霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】サブスクのお知らせ
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第五章 逆襲(ぎやくしう)〔一二三八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第47巻 舎身活躍 戌の巻 篇:第1篇 浮木の盲亀 よみ(新仮名遣い):うききのもうき
章:第5章 逆襲 よみ(新仮名遣い):ぎゃくしゅう 通し章番号:1238
口述日:1923(大正12)年01月08日(旧11月22日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年10月6日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
アークは郊外を散歩しながら、科学知識のみを頼む現代人の無常さを嘆く歌を歌い、ひるがえって、自分が愛善の火と真信の光にめざめることができたことを神に感謝した。
タールは、アークもずいぶん変わったものだと話しかけた。二人は治国別の身の上を案じ、どうなったか気にかけつつ、詩歌を歌ったりなどしながら歩いている。
二人は、いずれランチ将軍、片彦将軍も治国別の徳によって三五教に帰順するだろうから、それまでバラモン軍に籍を置いて我慢するのみだと話し合っている。
そこへエキスがウラナイ教の元教主・蠑螈別を駕籠に載せて陣中に迎え入れてきた。自分の手柄を誇って威張り散らすエキスに対し、アークとタールは自分たちも昇進したのだから威張るなとたしなめ、エキスがうまい汁を吸ってきたのを悟ってからかった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-04-14 10:49:50 OBC :rm4705
愛善世界社版:72頁 八幡書店版:第8輯 497頁 修補版: 校定版:75頁 普及版:34頁 初版: ページ備考:
001(アーク)見渡(みわた)(かぎ)りの枯野原(かれのはら)
002万木(ばんぼく)(こずゑ)羽衣(はごろも)()
003(はだへ)をたち()るばかりの
004寒風(かんぷう)戦慄(せんりつ)してゐる。
005(ひと)松柏(しようはく)のみは蒼々(さうさう)たり
006ヒヨやツムギや百舌鳥(もづ)(すずめ)などが
007(かな)しげな声調(せいてう)(しぼ)つて
008浮世(うきよ)無情(むじやう)(うつた)へてゐる。
009(わが)()収容(しうよう)さるるものは
010生気(せいき)()せた
011細氷(さいひよう)(なみ)()きつめた
012銀冷(ぎんれい)世界(せかい)のみだ。
013万有(ばんいう)一切(いつさい)はあらゆる活動(くわつどう)休止(きうし)
014所謂(いはゆる)
015冬籠(ふゆごも)りの最中(さいちう)である
016かかる冷酷(れいこく)無残(むざん)光景(くわうけい)(なが)めて
017(まづ)しき(ひと)(いづ)れも寒気(かんき)飢餓(きが)()
018反対(はんたい)(てき)()めるものは
019雪見(ゆきみ)(えん)()
020嬋妍(せんけん)たる美姫(びき)(まね)
021青楼(せいろう)酒盃(しゆはい)をかたむけ
022体主(たいしゆ)霊従(れいじう)(てき)歓楽(くわんらく)(ふけ)
023社会(しやくわい)(しん)様々(さまざま)なものだ
024冬日(とうじつ)積雪(せきせつ)のために
025労働(らうどう)()()
026生命(いのち)(かて)(もと)めて()くもあれば
027(つめ)たき(ゆき)景色(けしき)をながめて
028酒類(さけるゐ)にひたり
029一宵(いつせう)千金(せんきん)浪費(らうひ)濫用(らんよう)して
030(なほ)()しまぬものあり
031(かへり)みれば(すべ)社会(しやくわい)諸行(しよぎやう)無常(むじやう)なり
032因果(いんぐわ)応報(おうはう)神理(しんり)(くら)
033現代人(げんだいじん)科学(くわがく)(てき)知識(ちしき)のみを(あさ)りて
034永遠(ゑいゑん)天国(てんごく)()らず
035(また)根底(ねそこ)(くに)(なん)たるを(かい)せず
036酔生(すゐせい)夢死(むし)無意義(むいぎ)なる
037生涯(しやうがい)(おく)るあり
038世間(せけん)無情(むじやう)冷酷(れいこく)(なげ)きて
039厳寒(げんかん)(そら)(おのの)(ふる)ひつつ
040面白(おもしろ)からぬ冬日(とうじつ)(おく)るもあり
041人生(じんせい)暗黒面(あんこくめん)
042椿(つばき)(はな)(こずゑ)()(ごと)
043ぽたりぽたりと地上(ちじやう)()
044悲喜(ひき)交々(こもごも)社会(しやくわい)のおとづれ
045(ひと)()四辺(しへん)(つつ)(あや)しさ。
046
047アヽされどされど
048愛善(あいぜん)()信真(しんしん)(ひか)りに
049(みづか)(まなこ)()めたる吾人(ごじん)
050光栄(くわうえい)なり(さいは)ひなり
051天地(てんち)(しゆ)なる(かみ)
052(たま)(ごと)神格(しんかく)内流(ないりう)
053全身(ぜんしん)(みなぎ)らしつつ
054智慧(ちゑ)証覚(しようかく)にひたりてより
055世人(よびと)(おそ)るる(はり)()(ごと)厳冬(げんとう)
056万物(ばんぶつ)(こゑ)(ひそ)むる(つめ)たき
057()んだやうな夜半(よは)空気(くうき)
058吾人(ごじん)には(あたた)かき春陽(しゆんやう)(おも)ひあり
059アヽ()(かみ)()(かみ)
060わが身魂(みたま)機関(きくわん)一部分(いちぶぶん)として
061いや永久(とこしへ)使(つか)はせ(たま)
062無限(むげん)絶対(ぜつたい)無始(むし)無終(むしう)神格者(しんかくしや)
063愛善(あいぜん)(にく)
064神真(しんしん)()(もつ)
065(われ)()(うへ)太陽(たいやう)(ごと)(つき)(ごと)
066(くだ)らせたまへ
067惟神(かむながら)(たま)()はへませ』
068(うた)つて郊外(かうぐわい)散歩(さんぽ)をして()るのはアークであつた。069一人(ひとり)はタールのバラモン信者(しんじや)である。
070タール『オイ大将(たいしやう)071(にはか)(さと)つたらしいことを()ふぢやないか。072(おれ)悪党(あくたう)だからアークと()をつけたのだ、073それだからどこ(まで)徹底(てつてい)(てき)(あく)をやると主張(しゆちやう)して()たが、074たうとう治国別(はるくにわけ)宣伝使(せんでんし)とぶつつかつて(にはか)屁古垂(へこた)れたぢやないか』
075アーク(おれ)があの宣伝使(せんでんし)出会(であ)つたお(かげ)で、076今日(こんにち)地位(ちゐ)になつたのぢやないか、077エーン、078()(かんが)へて()よ、079ランチ将軍(しやうぐん)080片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)帷幕(ゐばく)(さん)じ、081重要(ぢうえう)会議(くわいぎ)参列(さんれつ)する身分(みぶん)となつたのは、082矢張(やつぱ)治国別(はるくにわけ)さまのお(かげ)ぢや、083(しか)治国別(はるくにわけ)さまはどうなつたのだらうかなア。084よもやあの人格者(じんかくしや)がオメオメとランチ将軍(しやうぐん)陥穽(かんせい)(おちい)(はず)はあるまいしなア………(なん)だか(おれ)()がかりでならないのだ。085何処迄(どこまで)(おれ)(たち)表面(へうめん)ランチ将軍(しやうぐん)服従(ふくじゆう)し、086治国別(はるくにわけ)さまの身辺(しんぺん)()()けなければならない義務(ぎむ)があるのだ。087それにつけてもビルの(やつ)088(しやく)(さは)るぢやないか、089ランチの従卒(じゆうそつ)ぢやと(おも)うて、090無茶(むちや)苦茶(くちや)威張(ゐば)()らすのだからなア』
091タール威張(ゐば)りたい(やつ)威張(ゐば)らして()くさ。092(あさ)から(ばん)(まで)(うま)のお世話(せわ)ばかりさされて()るのだから、093一寸(ちよつと)威張(ゐば)らしてやつたて()いぢやないか。094(たれ)だつて(なに)かの特権(とくけん)がなければ(つと)まらぬからなア、095彼奴(あいつ)だつてさう馬鹿(ばか)にしたものぢやないよ。096(おれ)だつて貴様(きさま)だつて二三(にさん)日前(にちぜん)(まで)随分(ずゐぶん)(みじ)めなものだつたからな。097(しか)人間(にんげん)一旦(いつたん)ドン(ぞこ)()ちて()ねば駄目(だめ)だ。098人生(じんせい)破調(はてう)(かみ)輸入(ゆにふ)す」とか、099どこやらの哲学者(てつがくしや)(ほざ)いたぢやないか。100一旦(いつたん)失脚(しつきやく)せなくては、101(しん)(かみ)(せつ)(かみ)神力(しんりき)()ける(こと)出来(でき)ないものだ』
102アーク『さうだなア。103(なん)でもエマーソンとか()哲人(てつじん)言葉(ことば)だと()いてゐるが、104随分(ずゐぶん)エラーソン()つたものぢやなア。105アハヽヽヽ』
106タール古今(ここん)東西(とうざい)偉人(ゐじん)傑士(けつし)()(やつ)は、107大抵(たいてい)孤児(こじ)貧児(ひんじ)か、108もしくは私生児(しせいじ)(あるひ)(きは)めて(みじ)めな不仕合(ふしあは)(もの)であつた(こと)(かんが)へて()ると、109人間(にんげん)()ふものは、110()うしても悲境(ひきやう)(ふち)(しづ)んで、111社会(しやくわい)辛酸(しんさん)()めて()なくては到底(たうてい)駄目(だめ)だよ。112人間(にんげん)父母(ふぼ)恩愛(おんあい)は、113(やや)もすれば舐犢(しとく)(あい)(なが)(やす)きものだ。114貴族(きぞく)(せがれ)鞭撻(べんたつ)ない()(そだ)てられ、115(ひと)となつた所謂(いはゆる)寵児(ちようじ)は、116往々(わうわう)にして放蕩(はうたう)遊惰(いうだ)鈍物(どんぶつ)となるの事実(じじつ)は、117世間(せけん)には随分(ずゐぶん)沢山(たくさん)あるものだからなア。118()(ことわざ)にも、119(おや)はなくても()(そだ)つと()ふぢやないか。120人間(にんげん)()うしても(かみ)(さま)保護(ほご)()けなくては、121一力(いちりき)存在(そんざい)する(こと)出来(でき)はしない、122(まこと)(かみ)(あい)()れなくちや駄目(だめ)だ。123(おれ)(かみ)(さま)(あい)呼吸(こきふ)()(うた)(つく)つて()たのだが、124(ひと)(つつし)んで拝聴(はいちやう)する()はないか』
125アーク『どうせ、126貴様(きさま)(こと)だから(ろく)(うた)()めはしよまい。127(しか)後生(ごしやう)のためだから、128(ひと)辛抱(しんばう)して()いてやらう』
129 タールは、130エヘンと咳払(せきばらひ)しながら、
131タール吾輩(わがはい)詩歌(しいか)()(とほ)りだ。
 
132 天父(てんぷ)聖心(せいしん)にある
133 大愛(だいあい)鼓動(こどう)
134 (ただち)(うつく)しく
135 (しか)厳粛(げんしゆく)なる
136 自然(しぜん)情調(じやうてう)として
137 促々(そくそく)として(わが)()(せま)
138 (やや)もすれば私欲(しよく)野念(やねん)のために
139 昂進(かうしん)攪乱(かくらん)する
140 (わが)心身(しんしん)脈搏(みやくはく)鎮静(ちんせい)
141 かくて従容(しようよう)として
142 捨身(しやしん)無為(むゐ)
143 本然(ほんぜん)(てき)活動(くわつどう)()らねば()まない。
144 如何(いか)安息(あんそく)(もと)めて
145 (すず)しき山奥(やまおく)
146 (しづか)海浜(かいひん)(あそ)ぶも
147 ()()
148 心霊(しんれい)内分(ないぶん)
149 (かみ)(とも)(はたら)
150 天界(てんかい)(ざう)して
151 天地(てんち)呼吸(こきふ)(ととの)ふべき
152 霊覚(れいかく)()かむか
153 安息(あんそく)立命(りつめい)
154 (ただ)一場(いちぢやう)好夢(かうむ)にも()すべき
155 (あは)れなる欺幻(ぎげん)
156 ()ぎないであらう』
 
157アーク成程(なるほど)ちぎる秋茄子(あきなすび)158()つから面黒(おもくろ)くないわい。159(しか)しながら、160治国別(はるくにわけ)さまに感化(かんくわ)されて俄詩人(にはかしじん)となつたぢやないか。161もう(これ)だけ詩文(しぶん)(つづ)れるやうになりやタールも文壇(ぶんだん)(はな)として、162()(はや)されるかも()れないよ。163アハヽヽヽ』
164タール(しか)(おれ)()うしたものか、165バラモン(ぐん)(せき)()くのが、166きつう(きら)ひとなつたのだが、167それだと()つて(ほか)にする(こと)もなし、168仕方(しかた)()いから()(しばら)くは腰掛(こしかけ)だと(おも)うて、169ランチ将軍(しやうぐん)片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)のお(ひげ)(ちり)(こころ)ならずも(はら)(こと)としようかなア。170これが処世法(しよせいほふ)(もつと)優秀(いうしう)なる(みち)だらうよ』
171アーク『さうだ、172治国別(はるくにわけ)さまが陣中(ぢんちう)にお(いで)になつたのだから、173(なん)()うても此処(ここ)辛抱(しんばう)せなくてはなるまい。174ランチ、175片彦(かたひこ)両将軍(りやうしやうぐん)(いづ)れは帰順(きじゆん)するだらうからなア。176さうすれば吾々(われわれ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)となつて天国(てんごく)地上(ちじやう)移写(いしや)する(こと)になるのだ。177これが人間(にんげん)として(もつと)(すぐ)れたる(おこな)ひだ。178(いな)人間(にんげん)として(もつと)(うれ)しき事業(じげふ)だ』
179タール(とき)(なん)だか(むか)ふの(はう)から、180(ひど)(いきほひ)鳴物入(なりものいり)でアーク(がみ)がやつて()るではないか。181ヨウヨウ(くわん)()るぞ、182(しか)二挺(にちやう)だ』
183アーク如何(いか)にも章魚(たこ)にも足八本(あしはちほん)だ。184ヨウあいつはエキスぢやないか。185(また)獲物(えもの)(うま)くチヨロまかして()()んだのだらう。186彼奴(あいつ)(また)187ランチ将軍(しやうぐん)(おん)(おぼ)目出度(めでた)うなつて威張(ゐば)()しちや、188大変(たいへん)だぞ』
189 エキスは意気(いき)揚々(やうやう)として、190蠑螈別(いもりわけ)191(たみ)駕籠(かご)()せ、192四五(しご)(にん)番卒(ばんそつ)(とも)此方(こちら)(むか)つて(かへ)つて()るのであつた。193エキスはアーク、194タールの両人(りやうにん)()るより、195さも得意気(とくいげ)に、
196エキス『ヤア(その)(はう)はアーク、197タールの()両所(りやうしよ)198出迎(でむか)大儀(たいぎ)(ござ)る』
199 アーク、200タールの両人(りやうにん)はエキスに「お出迎(でむか)大儀(たいぎ)」と()はれ、201(ほとん)目下(めした)(あつか)ひをせられたやうな気分(きぶん)になつて(ごふ)()いて(たま)らないけれど、202(わざ)素知(そし)らぬ(かほ)をして何気(なにげ)なう、
203アーク『やあエキス殿(どの)204()苦労(くらう)(ござ)つた。205(さぞ)ランチ将軍(しやうぐん)が、206(よろこ)(あそ)ばす(こと)だらう。207さうして(その)駕籠(かご)(なか)客人(きやくじん)一体(いつたい)何人(なにびと)(ござ)るかなア』
208 エキスはさも横柄(わうへい)に、209(おに)(くび)竹篦(たけべら)()()つたやうな(ほこ)(がほ)で、
210エキス大切(たいせつ)なるお客人(きやくじん)211(それがし)弁茶羅(べんちやら)212アヽ(いな)213器量(きりやう)によつてお(むか)(まを)して()たのだ。214()本人(ほんにん)誰人(たれびと)なるかは、215ランチ、216片彦(かたひこ)両将軍(りやうしやうぐん)にお()にかける(まで)発表(はつぺう)する(こと)出来(でき)ない。217さア()両所(りやうしよ)218(さき)()つて()案内(あんない)めされ』
219タール『随分(ずゐぶん)威張(ゐば)つたものだなア。220エヽ仕方(しかた)がない』
221アーク『エキスに()いて(おく)(すす)(こと)にしようぢやないか。222大分(だいぶん)最前(さいぜん)から郊外(かうぐわい)散歩(さんぽ)をやつたからなア』
223 エキスは道々(みちみち)(うた)()した。
224エキス『バラモン(けう)大教主(だいけうしゆ)
225大黒主(おほくろぬし)部下(ぶか)となり
226産土山(うぶすなやま)高原(かうげん)
227(やかた)()てて()(なか)
228()(みだ)()曲津(まがつ)(かみ)
229(かむ)素盞嗚(すさのを)牙城(がじやう)をば
230(はふ)らむために(すす)()
231ランチ将軍(しやうぐん)片彦(かたひこ)
232(その)陣中(ぢんちう)()(たか)
233ヒーロー豪傑(がうけつ)このエキス
234神変(しんぺん)不思議(ふしぎ)妙法(めうはふ)
235縦横(じうわう)無尽(むじん)発揮(はつき)して
236(かむ)素盞嗚(すさのを)(みこと)さへ
237()めあぐみたるウラナイの
238(をしへ)(つかさ)とあれませる
239蠑螈別(いもりわけ)教主(けうしゆ)をば
240(わが)言霊(ことたま)(なび)かせつ
241軍用金(ぐんようきん)献納(けんなふ)させ
242将軍(しやうぐん)(さま)片腕(かたうで)
243(すす)めむためとやうやうに
244(とも)をなして(かへ)りけり
245蠑螈別(いもりわけ)勇将(ゆうしやう)
246もはや(わが)()()るからは
247神変(しんぺん)不思議(ふしぎ)妖術(えうじゆつ)
248使(つか)うて世人(よびと)(くる)しむる
249三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
250仮令(たとへ)幾万(いくまん)ありとても
251如何(いか)でか(おそ)るる(こと)やある
252これも(まつた)くバラモンの
253(たふと)(かみ)()(あは)
254ランチ、片彦(かたひこ)両将(りやうしやう)
255(さぞ)満足(まんぞく)なさるだらう
256(この)陣中(ぢんちう)(おれ)のよな
257功名(こうみやう)手柄(てがら)(あら)はした
258勇士(ゆうし)(また)とあるものか
259アーク、タールの両人(りやうにん)
260これから(おれ)将軍(しやうぐん)
261帷幕(ゐばく)(さん)(なんぢ)()
262それ相当(さうたう)職掌(しよくしやう)
263使(つか)うてやらう(たの)しんで
264()沙汰(さた)をまつがよからうぞ
265(まへ)何時(いつ)(まで)番卒(ばんそつ)
266小頭(こがしら)みたよな(やく)をして
267()つた(ところ)(つま)らない
268()(ことわざ)()(とほ)
269()()るならば大木(たいぼく)
270密葉(みつえう)(かげ)親方(おやかた)
271(はし)(ふと)いがよいと()
272社会(しやくわい)真理(しんり)(さと)るなら
273今日(けふ)から(おれ)()家来(けらい)
274なつて神妙(しんめう)(つか)へよや
275(いま)から注意(ちうい)(あた)()
276あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
277バラモン(けう)大御神(おほみかみ)
278御霊(みたま)(さち)はへましませよ』
279 アークは蠑螈別(いもりわけ)()つて()棒端(ぼうばな)をグツと(にぎ)り、
280アーク『オイ、281(この)駕籠(かご)282一寸(ちよつと)()つた』
283エキス『()つたとは()うぢや、284(いち)()(はや)将軍(しやうぐん)のお()にかけねばならぬ大切(たいせつ)なお客様(きやくさま)だ、285邪魔(じやま)ひろぐと容赦(ようしや)(いた)さぬぞ』
286 アークは、
287アーク『こりやエキス、288(その)(はう)(いま)(なん)(まを)した。289吾々(われわれ)両人(りやうにん)両将軍(りやうしやうぐん)片腕(かたうで)となつて帷幕(ゐばく)参列(さんれつ)する重役(ぢゆうやく)だ。290貴様(きさま)不在中(ふざいちゆう)任命式(にんめいしき)(おこな)はれたのだから、291()らぬのも無理(むり)はないが、292(あま)りの暴言(ばうげん)ぢやないか。293(この)(はう)(たい)し「出迎(でむか)大儀(たいぎ)」などと部下(ぶか)(あつか)ひをなすとは(もつ)ての(ほか)(なんぢ)振舞(ふるま)ひ、294吾々(われわれ)上役(うはやく)職権(しよくけん)をもつて(その)(はう)放逐(はうちく)(いた)さうか』
295エキス『ソヽそんな(こと)(おれ)()らなかつたのだ。296間違(まちが)つて()れば(ゆる)して(もら)はなくては仕方(しかた)がない。297(しか)(もつと)大切(たいせつ)なる客人(きやくじん)をお()(まを)して()たのだから、298さう(あたま)ごなしに呶鳴(どな)りつけられちや、299このエキスも引合(ひきあ)はぬぢやありませぬか』
300アーク()らなければ仕方(しかた)がない、301差許(さしゆる)す、302(しか)しながら、303(いま)約束(やくそく)をして()くが、304エキス、305(その)(はう)は、306将軍(しやうぐん)(さま)のお見出(みだ)しに(あづ)かつて、307吾々(われわれ)同役(どうやく)になつても(けつ)して威張(ゐば)つてはならないぞ。308なあエキス、309こりやエキスの野郎(やらう)310よいかエキス』
311タール『やい、312エキス、313(いま)アーク重役(ぢゆうやく)さまの言葉(ことば)()(はら)()れたか。314やいエキス、315エー()いただらうなあエキス、316()うだいエキス、317返答(へんたふ)は』
318エキス『さう沢山(たくさん)さうにエキスエキスと()つて(もら)つちや、319(きやく)さまに(たい)外聞(ぐわいぶん)(わる)いぢやありませぬか。320一口(ひとくち)仰有(おつしや)つたら(わか)つて()るぢやありませぬか』
321アーク『(いま)(おれ)上役(うはやく)だから、322(いま)(うち)沢山(たくさん)さうに()びつけにして()かぬと、323重役(ぢゆうやく)になつたら、324もう()(こと)出来(でき)ないからなア。325エキス、326さうだらうエキス、327きつと羽張(はば)つてはいけないぞ。328こりやエキス』
329タール『アハヽヽヽ、330(なに)(うま)(しる)()うて()たと()えるな。331それでエキスエキスとアークさまが()ふのだらう』
332アーク(うま)(しる)()うて()よつたのだ。333盗人(ぬすびと)上前(うはまへ)をはねて二千(にせん)(りやう)334蠑螈別(いもりわけ)から五千(ごせん)(りやう)335都合(つがふ)七千(しちせん)(りやう)のエキス(液吸う)たから、336これ(くらゐ)()うてもよいのぢや』
337 エキスは、
338エキス『ウフヽヽヽヽ』
339(ひそ)かに(わら)ふ。
340大正一二・一・八 旧一一・一一・二二 加藤明子録)
ロシアのプーチン大統領が霊界物語に予言されていた!?<絶賛発売中>
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→  
霊界物語ネットは飯塚弘明が運営しています。【メールアドレス】 / 動作に不具合や誤字脱字等を発見されましたら是非お知らせ下さるようお願い申し上げます。 / 本サイトに掲載されている霊界物語等の著作物の電子データは飯塚弘明ほか、多数の方々の協力によって作られました。(スペシャルサンクス) / 本サイトの著作権(デザイン、プログラム、凡例等)は飯塚弘明にあります。出口王仁三郎の著作物(霊界物語等)の著作権は保護期間が過ぎていますのでご自由にお使いいただいて構いません。ただし一部分を引用するのではなく、本サイト掲載の大部分を利用して電子書籍等に転用する場合には、必ず出典と連絡先を記して下さい。→「本サイト掲載文献の利用について」 / 出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別的と見なされる言葉や表現もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。 / プライバシーポリシー
(C) 2007-2024 Iizuka Hiroaki