゆじゆ)の悪神(あくがみ)たち、064大神(おほかみ)の御名(みな)を騙(かた)つて神人(かみがみ)らに一度(いちど)にどつと憑依(ひようい)せしは、065数十(すうじふ)日(にち)の断水(だんすゐ)断食(だんじき)のため身体(しんたい)霊魂(れいこん)ともに疲労(ひらう)衰耄(すいもう)の極(きよく)に達(たつ)し、066肉体(にくたい)としては殆(ほとん)ど蚤(のみ)一匹(いつぴき)の力(ちから)さへなくなつた。067その隙(すき)をねらつて霊力(れいりよく)弱(よわ)き邪神(じやしん)が憑依(ひようい)したのである。068すべて邪神(じやしん)の憑依(ひようい)せむとするや、069天授(てんじゆ)の四魂(しこん)を弱(よわ)らせ、070肉体(にくたい)を衰(おとろ)へさするをもつて憑依(ひようい)の第一(だいいち)方便(はうべん)とするものである。071ゆゑに神道(しんだう)または仏道(ぶつだう)の修業者(しうげふしや)などが深山(しんざん)幽谷(いうこく)に分(わ)け入(い)り、072滝水(たきみづ)にうたれ火食(くわしよく)を断(た)ち、073あるひは断水(だんすゐ)の行(ぎやう)をなし、074または百(ひやく)日(にち)の断食(だんじき)などをなすは、075その最初(さいしよ)よりすでに妖魅(えうみ)邪鬼(じやき)にその精神(せいしん)を蠱惑(こわく)されて了(しま)つてゐるのである。076ゆゑに神(かむ)がかりの修養(しうやう)をなさむとせば、077まづ第一(だいいち)に正食(せいしよく)を励(はげ)み、078身体(しんたい)を強壮(きやうさう)にし、079身魂(しんこん)ともに爽快(さうくわい)となりしとき、080初(はじ)めて至真(ししん)、081至美(しび)、082至明(しめい)、083至直(しちよく)の神霊(しんれい)にたいし帰神(きしん)の修業(しうげふ)をなし、084憑依(ひようい)または降臨(かうりん)を乞(こ)はねばならないのである。
085 総(すべ)て神界(しんかい)には正神界(せいしんかい)と邪神界(じやしんかい)との二大別(にだいべつ)あるは、086この物語(ものがたり)を一(いち)ぺん読(よ)みたる人(ひと)はすでに諒解(りやうかい)されしことならむ。087されど正邪(せいじや)の区別(くべつ)は人間(にんげん)として如何(いか)に賢明(けんめい)なりといへども、088これを正確(せいかく)に審判(しんぱん)することは容易(ようい)でない。089邪神(じやしん)は善(ぜん)の仮面(かめん)を被(かぶ)り、090善言(ぜんげん)美辞(びじ)を連(つら)ね、091あるひは一(いち)時(じ)幸福(かうふく)を与(あた)へ、092あるひは予言(よげん)をなし、093もつて審神者(さには)の心胆(しんたん)を蕩(とろ)かし、094しかして奥(おく)の手(て)の悪事(あくじ)を遂行(すゐかう)せむとするものである。095また善神(ぜんしん)は概(おほむ)ね神格(しんかく)容貌(ようばう)優秀(いうしう)にして、096何処(いづこ)ともなく権威(けんゐ)に打(う)たるるものである。097されど中(なか)には悪神(あくがみ)の姿(すがた)と変(へん)じ、098あるひは悪言(あくげん)暴語(ばうご)を連発(れんぱつ)し、099一(いち)時(じ)的(てき)災害(さいがい)を下(くだ)し、100かつ予言(よげん)の不適中(ふてきちう)なること屡(しばしば)なるものがある。101これらは神界(しんかい)の深(ふか)き御(ご)経綸(けいりん)の然(しか)らしむる処(ところ)であつて、102人心(じんしん)小智(せうち)の窺知(きち)し得(う)べき範囲(はんゐ)ではないのである。103ゆゑに審神者(さには)たらむものは、104相当(さうたう)の知識(ちしき)と経験(けいけん)と胆力(たんりよく)とがもつとも必要(ひつえう)である。105かつ幾分(いくぶん)か霊界(れいかい)の消息(せうそく)に通(つう)じてゐなければ、106たうてい正確(せいかく)な審神者(さには)は勤(つと)まらないのである。107世間(せけん)の審神者(さには)先生(せんせい)の神術(かむわざ)にたいしては、108ほとんど合格者(がふかくしや)はないといつても過言(くわげん)に非(あら)ずと思(おも)ふのである。
109 却説(さて)、110盤古(ばんこ)大神(だいじん)の注意(ちうい)周到(しうたう)なる審神(さには)はよくその効(かう)を奏(そう)し、111邪神(じやしん)はここに化(ばけ)の皮(かは)をむかれ、112一目散(いちもくさん)にウラルの山上(さんじやう)目蒐(めが)けて雲霞(くもかすみ)のごとく逃(に)げ帰(かへ)つた。113されど一度(いちど)憑依(ひようい)せし悪霊(あくれい)は全部(ぜんぶ)脱却(だつきやく)することは至難(しなん)の業(わざ)である。114ちやうど新(あたら)しき徳利(とくり)に酒(さけ)を盛(も)り、115その酒(さけ)を残(のこ)らず飲(の)み干(ほ)し空(から)にしたその後(ご)も、116なほ幾分(いくぶん)酒(さけ)の香(にほひ)が残存(ざんぞん)してゐるごとく、117悪霊(あくれい)の幾(いく)部分(ぶぶん)はその体内(たいない)に浸潤(しんじゆん)してゐるのである。118この神憑(かむがか)りありしより、119常世彦(とこよひこ)、120常世姫(とこよひめ)、121竜山別(たつやまわけ)も、122日(ひ)を追(お)ひ月(つき)を重(かさ)ねて、123ますます悪神(あくがみ)の本性(ほんしやう)を現(あら)はし、124つひには全部(ぜんぶ)八頭(やつがしら)八尾(やつを)の大蛇(をろち)の容器(ようき)となり、125神界(しんかい)を大混乱(だいこんらん)の暗黒界(あんこくかい)と化(くわ)してしまつたのである。126あゝ慎(つつし)むべきは審神(さには)の研究(けんきう)と神憑(かむがか)りの修業(しうげふ)である。
127(大正一一・一・七 旧大正一〇・一二・一〇 加藤明子録)
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