霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三一章 万波(ばんぱ)洋々(やうやう)〔二三一〕

インフォメーション
著者: 巻: 篇: よみ(新仮名遣い):
章: よみ(新仮名遣い): 通し章番号:
口述日: 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]: 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: 文字数: OBC :rm0531
愛善世界社版: 八幡書店版: 修補版: 校定版: 普及版: 初版: ページ備考:
001 阿修羅(あしゆら)王(わう)のごとく閻羅王(えんらわう)のごとき形相(ぎやうさう)凄(すさま)じき神(かみ)は、002巨眼(きよがん)を開(ひら)き、003船中(せんちう)の神人(かみがみ)らを睨(ね)めつけながら、
004牛雲別『神人(かみがみ)らよ、005余(よ)が宣示(せんじ)を耳(みみ)をさらへてよく承(うけたま)はれよ』
006と頭上(づじやう)より浴(あ)びせかけるやうに呶鳴(どな)りつけた。007[※校定版・八幡版ではここに「これは牛雲別である」という文言が挿入されている。直前の「神人らよ~」が誰のセリフなのか書いておらず、直後の祝部神のセリフと混同してしまうため、その文言を挿入したのではないかと思われる。もっと後ろの方になって、それが牛雲別のセリフだと判明する]
008 此方(こちら)の宣伝使(せんでんし)は例(れい)の祝部(はふりべの)神(かみ)である。009彼(かれ)は無雑作(むざふさ)に打(う)ち笑(わら)ひながら、
010祝部神『一(ひと)二(ふた)三(み)四(よ)五(いつ)六(むゆ)七(なな)八(や)九(ここの)十(たり)百(もも)千(ち)万(よろづ)
011百(もも)の千種(ちぐさ)も万(よろづ)のものも
012天地(てんち)の神(かみ)の御恵(みめぐみ)に
013洩(も)れたるものは塵(ちり)程(ほど)もなし
014海(うみ)の底(そこ)にも光(ひかり)あり
015山(やま)の尾上(をのへ)も河(かは)の瀬(せ)も
016光(ひか)りに光(ひか)る今(いま)の世(よ)を
017何(なん)と思(おも)ふか盲神(めくらがみ)
018盲(めくら)の杖(つゑ)を失(うしな)うた
019苦(くる)しき報(むく)いは目(ま)のあたり
020あたるは罰(ばち)と河豚(ふぐ)の肉(にく)
021辺(あた)り構(かま)はず吠(ほ)え猛(たけ)る
022四足神(よつあしがみ)の哀(あは)れさよ
023角(つの)の生(は)えたる牛雲別(うしくもわけ)の
024身(み)の果(はて)こそは哀(あは)れなり
025身(み)の果(はて)こそは哀(あは)れなり』
026と又(また)もや手(て)を振(ふ)り足(あし)踏(ふ)み鳴(な)らして、027四辺(あたり)構(かま)はず傍若(ばうじやく)無神(ぶじん)の挙動(きよどう)の大胆(だいたん)さに、028何(いづ)れも呆(あき)れて祝部(はふりべの)神(かみ)の全身(ぜんしん)に目(め)を注(そそ)いだ。
029 牛雲別(うしくもわけ)は、030アーメニヤの野(の)に、031螢火(ほたるび)のごとき光(ひかり)を現(あら)はすウラル彦(ひこ)の命(めい)により、032宣伝使(せんでんし)として此処(ここ)に現(あら)はれた。033彼(かれ)は強烈(きやうれつ)なる酒(さけ)を大口(おほぐち)開(ひら)いてがぶがぶと牛飲(ぎういん)しながら、034あまたの神人(かみがみ)らに見(み)せつけ、
035牛雲別『酒(さけ)は百薬(ひやくやく)の長(ちやう)と云(い)う
036命(いのち)の水(みづ)を飲(の)まざるか
037飲(の)めば心(こころ)は面白(おもしろ)い
038寿命(じゆみやう)長久(ちやうきう)千秋(せんしう)万歳楽(ばんざいらく)のこの薬(くすり)
039飲(の)まぬは天下(てんか)の大(おお)馬鹿者(ばかもの)よ
040たはけた面(つら)してぶるぶると
041ふるひ苦(くる)しむ青瓢箪(あをふくべ)
042酒(さけ)を飲(の)んだら顔(かほ)の色(いろ)
043朝日(あさひ)の豊栄昇(とよさかのぼ)るごと
044輝(かがや)き渡(わた)る血色(いろ)清(すが)し
045空(そら)に輝(かがや)く月(つき)の夜(よ)に
046心(こころ)爽(さはや)か気(き)はさらり
047さらりさらりと物事(ものごと)は
048酒(さけ)でなければ運(はこ)ばない
049酒(さけ)は命(いのち)の親神(おやがみ)ぞ
050親(おや)を知(し)らない子(こ)があろか
051親(おや)を知(し)らぬは鬼子(おにご)ぞや
052鬼(おに)を殺(ころ)すはこの酒(さけ)ぞ
053酒(さけ)の肴(さかな)は祝部(はふりべ)の
054神(かみ)の舌(した)をば引(ひ)き抜(ぬ)いて
055作(つく)りなますにして喰(くら)へ
056暗(くら)い暗(くら)いと吐(ぬ)かす奴(やつ)
057酒(さけ)を飲(の)んで見(み)よ赤(あか)くなる
058赤(あか)い心(こころ)は神心(かみごころ)
059赤(あか)い心(こころ)は神心(かみごころ)
060暗(くら)い心(こころ)の祝部(はふりべ)が
061真赤(まつか)な虚言(うそ)を月読(つきよみ)の
062月夜(つきよ)に釜(かま)をぬかれたる
063あきれ顔(がほ)して目(ま)のあたり
064吠面(ほえづら)かわくが面白(おもしろ)い
065これを肴(さかな)に皆(みな)の奴(やつ)
066おれが今(いま)出(だ)すこの酒(さけ)を
067遠慮(ゑんりよ)会釈(ゑしやく)も梨地(なしぢ)の盃(つき)に
068盛(も)つて飲(の)め飲(の)め飲(の)んだら酔(よ)へよ
069酔(よ)うたら管(くだ)まけ管(くだ)まきや機(はた)が
070織(お)れるか織(お)れぬかおりや知(し)らぬ
071知(し)らぬが仏(ほとけ)ほつとけ捨(す)てとけ
072一寸(いつすん)さきは暗(やみ)よ
073暗(やみ)の後(あと)には月(つき)が出(で)る
074あまり無聊(むれう)に時鳥(ほととぎす)
075声(こゑ)はすれども姿(すがた)は見(み)せぬ
076見(み)せぬ姿(すがた)は鬼(おに)か魔(ま)か
077鬼(おに)の念仏(ねんぶつ)わしや鬼来(きらい)
078きらひな奴(やつ)に目(め)も呉(く)れな
079好(す)きなお酒(さけ)に酔(よ)ひつぶれ
080宵(よひ)に企(たく)んだ梟(ふくろどり)
081袋(ふくろ)の底(そこ)を叩(たた)いて見(み)たら
082誰(たれ)の心(こころ)も同(おな)じ事(こと)
083酒(さけ)の嫌(きら)ひな神(かみ)なかろ
084済(す)まし顔(がほ)して負(ま)け惜(を)しみ
085豪(えら)そな面(つら)して力(りき)むより
086些(すこ)しは顔(かほ)の紐(ひも)ほどけ
087仏(ほとけ)に地獄(ぢごく)で会(あ)うたよな
088この甘酒(うまざけ)の味(あぢ)を知(し)れ
089酔(よ)うて酔(よ)うて酔(よ)ひつぶれ
090酔(よ)うたらよいぢやないか
091よいよいよいのよいのさつさ
092酒酒(さつさ)、酒酒(さつさ)』
093と頻(しき)りに祝部(はふりべの)神(かみ)の宣示(せんじ)にたいして防禦線(ばうぎよせん)を張(は)り、094座席(ざせき)の傍(かたはら)より二樽(ふたたる)の強(きつ)き酒(さけ)を出(だ)し、095数多(あまた)の盃(さかづき)を船中(せんちう)にふり撒(ま)いた。
096 神人(かみがみ)らは猫(ねこ)に鼠(ねずみ)を見(み)せたごとく喉(のど)をごろごろ鳴(な)らし、097唇(くちびる)に唾(つばき)をため、098羨(うらや)ましげに酒樽(さかだる)に目(め)を注(そそ)いだ。099中(なか)には狐(きつね)が油揚(あぶらあげ)を見(み)せつけられたやうな心地(ここち)となつて、100牛雲別(うしくもわけ)の樽(たる)の鏡(かがみ)を開(ひら)くを待(ま)たず、101飢虎(きこ)のごとく樽(たる)を目(め)がけて飛(と)びつく上戸(じようご)の神人(かみ)も現(あら)はれた。102俄(にはか)に船中(せんちう)は春(はる)めき渡(わた)り、103酔(よひ)の廻(まは)るにつれて、104神人(かみがみ)らは平手(ひらて)をもちて舷(ふなばた)を叩(たた)き、105拍子(ひやうし)をとり舞(ま)ひ始(はじ)めた。
106神人ら『来(く)るか来(く)るかと浜(はま)へ出(で)て見(み)れば
107浜(はま)の松風(まつかぜ)音(おと)もせぬ
108音(おと)に聞(きこ)えた竜宮海(りうぐうかい)の
109乙姫(おとひめ)さまでも呼(よ)んで来(き)て
110酌(しやく)をさしたら面白(おもしろ)からう
111癪(しやく)に触(さは)るは祝部(はふりべの)神(かみ)よ
112癪(しやく)にさはるは祝部(はふりべの)神(かみ)よ
113杓(しやく)で頭(あたま)を砕(くだ)いてやろか』
114 ポンポンポンと舷(ふなばた)をたたき、115遂(つひ)には両手(りやうて)で自分(じぶん)の額(ひたい)を無性(むしやう)矢鱈(やたら)に叩(たた)いて踊(をど)り狂(くる)うた。
116 祝部(はふりべの)神(かみ)は元来(ぐわんらい)酒(さけ)が好(す)きである。117喉(のど)から手(て)の出(で)るやうにその盃(さかづき)が取(と)りたくなつた。118喉(のど)の辺(あた)りに腹(はら)の虫(むし)が込(こ)み上(あが)つて、119ぐうぐうと吐(ぬ)かすのである。120祝部(はふりべの)神(かみ)はこれこそ神(かみ)の試(こころ)みとわれとわが心(こころ)を制(せい)し、121思(おも)はず知(し)らず指(ゆび)を喰(くは)へ、122遂(つひ)には激昂(げきかう)してわれとわが指(ゆび)を喰(く)ひ切(き)り、123始(はじ)めて気(き)がつき、124又(また)もや声(こゑ)張(は)り上(あ)げて、125「三千(さんぜん)世界(せかい)一度(いちど)に開(ひら)く云々(うんぬん)」の歌(うた)をうたひ始(はじ)めた。
126(大正一一・一・一一 旧大正一〇・一二・一四 加藤明子録)
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