霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。実験用サイトサブスク
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第六章 和合(わがふ)謝罪(しやざい)〔六五一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第19巻 如意宝珠 午の巻 篇:第2篇 意外の意外 よみ(新仮名遣い):いがいのいがい
章:第6章 和合と謝罪 よみ(新仮名遣い):わごうとしゃざい 通し章番号:651
口述日:1922(大正11)年05月07日(旧04月11日) 口述場所: 筆録者:藤津久子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年2月28日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高姫、黒姫、高山彦は、ウラナイ教の凋落を話し合っている。蠑螈別も本山を去ってどこかに行ってしまったという。そのうちに高姫と黒姫は、言い争いになってしまう。高姫は怒って部屋に閉じこもってしまった。
高山彦は黒姫をたしなめるが、逆に黒姫の怒りに触れてしまう。しかし高山彦の言霊で逆に機嫌を直し、高山彦は高姫と黒姫の仲を取り持つ役を担うことになった。
高山彦は、またもや巧みな言説で高姫の機嫌を取ると、黒姫の居間に戻ってきた。黒姫は高姫のところに行って、仲直りをした。
そして、今のうちに魔窟ケ原を引き払って本山に迎え取ろうと画策した。そのために鶴公と亀公を魔窟ケ原に遣わした。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-04-02 17:58:45 OBC :rm1906
愛善世界社版:88頁 八幡書店版:第4輯 62頁 修補版: 校定版:91頁 普及版:40頁 初版: ページ備考:
001 一葉(いちえふ)()ちて天下(てんか)(あき)()るとかや。002(かみ)(をしへ)不相応(ふさは)ぬフサの(くに)003北山村(きたやまむら)本山(ほんざん)ウラナイ(けう)頭株(あたまかぶ)004(こころ)(おご)高姫(たかひめ)が、005執着心(しふちやくしん)(むね)(やみ)006鼻高(はなたか)山彦(やまひこ)黒姫(くろひめ)は、007(おく)一間(ひとま)()()もり、008ウラナイ(けう)前途(ぜんと)()いて、009コソコソ協議(けふぎ)()らし()る。
010高姫(たかひめ)栄枯(ゑいこ)盛衰(せいすゐ)011会者(ゑしや)定離(ぢやうり)人生(じんせい)(つね)とは()(なが)ら、012よくも(これ)だけウラナイ(けう)は、013庭先(にはさき)紅葉(もみぢ)(かぜ)()(ごと)凋落(てうらく)したものだ。014()(ほど)熱心(ねつしん)活動(くわつどう)して()つた蠑螈別(いもりわけ)(けぶり)(ごと)(この)本山(ほんざん)から()えて(しま)ひ、015数多(あまた)部下(ぶか)信徒(しんと)四方(しはう)散乱(さんらん)し、016(まる)(かに)手足(てあし)もがれた(やう)敗残(はいざん)のウラナイ(けう)017(なん)とか回復(くわいふく)(みち)(かう)ぜねばなりますまいよ』
018黒姫(くろひめ)()出神(でのかみ)さまも(この)(さい)019ちつとどうかして()らつしやるのではありますまいかなア』
020高姫(たかひめ)()出神(でのかみ)(さま)外国(ぐわいこく)での()守護(しゆご)021世界(せかい)隅々(すみずみ)(まで)調(しら)べに()つて御座(ござ)るのだから(いま)はお留守(るす)だ。022(いづ)れお(かへ)りになれば、023()()守護(しゆご)になるのは(きま)つて()りますが、024さうだと()つて(この)(まま)放任(はうにん)して()けば(この)本山(ほんざん)は、025孤城(こじやう)落日(らくじつ)026土崩(どほう)瓦解(ぐわかい)憂目(うきめ)(あは)ねばなりませぬワ。027それよりも黒姫(くろひめ)さま、028竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)(さま)(この)(ごろ)はどうして御座(ござ)るのでせう。029随分(ずゐぶん)()()かぬ(かみ)(さま)ですねエ。030コンナ(とき)()活動(くわつどう)(くだ)されば(よろ)しいのに』
031黒姫(くろひめ)竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)(さま)貴方(あなた)もお筆先(ふでさき)御存(ごぞん)じの(とほ)り、032()出神(でのかみ)(さま)引添(ひつそ)うて一所(いつしよ)外国(ぐわいこく)()守護(しゆご)して()られるに(きま)つて()るぢやありませぬか。033高姫(たかひめ)(さま)は、034玉照姫(たまてるひめ)一件(いつけん)から何処(どこ)ともなしに、035ボーとなさいましたなア』
036高姫(たかひめ)黒姫(くろひめ)さまも()同様(どうやう)ぢやありませぬか。037貴女(あなた)は、038高山彦(たかやまひこ)さまが、039あちらにお()でになつてから、040日増(ひまし)に、041ボンヤリなされましたさうですよ。042()自分(じぶん)(こと)()自分(じぶん)には(わか)りますまいが、043寅若(とらわか)がそう()つてましたぞえ』
044黒姫(くろひめ)(なに)仰有(おつしや)います。045そう(ひと)見損(みそこ)なつて(もら)つては(こま)ります。046高山(たかやま)さまがお()でになつて以来(いらい)といふものは、047層一層(そういつそう)活動(くわつどう)しました。048それよりも高姫(たかひめ)さま、049()()うとお()(さは)るか()れませぬが、050蠑螈別(いもりわけ)さまが(この)本山(ほんざん)から姿(すがた)(かく)されてより、051層一層(そういつそう)気抜(きぬ)けがなさつた(やう)な、052(かん)ざましの(さけ)十日(とほか)()つて()いて()みた(やう)塩梅(あんばい)(しき)ですよ。053(たがひ)()取直(とりなほ)して(しつか)りと仕様(しやう)ではありませぬか。054あの三五教(あななひけう)御覧(ごらん)なさい。055旭日(きよくじつ)昇天(しようてん)(いきほひ)056まるでウラナイ(けう)なぞとは比較物(くらべもの)になりませぬワ』
057高姫(たかひめ)(にく)まれ()()覇張(はば)る、058()つて、059(あく)(さか)える()(なか)だ、060その(あく)()(さか)ゆる(をしへ)だから大概(たいがい)(わか)つて()りますよ。061(しか)九分(くぶ)九厘(くりん)(まで)(あく)身魂(みたま)()覇張(はば)る、062(ぜん)身魂(みたま)()ちて()ても一厘(いちりん)でグレンと(かへ)ると()出神(でのかみ)(さま)仰有(おつしや)る。063三五教(あななひけう)何程(なにほど)沢山(たくさん)(あつ)まつて()ても烏合(うがふ)(しう)ですよ。064(いづ)内裏(うちうら)から内閣(ないかく)瓦解(ぐわかい)運命(うんめい)(きざ)しかけて()ります。065ウラナイ(けう)少数(せうすう)でも、066善一筋(ぜんひとすぢ)(まこと)生粋(きつすゐ)大和(やまと)(だましひ)堅実(けんじつ)信仰(しんかう)団体(だんたい)だ。067万卒(ばんそつ)得易(えやす)一将(いつしやう)得難(えがた)しと()つてな、068少数(せうすう)なのは結構(けつこう)ですよ。069(あんま)瓦落多(がらくた)人足(にんそく)がガラガラ()つて()ると、070(つひ)(むし)わきまして水晶(すゐしやう)(みづ)(くさ)くなり、071孑孑(ぼうふり)わい鼻持(はなも)ちならぬ(にほひ)がし()し、072終局(しまひ)には(この)孑孑(ぼうふり)(はね)()えて飛散(ひさん)し、073(つひ)には(ひと)(あたま)()まつて生血(いきち)(しぼ)(やう)になります(わい)074(かなら)(かなら)()心配(しんぱい)なさいますな。075()()守護(しゆご)になれば一度(いちど)にグレンと(かへ)るお仕組(しぐみ)がして御座(ござ)います』
076黒姫(くろひめ)『さうすると(ぜん)(ばか)()()いて、077身魂(みたま)(くも)つた(もの)一人(ひとり)()せないと()(かみ)(さま)()方針(はうしん)ですかな』
078高姫(たかひめ)其処(そこ)惟神(かむながら)ですよ。079無理(むり)引張(ひつぱり)()つた(ところ)()らなきや仕方(しかた)がありませぬワ。080(また)何程(なにほど)引留(ひきと)めたつて(つな)()けて(しば)つて()(わけ)にもゆかず、081脱退(だつたい)する(もの)(これ)惟神(かむながら)(まか)して、082自由(じいう)行動(かうどう)()らして()くのですな。083(きた)(もの)(こば)まず、084()(もの)()はずと()ふのが(かみ)(さま)思召(おぼしめし)だ。085無理(むり)引張(ひつぱ)りに()つて(くだ)さるなよ、086時節(じせつ)(まゐ)りたら(かみ)(まこと)(もの)引寄(ひきよ)せて(まこと)御用(ごよう)をさすぞよ。087仰有(おつしや)るのだから、088そうヤキモキ心配(しんぱい)するには(およ)びませぬ(わい)
089黒姫(くろひめ)『それでも玉照姫(たまてるひめ)さまを無理(むり)引張(ひつぱつ)()いと()命令(めいれい)をなさつたぢやありませぬか』
090高姫(たかひめ)『それはあなたの量見違(りやうけんちがひ)だ。091無理(むり)()つぱらうとするから、092()(にが)したのだ。093(むか)うの(はう)から何卒(どうぞ)玉照姫(たまてるひめ)(さま)をお(あづか)(くだ)さいと()つて()(やう)に、094上手(じやうず)仕向(しむ)けぬから、095そンな(こと)にかけては抜目(ぬけめ)のない素盞嗚(すさのをの)(みこと)(うま)(こと)をやつたぢやないか。096(まへ)さまも随分(ずゐぶん)(かしこ)いお(かた)ぢやが、097千慮(せんりよ)一失(いつしつ)とか()つて、098(この)(たび)あの(けん)(かぎ)つては黒姫(くろひめ)さまの失敗(しつぱい)でしたよ』
099黒姫(くろひめ)『そうだと()つて、100愚図(ぐづ)々々(ぐづ)して()れば三五教(あななひけう)八九分(はちくぶ)()られて(しま)(やう)になつて()たのだから、101ソンナ(まは)(どほ)(こと)をして()つては、102六菖(ろくしやう)十菊(じつきく)()いを(のこ)さねばならぬと(おも)つたから非常(ひじやう)手段(しゆだん)をやつただけの(こと)です。103勝敗(しようはい)(とき)(うん)104(いま)になつて()ンだ()(とし)(かぞ)へたつて仕方(しかた)がありませぬワ。105貴方(あなた)余程(よほど)愚痴(ぐち)つぽくなつて、106取返(とりかへ)しのつかぬ愚痴(ぐち)(こと)()ひなさいますな』
107 高姫(たかひめ)(まゆ)をキリリとつり()げ、108ドシンと四股(しこ)()み、109(たたみ)()らしプリンと(しり)()け、110(つぎ)()姿(すがた)(かく)したり。
111高山彦(たかやまひこ)『コレコレ黒姫(くろひめ)さま、112(まへ)(なん)()()無礼(ぶれい)(こと)仰有(おつしや)るのだい。113大将(たいしやう)師匠(ししやう)無理(むり)()ふものだと(おも)へと何時(いつ)部下(ぶか)(もの)()つて()かせて()(なが)ら、114何故(なぜ)(ひと)(ひと)口答(くちごた)へをしたり、115()()めたりなさるのだ。116(なか)()つた(はしら)(わたし)(なん)とも挨拶(あいさつ)仕様(しやう)()いではないか』
117 黒姫(くろひめ)()(かど)()てて、
118黒姫『コレお(まへ)さま、119以前(いぜん)由良(ゆら)(かは)(わた)つた(とき)に、120(なん)でも()でも絶対(ぜつたい)服従(ふくじゆう)すると()つたぢやないか、121草履取(ざうりとり)にでもして()れと()つたではないか。122(いま)()亭主面(ていしゆづら)をして竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)(さま)生宮(いきみや)()(こと)一々(いちいち)干渉(かんせう)なさるのか。123(だま)つて引込(ひつこ)みて()なさい、124(まへ)さまが(くび)()()して()しやばる(まく)ぢやないのだ。125(あま)差出口(さしでぐち)をしなさると箝口令(かんこうれい)励行(れいかう)しますぞ』
126高山彦(たかやまひこ)『ハイハイ竜宮(りうぐう)(さま)()逆鱗(げきりん)127もう()れからは沈黙(ちんもく)(まも)りますワイ』
128黒姫(くろひめ)何程(なにほど)黒姫(くろひめ)砲弾(はうだん)発射(はつしや)しても、129高山(たかやま)砲台(はうだい)沈黙(ちんもく)(まも)つて(けつ)して応戦(おうせん)してはなりませぬぞや。130二〇三(にひやくさん)高地(かうち)性念場(しやうねんば)になつて()るのに(はた)から(てき)援軍(ゑんぐん)()(たま)るものか』
131高山彦(たかやまひこ)『ハイハイ仕方(しかた)がありませぬ。132どつか、133渤海湾(ぼつかいわん)海底(かいてい)にでも伏艇(ふくてい)して形勢(けいせい)観望(くわんばう)()かけませう。134(しか)(なが)黒船(くろぶね)敵弾(てきだん)()けて苦戦(くせん)最中(さいちう)()()(わたし)は、135どうしても中立(ちうりつ)(てき)態度(たいど)()れませぬワ。136(なん)とか応援(おうゑん)(いた)()(やう)()(いた)します』
137 黒姫(くろひめ)(やや)機嫌(きげん)(なほ)し、
138黒姫『アヽさうかいなア、139それが真心(まごころ)(あら)はれと()ふものだ。140矢張(やつぱ)()になるかいなア、141夫婦(ふうふ)となれば()にかかると()える。142矢張(やつぱり)黒姫(くろひめ)のハズバンドとして相当(さうたう)資格(しかく)保有(ほいう)して御座(ござ)る。143(もと)(あか)他人(たにん)でも夫婦(ふうふ)愛情(あいじやう)()ふものは(また)格別(かくべつ)なものだ』
144(また)ニコニコ(わら)()すおかしさよ。
145 一天(いつてん)黒雲(くろくも)(みなぎ)暴風(ばうふう)()(おこ)雷鳴(らいめい)(とどろ)くかと(おも)ひきや、146高山彦(たかやまひこ)円滑(ゑんくわつ)なる言霊(ことたま)伊吹(いぶき)によつて黒雲(こくうん)(たちま)四方(しはう)飛散(ひさん)し、147明皎々(めいかうかう)たる満月(まんげつ)(ひかり)148中天(ちうてん)綺羅星(きらぼし)(あら)はれたる(ごと)天候(てんこう)一変(いつぺん)したりける。
149黒姫(くろひめ)『コレコレ高山彦(たかやまひこ)さま、150(まへ)さまは見掛(みか)けに()らぬ親切(しんせつ)(ひと)だつた。151(その)親切(しんせつ)吐露(とろ)して高姫(たかひめ)さまの()機嫌(きげん)(なほ)して()(くだ)さい。152(しか)親切(しんせつ)()くすと()つても程度(ていど)がありますよ』
153高山彦(たかやまひこ)随分(ずゐぶん)(むつ)かしい()註文(ちうもん)ですなア。154(その)程度(ていど)一寸(ちよつと)(わか)りませぬ、155何処迄(どこまで)()制限(せいげん)(あた)へて(くだ)さいな』
156黒姫(くろひめ)『エヽ不粋(ぶすゐ)(ひと)だなア。157そこはそれ、158不離(ふり)不即(ふそく)(あひだ)()つて円満(ゑんまん)解決(かいけつ)(はか)るのだ。159電波(でんぱ)(おく)るなぞは絶対(ぜつたい)禁物(きんもつ)ですからな』
160高山彦(たかやまひこ)(たれ)がアンナ()アさまに電波(でんぱ)(おく)つて(たま)るものか、161安心(あんしん)なさい』
162黒姫(くろひめ)()アさまに電波(でんぱ)(おく)らぬと仰有(おつしや)つたが、163高姫(たかひめ)さまが()アさまなら、164(わたし)はもう(ひと)()アさまだ、165そうするとお(まへ)余程(よほど)険呑(けんのん)(ひと)だナア。166これだから折角(せつかく)()()たお(たみ)を、167(うま)(こと)()つて高城山(たかしろやま)(まで)(はう)()したのだ。168コレ高山(たかやま)さま、169ソンナ(こと)()()のある(やう)な、170素人(しろうと)とは(ちが)ひますよ。171(この)(みち)にかけたら、172世界一(せかいいち)経験者(けいけんしや)だから、173(まへ)(やう)雛子(ひよつこ)とは(ちが)ひますよ、174(しつか)りとやつて()なさい。175これからは()アと()(こと)()つて(もら)ひますまい。176(とし)()つても(こころ)二八(にはち)花盛(はなざか)り、177霊主(れいしゆ)体従(たいじう)仕組(しぐみ)()つて(こころ)(おも)きを()くのだよ』
178高山彦(たかやまひこ)(おな)じ、179()アどつこい、180(むかし)(むすめ)でも貴方(あなた)(また)格別(かくべつ)ぢや、181どことは()しに、182()(ところ)があります(わい)
183黒姫(くろひめ)『それはそうだらう、184(しち)(しやく)男子(だんし)手鞠(てまり)(やう)飜弄(ほんろう)すると()黒姫(くろひめ)腕前(うでまへ)だから、185何程(なにほど)高山(たかやま)さまが、186地団太(ぢだんだ)()んだつて、187足許(あしもと)へも()()けるものか。188(しか)(なが)ら、189()()()けて、190(むかし)(むすめ)高姫(たかひめ)さまに(うま)()()つて()機嫌(きげん)回復(くわいふく)して()るのだ。191()()れも(おく)つてはなりませぬぞや』
192 高山彦(たかやまひこ)迷惑相(めいわくさう)顔付(かほつき)高姫(たかひめ)居間(ゐま)(おとづ)れた。193高姫(たかひめ)は、194夜着(よぎ)(あたま)(まで)グツスリ(かぶ)つて、195捨鉢(すてばち)気味(ぎみ)になつて(よこ)たはつて()る。
196高山彦(たかやまひこ)『モシモシ高姫(たかひめ)さま、197高山(たかやま)御座(ござ)います』
198高姫(たかひめ)『コレお(まへ)さま、199戸惑(とまど)ひをして()るのかな、200(わたし)黒姫(くろひめ)さまぢやありませぬよ。201貴方(あなた)のお()でになる(ところ)方角違(はうがくちがひ)ですよ。202サアサア トツトとあつちへ()つて(くだ)さい、203黒姫(くろひめ)さまに(いた)くも()(はら)(さぐ)られちやお(たがひ)迷惑(めいわく)だからなア』
204高山彦(たかやまひこ)『イエイエ(けつ)して(けつ)して()心配(しんぱい)(くだ)さいますな。205(やま)(かみ)(さま)公然(こうぜん)認可(にんか)()(まゐ)りました。206(じつ)(ところ)207黒姫(くろひめ)がお(わび)(まゐ)りますので御座(ござ)いますが、208どうも(あま)失礼(しつれい)(こと)(もの)(はづみ)申上(まをしあ)げ、209貴方(あなた)(あは)(かほ)がないところから、210(わたし)(かは)つて(うま)()機嫌(きげん)をドツコイ、211十分(じふぶん)()得心(とくしん)()(やう)にお(わび)をして()いと仰有(おつしや)いました。212何卒(どうぞ)黒姫(くろひめ)さまの脱線振(だつせんぶ)りは、213神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)不調法(ぶてうはふ)()(なほ)して()げて(くだ)さいませ』
214高姫(たかひめ)『コレコレお(まへ)さまは、215何時(いつ)()にやら下鶏(したどり)になつて(しま)つた。216何故(なぜ)それ(ほど)主人(しゆじん)のクセに奥様(おくさま)敬語(けいご)使(つか)ふのだい』
217高山彦(たかやまひこ)『ハイハイこれには、218(いは)因縁(いんねん)御座(ござ)います』
219高姫(たかひめ)因縁(いんねん)があるか(なん)だか()らぬが、220貴方(あなた)がさう()丁寧(ていねい)言霊(ことたま)使(つか)ひなさると、221自然(しぜん)夫婦仲(ふうふなか)()くなつてお目出度(めでた)い。222それだから(かかあ)大明神(だいみやうじん)で、223高山彦(たかやまひこ)さまはお目出度(めでた)いと(ひと)()ひますよ。224ホヽヽヽヽ』
225高山彦(たかやまひこ)(なん)でも結構(けつこう)です。226何卒(どうぞ)貴方(あなた)()機嫌(きげん)(なほ)して(くだ)さい。227さうすれば(この)目出度(めでた)(をとこ)(なほ)目出度(めでた)くなりますから、228和合(わがふ)して(くだ)さい』
229高姫(たかひめ)和合(わがふ)して(くだ)さいとはそれは(なに)()ひなさる。230一方(いつぱう)大将(たいしやう)大将(たいしやう)(いさか)ひを平和(へいわ)にするのは和合(わがふ)だが、231(なん)()つても、232(わたし)黒姫(くろひめ)さまとは師弟(してい)間柄(あひだがら)ぢやないか。233師匠(ししやう)(わたし)和合(わがふ)して()れなぞとチツと僣越(せんえつ)ぢやありませぬか。234今迄(いままで)のお()(さは)つた(ところ)何卒(どうぞ)(ゆる)(くだ)さいませと謝罪(しやざい)するのが当然(たうぜん)だ、235それをソンナ傲慢(ごうまん)不遜(ふそん)態度(たいど)では、236高姫(たかひめ)(はら)(むし)容易(ようい)にチヤキチヤキと承諾(しようだく)(いた)しませぬよ』
237高山彦(たかやまひこ)()(せつ)御尤(ごもつと)も、238夫婦(ふうふ)(なか)師弟(してい)(あひだ)混同(こんどう)して()ました。239これは黒姫(くろひめ)(わたくし)との(あひだ)(もち)ゆる言葉(ことば)御座(ござ)います。240高姫(たかひめ)のチヤチヤ(さま)241何卒(なにとぞ)黒姫(くろひめ)()無礼(ぶれい)242寛大(くわんだい)大御心(おほみこころ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)(ゆる)してやつて(くだ)さいませ』
243高姫(たかひめ)『アヽさうかいな、244さう(もの)()かれば、245(もと)より()のない喧嘩(けんくわ)だ。246どちらも(かみ)(おも)ひお(みち)(おも)うての(いさか)ひなのだから、247私人(しじん)としての(うら)みはチツとも()いのだ。248どうぞ黒姫(くろひめ)さまに(はや)此処(ここ)()(もら)つて(くだ)さい』
249高山彦(たかやまひこ)承知(しようち)(いた)しました。250黒姫(くろひめ)さまも(さぞ)(よろこ)びになる(こと)御座(ござ)いませう』
251高姫(たかひめ)『ソレ又々(またまた)252貴方(あなた)(おく)さまに(たい)して敬語(けいご)使(つか)ひなさる。253(あま)()つともよくない、254(つつし)みなさいや』
255高山彦(たかやまひこ)『ハイハイ以後(いご)(つつし)みます』
256(この)()()ち、
257高山彦『アヽ敬語(けいご)使(つか)はねば、258黒姫(くろひめ)さまには(しか)られるなり、259(こま)つた(こと)だ』
260(つぶや)きつつ黒姫(くろひめ)居間(ゐま)(かへ)(きた)り、261高山彦(たかやまひこ)(こわ)さうに、262(ふすま)をスーツと(ひら)き、263半分(はんぶん)()(ごし)になつて、264(かほ)(ばか)突出(つきだ)し、265形勢(けいせい)観望(くわんばう)態度(たいど)()つて()る。266黒姫(くろひめ)目敏(めざと)くこれを(なが)めて、
267黒姫『コレコレお(まへ)高山(たかやま)さまぢやないか。268(その)態度(たいど)一体(いつたい)どうしたのだい』
269(ふる)(ごゑ)呶鳴(どな)()けた。
270高山彦『ハイ、271ドドドーモ(いた)しませぬ』
272()ひつつびつくりして(しきゐ)(そと)にドスンと尻餅(しりもち)()きアイタヽヽヽ、
273黒姫(くろひめ)『コレ高山(たかやま)さま、274(なに)をしとるのだい。275這入(はい)つて()(はや)注進(ちうしん)なさらぬかい』
276 高山彦(たかやまひこ)はもぢもぢし(なが)ら、277()(にく)さうに、
278高山彦高姫(たかひめ)さまがそれはそれは()機嫌(きげん)(うる)はしく、279和合(わがふ)和合(わがふ)280謝罪(しやざい)謝罪(しやざい)281そこで和謝(わしや)(なに)()中立(ちうりつ)合罪(がふざい)
282黒姫(なん)だか歯切(はぎ)れのせぬ返事(へんじ)だな。283(なに)()もあれ、284高姫(たかひめ)さまのお居間(ゐま)にお(うかが)ひしよう、285何時迄(いつまで)兄弟(けいてい)(かき)(せめ)(やう)内輪(うちわ)喧嘩(げんくわ)継続(けいぞく)して()ても、286(たがひ)不利益(ふりえき)だ。287どれ、288これから和合(わがふ)して()ませう』
289高山彦(たかやまひこ)『モシモシ黒姫(くろひめ)さま、290和合(わがふ)はいけませぬよ』
291黒姫(なに)292和合(わがふ)不可(いかん)と、293喧嘩(けんくわ)をせいと()ひなさるのか』
294 高山彦(たかやまひこ)周章(あわて)気味(ぎみ)で、
295高山彦『イエ高姫(たかひめ)さまが、296喧嘩(けんくわ)株式(かぶしき)会社(くわいしや)創立(さうりつ)なさつて、297株券(かぶけん)募集(ぼしふ)したり、298社債(しやさい)謝罪(しやざい))を(おこ)したりするとか(なん)とか()つてましたよ。299(なん)でも些細(ささい)間違(まちが)ひで、300いつ(まで)蝸牛(くわぎう)角上(かくじやう)争闘(そうとう)(つづ)けて()るのは、301国家(こくか)内乱(ないらん)同様(どうやう)だから可成(なるべ)平和(へいわ)解決(かいけつ)(いた)します』
302 黒姫(くろひめ)委細(ゐさい)かまはず、303ドスンドスンと(ゆか)(ひび)かせ(なが)ら、304高姫(たかひめ)居間(ゐま)をさして(すす)()り、
305黒姫高姫(たかひめ)(さま)306()機嫌(きげん)如何(いかが)御座(ござ)います。307()無礼(ぶれい)(だん)(ひら)にお(わび)(いた)します』
308高姫『イヤ()無礼(ぶれい)はお(たがひ)(さま)で、309何卒(どうぞ)これからは感情(かんじやう)衝突(しようとつ)一掃(いつさう)(くるま)両輪(りやうりん)となつて、310神国(しんこく)成就(じやうじゆ)()めに活動(くわつどう)(いた)さうぢやありませぬか』
311黒姫有難(ありがた)御座(ござ)います。312何分(なにぶん)(よろ)しく()(ねが)(いた)します』
313高姫(とき)黒姫(くろひめ)さま、314自転倒(おのころ)(じま)魔窟(まくつ)(はら)(のこ)してある梅公(うめこう)315(その)()宣伝使(せんでんし)方々(かたがた)は、316愚図(ぐづ)々々(ぐづ)して()ると、317(また)もや三五教(あななひけう)に、318青彦(あをひこ)常彦(つねひこ)319夏彦(なつひこ)(やう)沈没(ちんぼつ)すると(こま)りますから、320(いま)(うち)本山(ほんざん)(むか)()つたらどうでせうか』
321黒姫『ハア()意見(いけん)(どほ)り、322黒姫(くろひめ)賛成(さんせい)(いた)します。323飛行船(ひかうせん)二艘(にそう)(ばか)り、324(つる)325(かめ)両人(りやうにん)操縦(さうじう)さして(むか)へて(かへ)つてはどうでせうか』
326高姫『それは至極(しごく)適任(てきにん)でせう。327コレコレ鶴公(つるこう)328亀公(かめこう)
329高姫(たかひめ)金切声(かなきりごゑ)()して()()()る。330(やが)(つる)331(かめ)二人(ふたり)は、332二艘(にそう)飛行船(ひかうせん)操縦(さうじう)して四五(しご)随員(ずゐゐん)(とも)天空(てんくう)(とどろ)かして(すす)()く。
333大正一一・五・七 旧四・一一 藤津久子録)
ロシアのプーチン大統領が霊界物語に予言されていた!?<絶賛発売中>
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→  
霊界物語ネットは飯塚弘明が運営しています。【メールアドレス】 / 動作に不具合や誤字脱字等を発見されましたら是非お知らせ下さるようお願い申し上げます。 / 本サイトに掲載されている霊界物語等の著作物の電子データは飯塚弘明ほか、多数の方々の協力によって作られました。(スペシャルサンクス) / 本サイトの著作権(デザイン、プログラム、凡例等)は飯塚弘明にあります。出口王仁三郎の著作物(霊界物語等)の著作権は保護期間が過ぎていますのでご自由にお使いいただいて構いません。ただし一部分を引用するのではなく、本サイト掲載の大部分を利用して電子書籍等に転用する場合には、必ず出典と連絡先を記して下さい。→「本サイト掲載文献の利用について」 / 出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別的と見なされる言葉や表現もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。 / プライバシーポリシー
(C) 2007-2024 Iizuka Hiroaki