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第一六章 玉照彦(たまてるひこ)〔六六一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第19巻 如意宝珠 午の巻 篇:第4篇 地異天変 よみ(新仮名遣い):ちいてんぺん
章:第16章 玉照彦 よみ(新仮名遣い):たまてるひこ 通し章番号:661
口述日:1922(大正11)年05月09日(旧04月13日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年2月28日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
来勿止神はは四人が謝罪しに来ることも知っていた。招き入れられた四人は、土間に平伏して、来勿止神と松姫に自分たちの罪を懺悔した。
来勿止神は玉照彦の送迎を、松姫一人で行うようにと命じた。松姫が高熊山を登っていくと、山を守っている神国守と国依姫夫婦に迎えられた。夫婦は松姫を岩窟の入口の四十八宝座へ案内した。
四十八宝座に拝礼した松姫は、岩窟の中に入っていった。神国守夫婦に導かれて、岩窟内の館の前にやってきた。すると熊彦の霊体がそこに居て、松姫が谷丸らに殴られたとき、代わって痛みを受けたのだ、と告げると消えてしまった。
松姫は熊彦の忠心に涙ぐんでいると、館の扉が開いて言照姫命が姿を現した。言照姫命は、自分の本当の名前はまだ明かせない、と告げると、玉照彦は遠い未来でミロク神政成就の神業に参加する、尊い伊都能売之御魂であると明かした。そして、玉照彦を、世継王山の麓に居る国武彦に渡すようにと命じた。
松姫は玉照彦をうやうやしく奉じ、来勿止神に復命した。そして世継王山の麓に玉照彦を送るため、神国守夫婦とともに関所の門を出た。そこには三五教を始め、ウラナイ教の宣伝使たちが霊体ともに居並んで奉迎していた。
松姫らは無事に世継王山麓の悦子姫の庵に玉照彦を送り届けた。玉照彦、玉照姫の神人は合い並んで神徳を表し、ウラナイ教の高姫、黒姫らも嬉々として集まり来たった。ここにミロク神政の基礎を固めることとなった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-04-04 18:43:03 OBC :rm1916
愛善世界社版:272頁 八幡書店版:第4輯 131頁 修補版: 校定版:276頁 普及版:126頁 初版: ページ備考:
001 来勿止(くなどめの)(かみ)は、002松姫(まつひめ)003(たけ)(その)()()(にん)(をとこ)(とも)機嫌(きげん)よく()(すす)つて()る。
004 此処(ここ)門番頭(もんばんがしら)(かつ)()(きた)り、
005勝公『モシモシ(かみ)(さま)006此間(こなひだ)(やつ)二人(ふたり)新顔(しんがほ)()れ、007都合(つがふ)()(にん)やつて(まゐ)りました』
008来勿止(くなどめの)(かみ)『アヽさうだらう、009改心(かいしん)して謝罪(あやま)つて()るだらうなア、010大方(おほかた)谷丸(たにまる)011鬼丸(おにまる)012テルヂー、013コロンボと()人間(にんげん)だらう、014(はや)此方(こなた)案内(あんない)をするが宜敷(よろし)い』
015勝公(かつこう)承知(しようち)(いた)しました、016(しか)松姫(まつひめ)(さま)にお(わび)がしたいと()うて()ます』
017来勿止(くなどめの)(かみ)『アヽさうかさうか、018それなら尚更(なほさら)結構(けつこう)だ』
019 ()もなく(かつ)案内(あんない)()れ、020()(にん)(をとこ)(この)()(あら)はれ(こわ)さうに(しきゐ)()たげて土間(どま)平太(へた)()み、021(かしら)()につけて謝罪(あやま)つて()る。
022来勿止(くなどめの)(かみ)『オヽお(まへ)谷丸(たにまる)以下(いか)(さん)(にん)(をとこ)だなア、023()うだ、024(かみ)(さま)()神力(しんりき)には屈服(くつぷく)したかな』
025 谷丸(たにまる)(やうや)(くび)()げ、
026谷丸(たにまる)『イヤもう、027重々(ぢうぢう)()無礼(ぶれい)(いた)しまして申訳(まをしわけ)御座(ござ)いませぬ、028そちらに御座(ござ)るは松姫(まつひめ)(さま)029()うで御座(ござ)います、030(からだ)(いた)みませぬか、031つい(こころ)(なか)悪魔(あくま)(あやつ)られ、032()無礼(ぶれい)(ばか)(いた)しました。033今日(けふ)四人(よにん)()()(そろ)貴女(あなた)のお(あと)(たづ)ね、034(わび)(まゐ)りました。035重々(ぢうぢう)(つみ)(ゆる)(くだ)さいませ』
036()(にん)一度(いちど)(くび)()げる。
037松姫(まつひめ)『イヽエ、038(なん)(なん)の、039(わたくし)こそ貴方(あなた)(がた)にお(わび)をせなくてはならないのです。040貴方(あなた)(がた)のお(かげ)結構(けつこう)()神徳(しんとく)(いただ)きました』
041来勿止(くなどめの)(かみ)皆様(みなさま)042其処(そこ)土間(どま)ぢや、043()えますから破屋(あばらや)なれど座敷(ざしき)(あが)つて(くだ)さい』
044谷丸(たにまる)『イエイエ()(いた)しまして畏多(おそれおほ)い、045斯様(かやう)罪人(ざいにん)貴方(あなた)(さま)同席(どうせき)()うして出来(でき)ませう』
046来勿止(くなどめの)(かみ)貴方(あなた)はもはや(つみ)より(すく)はれたのだ、047(たふと)(かみ)(さま)(うづ)御子(みこ)だから、048さう遠慮(ゑんりよ)なさるに(およ)ばぬ。049遠慮(ゑんりよ)(かへ)つて(かみ)(さま)()無礼(ぶれい)(もと)だから、050(わたくし)()(とほ)素直(すなほ)にお(あが)(くだ)さい』
051テルヂー『サア(みな)さま、052折角(せつかく)のお(こころざし)053(あが)らせて(いただ)きませう』
054一足(ひとあし)(また)げて(さき)(あが)る。055(さん)(にん)は、
056コロンボ、谷丸、鬼丸御免(ごめん)(くだ)さいませ』
057(おそ)(おそ)る、058座敷(ざしき)(あが)つた。059(たけ)()()んで()(にん)(すす)める。
060谷丸(たにまる)松姫(まつひめ)(さま)061貴女(あなた)(これ)から玉照彦(たまてるひこ)(さま)をお(むか)ひにお(いで)なさるのでせう』
062松姫(まつひめ)『エヽ』
063谷丸(たにまる)『お(かく)しなさいますな、064もはや吾々(われわれ)(ども)改心(かいしん)(いた)しました以上(いじやう)は、065玉照彦(たまてるひこ)(さま)奉迎(ほうげい)したいなどと、066左様(さやう)不都合(ふつがふ)(かんが)へは()ちませぬ、067ナア、068一同(いちどう)さま』
069テルヂー『左様(さやう)御座(ござ)います、070吾々(われわれ)(かみ)(さま)のお(かげ)()つて左様(さやう)執着心(しふちやくしん)念頭(ねんとう)からさらり()りました。071(しか)松姫(まつひめ)(さま)にお(わび)のため、072高熊山(たかくまやま)巌窟(がんくつ)(まで)(とも)(いた)し、073いろいろと(あた)(かぎ)りの御用(ごよう)をさして(いただ)()御座(ござ)います』
074来勿止(くなどめの)(かみ)皆々(みなみな)赤心(まごころ)()(わか)りましたが、075(この)(こと)()助力(てつだひ)()けたとあつては松姫(まつひめ)(さま)のお手柄(てがら)になりませぬ、076松姫(まつひめ)さまだけ()一人(ひとり)(いで)なさるが(よろ)しからう、077(みな)(ひと)此処(ここ)()つて()てお()げなさい、078(その)()種々(いろいろ)(かみ)(さま)結構(けつこう)なお(はなし)交換(かうくわん)(いた)しませう』
079 一同(いちどう)言葉(ことば)(かへ)勇気(ゆうき)もなく、080承知(しようち)(むね)(こた)へ、081松姫(まつひめ)無事(ぶじ)帰途(きと)()(こと)とした。082松姫(まつひめ)(こころ)いそいそ(いさ)()ち、083(あし)(なん)となく(かる)げに枯草(かれくさ)(おほ)へる谷道(たにみち)(のぼ)()く。084前方(ぜんぱう)より二人(ふたり)男女(だんぢよ)085にこにこしながら()(きた)り、086丁寧(ていねい)会釈(ゑしやく)し、
087神国守、国依姫(わたくし)当山(たうざん)守護(しゆご)(いた)す、088神国守(みくにもり)089(わたし)国依姫(くによりひめ)御座(ござ)います。090貴女(あなた)松姫(まつひめ)さまぢや御座(ござ)いませぬか』
091松姫(まつひめ)(あふ)せの(とほ)り、092不束者(ふつつかもの)御座(ござ)います、093何分(なにぶん)宜敷(よろし)うお(ねが)(いた)します。094玉照彦(たまてるひこ)(かみ)(さま)()機嫌(きげん)(うるは)しう()らせられますか、095言照姫(ことてるひめ)(さま)()うしておゐでなさいます』
096神国守(みくにもり)『ハイハイお二方(ふたかた)(とも)097()機嫌(きげん)(こと)(ほか)(うるは)しく、098今朝(けさ)よりは特別(とくべつ)()機嫌(きげん)貴女(あなた)のお(いで)大変(たいへん)()つて()られるやうです。099サア、100(わたくし)夫婦(ふうふ)()案内(あんない)(いた)しませう、101随分(ずゐぶん)(しげ)つた嶮岨(さかし)山道(やまみち)御座(ござ)いますから、102(わたくし)がお()()つて()げませう』
103松姫(まつひめ)『イエイエ何卒(なにとぞ)(かま)うて(くだ)さいますな、104(かみ)(さま)(たい)して(おそ)(おほ)(こと)御座(ござ)います。105人様(ひとさま)のお(いで)(あそ)ばす(ところ)(わたくし)()けない(はず)御座(ござ)いませぬ』
106国依姫(くによりひめ)左様(さやう)なれば(わたし)先導(せんだう)(いた)しませう』
107夫婦(ふうふ)松姫(まつひめ)(なか)にして静々(しづしづ)岩窟(がんくつ)さして(のぼ)()く。
108神国守(みくにもり)『サア、109此処(ここ)岩窟(がんくつ)入口(いりぐち)御座(ござ)います、110四十八(しじふはち)宝座(ほうざ)御前(みまへ)御座(ござ)います、111一度(いちど)礼拝(れいはい)(いた)しまして、112(おく)()案内(あんない)する(こと)にしませう』
113 松姫(まつひめ)(うれ)しさうにニタリ(わら)ひ、114四十八(しじふはち)宝座(ほうざ)一々(いちいち)礼拝(れいはい)し、115神国守(みくにもり)夫婦(ふうふ)案内(あんない)されて岩窟(がんくつ)奥深(おくふか)(しの)()る。
116国依姫(くによりひめ)(この)岩窟(がんくつ)(のぼ)(くだ)りが、117所々(ところどころ)御座(ござ)いますから、118()用心(ようじん)なさいませ、119十七八(じふしちはつ)(ちやう)(おく)(すす)みますと立派(りつぱ)岩窟(がんくつ)のお(やかた)(きづ)かれて御座(ござ)います、120此処(ここ)玉照彦(たまてるひこ)(さま)のお(やかた)
121松姫(まつひめ)有難(ありがた)う』
122簡単(かんたん)(れい)(かへ)窟内(くつない)隧道(すゐだう)(みぎ)()(ひだり)(まが)り、123(のぼ)りつ(くだ)りつ(やうや)(やかた)(まへ)辿(たど)()いた。124(やかた)(まへ)一人(ひとり)(をとこ)()(あら)はれ松姫(まつひめ)到着(たうちやく)()つて()た。
125松姫(まつひめ)『ヤア、126(まへ)熊公(くまこう)ぢやないか、127()うして()んな(ところ)()たのだい』
128熊彦(くまひこ)『ハイ、129(わたくし)貴方(あなた)過日(せんだつて)夕間暮(ゆふまぐれ)130(やかた)()てて、131()出奔(しゆつぽん)なされたので、132(あと)(たづ)ね、133(ねが)(まを)して(ふたた)高城山(たかしろやま)(やかた)へお(かへ)りを(ねが)()いと、134()るものも取敢(とりあへ)(はし)()でむとすれば、135(せつ)さまや竜若(たつわか)無理(むり)()(とめ)られ、136残念(ざんねん)ながら肉体(にくたい)(やかた)(のこ)し、137霊魂(れいこん)のみ貴方(あなた)行衛(ゆくへ)(たづ)ね、138此処迄(ここまで)()案内(あんない)(まを)して()たのです、139堺峠(さかひたうげ)(おい)()(にん)(やつ)貴方(あなた)がエライ()()はされなさつた(とき)140(わたくし)はどれだけ(くる)しんだか()れませぬ。141貴女(あなた)のお(からだ)付纏(つきまと)ひ、142(わたくし)(かは)つて(なぐ)られました、143御覧(ごらん)なさいませ、144(この)(とほ)りまだ創傷(きず)十分(じふぶん)(なほ)つて()りませぬ』
145松姫(まつひめ)『アヽさうするとお(まへ)(にく)(みや)(やかた)(のこ)して()いて()たのだなア、146(あと)()うしなさつた』
147熊彦(くまひこ)『ハイ、148(にく)(みや)千代彦(ちよひこ)()(ほん)守護神(しゆごじん)(まも)つて()ます』
149松姫(まつひめ)『アヽ、150さうかな、151それは()苦労(くらう)だつた、152(はや)(かへ)つて(くだ)さい、153もう大丈夫(だいぢやうぶ)だから』
154熊彦(くまひこ)『もう(しばら)くお(とも)さして(くだ)さい』
155神国守(みくにもり)『ヤア、156さう()くと貴方(あなた)(ある)(ひと)幽霊(いうれい)だな』
157松姫(まつひめ)『これは(わたくし)(いへ)()りまする熊公(くまこう)()大変(たいへん)師匠(ししやう)(おも)ひの(をとこ)で、158門番(もんばん)受付(うけつけ)をして()るので御座(ござ)います、159一心(いつしん)(まこと)(とほ)つて霊魂(れいこん)幽体(いうたい)(げん)じ、160此処迄(ここまで)(わたくし)(まも)つて()()れたのです』
161国依姫(くによりひめ)(なん)(まこと)(つよ)い、162師匠(ししやう)(おも)ひの(かた)ですなア』
163 松姫(まつひめ)(はや)くも何故(なにゆゑ)(なみだ)ぐんで()る。164熊公(くまこう)姿(すがた)(けぶり)(ごと)()えて仕舞(しま)つた。
165 忽然(こつぜん)として(やかた)()(ひら)かれ、166(なか)より言照姫(ことてるひめ)威厳(ゐげん)()ちた姿(すがた)(あら)はれた。
167言照姫(ことてるひめ)『ヤア其方(そなた)松姫(まつひめ)であつたか、168(わたし)言照姫(ことてるひめ)(みこと)169様子(やうす)あつて本名(ほんみやう)(いま)(しばら)名乗(なの)りませぬ、170(おく)(やす)ませらるる玉照彦(たまてるひこ)(さま)(とほ)未来(みらい)(おい)てミロク神政(しんせい)成就(じやうじゆ)神業(しんげふ)参加(さんか)(あそ)ばす(たふと)伊都能売(いづのめ)()御霊(みたま)171其方(そなた)大切(たいせつ)奉侍(ほうじ)し、172世継王(よつわう)(ざん)(ふもと)(おは)国武彦(くにたけひこ)(みこと)にお(とど)けあれ、173(しか)らば其方(そなた)()ふに(およ)ばず高姫(たかひめ)174黒姫(くろひめ)一派(いつぱ)の、175今迄(いままで)(みづ)御霊(みたま)大神(おほかみ)射向(いむ)かひまつりし重大(ぢうだい)(つみ)(ゆる)され、176神界(しんかい)御用(ごよう)参加(さんか)し、177偉勲(ゐくん)()つる(こと)()む。178神国守(みくにもり)179国依姫(くによりひめ)松姫(まつひめ)(とも)玉照彦(たまてるひこ)(みこと)保護(ほご)(たてまつ)り、180(あや)聖地(せいち)(おく)らるべし』
181言葉(ことば)(をは)るや(いな)や、182言照姫(ことてるひめ)姿(すがた)忽然(こつぜん)として()えて仕舞(しま)つた。183松姫(まつひめ)(かしこ)(つつし)み、184(あま)数歌(かずうた)(うた)ひあげ、185(をは)つて言葉(ことば)(しづ)かに、
186松姫(まつひめ)(わたし)松姫(まつひめ)(まを)すもの、187唯今(ただいま)言照姫(ことてるひめ)(さま)()命令(めいれい)(はい)し、188尊様(みことさま)をお(むか)(まを)して(あや)聖地(せいち)(むか)ひます。189何卒(なにとぞ)(わたし)にこの(たふと)御用(ごよう)をお(ゆる)(くだ)さいませ』
190一心(いつしん)祈願(きぐわん)(をは)るや、191玉照彦(たまてるひこ)(みこと)()(あが)り、192(ちひ)さき身体(からだ)()りながら、193松姫(まつひめ)(ひざ)(うれ)しげに(あが)らせられた。194松姫(まつひめ)(うやうや)しく懐中(ふところ)(いだ)(たてまつ)り、195神国守(みくにもり)夫婦(ふうふ)(まも)られ、196(やうや)岩窟(がんくつ)()()て、197(ふたた)宝座(ほうざ)()(をが)み、198来勿止(くなどめの)(かみ)(いほり)(やうや)(かへ)りついた。
199 来勿止(くなどめの)(かみ)(はじ)め、200(かつ)201(たけ)202(ろく)203(はつ)204(その)()門番(もんばん)(およ)谷丸(たにまる)205鬼丸(おにまる)206テルヂー、207コロンボは(もん)内面(ないめん)整列(せいれつ)して奉迎(ほうげい)しつつあつた。208松姫(まつひめ)神国守(みくにもり)夫婦(ふうふ)(ともな)ひ、209静々(しづしづ)目礼(もくれい)しながら(もん)()づれば(あに)(はか)らむや、210数多(あまた)白衣(びやくい)(ちやく)せる神人(しんじん)幾百(いくひやく)(にん)ともなく、211(みち)左右(さいう)整列(せいれつ)し、212英子姫(ひでこひめ)213悦子姫(よしこひめ)214亀彦(かめひこ)215常彦(つねひこ)216若彦(わかひこ)217紫姫(むらさきひめ)218(その)()三五教(あななひけう)219ウラナイ(けう)宣伝使(せんでんし)肉体(にくたい)(およ)幽体(いうたい)相交(あひまじ)はり、220(うやうや)しく奉迎(ほうげい)して()る。221何処(いづく)ともなく微妙(びめう)音楽(おんがく)四方(しはう)(おこ)松姫(まつひめ)(おも)はず(あし)(すす)()で、222何時(いつ)()にか、223世継王(よつわう)山麓(さんろく)悦子姫(よしこひめ)(いほり)()()たり。224(ここ)玉照彦(たまてるひこ)225玉照姫(たまてるひめ)神人(しんじん)二柱(ふたはしら)相並(あひなら)(たま)ひ、226()()神徳(しんとく)(あら)はれ、227昼夜(ちうや)区別(くべつ)なく瑞雲(ずゐうん)棚引(たなび)(わた)り、228ウラナイ(けう)高姫(たかひめ)229黒姫(くろひめ)(その)()嬉々(きき)として(あつ)まり()たり、230ミロク神政(しんせい)基礎(きそ)(かた)むる(こと)となりにける。
231大正一一・五・九 旧四・一三 加藤明子録)
232(昭和一〇・六・四 於透明殿 王仁校正)
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