霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第45巻(申の巻)
序文
総説
第1篇 小北の特使
01 松風
〔1191〕
02 神木
〔1192〕
03 大根蕪
〔1193〕
04 霊の淫念
〔1194〕
第2篇 恵の松露
05 肱鉄
〔1195〕
06 唖忿
〔1196〕
07 相生の松
〔1197〕
08 小蝶
〔1198〕
09 賞詞
〔1199〕
第3篇 裏名異審判
10 棚卸志
〔1200〕
11 仲裁
〔1201〕
12 喜苔歌
〔1202〕
13 五三の月
〔1203〕
第4篇 虎風獣雨
14 三昧経
〔1204〕
15 曲角狸止
〔1205〕
16 雨露月
〔1206〕
17 万公月
〔1207〕
18 玉則姫
〔1208〕
19 吹雪
〔1209〕
20 蛙行列
〔1210〕
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サブスクのお知らせ
霊界物語
>
第45巻
> 第4篇 虎風獣雨 > 第19章 吹雪
<<< 玉則姫
(B)
(N)
蛙行列 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
第一九章
吹雪
(
ふぶき
)
〔一二〇九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第45巻 舎身活躍 申の巻
篇:
第4篇 虎風獣雨
よみ(新仮名遣い):
こふうじゅうう
章:
第19章 吹雪
よみ(新仮名遣い):
ふぶき
通し章番号:
1209
口述日:
1922(大正11)年12月13日(旧10月25日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年9月12日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
お寅はお民のところにやってくると、お民は経典をひも解いている。お寅はお民に対して、蠑螈別を狙っても高嶺の花だ、魔我彦と結婚しろといきなり怒鳴りつけた。お民は驚いたが、すぐには返事はできないと冷静に返す。
お寅がしつこく迫っても、お民は頑として譲らない。お寅はしまいにお民を怒鳴りつけて帰ってしまった。
お民が独り言でいうことには、あんなケチで腰が曲がった魔我彦の女房になるくらいなら死んだ方がましだとくさした。そして自分がこんな教団に参詣するのは蠑螈別が一万両の金をもって駆け落ちしようといってくれたからだと独り言に明かした。
お民は、自分と蠑螈別との約束をお寅に見透かされたような対応を受けたので、もうこんな教団は逃げ出そうと去就を考えている。
一方お寅は夜分に松姫館を尋ねた。松姫からお民に言い聞かせてもらおうという魂胆である。お寅は、蠑螈別からお民を引き離したい一心で、お民が魔我彦の女房になることを今晩のうちに説きつけてくれと松姫に頼み込む。
そこへお菊と魔我彦がお寅を尋ねてやってきた。お寅は魔我彦に、蠑螈別の見張りをするようにと追い出すが、お寅と松姫が自分の結婚問題をどうさばくか気になり、雪がちらつく戸外で盗み聞きしている。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-03-06 14:50:47
OBC :
rm4519
愛善世界社版:
277頁
八幡書店版:
第8輯 348頁
修補版:
校定版:
290頁
普及版:
112頁
初版:
ページ備考:
001
悋気
(
りんき
)
の
角
(
つの
)
を
振
(
ふ
)
り
立
(
た
)
てて
002
顔
(
かほ
)
を
真赤
(
まつか
)
に
染
(
そ
)
めながら
003
轟
(
とどろ
)
く
胸
(
むね
)
を
撫
(
な
)
で
下
(
おろ
)
し
004
居間
(
ゐま
)
に
魔我彦
(
まがひこ
)
残
(
のこ
)
しつつ
005
粋
(
すゐ
)
に
気
(
き
)
の
利
(
き
)
くお
寅
(
とら
)
さま
006
炊事場
(
すゐじば
)
さして
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
り
007
お
民
(
たみ
)
の
居間
(
ゐま
)
へ
訪
(
おとな
)
へば
008
お
民
(
たみ
)
は
切
(
しき
)
りに
経典
(
きやうてん
)
を
009
繙
(
ひもと
)
き
初
(
はじ
)
め
居
(
ゐ
)
たりける
010
お
寅
(
とら
)
は
外
(
そと
)
から
声
(
こゑ
)
をかけ
011
これこれ
申
(
まを
)
しお
民
(
たみ
)
さま
012
こんな
夜更
(
よふけ
)
に
何
(
なに
)
してぞ
013
人
(
ひと
)
の
寝静
(
ねしづ
)
まつた
其
(
その
)
後
(
あと
)
で
014
文
(
ふみ
)
でも
書
(
か
)
いて
居
(
ゐ
)
るのだらう
015
油断
(
ゆだん
)
のならぬ
女
(
をんな
)
だなあ
016
かう
出
(
だ
)
し
抜
(
ぬ
)
けに
呼
(
よ
)
ばはれば
017
お
民
(
たみ
)
は
驚
(
おどろ
)
き
経典
(
きやうてん
)
を
018
二
(
ふた
)
つに
畳
(
たた
)
んで
傍
(
そば
)
におき
019
貴女
(
あなた
)
は
内事
(
ないじ
)
のお
寅
(
とら
)
さま
020
この
真夜中
(
まよなか
)
に
何
(
なん
)
として
021
態々
(
わざわざ
)
訪
(
たづ
)
ねて
来
(
き
)
なさつた
022
合点
(
がてん
)
がゆかぬと
怪
(
あや
)
しめば
023
お
寅
(
とら
)
は
眼
(
まなこ
)
をむき
出
(
いだ
)
し
024
花
(
はな
)
の
盛
(
さか
)
りのお
民
(
たみ
)
さま
025
お
門
(
かど
)
が
多
(
おほ
)
くて
嘸
(
さぞ
)
やさぞ
026
心
(
こころ
)
の
揉
(
も
)
める
事
(
こと
)
でせう
027
お
前
(
まへ
)
がここへ
参
(
まゐ
)
つたのは
028
神信心
(
かみしんじん
)
は
表向
(
おもてむ
)
き
029
外
(
ほか
)
に
望
(
のぞ
)
みがあるのだろ
030
お
前
(
まへ
)
も
美
(
うつく
)
し
身
(
み
)
をもつて
031
グヅグヅして
居
(
ゐ
)
る
時
(
とき
)
ぢやない
032
早
(
はや
)
く
夫
(
をつと
)
を
持
(
も
)
たさせよと
033
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
に
聞
(
き
)
いた
故
(
ゆゑ
)
034
眠
(
ねむ
)
たい
眼
(
め
)
をばこすりつつ
035
態々
(
わざわざ
)
やつて
来
(
き
)
たのだよ
036
お
前
(
まへ
)
の
身魂
(
みたま
)
は
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
037
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
奥
(
おく
)
さまの
038
玉則姫
(
たまのりひめ
)
に
違
(
ちが
)
ひない
039
神
(
かみ
)
と
神
(
かみ
)
との
因縁
(
いんねん
)
で
040
夫婦
(
めをと
)
にならねばなりませぬ
041
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
の
042
魔我彦
(
まがひこ
)
さまと
逸早
(
いちはや
)
く
043
結婚式
(
けつこんしき
)
をあげなされ
044
この
神勅
(
しんちよく
)
に
背
(
そむ
)
いたら
045
其方
(
そなた
)
が
御
(
おん
)
身
(
み
)
の
一大事
(
いちだいじ
)
046
神
(
かみ
)
の
怒
(
いか
)
りで
忽
(
たちま
)
ちに
047
根底
(
ねそこ
)
の
国
(
くに
)
へ
墜
(
お
)
ちますよ
048
何程
(
なにほど
)
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さまを
049
恋
(
こひ
)
し
恋
(
こひ
)
しと
思
(
おも
)
うても
050
高根
(
たかね
)
の
花
(
はな
)
か
水
(
みづ
)
の
月
(
つき
)
051
とても
掴
(
つか
)
める
筈
(
はず
)
がない
052
そんな
野心
(
やしん
)
を
起
(
おこ
)
さずに
053
馬
(
うま
)
は
馬
(
うま
)
づれ
牛
(
うし
)
は
牛
(
うし
)
054
魔我彦
(
まがひこ
)
さまと
機嫌
(
きげん
)
よう
055
合衾式
(
がふきんしき
)
を
上
(
あ
)
げなされ
056
返答
(
へんたふ
)
はどうぢやと
手厳
(
てきび
)
しく
057
呶鳴
(
どな
)
ればお
民
(
たみ
)
は
仰天
(
ぎやうてん
)
し
058
晴
(
は
)
れたる
空
(
そら
)
に
霹靂
(
へきれき
)
の
059
閃
(
ひらめ
)
く
如
(
ごと
)
く
胸
(
むね
)
打
(
う
)
たれ
060
暫
(
しば
)
し
言葉
(
ことば
)
もなかりける。
061
お
民
(
たみ
)
『お
寅
(
とら
)
さま、
062
貴女
(
あなた
)
は
今
(
いま
)
私
(
わたし
)
が
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さまに○○して
居
(
ゐ
)
るやうに
仰有
(
おつしや
)
いましたな、
063
それや
大変
(
たいへん
)
な
迷惑
(
めいわく
)
です、
064
そして
魔我彦
(
まがひこ
)
さまと
夫婦
(
めをと
)
になれと
仰有
(
おつしや
)
いましたが、
065
それや
本気
(
ほんき
)
ですか』
066
お
寅
(
とら
)
『
本気
(
ほんき
)
でなくてこの
眠
(
ねむ
)
たいのに、
067
誰
(
たれ
)
が
態々
(
わざわざ
)
来
(
き
)
ませうか。
068
お
前
(
まへ
)
の
身魂
(
みたま
)
は
玉則姫
(
たまのりひめ
)
さまと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
が、
069
御
(
ご
)
神勅
(
しんちよく
)
で
分
(
わか
)
つたのだよ、
070
それだから
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
と
夫婦
(
ふうふ
)
に
致
(
いた
)
さねば、
071
神界
(
しんかい
)
の
経綸
(
しぐみ
)
が
後
(
おく
)
れるのだから
勧
(
すす
)
めに
来
(
き
)
たのだよ』
072
お
民
(
たみ
)
『
藪
(
やぶ
)
から
棒
(
ぼう
)
のやうなお
言葉
(
ことば
)
、
073
早速
(
さつそく
)
に
御
(
ご
)
返事
(
へんじ
)
が
出来
(
でき
)
ませぬ。
074
どうか
一
(
いつ
)
週間
(
しうかん
)
程
(
ほど
)
熟考
(
じゆくかう
)
の
猶予
(
いうよ
)
を
与
(
あた
)
へて
下
(
くだ
)
さいませ。
075
さうすれば
否
(
いや
)
とか、
076
応
(
おう
)
とか
御
(
ご
)
返事
(
へんじ
)
致
(
いた
)
しますから』
077
お
寅
(
とら
)
『さてもさても
歯切
(
はぎ
)
れのせぬお
方
(
かた
)
ぢやな、
078
なぜ
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
仰有
(
おつしや
)
る
事
(
こと
)
を
素直
(
すなほ
)
に
聞
(
き
)
かないのだ。
079
十万
(
じふまん
)
億土
(
おくど
)
に
落
(
おと
)
されても
構
(
かま
)
はないのですか』
080
お
民
(
たみ
)
『どうなつても
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
いぢやありませぬか。
081
何程
(
なにほど
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
だと
言
(
い
)
つても
自分
(
じぶん
)
の
気
(
き
)
に
合
(
あ
)
はない
夫
(
をつと
)
をもつ
事
(
こと
)
は
一生
(
いつしやう
)
の
不愉快
(
ふゆくわい
)
ですから、
082
何程
(
なにほど
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
だつてそんな
無理
(
むり
)
は
仰有
(
おつしや
)
いますまい。
083
私
(
わたし
)
は
女
(
をんな
)
としての
人間
(
にんげん
)
を
作
(
つく
)
つて、
084
その
上
(
うへ
)
で
夫
(
をつと
)
をもつ
考
(
かんが
)
へですよ。
085
人形
(
にんぎやう
)
の
家
(
いへ
)
になつては
困
(
こま
)
りますからな。
086
ホヽヽヽヽ』
087
お
寅
(
とら
)
『
随分
(
ずゐぶん
)
悪思想
(
あくしさう
)
に
染
(
そま
)
つたものだねえ。
088
それだから
今時
(
いまどき
)
の
女
(
をんな
)
は
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
いと
云
(
い
)
ふのだ、
089
そんな
剛情
(
がうじやう
)
を
張
(
は
)
るものぢやありませぬ。
090
「
剛強
(
がうきやう
)
必
(
かなら
)
ず
死
(
し
)
して
仁義
(
じんぎ
)
王
(
わう
)
たり」と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
ますか、
091
女
(
をんな
)
と
云
(
い
)
ふものは
仁義
(
じんぎ
)
の
心
(
こころ
)
が
肝腎
(
かんじん
)
だよ、
092
剛強
(
がうきやう
)
なは
男
(
をとこ
)
に
欠
(
か
)
くべからざる
特質
(
とくしつ
)
だ。
093
剛強
(
がうきやう
)
にして
仁義
(
じんぎ
)
を
保
(
たも
)
つのが
男
(
をとこ
)
の
中
(
なか
)
の
男
(
をとこ
)
だよ、
094
女
(
をんな
)
に
剛強
(
がうきやう
)
の
必要
(
ひつえう
)
はない、
095
サア
早
(
はや
)
く
返答
(
へんたふ
)
して
下
(
くだ
)
さい。
096
返答
(
へんたふ
)
のないのは
矢張
(
やつぱ
)
り
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さまに
野心
(
やしん
)
があるのだらう』
097
お
民
(
たみ
)
『エヽ
何
(
なん
)
と
仰有
(
おつしや
)
つて
下
(
くだ
)
さつても、
098
女
(
をんな
)
の
一生
(
いつしやう
)
の
一大事
(
いちだいじ
)
ですから、
099
一
(
いつ
)
週間
(
しうかん
)
熟考
(
じゆくかう
)
の
余地
(
よち
)
を
与
(
あた
)
へて
貰
(
もら
)
はなくては
御
(
ご
)
返事
(
へんじ
)
は
出来
(
でき
)
ませぬ』
100
お
寅
(
とら
)
は
不機嫌
(
ふきげん
)
な
顔
(
かほ
)
をして
雨戸
(
あまど
)
をガラガラビシヤンと
閉
(
し
)
めながら、
101
一足
(
ひとあし
)
々々
(
ひとあし
)
四股
(
しこ
)
を
踏
(
ふ
)
み
庭
(
には
)
の
小石
(
こいし
)
を
蹴散
(
けち
)
らし
跳
(
は
)
ね
散
(
ちら
)
し、
102
お
寅
(
とら
)
『ど
強太
(
しぶと
)
い
阿魔
(
あま
)
ツチヨ
奴
(
め
)
、
103
それ
程
(
ほど
)
蠑螈別
(
いもりわけ
)
が
欲
(
ほ
)
しいのか』
104
と
口汚
(
くちぎたな
)
く
罵
(
ののし
)
りながら
帰
(
かへ
)
つて
往
(
ゆ
)
く。
105
後
(
あと
)
にお
民
(
たみ
)
は
独言
(
ひとりごと
)
、
106
お
民
(
たみ
)
『あゝ
情
(
なさけ
)
ない、
107
一人前
(
いちにんまへ
)
の
女
(
をんな
)
と
生
(
うま
)
れながら
背
(
せ
)
の
低
(
ひく
)
い
腰
(
こし
)
の
屈
(
まが
)
つた
瓢箪面
(
へうたんづら
)
の、
108
スカンピン
男
(
をとこ
)
を
夫
(
をつと
)
に
持
(
も
)
てとは、
109
お
寅
(
とら
)
さまも
余
(
あんま
)
りだわ、
110
何程
(
なんぼ
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
命令
(
めいれい
)
だつてどうしてこんな
事
(
こと
)
が
承諾
(
きけ
)
ませうか、
111
私
(
わたし
)
も
おたんちん
だけれども、
112
矢張
(
やつぱ
)
り
十人並
(
じふにんなみ
)
に
勝
(
すぐ
)
れて
居
(
ゐ
)
る
心算
(
つもり
)
だ、
113
あんなケチナ
魔我彦
(
まがひこ
)
の
女房
(
にようばう
)
になる
位
(
くらゐ
)
なら、
114
目
(
め
)
でもかんで
死
(
し
)
んで
仕舞
(
しま
)
つた
方
(
はう
)
が
何程
(
なにほど
)
気
(
き
)
が
利
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
るか、
115
分
(
わか
)
らないのだ。
116
何
(
なん
)
でまあ、
117
あんな
男
(
をとこ
)
が
副教主
(
ふくけうしゆ
)
になつて
居
(
ゐ
)
るのだらう。
118
此処
(
ここ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
余程
(
よほど
)
悪戯
(
いたづら
)
がお
好
(
す
)
きだと
見
(
み
)
えるなあ、
119
私
(
わたし
)
がかうして
此
(
この
)
お
山
(
やま
)
に
参詣
(
さんけい
)
するのも
十中
(
じつちう
)
の
九分
(
くぶ
)
迄
(
まで
)
は、
120
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さまが……「
暫
(
しばら
)
く
待
(
ま
)
つて
居
(
を
)
れ、
121
お
寅
(
とら
)
の
隠
(
かく
)
して
居
(
ゐ
)
る
一万
(
いちまん
)
両
(
りやう
)
の
金
(
かね
)
さへ
手
(
て
)
に
入
(
い
)
らば、
122
お
前
(
まへ
)
を
連
(
つ
)
れて
好
(
い
)
い
所
(
ところ
)
へ
往
(
い
)
つてやらう。
123
そして
二人
(
ふたり
)
仲好
(
なかよ
)
う
暮
(
くら
)
さう」と
仰有
(
おつしや
)
つた
御
(
ご
)
親切
(
しんせつ
)
のお
言葉
(
ことば
)
を
夢寐
(
むび
)
にも
忘
(
わす
)
れた
事
(
こと
)
はない、
124
それにまあ、
125
お
寅
(
とら
)
さまとした
事
(
こと
)
が、
126
魔我彦
(
まがひこ
)
さまを
夫
(
をつと
)
にもてとは
好
(
よ
)
うも
好
(
よ
)
うもこのお
民
(
たみ
)
を
軽蔑
(
けいべつ
)
したものだ、
127
お
寅
(
とら
)
さまは、
128
私
(
わたし
)
と
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さまが
怪
(
あや
)
しいと
思
(
おも
)
つて
其
(
その
)
意気利
(
いきり
)
抜
(
ぬ
)
きのためにあんな
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
つて
来
(
き
)
たのだらう、
129
アタ
阿呆
(
あはう
)
らしい、
130
玉則姫
(
たまのりひめ
)
の
身魂
(
みたま
)
ぢやなんて、
131
そんなことにチヨロマカされるお
民
(
たみ
)
ぢやありませぬ。
132
あゝもう
嫌
(
いや
)
になつた。
133
何
(
なん
)
とかしてお
月様
(
つきさま
)
がお
出
(
で
)
ましになれば、
134
此処
(
ここ
)
を
逃出
(
にげだ
)
さうかなあ、
135
今晩
(
こんばん
)
は
二十一
(
にじふいち
)
日
(
にち
)
のお
月様
(
つきさま
)
、
136
もうお
上
(
あが
)
りなさるに
間
(
ま
)
もあるまい、
137
あゝさうださうだ。
138
これから
荷物
(
にもつ
)
を
片付
(
かたづ
)
けて
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
すのが
上分別
(
じやうふんべつ
)
だ、
139
併
(
しか
)
し
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さまに
一言
(
ひとこと
)
云
(
い
)
うて
置
(
お
)
かねば
後
(
あと
)
で
何
(
なん
)
と
不服
(
ふふく
)
云
(
い
)
はれても
仕方
(
しかた
)
がない、
140
あゝ
如何
(
どう
)
したらよからう、
141
大方
(
おほかた
)
今頃
(
いまごろ
)
はお
酒
(
さけ
)
に
酔
(
よ
)
つて
寝
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
らつしやるのだらう、
142
あゝ
如何
(
どう
)
しようかなア』
143
と
独
(
ひと
)
り
言
(
ご
)
ちつつ
去就
(
きよしう
)
に
迷
(
まよ
)
うて
居
(
ゐ
)
る。
144
お
寅
(
とら
)
は
直様
(
すぐさま
)
松彦
(
まつひこ
)
や
松姫
(
まつひめ
)
の
館
(
やかた
)
を
夜中
(
やちう
)
にも
拘
(
かかは
)
らず
叩
(
たた
)
き
起
(
おこ
)
した。
145
お
寅
(
とら
)
『もし
上義姫
(
じやうぎひめ
)
様
(
さま
)
、
146
一寸
(
ちよつと
)
起
(
お
)
きて
下
(
くだ
)
さいますまいか』
147
上義姫
(
じやうぎひめ
)
は
中
(
なか
)
より、
148
松姫
(
まつひめ
)
『ハイまだ
寝
(
やす
)
んで
居
(
を
)
りませぬから、
149
サア
何卒
(
どうぞ
)
お
這入
(
はい
)
り
下
(
くだ
)
さいませ、
150
甚
(
えら
)
う
遅
(
おそ
)
いぢやありませぬか』
151
お
寅
(
とら
)
『
這入
(
はい
)
つてお
差支
(
さしつかへ
)
は
厶
(
ござ
)
いませぬかな』
152
松姫
(
まつひめ
)
『サアサアどうぞお
構
(
かま
)
ひなく』
153
と
云
(
い
)
ひながら
門口
(
もんぐち
)
をガラリと
引
(
ひ
)
き
開
(
あ
)
け、
154
お
寅
(
とら
)
の
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つて
静
(
しづ
)
かに
座敷
(
ざしき
)
に
通
(
とほ
)
し、
155
夜風
(
よかぜ
)
を
防
(
ふせ
)
ぐため
再
(
ふたた
)
び
庭
(
には
)
に
下
(
お
)
りて
門口
(
もんぐち
)
の
戸
(
と
)
をピシヤリと
閉
(
し
)
め、
156
土
(
つち
)
で
捏
(
こ
)
ねた
火鉢
(
ひばち
)
を
前
(
まへ
)
におき、
157
二人
(
ふたり
)
は
茲
(
ここ
)
に
対座
(
たいざ
)
した。
158
隣室
(
りんしつ
)
には
早
(
はや
)
くも
松彦
(
まつひこ
)
お
千代
(
ちよ
)
の
鼾
(
いびき
)
が
聞
(
きこ
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
159
松姫
(
まつひめ
)
『お
寅
(
とら
)
さま、
160
夜半
(
やはん
)
にお
訪
(
たづ
)
ね
下
(
くだ
)
さいましたのは、
161
何
(
なに
)
か
急用
(
きふよう
)
でも
起
(
おこ
)
つたのですかなア』
162
お
寅
(
とら
)
『ハイ、
163
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
は
魔我彦
(
まがひこ
)
の
一件
(
いつけん
)
で
厶
(
ござ
)
います、
164
彼
(
あれ
)
は
今迄
(
いままで
)
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
と
確
(
かた
)
く
信
(
しん
)
じ
副教祖
(
ふくけうそ
)
となつて
御用
(
ごよう
)
を
致
(
いた
)
して
来
(
き
)
ましたが、
165
貴女
(
あなた
)
様
(
さま
)
に
御
(
ご
)
主人
(
しゆじん
)
様
(
さま
)
があつた
事
(
こと
)
が
分
(
わか
)
り、
166
もはやスツカリと
断念
(
だんねん
)
致
(
いた
)
しました。
167
それに
就
(
つい
)
ては
魔我彦
(
まがひこ
)
にも
女房
(
にようばう
)
を
持
(
も
)
たさねば、
168
はうけて
仕舞
(
しま
)
ひます。
169
それで
私
(
わたし
)
も
気
(
き
)
を
揉
(
も
)
んで
衣掛村
(
きぬかけむら
)
から
来
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
る
信者
(
しんじや
)
のお
民
(
たみ
)
の
宿
(
やど
)
つて
居
(
ゐ
)
る
処
(
ところ
)
へ
態々
(
わざわざ
)
押
(
お
)
しかけて
参
(
まゐ
)
り「
魔我彦
(
まがひこ
)
の
女房
(
にようばう
)
になつてやつて
呉
(
く
)
れ」と
申
(
まを
)
しました
所
(
ところ
)
、
170
スツタモンダと
申
(
まを
)
し
仲々
(
なかなか
)
承知
(
しようち
)
して
呉
(
く
)
れませぬ、
171
一
(
いつ
)
週間
(
しうかん
)
熟考
(
じゆくかう
)
の
暇
(
ひま
)
を
与
(
あた
)
へて
呉
(
く
)
れ、
172
其
(
その
)
上
(
うへ
)
で
返答
(
へんたふ
)
するといふのだから、
173
腹
(
はら
)
がたつて
仕方
(
しかた
)
がありませぬ。
174
グヅグヅして
居
(
ゐ
)
ると、
175
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さまを
喰
(
く
)
はへて
何処
(
どこ
)
に
往
(
ゆ
)
くか
分
(
わか
)
りませぬ。
176
それで
一
(
ひと
)
つは
蠑螈別
(
いもりわけ
)
の
恋
(
こひ
)
の
予防
(
よばう
)
のため、
177
一
(
ひと
)
つは
魔我彦
(
まがひこ
)
を
安心
(
あんしん
)
さすため
一挙
(
いつきよ
)
両得
(
りやうとく
)
、
178
どうでせう、
179
貴方
(
あなた
)
の
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
と
権威
(
けんゐ
)
とをもつてお
民
(
たみ
)
を
説
(
と
)
きつけて
頂
(
いただ
)
く
訳
(
わけ
)
には
参
(
まゐ
)
りますまいか』
180
松姫
(
まつひめ
)
『
左様
(
さやう
)
で
厶
(
ござ
)
いますか、
181
それや
実際
(
じつさい
)
にさう
往
(
ゆ
)
けば
好都合
(
かうつがふ
)
ですな、
182
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
幸
(
さいは
)
ひ
末代
(
まつだい
)
日
(
ひ
)
の
王天
(
わうてん
)
の
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
がお
越
(
こ
)
し
遊
(
あそ
)
ばしたのだから、
183
とつくりと
伺
(
うかが
)
つた
上
(
うへ
)
で
話
(
はな
)
せなら
話
(
はな
)
しても
見
(
み
)
ませう。
184
今夜
(
こんや
)
に
何
(
ど
)
うと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
も
厶
(
ござ
)
いますまいから、
185
明日
(
みやうにち
)
でも
悠
(
ゆつく
)
り
懸
(
か
)
け
合
(
あ
)
つて
見
(
み
)
ませう』
186
お
寅
(
とら
)
『イエイエそんなまどろしい
事
(
こと
)
ではいけませぬ。
187
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
は
今夜
(
こんや
)
の
中
(
うち
)
に
何
(
ど
)
つちか
極
(
き
)
めて
仕舞
(
しま
)
ひたいのです』
188
とかく
話
(
はな
)
す
内
(
うち
)
にお
菊
(
きく
)
と
魔我彦
(
まがひこ
)
がやつて
来
(
き
)
て、
189
お
菊
(
きく
)
『ご
免
(
めん
)
なさい、
190
お
母
(
かあ
)
さまは
来
(
き
)
て
居
(
を
)
られますかな』
191
戸
(
と
)
の
中
(
なか
)
からお
寅
(
とら
)
は、
192
お
寅
(
とら
)
『その
声
(
こゑ
)
はお
菊
(
きく
)
ぢやないか、
193
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
が
夜分
(
やぶん
)
に
独
(
ひと
)
り
歩
(
ある
)
くものぢやないと
云
(
い
)
うておくのに、
194
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
かぬ
子
(
こ
)
ぢやな』
195
お
菊
(
きく
)
『お
母
(
か
)
アさま、
196
魔我
(
まが
)
ヤンと
一緒
(
いつしよ
)
に
来
(
き
)
たのだよ、
197
あの
腰
(
こし
)
の
屈
(
まが
)
つた
魔我
(
まが
)
ヤンと』
198
お
寅
(
とら
)
『
魔我
(
まが
)
ヤン、
199
お
前
(
まへ
)
は
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さまの
番犬
(
ばんけん
)
に
頼
(
たの
)
んでおいたぢやないか、
200
何
(
なに
)
しにこんな
所
(
ところ
)
へ
来
(
き
)
たのだ、
201
このお
寅
(
とら
)
はお
前
(
まへ
)
の
縁談
(
えんだん
)
を
取結
(
とりむす
)
んでやらうと
思
(
おも
)
つてこの
遅
(
おそ
)
いのにお
民
(
たみ
)
の
部屋
(
へや
)
へいつたり、
202
松姫
(
まつひめ
)
さまのお
室
(
へや
)
に
来
(
き
)
たりして
心配
(
しんぱい
)
して
居
(
ゐ
)
るのだ。
203
サア
早
(
はや
)
く
家
(
うち
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さまの
番犬
(
ばんけん
)
をしてお
呉
(
く
)
れ、
204
お
前
(
まへ
)
さへ
居
(
を
)
ればお
民
(
たみ
)
が
来
(
き
)
たつて
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だから』
205
魔我
(
まが
)
『そんならお
寅
(
とら
)
さま、
206
これから
番犬
(
ばんけん
)
を
勤
(
つと
)
めますわ、
207
併
(
しか
)
しお
菊
(
きく
)
さまだけは、
208
貴女
(
あなた
)
のお
傍
(
そば
)
に
置
(
お
)
いて
往
(
ゆ
)
きますからな』
209
お
寅
(
とら
)
『
仕方
(
しかた
)
がない、
210
そんならお
菊
(
きく
)
、
211
這入
(
はい
)
らして
貰
(
もら
)
ひなさい』
212
お
菊
(
きく
)
『おばさま
御免
(
ごめん
)
』
213
と
云
(
い
)
ひながら、
214
自分
(
じぶん
)
から
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
け、
215
又
(
また
)
締
(
し
)
め、
216
松姫
(
まつひめ
)
、
217
お
寅
(
とら
)
の
横
(
よこ
)
にチヨコナンと
坐
(
すわ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
218
魔我彦
(
まがひこ
)
は、
219
松姫
(
まつひめ
)
、
220
お
寅
(
とら
)
の
話
(
はなし
)
が
気
(
き
)
にかかつて
堪
(
たま
)
らず、
221
壁
(
かべ
)
の
外
(
そと
)
に
耳
(
みみ
)
を
当
(
あ
)
て
二人
(
ふたり
)
の
談話
(
だんわ
)
を
盗
(
ぬす
)
み
聞
(
ぎ
)
きして
居
(
ゐ
)
る。
222
凩
(
こがらし
)
がもつて
来
(
く
)
るマバラの
雪
(
ゆき
)
、
223
チラチラと
魔我彦
(
まがひこ
)
の
頬
(
ほほ
)
をなめて
通
(
とほ
)
る。
224
(
大正一一・一二・一三
旧一〇・二五
加藤明子
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 玉則姫
(B)
(N)
蛙行列 >>>
霊界物語
>
第45巻
> 第4篇 虎風獣雨 > 第19章 吹雪
Tweet
目で読むのに疲れたら耳で聴こう!霊界物語の朗読ユーチューブ
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【19 吹雪|第45巻(申の巻)|霊界物語/rm4519】
合言葉「みろく」を入力して下さい→