霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四二章 神玉(しんぎよく)両純(りやうじゆん)〔二四二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻 篇:第6篇 聖地の憧憬 よみ(新仮名遣い):せいちのどうけい
章:第42章 神玉両純 よみ(新仮名遣い):しんぎょくりょうじゅん 通し章番号:242
口述日:1922(大正11)年01月13日(旧12月16日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年4月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
神澄彦宣伝使は、一面の銀世界の中、雪をかきわけて南高山へとやってきた。みすぼらしい蓑笠姿で夜に門を叩くが、門番神は取り合わない。
神澄彦は大音声で出任せ歌を歌いながら、南高山の大島別を呼ばわった。大島別の娘夫婦、玉純彦と八島姫は、ただちに宣伝使を館内に招き入れた。夫妻はそれが神澄彦であることを認めた。
神澄彦は、天教山の宣伝使となって旅をしていることを打ち明けた。夫妻は神澄彦の宣伝に熱心に耳を傾けていた。
しばらくして、奥殿にそうぞうしい声が聞こえた。見れば、南高山の大島別は、憑依していた邪神が神澄彦の宣伝歌に驚いて逃げ出した刹那、老衰のために帰幽してしまっていた。
これより、玉純彦、八島姫夫妻は神澄彦の誠心に感じ、宣伝使となって南高山城内をはじめ諸方を遍歴し、神の福音を伝えることとなった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2026-08-17 19:16:18 文字数:1844 OBC :rm0542
愛善世界社版:255頁 八幡書店版:第1輯 607頁 修補版: 校定版:260頁 普及版:108頁 初版: ページ備考:
001 雪(ゆき)は翩翻(へんぽん)として降(ふ)りしきり、002地(ち)は一面(いちめん)の銀(ぎん)世界(せかい)、003南高山(なんかうざん)の鐘(かね)の音(ね)は、004諸行(しよぎやう)無常(むじやう)と鳴(な)り響(ひび)き、005黄昏(たそがれ)告(つ)ぐる寂寥(せきれう)の、006山路(やまぢ)を辿(たど)る簑笠(みのかさ)も、007宣伝使(せんでんし)は唯(ただ)一人(ひとり)、008雪(ゆき)押分(おしわ)けて上(のぼ)り来(く)る、009冷酷(れいこく)無残(むざん)の浮世(うきよ)をば、010天地(てんち)の神(かみ)の暖(あたた)かき、011その懐(ふところ)に救(すく)はむと、012身(み)の苦(くる)しみも打忘(うちわす)れ、013神澄彦(かむすみひこ)の宣伝使(せんでんし)は、014雲(くも)つく山(やま)を上(のぼ)り来(く)る、015南高山(なんかうざん)は大島別(おほしまわけ)の管掌(くわんしやう)する聖地(せいち)なり。
016 ここに神澄彦(かむすみひこ)は、017旧知(きうち)の神人(かみ)を救(すく)はむと、018見(み)るも淋(さび)しき簑笠(みのかさ)の、019浮世(うきよ)を忍(しの)ぶ仮姿(かりすがた)、020漸(やうや)う山頂(さんちやう)に上(のぼ)りつき、021表門(おもてもん)に立(た)つて力限(ちからかぎ)りに門戸(もんこ)を打叩(うちたた)いた。022華胥(くわしよ)の国(くに)に遊楽(いうらく)せる門番(もんばん)は暖(あたた)かき夢(ゆめ)を破(やぶ)られ、023目(め)をこすりながら、024仏頂面(ぶつちやうづら)して出(い)で来(きた)り、
025『殊更(ことさら)寒(さむ)き冬(ふゆ)の夜(よ)の、026この真夜中(まよなか)に門戸(もんこ)を叩(たた)くは何者(なにもの)ぞ。027御用(ごよう)あらば明日(あす)来(こ)られよ』
028と膠(にべ)も杓子(しやくし)もなき挨拶(あいさつ)なり。
029 神澄彦(かむすみひこの)神(かみ)は、030已(や)むを得(え)ず門外(もんぐわい)に立(た)ちて声(こゑ)を限(かぎ)りに、
031『三千(さんぜん)世界(せかい)一度(いちど)に開(ひら)く梅(うめ)の花(はな)
032南高山(なんかうざん)は高(たか)くとも
033天(てん)の星(ほし)より未(ま)だ低(ひく)い
034大島別(おほしまわけ)は偉(えら)くとも
035蚤(のみ)に喰(く)はれる浅(あさ)ましさ
036蚤(のみ)に喰(く)はれる弱虫(よわむし)の
037門戸(もんこ)を守(まも)る弱虫(よわむし)は
038雪隠(せんち)の虫(むし)か糞虫(くそむし)か』
039と歌(うた)ひ始(はじ)めた。040門番(もんばん)は声(こゑ)荒(あら)らげて、
041『この真夜中(まよなか)に、042漂浪(さすらひ)の身(み)を持(も)ちながら、043雪(ゆき)に鎖(とざ)され、044降(ふ)り積(つも)る門(もん)を叩(たた)いて救(すく)ひをねだるその弱虫(よわむし)は何虫(なにむし)ぞ。045蚤(のみ)より弱(よわ)い大島別(おほしまわけ)に、046助(たす)けて呉(く)れと吐(ぬか)す奴(やつ)、047蚤(のみ)の糞(くそ)から湧(わ)き出(だ)す糞(くそ)より弱(よわ)い弱虫(よわむし)の、048身(み)の分際(ぶんざい)も弁(わきま)へず、049何(なん)の詮方(せんかた)涙(なみだ)の果(はて)は、050乞食(こじき)となつた今(いま)のざま、051この門(もん)開(あ)くること罷(まか)りならぬ』
052と門内(もんない)より呶鳴(どな)りつけたり。
053 この声(こゑ)は寝殿(しんでん)に眠(ねむ)れる玉純彦(たますみひこ)、054八島姫(やしまひめ)の耳(みみ)に雷(かみなり)の如(ごと)く轟(とどろ)いた。055二神司(にしん)は夢(ゆめ)を破(やぶ)られて、056むつくとばかり起上(おきあが)り、
057『熊若(くまわか)、058々々(くまわか)』
059と呼(よ)ばはれば、060門番(もんばん)は、
061『ハイ』
062と答(こた)へて寝殿(しんでん)指(さ)して一目散(いちもくさん)に駈入(かけい)りぬ。063神澄彦(かむすみひこ)は雪(ゆき)の門前(もんぜん)に立(た)ちながら、064大音声(だいおんじやう)を張(は)り上(あ)げて、
065『常世(とこよ)の国(くに)に現(あら)はれし
066八島(やしま)の姫(ひめ)の身(み)の果(はて)は
067流(なが)れながれてエデン河(がは)
068流(なが)れの果(はて)は道彦(みちひこ)の
069国(くに)の命(みこと)に助(たす)けられ
070恵(めぐ)みも深(ふか)き顕恩(けんおん)の
071郷(さと)に隠(かく)れて世(よ)を送(おく)る
072雪(ゆき)より白(しろ)き玉純彦(たますみひこ)の
073従者(みとも)の神(かみ)に救(すく)はれて
074今(いま)は全(まつた)く妻(つま)となり
075南高山(なんかうざん)に立帰(たちかへ)り
076大島別(おほしまわけ)の禿八王(はげやつわう)
077八王(やつわう)の位(くらゐ)を奪(と)りはがれ
078今(いま)は僅(わづか)に大島別(おほしまわけ)
079世(よ)の諸神人(ももがみ)は理(わけ)知(し)らず
080大神(おほかみ)様(さま)と敬(うやま)へど
081誠(まこと)の神(かみ)に非(あら)ずして
082顔色(かほいろ)黒(くろ)き渋紙(しぶがみ)か
083荒野(あらの)に猛(たけ)る狼(おほかみ)か
084門番(もんばん)までが嗅(か)ぎつける
085鼻紙(はながみ)渋紙(しぶがみ)奴神(やつこがみ)
086神々(かみがみ)吐(ぬ)かすは狼(おほかみ)か
087もしも違(ちが)うたら貧乏神(びんばふがみ)
088弱(よわ)みにつけこむ風(かぜ)の神(かみ)
089それに引換(ひきか)へ吾々(われわれ)は
090天地(てんち)に耻(は)ぢぬ神(かみ)の裔(すゑ)
091神澄彦(かむすみひこ)の神(かみ)なるぞ
092障子(しやうじ)一(いち)枚(まい)ままならぬ
093破(やぶ)れた神(かみ)の分際(ぶんざい)で
094馬鹿(ばか)にするにも程(ほど)がある
095玉純彦(たますみひこ)や八島姫(やしまひめ)
096常世(とこよ)の会議(くわいぎ)の泥田圃(どろたんぼ)
097よくだまされた耻(はぢ)を知(し)れ
098さは云(い)ふものの吾々(われわれ)も
099同(おな)じ泥田(どろた)の奴狐(どぎつね)に
100だまされ切(き)つた仲間(なかま)ぞよ
101玉純彦(たますみひこ)は何処(どこ)に居(を)る
102八島(やしま)の狐(きつね)は未(ま)だ来(こ)ぬか
103こんこんこんと寒狐(かんぎつね)
104怪々々(くわいくわいくわい)と寒狐(かんぎつね)
105狐(きつね)の嫁入(よめい)り尾(を)も白(しろ)く
106頭(あたま)も白(しろ)い古狐(ふるぎつね)』
107と口(くち)から出任(でまか)せに歌(うた)つてゐる。
108 玉純彦(たますみひこ)、109八島姫(やしまひめ)は耳(みみ)を澄(す)まし、110一言(ひとこと)々々(ひとこと)胸(むね)を躍(をど)らせ、111顔(かほ)を顰(しか)め首(くび)を傾(かた)げて、112この声(こゑ)に聴(き)き入(い)りぬ。113玉純彦(たますみひこ)[*校正本では「玉澄彦」]は門番(もんばん)に厳命(げんめい)し直(ただち)に表門(おもてもん)を開(ひら)かしめ、114歌(うた)へる神人(かみ)を導(みちび)きてわが寝殿(しんでん)に伴(ともな)はしめた。
115 神澄彦(かむすみひこの)神(かみ)は二神司(にしん)を見(み)るなり、
116『ヤア久(ひさ)し振(ぶ)りです』
117と無雑作(むざふさ)に言葉(ことば)をかけた。
118 二神司(にしん)は驚(おどろ)いて、119つくづく顔(かほ)を見詰(みつ)めた。120神澄彦(かむすみひこ)は、121忽(たちま)ち天道別(あまぢわけの)命(みこと)より分与(ぶんよ)されたる黒(くろ)の被面布(ひめんぷ)を無雑作(むざふさ)に剥(は)ぎ取(と)り「これ見(み)よ」と云(い)はぬばかりに、122黒(くろ)い顔(かほ)を二神司(にしん)の前(まへ)に差(さ)し出(だ)した。123二神司(にしん)は、
124『ヤア、125貴下(きか)は青雲山(せいうんざん)の八王(やつわう)神澄彦(かむすみひこ)ならずや。126夜中(やちう)といひ、127思(おも)はぬ御(ご)来訪(らいはう)といひ、128失礼(しつれい)いたしました』
129と恟々(おどおど)として、130二人(ふたり)は手(て)を座(ざ)に突(つ)き詫(わ)び入(い)る。131神澄彦(かむすみひこ)は春(はる)の雪(ゆき)の如(ごと)く、132忽(たちま)ち打解(うちと)けて天教山(てんけうざん)の神示(しんじ)を天下(てんか)に宣伝(せんでん)すべく、133青雲山(せいうんざん)を後(あと)にして霜雪(さうせつ)を凌(しの)ぎ、134艱難(かんなん)と戦(たたか)ひ諸神人(しよしん)を救済(きうさい)せむため、135山野(さんや)河海(かかい)を跋渉(ばつせふ)遍歴(へんれき)する旨(むね)を答(こた)へた。
136 二神司(にしん)は大(おほい)に驚(おどろ)き、137奥殿(おくでん)に神澄彦(かむすみひこ)を導(みちび)き鄭重(ていちよう)に歓待(くわんたい)し乍(なが)ら、138天教山(てんけうざん)の神示(しんじ)を畏敬(ゐけい)の態度(たいど)を以(もつ)て一言(いちごん)も洩(も)らさじと聴問(ちやうもん)し、139且(か)つ其(そ)の勇気(ゆうき)を激賞(げきしやう)した。140神澄彦(かむすみひこ)は諄々(じゆんじゆん)として、141世(よ)の終(をは)りに近(ちか)づける事(こと)を説(と)き諭(さと)し且(か)つ改悛(かいしゆん)を迫(せま)つた。142時(とき)しも奥殿(おくでん)に当(あた)つて騒々(さうざう)しき声(こゑ)が聞(きこ)えた。143さうして母(はは)の声(こゑ)として、
144『玉純彦(たますみひこ)、145八島姫(やしまひめ)』
146と呼(よ)ばはつてゐる。
147 玉純彦(たますみひこ)は、
148『暫(しばら)く失礼(しつれい)致(いた)します』
149と云(い)つて、150八島姫(やしまひめ)を側(そば)に侍(じ)せしめ置(お)き、151急(いそ)いで奥殿(おくでん)に入(い)りぬ。
152 見(み)れば大島別(おほしまわけ)は、153年古(としふる)く憑依(ひようい)せし荒河(あらかは)の宮(みや)の邪神(じやしん)の神澄彦(かむすみひこ)の宣伝歌(せんでんか)に怖(おそ)れて脱出(だつしゆつ)したその刹那(せつな)、154老衰(らうすゐ)の大島別(おほしまわけ)は、155身体(しんたい)氷(こほり)の如(ごと)くなつて帰幽(きいう)した。156これより玉純彦(たますみひこ)、157八島姫(やしまひめ)は、158神澄彦(かむすみひこ)の誠心(せいしん)に感(かん)じ、159宣伝使(せんでんし)となつて、160南高山(なんかうざん)の城内(じやうない)は云(い)ふに及(およ)ばず、161諸方(しよはう)を遍歴(へんれき)し、162神(かみ)の福音(ふくいん)を伝(つた)ふる事(こと)となりける。
163(大正一一・一・一三 旧大正一〇・一二・一六 外山豊二録)
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