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第19巻(午の巻)
序
凡例
総説三十三魂
第1篇 神慮洪遠
01 高熊山
〔646〕
02 鶍の嘴
〔647〕
03 千騎一騎
〔648〕
04 善か悪か
〔649〕
第2篇 意外の意外
05 零敗の苦
〔650〕
06 和合と謝罪
〔651〕
07 牛飲馬食
〔652〕
08 大悟徹底
〔653〕
第3篇 至誠通神
09 身魂の浄化
〔654〕
10 馬鹿正直
〔655〕
11 変態動物
〔656〕
12 言照姫
〔657〕
第4篇 地異天変
13 混線
〔658〕
14 声の在所
〔659〕
15 山神の滝
〔660〕
16 玉照彦
〔661〕
17 言霊車
〔662〕
霊の礎(五)
余白歌
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第19巻
> 第4篇 地異天変 > 第16章 玉照彦
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第一六章
玉照彦
(
たまてるひこ
)
〔六六一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第19巻 如意宝珠 午の巻
篇:
第4篇 地異天変
よみ(新仮名遣い):
ちいてんぺん
章:
第16章 玉照彦
よみ(新仮名遣い):
たまてるひこ
通し章番号:
661
口述日:
1922(大正11)年05月09日(旧04月13日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年2月28日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
来勿止神はは四人が謝罪しに来ることも知っていた。招き入れられた四人は、土間に平伏して、来勿止神と松姫に自分たちの罪を懺悔した。
来勿止神は玉照彦の送迎を、松姫一人で行うようにと命じた。松姫が高熊山を登っていくと、山を守っている神国守と国依姫夫婦に迎えられた。夫婦は松姫を岩窟の入口の四十八宝座へ案内した。
四十八宝座に拝礼した松姫は、岩窟の中に入っていった。神国守夫婦に導かれて、岩窟内の館の前にやってきた。すると熊彦の霊体がそこに居て、松姫が谷丸らに殴られたとき、代わって痛みを受けたのだ、と告げると消えてしまった。
松姫は熊彦の忠心に涙ぐんでいると、館の扉が開いて言照姫命が姿を現した。言照姫命は、自分の本当の名前はまだ明かせない、と告げると、玉照彦は遠い未来でミロク神政成就の神業に参加する、尊い伊都能売之御魂であると明かした。そして、玉照彦を、世継王山の麓に居る国武彦に渡すようにと命じた。
松姫は玉照彦をうやうやしく奉じ、来勿止神に復命した。そして世継王山の麓に玉照彦を送るため、神国守夫婦とともに関所の門を出た。そこには三五教を始め、ウラナイ教の宣伝使たちが霊体ともに居並んで奉迎していた。
松姫らは無事に世継王山麓の悦子姫の庵に玉照彦を送り届けた。玉照彦、玉照姫の神人は合い並んで神徳を表し、ウラナイ教の高姫、黒姫らも嬉々として集まり来たった。ここにミロク神政の基礎を固めることとなった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-04-04 18:43:03
OBC :
rm1916
愛善世界社版:
272頁
八幡書店版:
第4輯 131頁
修補版:
校定版:
276頁
普及版:
126頁
初版:
ページ備考:
001
来勿止
(
くなどめの
)
神
(
かみ
)
は、
002
松姫
(
まつひめ
)
、
003
竹
(
たけ
)
其
(
その
)
他
(
た
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
と
共
(
とも
)
に
機嫌
(
きげん
)
よく
湯
(
ゆ
)
を
啜
(
すす
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
004
此処
(
ここ
)
へ
門番頭
(
もんばんがしら
)
の
勝
(
かつ
)
は
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り、
005
勝公
『モシモシ
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
、
006
此間
(
こなひだ
)
の
奴
(
やつ
)
が
二人
(
ふたり
)
も
新顔
(
しんがほ
)
を
連
(
つ
)
れ、
007
都合
(
つがふ
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
やつて
参
(
まゐ
)
りました』
008
来勿止
(
くなどめの
)
神
(
かみ
)
『アヽさうだらう、
009
改心
(
かいしん
)
して
謝罪
(
あやま
)
つて
居
(
ゐ
)
るだらうなア、
010
大方
(
おほかた
)
谷丸
(
たにまる
)
、
011
鬼丸
(
おにまる
)
、
012
テルヂー、
013
コロンボと
云
(
い
)
ふ
人間
(
にんげん
)
だらう、
014
早
(
はや
)
く
此方
(
こなた
)
へ
案内
(
あんない
)
をするが
宜敷
(
よろし
)
い』
015
勝公
(
かつこう
)
『
承知
(
しようち
)
致
(
いた
)
しました、
016
併
(
しか
)
し
松姫
(
まつひめ
)
様
(
さま
)
にお
詫
(
わび
)
がしたいと
云
(
い
)
うて
居
(
ゐ
)
ます』
017
来勿止
(
くなどめの
)
神
(
かみ
)
『アヽさうかさうか、
018
それなら
尚更
(
なほさら
)
結構
(
けつこう
)
だ』
019
間
(
ま
)
もなく
勝
(
かつ
)
の
案内
(
あんない
)
に
連
(
つ
)
れ、
020
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ
怖
(
こわ
)
さうに
閾
(
しきゐ
)
を
跨
(
ま
)
たげて
土間
(
どま
)
に
平太
(
へた
)
り
込
(
こ
)
み、
021
頭
(
かしら
)
を
地
(
ち
)
につけて
謝罪
(
あやま
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
022
来勿止
(
くなどめの
)
神
(
かみ
)
『オヽお
前
(
まへ
)
は
谷丸
(
たにまる
)
以下
(
いか
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
だなア、
023
何
(
ど
)
うだ、
024
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
神力
(
しんりき
)
には
屈服
(
くつぷく
)
したかな』
025
谷丸
(
たにまる
)
漸
(
やうや
)
く
首
(
くび
)
を
上
(
あ
)
げ、
026
谷丸
(
たにまる
)
『イヤもう、
027
重々
(
ぢうぢう
)
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
を
致
(
いた
)
しまして
申訳
(
まをしわけ
)
も
御座
(
ござ
)
いませぬ、
028
そちらに
御座
(
ござ
)
るは
松姫
(
まつひめ
)
様
(
さま
)
、
029
何
(
ど
)
うで
御座
(
ござ
)
います、
030
お
体
(
からだ
)
は
痛
(
いた
)
みませぬか、
031
つい
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
の
悪魔
(
あくま
)
に
操
(
あやつ
)
られ、
032
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
計
(
ばか
)
り
致
(
いた
)
しました。
033
今日
(
けふ
)
は
四人
(
よにん
)
連
(
づ
)
れ
打
(
う
)
ち
揃
(
そろ
)
ひ
貴女
(
あなた
)
のお
跡
(
あと
)
を
尋
(
たづ
)
ね、
034
お
詫
(
わび
)
に
参
(
まゐ
)
りました。
035
重々
(
ぢうぢう
)
の
罪
(
つみ
)
お
赦
(
ゆる
)
し
下
(
くだ
)
さいませ』
036
と
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
一度
(
いちど
)
に
首
(
くび
)
を
下
(
さ
)
げる。
037
松姫
(
まつひめ
)
『イヽエ、
038
何
(
なん
)
の
何
(
なん
)
の、
039
私
(
わたくし
)
こそ
貴方
(
あなた
)
等
(
がた
)
にお
詫
(
わび
)
をせなくてはならないのです。
040
貴方
(
あなた
)
等
(
がた
)
のお
蔭
(
かげ
)
で
結構
(
けつこう
)
な
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
を
頂
(
いただ
)
きました』
041
来勿止
(
くなどめの
)
神
(
かみ
)
『
皆様
(
みなさま
)
、
042
其処
(
そこ
)
は
土間
(
どま
)
ぢや、
043
冷
(
ひ
)
えますから
破屋
(
あばらや
)
なれど
座敷
(
ざしき
)
へ
上
(
あが
)
つて
下
(
くだ
)
さい』
044
谷丸
(
たにまる
)
『イエイエ
何
(
ど
)
う
致
(
いた
)
しまして
畏多
(
おそれおほ
)
い、
045
斯様
(
かやう
)
な
罪人
(
ざいにん
)
が
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
と
同席
(
どうせき
)
が
何
(
ど
)
うして
出来
(
でき
)
ませう』
046
来勿止
(
くなどめの
)
神
(
かみ
)
『
貴方
(
あなた
)
はもはや
罪
(
つみ
)
より
救
(
すく
)
はれたのだ、
047
尊
(
たふと
)
い
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
珍
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
だから、
048
さう
遠慮
(
ゑんりよ
)
なさるに
及
(
およ
)
ばぬ。
049
遠慮
(
ゑんりよ
)
は
却
(
かへ
)
つて
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
の
基
(
もと
)
だから、
050
私
(
わたくし
)
の
云
(
い
)
ふ
通
(
とほ
)
り
素直
(
すなほ
)
にお
上
(
あが
)
り
下
(
くだ
)
さい』
051
テルヂー『サア
皆
(
みな
)
さま、
052
折角
(
せつかく
)
のお
志
(
こころざし
)
、
053
上
(
あが
)
らせて
頂
(
いただ
)
きませう』
054
と
一足
(
ひとあし
)
跨
(
また
)
げて
先
(
さき
)
に
上
(
あが
)
る。
055
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は、
056
コロンボ、谷丸、鬼丸
『
御免
(
ごめん
)
下
(
くだ
)
さいませ』
057
と
怖
(
おそ
)
る
怖
(
おそ
)
る、
058
座敷
(
ざしき
)
に
上
(
あが
)
つた。
059
竹
(
たけ
)
は
湯
(
ゆ
)
を
汲
(
く
)
んで
四
(
よ
)
人
(
にん
)
に
勧
(
すす
)
める。
060
谷丸
(
たにまる
)
『
松姫
(
まつひめ
)
様
(
さま
)
、
061
貴女
(
あなた
)
は
是
(
これ
)
から
玉照彦
(
たまてるひこ
)
様
(
さま
)
をお
迎
(
むか
)
ひにお
出
(
いで
)
なさるのでせう』
062
松姫
(
まつひめ
)
『エヽ』
063
谷丸
(
たにまる
)
『お
隠
(
かく
)
しなさいますな、
064
もはや
吾々
(
われわれ
)
共
(
ども
)
は
改心
(
かいしん
)
を
致
(
いた
)
しました
以上
(
いじやう
)
は、
065
玉照彦
(
たまてるひこ
)
様
(
さま
)
を
奉迎
(
ほうげい
)
したいなどと、
066
左様
(
さやう
)
な
不都合
(
ふつがふ
)
な
考
(
かんが
)
へは
持
(
も
)
ちませぬ、
067
ナア、
068
一同
(
いちどう
)
さま』
069
テルヂー『
左様
(
さやう
)
で
御座
(
ござ
)
います、
070
吾々
(
われわれ
)
も
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
蔭
(
かげ
)
に
依
(
よ
)
つて
左様
(
さやう
)
な
執着心
(
しふちやくしん
)
は
念頭
(
ねんとう
)
から
さらり
と
去
(
さ
)
りました。
071
併
(
しか
)
し
松姫
(
まつひめ
)
様
(
さま
)
にお
詫
(
わび
)
のため、
072
高熊山
(
たかくまやま
)
の
巌窟
(
がんくつ
)
迄
(
まで
)
お
伴
(
とも
)
致
(
いた
)
し、
073
いろいろと
能
(
あた
)
う
限
(
かぎ
)
りの
御用
(
ごよう
)
をさして
頂
(
いただ
)
き
度
(
た
)
う
御座
(
ござ
)
います』
074
来勿止
(
くなどめの
)
神
(
かみ
)
『
皆々
(
みなみな
)
の
赤心
(
まごころ
)
は
良
(
よ
)
く
分
(
わか
)
りましたが、
075
此
(
この
)
事
(
こと
)
は
御
(
お
)
助力
(
てつだひ
)
を
受
(
う
)
けたとあつては
松姫
(
まつひめ
)
様
(
さま
)
のお
手柄
(
てがら
)
になりませぬ、
076
松姫
(
まつひめ
)
さまだけ
御
(
お
)
一人
(
ひとり
)
お
出
(
いで
)
なさるが
宜
(
よろ
)
しからう、
077
皆
(
みな
)
の
人
(
ひと
)
は
此処
(
ここ
)
に
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
てお
上
(
あ
)
げなさい、
078
其
(
その
)
間
(
ま
)
に
種々
(
いろいろ
)
と
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
結構
(
けつこう
)
なお
話
(
はなし
)
を
交換
(
かうくわん
)
致
(
いた
)
しませう』
079
一同
(
いちどう
)
は
言葉
(
ことば
)
を
返
(
かへ
)
す
勇気
(
ゆうき
)
もなく、
080
承知
(
しようち
)
の
旨
(
むね
)
を
答
(
こた
)
へ、
081
松姫
(
まつひめ
)
の
無事
(
ぶじ
)
の
帰途
(
きと
)
を
待
(
ま
)
つ
事
(
こと
)
とした。
082
松姫
(
まつひめ
)
は
心
(
こころ
)
いそいそ
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち、
083
脚
(
あし
)
も
何
(
なん
)
となく
軽
(
かる
)
げに
枯草
(
かれくさ
)
蔽
(
おほ
)
へる
谷道
(
たにみち
)
を
上
(
のぼ
)
り
往
(
ゆ
)
く。
084
前方
(
ぜんぱう
)
より
二人
(
ふたり
)
の
男女
(
だんぢよ
)
、
085
にこにこしながら
出
(
い
)
で
来
(
きた
)
り、
086
丁寧
(
ていねい
)
に
会釈
(
ゑしやく
)
し、
087
神国守、国依姫
『
私
(
わたくし
)
は
当山
(
たうざん
)
を
守護
(
しゆご
)
致
(
いた
)
す、
088
神国守
(
みくにもり
)
、
089
妾
(
わたし
)
は
国依姫
(
くによりひめ
)
で
御座
(
ござ
)
います。
090
貴女
(
あなた
)
は
松姫
(
まつひめ
)
さまぢや
御座
(
ござ
)
いませぬか』
091
松姫
(
まつひめ
)
『
仰
(
あふ
)
せの
通
(
とほ
)
り、
092
不束者
(
ふつつかもの
)
で
御座
(
ござ
)
います、
093
何分
(
なにぶん
)
宜敷
(
よろし
)
うお
願
(
ねが
)
ひ
致
(
いた
)
します。
094
玉照彦
(
たまてるひこ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
御
(
ご
)
機嫌
(
きげん
)
麗
(
うるは
)
しう
在
(
あ
)
らせられますか、
095
言照姫
(
ことてるひめ
)
様
(
さま
)
は
何
(
ど
)
うしておゐでなさいます』
096
神国守
(
みくにもり
)
『ハイハイお
二方
(
ふたかた
)
共
(
とも
)
、
097
御
(
ご
)
機嫌
(
きげん
)
殊
(
こと
)
の
外
(
ほか
)
麗
(
うるは
)
しく、
098
今朝
(
けさ
)
よりは
特別
(
とくべつ
)
の
御
(
ご
)
機嫌
(
きげん
)
で
貴女
(
あなた
)
のお
出
(
いで
)
を
大変
(
たいへん
)
に
待
(
ま
)
つて
居
(
を
)
られるやうです。
099
サア、
100
私
(
わたくし
)
夫婦
(
ふうふ
)
が
御
(
ご
)
案内
(
あんない
)
致
(
いた
)
しませう、
101
随分
(
ずゐぶん
)
茂
(
しげ
)
つた
嶮岨
(
さかし
)
い
山道
(
やまみち
)
で
御座
(
ござ
)
いますから、
102
私
(
わたくし
)
がお
手
(
て
)
を
把
(
と
)
つて
上
(
あ
)
げませう』
103
松姫
(
まつひめ
)
『イエイエ
何卒
(
なにとぞ
)
構
(
かま
)
うて
下
(
くだ
)
さいますな、
104
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
対
(
たい
)
して
畏
(
おそ
)
れ
多
(
おほ
)
い
事
(
こと
)
で
御座
(
ござ
)
います。
105
人様
(
ひとさま
)
のお
出
(
いで
)
遊
(
あそ
)
ばす
所
(
ところ
)
へ
私
(
わたくし
)
が
往
(
い
)
けない
筈
(
はず
)
は
御座
(
ござ
)
いませぬ』
106
国依姫
(
くによりひめ
)
『
左様
(
さやう
)
なれば
妾
(
わたし
)
が
先導
(
せんだう
)
を
致
(
いた
)
しませう』
107
と
夫婦
(
ふうふ
)
は
松姫
(
まつひめ
)
を
中
(
なか
)
にして
静々
(
しづしづ
)
と
岩窟
(
がんくつ
)
さして
登
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
108
神国守
(
みくにもり
)
『サア、
109
此処
(
ここ
)
が
岩窟
(
がんくつ
)
の
入口
(
いりぐち
)
で
御座
(
ござ
)
います、
110
四十八
(
しじふはち
)
の
宝座
(
ほうざ
)
の
御前
(
みまへ
)
で
御座
(
ござ
)
います、
111
一度
(
いちど
)
礼拝
(
れいはい
)
致
(
いた
)
しまして、
112
奥
(
おく
)
へ
御
(
ご
)
案内
(
あんない
)
する
事
(
こと
)
にしませう』
113
松姫
(
まつひめ
)
は
嬉
(
うれ
)
しさうに
ニタリ
と
笑
(
わら
)
ひ、
114
四十八
(
しじふはち
)
の
宝座
(
ほうざ
)
を
一々
(
いちいち
)
礼拝
(
れいはい
)
し、
115
神国守
(
みくにもり
)
夫婦
(
ふうふ
)
に
案内
(
あんない
)
されて
岩窟
(
がんくつ
)
の
奥深
(
おくふか
)
く
忍
(
しの
)
び
入
(
い
)
る。
116
国依姫
(
くによりひめ
)
『
此
(
この
)
岩窟
(
がんくつ
)
は
上
(
のぼ
)
り
下
(
くだ
)
りが、
117
所々
(
ところどころ
)
に
御座
(
ござ
)
いますから、
118
御
(
ご
)
用心
(
ようじん
)
なさいませ、
119
十七八
(
じふしちはつ
)
丁
(
ちやう
)
奥
(
おく
)
へ
進
(
すす
)
みますと
立派
(
りつぱ
)
な
岩窟
(
がんくつ
)
のお
館
(
やかた
)
が
築
(
きづ
)
かれて
御座
(
ござ
)
います、
120
此処
(
ここ
)
が
玉照彦
(
たまてるひこ
)
様
(
さま
)
のお
館
(
やかた
)
』
121
松姫
(
まつひめ
)
『
有難
(
ありがた
)
う』
122
と
簡単
(
かんたん
)
に
礼
(
れい
)
を
返
(
かへ
)
し
窟内
(
くつない
)
の
隧道
(
すゐだう
)
を
右
(
みぎ
)
に
折
(
お
)
れ
左
(
ひだり
)
に
曲
(
まが
)
り、
123
上
(
のぼ
)
りつ
下
(
くだ
)
りつ
漸
(
やうや
)
く
館
(
やかた
)
の
前
(
まへ
)
に
辿
(
たど
)
り
着
(
つ
)
いた。
124
館
(
やかた
)
の
前
(
まへ
)
に
一人
(
ひとり
)
の
男
(
をとこ
)
が
立
(
た
)
ち
現
(
あら
)
はれ
松姫
(
まつひめ
)
の
到着
(
たうちやく
)
を
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
125
松姫
(
まつひめ
)
『ヤア、
126
お
前
(
まへ
)
は
熊公
(
くまこう
)
ぢやないか、
127
何
(
ど
)
うして
斯
(
こ
)
んな
処
(
ところ
)
へ
来
(
き
)
たのだい』
128
熊彦
(
くまひこ
)
『ハイ、
129
私
(
わたくし
)
は
貴方
(
あなた
)
が
過日
(
せんだつて
)
の
夕間暮
(
ゆふまぐれ
)
、
130
お
館
(
やかた
)
を
捨
(
す
)
てて、
131
御
(
ご
)
出奔
(
しゆつぽん
)
なされたので、
132
お
跡
(
あと
)
を
尋
(
たづ
)
ね、
133
お
願
(
ねが
)
ひ
申
(
まを
)
して
再
(
ふたた
)
び
高城山
(
たかしろやま
)
の
館
(
やかた
)
へお
帰
(
かへ
)
りを
願
(
ねが
)
ひ
度
(
た
)
いと、
134
取
(
と
)
るものも
取敢
(
とりあへ
)
ず
走
(
はし
)
り
出
(
い
)
でむとすれば、
135
お
節
(
せつ
)
さまや
竜若
(
たつわか
)
に
無理
(
むり
)
に
引
(
ひ
)
き
留
(
とめ
)
られ、
136
残念
(
ざんねん
)
ながら
肉体
(
にくたい
)
は
館
(
やかた
)
に
残
(
のこ
)
し、
137
霊魂
(
れいこん
)
のみ
貴方
(
あなた
)
の
行衛
(
ゆくへ
)
を
尋
(
たづ
)
ね、
138
此処迄
(
ここまで
)
御
(
ご
)
案内
(
あんない
)
を
申
(
まを
)
して
来
(
き
)
たのです、
139
堺峠
(
さかひたうげ
)
に
於
(
おい
)
て
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
奴
(
やつ
)
に
貴方
(
あなた
)
がエライ
目
(
め
)
に
遭
(
あ
)
はされなさつた
時
(
とき
)
、
140
私
(
わたくし
)
はどれだけ
苦
(
くる
)
しんだか
知
(
し
)
れませぬ。
141
貴女
(
あなた
)
のお
体
(
からだ
)
に
付纏
(
つきまと
)
ひ、
142
私
(
わたくし
)
が
代
(
かは
)
つて
撲
(
なぐ
)
られました、
143
御覧
(
ごらん
)
なさいませ、
144
此
(
この
)
通
(
とほ
)
りまだ
創傷
(
きず
)
が
十分
(
じふぶん
)
に
癒
(
なほ
)
つて
居
(
を
)
りませぬ』
145
松姫
(
まつひめ
)
『アヽさうするとお
前
(
まへ
)
は
肉
(
にく
)
の
宮
(
みや
)
を
館
(
やかた
)
に
残
(
のこ
)
して
置
(
お
)
いて
来
(
き
)
たのだなア、
146
跡
(
あと
)
は
何
(
ど
)
うしなさつた』
147
熊彦
(
くまひこ
)
『ハイ、
148
肉
(
にく
)
の
宮
(
みや
)
は
千代彦
(
ちよひこ
)
と
云
(
い
)
ふ
本
(
ほん
)
守護神
(
しゆごじん
)
が
守
(
まも
)
つて
居
(
ゐ
)
ます』
149
松姫
(
まつひめ
)
『アヽ、
150
さうかな、
151
それは
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
だつた、
152
早
(
はや
)
く
帰
(
かへ
)
つて
下
(
くだ
)
さい、
153
もう
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だから』
154
熊彦
(
くまひこ
)
『もう
暫
(
しばら
)
くお
伴
(
とも
)
さして
下
(
くだ
)
さい』
155
神国守
(
みくにもり
)
『ヤア、
156
さう
聞
(
き
)
くと
貴方
(
あなた
)
が
或
(
ある
)
人
(
ひと
)
の
幽霊
(
いうれい
)
だな』
157
松姫
(
まつひめ
)
『これは
私
(
わたくし
)
の
家
(
いへ
)
に
居
(
を
)
りまする
熊公
(
くまこう
)
と
云
(
い
)
ふ
大変
(
たいへん
)
師匠
(
ししやう
)
思
(
おも
)
ひの
男
(
をとこ
)
で、
158
門番
(
もんばん
)
や
受付
(
うけつけ
)
をして
居
(
を
)
るので
御座
(
ござ
)
います、
159
一心
(
いつしん
)
の
誠
(
まこと
)
が
通
(
とほ
)
つて
霊魂
(
れいこん
)
が
幽体
(
いうたい
)
を
現
(
げん
)
じ、
160
此処迄
(
ここまで
)
私
(
わたくし
)
を
守
(
まも
)
つて
来
(
き
)
て
呉
(
く
)
れたのです』
161
国依姫
(
くによりひめ
)
『
何
(
なん
)
と
誠
(
まこと
)
の
強
(
つよ
)
い、
162
師匠
(
ししやう
)
思
(
おも
)
ひの
方
(
かた
)
ですなア』
163
松姫
(
まつひめ
)
は
早
(
はや
)
くも
何故
(
なにゆゑ
)
か
涙
(
なみだ
)
ぐんで
居
(
ゐ
)
る。
164
熊公
(
くまこう
)
の
姿
(
すがた
)
は
煙
(
けぶり
)
の
如
(
ごと
)
く
消
(
き
)
えて
仕舞
(
しま
)
つた。
165
忽然
(
こつぜん
)
として
館
(
やかた
)
の
戸
(
と
)
は
開
(
ひら
)
かれ、
166
中
(
なか
)
より
言照姫
(
ことてるひめ
)
の
威厳
(
ゐげん
)
に
満
(
み
)
ちた
姿
(
すがた
)
が
現
(
あら
)
はれた。
167
言照姫
(
ことてるひめ
)
『ヤア
其方
(
そなた
)
は
松姫
(
まつひめ
)
であつたか、
168
妾
(
わたし
)
は
言照姫
(
ことてるひめ
)
の
命
(
みこと
)
、
169
様子
(
やうす
)
あつて
本名
(
ほんみやう
)
は
今
(
いま
)
暫
(
しばら
)
く
名乗
(
なの
)
りませぬ、
170
奥
(
おく
)
に
寝
(
やす
)
ませらるる
玉照彦
(
たまてるひこ
)
様
(
さま
)
は
遠
(
とほ
)
き
未来
(
みらい
)
に
於
(
おい
)
てミロク
神政
(
しんせい
)
成就
(
じやうじゆ
)
の
神業
(
しんげふ
)
に
参加
(
さんか
)
遊
(
あそ
)
ばす
尊
(
たふと
)
き
伊都能売
(
いづのめ
)
之
(
の
)
御霊
(
みたま
)
、
171
其方
(
そなた
)
は
大切
(
たいせつ
)
に
奉侍
(
ほうじ
)
し、
172
世継王
(
よつわう
)
山
(
ざん
)
の
麓
(
ふもと
)
に
在
(
おは
)
す
国武彦
(
くにたけひこ
)
の
命
(
みこと
)
にお
届
(
とど
)
けあれ、
173
然
(
しか
)
らば
其方
(
そなた
)
は
云
(
い
)
ふに
及
(
およ
)
ばず
高姫
(
たかひめ
)
、
174
黒姫
(
くろひめ
)
一派
(
いつぱ
)
の、
175
今迄
(
いままで
)
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
大神
(
おほかみ
)
に
射向
(
いむ
)
かひまつりし
重大
(
ぢうだい
)
の
罪
(
つみ
)
を
赦
(
ゆる
)
され、
176
神界
(
しんかい
)
の
御用
(
ごよう
)
に
参加
(
さんか
)
し、
177
偉勲
(
ゐくん
)
を
建
(
た
)
つる
事
(
こと
)
を
得
(
え
)
む。
178
神国守
(
みくにもり
)
、
179
国依姫
(
くによりひめ
)
は
松姫
(
まつひめ
)
と
共
(
とも
)
に
玉照彦
(
たまてるひこ
)
の
命
(
みこと
)
を
保護
(
ほご
)
し
奉
(
たてまつ
)
り、
180
綾
(
あや
)
の
聖地
(
せいち
)
に
送
(
おく
)
らるべし』
181
と
言葉
(
ことば
)
終
(
をは
)
るや
否
(
いな
)
や、
182
言照姫
(
ことてるひめ
)
の
姿
(
すがた
)
は
忽然
(
こつぜん
)
として
消
(
き
)
えて
仕舞
(
しま
)
つた。
183
松姫
(
まつひめ
)
は
畏
(
かしこ
)
み
慎
(
つつし
)
み、
184
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
を
謡
(
うた
)
ひあげ、
185
終
(
をは
)
つて
言葉
(
ことば
)
静
(
しづ
)
かに、
186
松姫
(
まつひめ
)
『
妾
(
わたし
)
は
松姫
(
まつひめ
)
と
申
(
まを
)
すもの、
187
唯今
(
ただいま
)
言照姫
(
ことてるひめ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
を
拝
(
はい
)
し、
188
尊様
(
みことさま
)
をお
迎
(
むか
)
へ
申
(
まを
)
して
綾
(
あや
)
の
聖地
(
せいち
)
に
向
(
むか
)
ひます。
189
何卒
(
なにとぞ
)
妾
(
わたし
)
にこの
尊
(
たふと
)
き
御用
(
ごよう
)
をお
許
(
ゆる
)
し
下
(
くだ
)
さいませ』
190
と
一心
(
いつしん
)
に
祈願
(
きぐわん
)
し
終
(
をは
)
るや、
191
玉照彦
(
たまてるひこ
)
の
命
(
みこと
)
は
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
り、
192
小
(
ちひ
)
さき
身体
(
からだ
)
を
揺
(
ゆ
)
りながら、
193
松姫
(
まつひめ
)
の
膝
(
ひざ
)
に
嬉
(
うれ
)
しげに
上
(
あが
)
らせられた。
194
松姫
(
まつひめ
)
は
恭
(
うやうや
)
しく
懐中
(
ふところ
)
に
抱
(
いだ
)
き
奉
(
たてまつ
)
り、
195
神国守
(
みくにもり
)
夫婦
(
ふうふ
)
に
守
(
まも
)
られ、
196
漸
(
やうや
)
く
岩窟
(
がんくつ
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
で
)
て、
197
再
(
ふたた
)
び
宝座
(
ほうざ
)
を
伏
(
ふ
)
し
拝
(
をが
)
み、
198
来勿止
(
くなどめの
)
神
(
かみ
)
の
庵
(
いほり
)
に
漸
(
やうや
)
く
帰
(
かへ
)
りついた。
199
来勿止
(
くなどめの
)
神
(
かみ
)
を
始
(
はじ
)
め、
200
勝
(
かつ
)
、
201
竹
(
たけ
)
、
202
六
(
ろく
)
、
203
初
(
はつ
)
、
204
其
(
その
)
他
(
た
)
の
門番
(
もんばん
)
及
(
およ
)
び
谷丸
(
たにまる
)
、
205
鬼丸
(
おにまる
)
、
206
テルヂー、
207
コロンボは
門
(
もん
)
の
内面
(
ないめん
)
に
整列
(
せいれつ
)
して
奉迎
(
ほうげい
)
しつつあつた。
208
松姫
(
まつひめ
)
は
神国守
(
みくにもり
)
夫婦
(
ふうふ
)
を
伴
(
ともな
)
ひ、
209
静々
(
しづしづ
)
と
目礼
(
もくれい
)
しながら
門
(
もん
)
を
出
(
い
)
づれば
豈
(
あに
)
図
(
はか
)
らむや、
210
数多
(
あまた
)
の
白衣
(
びやくい
)
を
着
(
ちやく
)
せる
神人
(
しんじん
)
幾百
(
いくひやく
)
人
(
にん
)
ともなく、
211
道
(
みち
)
の
左右
(
さいう
)
に
整列
(
せいれつ
)
し、
212
英子姫
(
ひでこひめ
)
、
213
悦子姫
(
よしこひめ
)
、
214
亀彦
(
かめひこ
)
、
215
常彦
(
つねひこ
)
、
216
若彦
(
わかひこ
)
、
217
紫姫
(
むらさきひめ
)
、
218
其
(
その
)
他
(
た
)
三五教
(
あななひけう
)
、
219
ウラナイ
教
(
けう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
の
肉体
(
にくたい
)
及
(
およ
)
び
幽体
(
いうたい
)
相交
(
あひまじ
)
はり、
220
恭
(
うやうや
)
しく
奉迎
(
ほうげい
)
して
居
(
ゐ
)
る。
221
何処
(
いづく
)
ともなく
微妙
(
びめう
)
の
音楽
(
おんがく
)
四方
(
しはう
)
に
起
(
おこ
)
り
松姫
(
まつひめ
)
は
思
(
おも
)
はず
足
(
あし
)
も
進
(
すす
)
み
出
(
い
)
で、
222
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか、
223
世継王
(
よつわう
)
山麓
(
さんろく
)
の
悦子姫
(
よしこひめ
)
の
庵
(
いほり
)
に
着
(
つ
)
き
居
(
ゐ
)
たり。
224
茲
(
ここ
)
に
玉照彦
(
たまてるひこ
)
、
225
玉照姫
(
たまてるひめ
)
の
神人
(
しんじん
)
は
二柱
(
ふたはしら
)
相並
(
あひなら
)
び
給
(
たま
)
ひ、
226
日
(
ひ
)
に
夜
(
よ
)
に
神徳
(
しんとく
)
現
(
あら
)
はれ、
227
昼夜
(
ちうや
)
の
区別
(
くべつ
)
なく
瑞雲
(
ずゐうん
)
棚引
(
たなび
)
き
渡
(
わた
)
り、
228
ウラナイ
教
(
けう
)
の
高姫
(
たかひめ
)
、
229
黒姫
(
くろひめ
)
其
(
その
)
他
(
た
)
も
嬉々
(
きき
)
として
集
(
あつ
)
まり
来
(
き
)
たり、
230
ミロク
神政
(
しんせい
)
の
基礎
(
きそ
)
を
固
(
かた
)
むる
事
(
こと
)
となりにける。
231
(
大正一一・五・九
旧四・一三
加藤明子
録)
232
(昭和一〇・六・四 於透明殿 王仁校正)
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