霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一九章 化相神(けさうしん)〔一二五二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第47巻 舎身活躍 戌の巻 篇:第3篇 天国巡覧 よみ(新仮名遣い):てんごくじゅんらん
章:第19章 化相神 よみ(新仮名遣い):けそうしん 通し章番号:1252
口述日:1923(大正12)年01月10日(旧11月24日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年10月6日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
祭典を行うことは、天国団体の天人の重要な務めの一つとなっている。天国の天人は愛の善に居るため、大神を愛し同僚を愛し、天地惟神の法則にしたがって宇宙の創造主たる神を厳粛に祀り、種々の供物を献じて神の愛に浴することを唯一の歓喜、神業としている。しかし天国人は決してエンゼルになったり宣伝使にはならない。それは霊国天人の任務である。
祭典が済むと、霊国からエンゼルまたは宣伝使が出張し来たって愛善を説き、真信を諭し、天人の智慧と証覚をますます円満たらしめるよう務める。
治国別と竜公は、珍彦に伴われて神の家と称する、天人が祭典を行い霊国宣伝使が説教を行う木造の殿堂に導かれた。この宮は想念によって建てられているから、決して腐朽したり古くなったりすることはない。
天国の祭典は実に荘厳といおうか、優美といおうか、華麗といおうか、たとえ方のない情態である。団体中で証覚のすぐれたものが祭典に関する役目を務める。珍彦は団体長として斎主を務めている。
すべて天国は清潔主義、統一主義、進取主義、楽観主義であるから、何とも言えぬ良い気分に充たされるものである。祭典によって神人は和合の極度に達し、歓喜悦楽に酔うのである。
天国の祭典は神に報恩謝徳の道を尽くし、またその団体の円満を祈り、天人各自の歓喜悦楽に酔うためにする。したがって現界の祭典のごとく四角張らず、小笠原流式もなく、円滑に自由自在に愛善より来る想念のままに情動するから、何ともいえない完全な祭典が行われる。
しかし現界のごとく天津祝詞や神言を奏上して神慮を慰め、天人各自の心を喜ばせて一切の罪汚れを払しょくする神業である。天国においても憂いや悲しみや驚きに遭遇することは絶無ではないので、天人は日を定めて荘厳な祭典式を行い、福利を得ようと祈るのである。
朝は日の天国の愛善に相応し、夕べは月の霊国の真信に相応する。ゆえに天国の祭典は午前中に行われ、午後に至って、霊国から出張した宣伝使が説教を始めるのが例となっている。
直会の宴も無事に終了し午後の情態になったとき、霊国の宣伝使が嚠喨たる音楽に送られて、二人の侍者を伴い神の家に進んできた。霊国の宣伝使が珍彦の案内で演壇上に就くと、諸天人は半月形に席を取り、その教示を嬉しそうに聴聞している。
治国別と竜公はまだ天国の言葉を解することができないので、特別席に黙然として耳を傾け、宣伝使の抑揚や身振りから何事を語りたるかをおぼろげに窺い知るのみであった。一時ばかり経ったと思うころ、宣伝使は説教の終結を告げ、各天人は拍手讃嘆しながら各自の住所に帰って行った。
珍彦は霊国宣伝使一行を自宅に招いた。治国別と竜公も共に珍彦館に帰りゆく。珍彦と珍姫夫婦は珍しい果物を並べ葡萄酒をついで宣伝使一行を歓待した。治国別と竜公は宣伝使の光明に眼がくらみ、あわてて被面布をかぶった。
そして宣伝使の顔をよく見れば、野中の森で別れた五三公であった。治国別は霊国宣伝使が五三公の顔であることに驚いて逡巡していたが、竜公は構わず、五三公にそっくりだと治国別に話しかけ、霊国宣伝使に五三公として話しかけた。
宣伝使は言霊別命と名乗り、月の大神の命で地上に降って五三公の精霊を充たし、神国成就のために活動しているのだと明かした。そして地上天国を建設するために化相して活動しているため、地上では徒弟の五三公として接するようにと願い出た。
治国別は驚いていたが、言霊別命は竜公と親しく語りだし、ぱっと上衣を脱いだ。たちまち現界の五三公と風体まで変わらないようになり、言葉もなれなれしくなってきた。そして治国別と竜公に天国の案内しようと申し出た。
治国別一行は、珍彦と珍姫に厚く礼を述べ、五三公の案内で宣伝歌を歌いながら南方指して進んで行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-05-01 18:33:56 OBC :rm4719
愛善世界社版:262頁 八幡書店版:第8輯 570頁 修補版: 校定版:275頁 普及版:129頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 【宗教編】第四篇 神霊世界 > 第十六章 化相神
001 天国人(てんごくじん)祭典(さいてん)(おこな)ふのは、002天国(てんごく)団体(だんたい)重要(ぢうえう)なる(つと)めの(ひとつ)となつてゐる。003天国(てんごく)天人(てんにん)(あい)(ぜん)()るが(ゆゑ)に、004大神(おほかみ)(あい)(かつ)同僚(どうれう)(あい)し、005天地(てんち)惟神(かむながら)法則(はふそく)(したが)つて宇宙(うちう)創造主(さうざうぬし)たる(かみ)厳粛(げんしゆく)(まつ)り、006種々(しゆじゆ)(めづ)らしき供物(くもつ)(けん)じ、007(しか)して(のち)(かみ)(あい)(よく)するを(もつ)唯一(ゆゐいつ)歓喜(くわんき)となし、008唯一(ゆゐいつ)神業(しんげふ)としてゐるのである。009(しか)して天国人(てんごくじん)(けつ)してエンゼルになつたり、010(あるひ)宣伝使(せんでんし)にはならないのである。011エンゼルや宣伝使(せんでんし)になる天人(てんにん)は、012すべて霊国(れいごく)天人(てんにん)任務(にんむ)である。013(なん)とならば霊国(れいごく)(しん)(しん)()ちたる(もの)(おほ)く、014天国(てんごく)(あい)(ぜん)にみちたる(もの)(おほ)国土(こくど)なるが(ゆゑ)である。015祭典(さいてん)がすむと、016霊国(れいごく)よりエンゼル(また)宣伝使(せんでんし)出張(しゆつちやう)(きた)つて愛善(あいぜん)()き、017信真(しんしん)(さと)し、018円満(ゑんまん)なる天人(てんにん)智慧(ちゑ)証覚(しようかく)をして益々(ますます)円満(ゑんまん)ならしめむと(つと)めるのである。019(また)天人(てんにん)(その)説教(せつけう)()いて自分(じぶん)人格(じんかく)円満(ゑんまん)ならしめ、020処世(しよせい)(じやう)福利(ふくり)(はか)らむとするものである。021そして天国(てんごく)団体(だんたい)(だい)なるものに(いた)つては十万(じふまん)(あつ)まつて()り、022(すくな)いのは五六十(ごろくじふ)(にん)団体(だんたい)もある。023(これ)(あい)(しん)より(きた)想念(さうねん)情動(じやうどう)如何(いかん)()つて相似(さうじ)相応(さうおう)()により団体(だんたい)形成(けいせい)するからである。
024 治国別(はるくにわけ)025竜公(たつこう)珍彦(うづひこ)(ともな)はれ、026(かみ)(いへ)(しよう)する、027天人(てんにん)祭典(さいてん)(おこな)霊国(れいごく)宣伝使(せんでんし)説教(せつけう)(おこな)木造(きづくり)殿堂(でんだう)(みちび)かれた。028いつまでも()()(あたら)しく(かを)り、029幾年(いくねん)()ても新築(しんちく)した(とき)想念(さうねん)()つて()てられてあるから、030(けつ)して腐朽(ふきう)したり(あるひ)(ふる)くなつたりするものではない。
031 珍彦(うづひこ)夫婦(ふうふ)光沢(くわうたく)にみちた(あか)装束(しやうぞく)をつけ、032(かみ)(いへ)悠々(いういう)(すす)()つた。033団体(だんたい)天人(てんにん)赤子(あかご)(いた)(まで)此処(ここ)(あつ)まり、034祭典(さいてん)(あづか)らむと、035えも()はれぬ歓喜(くわんき)()ちた面貌(めんばう)(あら)はして(ひか)へてゐる。036この天人(てんにん)智慧(ちゑ)証覚(しようかく)如何(いかん)()りて、037幾分(いくぶん)差等(さとう)はあれども、038大抵(たいてい)相似(さうじ)面貌(めんばう)をしてゐる。039現界(げんかい)形式(けいしき)(てき)祭典(さいてん)(くら)ぶれば、040(じつ)荘厳(さうごん)()はうか、041優美(いうび)()はうか、042華麗(くわれい)()はうか、043譬方(たとへかた)のない情態(じやうたい)である。044(この)団体中(だんたいちう)にて、045(もつと)証覚(しようかく)(すぐ)れたる(もの)が、046祓戸(はらひど)神饌係(しんせんがかり)祭典(さいてん)(くわん)するいろいろの役目(やくめ)をつとめ、047珍彦(うづひこ)団体長(だんたいちやう)として斎主(さいしゆ)(やく)(あた)ることとなつた。048(すべ)天国(てんごく)清潔(せいけつ)主義(しゆぎ)049統一(とういつ)主義(しゆぎ)050進取(しんしゆ)主義(しゆぎ)051楽観(らくくわん)主義(しゆぎ)であるから、052(なん)とも()へぬ()気分(きぶん)()たされるものである。053(この)祭典(さいてん)()つて、054神人(しんじん)和合(わがふ)極度(きよくど)(たつ)し、055歓喜(くわんき)悦楽(えつらく)()ふのである。056(しか)して天国(てんごく)祭典(さいてん)(かみ)報恩(はうおん)謝徳(しやとく)(みち)(つく)すは()ふも(さら)なれど、057(また)一方(いつぱう)には(その)団体(だんたい)円満(ゑんまん)(いの)り、058天人(てんにん)各自(かくじ)歓喜(くわんき)(あぢ)はひ、059悦楽(えつらく)()(ため)である。060(ゆゑ)現界(げんかい)祭典(さいてん)(ごと)四角張(しかくば)らず、061小笠原流(をがさはらりう)(しき)もなく、062(じつ)円滑(ゑんくわつ)自由(じいう)自在(じざい)に、063愛善(あいぜん)より(きた)想念(さうねん)(まま)情動(じやうだう)するのであるから、064(なん)とも()へぬ完全(くわんぜん)祭典(さいてん)(おこな)はれる。065(はふ)なくして(はふ)あり、066(しき)なくして(しき)あり、067到底(たうてい)現界(げんかい)にて夢想(むさう)だもなし(あた)はざる光景(くわうけい)である。068(しか)して祝詞(のりと)はやはり現界(げんかい)(ごと)天津(あまつ)祝詞(のりと)神言(かみごと)奏上(そうじやう)して、069神慮(しんりよ)(なぐさ)め、070(かつ)天人(てんにん)各自(かくじ)(こころ)(よろこ)ばせ、071一切(いつさい)(つみ)(けが)過失(あやまち)払拭(ふつしき)する神業(かむわざ)である。072天国(てんごく)(おい)ても(とき)(あるひ)少々(せうせう)(うれ)ひにみたされ、073(かなし)みや(おどろ)きに遭遇(さうぐう)することは絶無(ぜつむ)とは()へない、074(ゆゑ)天人(てんにん)()(さだ)めて、075荘厳(さうごん)なる祭典式(さいてんしき)(おこな)ひ、076(その)生涯(しやうがい)(たい)して福利(ふくり)()むことを(いの)るのである。
077 祭典(さいてん)(しき)(やうや)()み、078八尋殿(やひろどの)(おい)直会(なほらひ)(えん)(ひら)かれた。079大抵(たいてい)(この)祭典(さいてん)午前中(ごぜんちう)(おこな)はるるものである。080(しか)天国(てんごく)(おい)ては時間(じかん)空間(くうかん)など()ふものはなく、081(したが)つて午前(ごぜん)午後(ごご)昼夜(ちうや)などの区別(くべつ)はない。082(しか)しながら情動(じやうだう)変異(へんい)()つて、083(あさ)たり(ゆふ)べたるの感覚(かんかく)(おこ)るものである。084(しか)して(あさ)太陽(たいやう)(あい)相応(さうおう)し、085天国(てんごく)愛善(あいぜん)和合(わがふ)するものである。086(また)(ゆふ)べは信真(しんしん)相応(さうおう)し、087(つき)相応(さうおう)するものである。088(ゆゑ)天国人(てんごくじん)祭典(さいてん)午前中(ごぜんちう)(おこな)はれ、089霊国(れいごく)(すなは)(つき)(くに)から出張(しゆつちやう)(きた)宣伝使(せんでんし)午後(ごご)(いた)つて説教(せつけう)(はじ)むるのが(れい)となつてゐる。090現代(げんだい)()ける各宗教(かくしうけう)儀式(ぎしき)祭事(さいじ)(くわん)することは(すべ)午前(ごぜん)(おこな)ひ、091説教(せつけう)などは午後(ごご)(おこな)はるるのは、092()らず()らずに天国(てんごく)情態(じやうたい)地上(ちじやう)(うつ)つてゐるのである。
093 各天人(かくてんにん)(おも)(おも)ひの(うた)(うた)ひ、094(まひ)()ひ、095音楽(おんがく)(そう)し、096祭典後(さいてんご)一切(いつさい)(わす)れて面白(おもしろ)可笑(をか)しく茶番(ちやばん)狂言(きやうげん)なども(まじ)へて、097(とき)(うつ)るのも()らず、098(あそ)(くる)ふのである。
099 天人(てんにん)(うた)演舞(えんぶ)状況(じやうきやう)(ここ)には省略(しやうりやく)して、100後日(ごじつ)(また)(とき)()()ぶることとする。101さて直会(なほらひ)(えん)無事(ぶじ)終了(しうれう)し、102各天人(かくてんにん)情動(じやうだう)(はじ)めて午後(ごご)相応(さうおう)する感覚(かんかく)になつた(とき)103霊国(れいごく)宣伝使(せんでんし)何処(どこ)ともなく嚠喨(りうりやう)たる音楽(おんがく)(おく)られて、104四辺(あたり)(かがや)かしながら、105二人(ふたり)侍者(じしや)(とも)(かみ)(いへ)(むか)つて(すす)んで()た。106諸天人(しよてんにん)(この)宣伝使(せんでんし)を『ウオーウオー』と、107(あい)(こゑ)(そそ)ぎながら(むか)()れる。108宣伝使(せんでんし)莞爾(くわんじ)としてさも(うれ)しげに、109諸天人(しよてんにん)目礼(もくれい)(ほどこ)し、110団体長(だんたいちやう)なる珍彦(うづひこ)案内(あんない)()れて、111半円形(はんゑんけい)組立(くみた)てられた演壇(えんだん)(じやう)悠々(いういう)()()めた。112(しか)して(その)左右(さいう)には証覚(しようかく)光明(くわうみやう)(やや)(をと)つた(もの)(ひか)へてゐる。113これは宣伝使(せんでんし)侍者(じしや)である。114諸天人(しよてんにん)半月形(はんげつけい)演壇(えんだん)(まへ)(せき)()り、115宣伝使(せんでんし)視線(しせん)(はづ)さない(やう)にして、116(その)教示(けうじ)(うれ)()聴聞(ちやうもん)してゐる。117宣伝使(せんでんし)天国(てんごく)()ける説教(せつけう)大神(おほかみ)()神格(しんかく)徹底(てつてい)(てき)理解(りかい)すべく、118(かつ)愛善(あいぜん)信真(しんしん)(なん)たるかを、119(きは)めて微細(びさい)()きさとし、120天人(てんにん)処世(しよせい)(じやう)利便(りべん)(はか)らしむるべく(つと)むるより(ほか)にはないのである。
121 治国別(はるくにわけ)122竜公(たつこう)天国(てんごく)言葉(ことば)(かい)()ず、123特別(とくべつ)(せき)黙然(もくねん)として(みみ)(かたむ)け、124(その)教示(けうじ)一言(ひとこと)なりとも会得(ゑとく)せむと(つと)めてゐる。125されど(これ)()両人(りやうにん)(いま)第二(だいに)天国(てんごく)天人(てんにん)言葉(ことば)さへ聞分(ききわ)くる(だけ)智慧(ちゑ)証覚(しようかく)(そな)はつてゐないのだから、126(これ)()天人(てんにん)()(さと)幽遠(いうゑん)美妙(びめう)なる説教(せつけう)などは到底(たうてい)聴取(ききと)れる(はず)はない。127(したが)つて感得(かんとく)することは出来(でき)ない。128デクの棒然(ぼうぜん)として、129(その)美妙(びめう)なる声調(せいてう)言語(げんご)抑揚(よくやう)頓挫(とんざ)曲折(きよくせつ)などの巧妙(かうめう)ぶりや、130顔面(がんめん)筋肉(きんにく)(うご)()り、131形容(けいよう)身振(みぶり)などを(かんが)へて、132(ほぼ)(その)何事(なにごと)(かた)()るかを、133おぼろげに窺知(きち)()るのみであつた。134(ほとん)一時(ひととき)ばかり()つたと(おも)(とき)135宣伝使(せんでんし)説教(せつけう)終結(しうけつ)()げた。136各天人(かくてんにん)(しき)りに拍手(はくしゆ)し、137讃嘆(さんたん)しながら、138ウオーウオーと(さけ)びつつ(かみ)(いへ)()つて各自(かくじ)住所(ぢゆうしよ)(かへ)()く。139珍彦(うづひこ)夫婦(ふうふ)宣伝使(せんでんし)先頭(せんとう)()ち、140(おの)(やかた)()して(むか)(かへ)る。141治国別(はるくにわけ)142竜公(たつこう)(あと)(したが)ひ、143珍彦(うづひこ)(やかた)()る。
144 宣伝使(せんでんし)(おく)()(すす)み、145(かむり)()り、146法服(はふふく)着替(きか)へ、147くつろいで主客(しゆきやく)対坐(たいざ)し、148(ここ)少時(しばらく)雑談(ざつだん)(ふけ)るのが(れい)となつてゐる、149珍彦(うづひこ)夫婦(ふうふ)(めづ)らしき果物(くだもの)(なら)べ、150葡萄酒(ぶだうしゆ)()いで宣伝使(せんでんし)(すす)めた。151宣伝使(せんでんし)(さか)えにみちた面貌(めんばう)珍彦(うづひこ)()けながら、152一口(ひとくち)グツと()珍彦(うづひこ)にさした。153珍彦(うづひこ)恭敬(きようけい)礼拝(れいはい)しつつ押戴(おしいただ)いてグツと()み、154(その)(のこ)りを珍姫(うづひめ)にさした。155珍姫(うづひめ)(おな)じく(おし)いただいて(これ)()(をは)り、156宣伝使(せんでんし)(かへ)し、157宣伝使(せんでんし)二人(ふたり)侍者(じしや)(さかづき)(あた)へ、158()づから葡萄酒(ぶだうしゆ)をつぐ。159二人(ふたり)侍者(じしや)何事(なにごと)(かい)(がた)(うた)(うた)()した。160治国別(はるくにわけ)161竜公(たつこう)宣伝使(せんでんし)面貌(めんばう)高尚(かうしやう)優美(いうび)にして光明(くわうみやう)()てるに(まなこ)くらみ、162容易(ようい)(おもて)()くることが出来(でき)なかつた。163(これ)智慧(ちゑ)証覚(しようかく)()非常(ひじやう)相違(さうゐ)があるが(ゆゑ)である。164あわてて被面布(ひめんぷ)取出(とりだ)し、165治国別(はるくにわけ)166竜公(たつこう)(これ)をかぶつた。167そして宣伝使(せんでんし)(かほ)をよくよくみれば、168豈計(あにはか)らむや野中(のなか)(もり)(わか)れた治国別(はるくにわけ)徒弟(とてい)五三公(いそこう)であつた。169宣伝使(せんでんし)五三公(いそこう)は、170治国別(はるくにわけ)171竜公(たつこう)のここに(きた)()ることを一目(ひとめ)()看破(かんぱ)してゐたけれど、172二人(ふたり)自然(しぜん)(われ)(みと)めるまでワザと名乗(なの)らなかつたのである。173治国別(はるくにわけ)(こころ)(うち)に、
174治国別『あゝ()たりや()たり、175よく()たり、176(わが)徒弟(とてい)五三公(いそこう)にソツクリだ。177(ただ)どこともなく、178(はだ)色合(いろあひ)()(とほ)つてみえるばかりで、179どこに一所(ひととこ)(ちが)つた(ところ)がない。180名乗(なの)つて()ようか、181イヤイヤ五三公(いそこう)(ごと)(もの)()うして霊国(れいごく)宣伝使(せんでんし)になり()るものか、182なまじひに質問(しつもん)をして無礼(ぶれい)になつてはすまない』
183(こころ)にとつおいつ、184煩悶(はんもん)をつづけて()る。185竜公(たつこう)(また)被面布(ひめんぷ)(なか)から宣伝使(せんでんし)姿(すがた)をためつすかしつ、186(くび)(しき)りにかたげ、187(あるひ)(みぎ)(ひだり)にふりながら、
188竜公『ハテナ、189よく()てゐる、190(めう)だなア、191ヤツパリ(ちが)ふかなア、192イヤイヤ(ちが)ひはしようまい。193(なに)()もあれ不思議(ふしぎ)千万(せんばん)なことだ。194()うしても合点(がてん)(むし)承知(しようち)せぬ。195何程(なにほど)天国(てんごく)には相似(さうじ)面貌(めんばう)があると()つても、196これ(だけ)()(かほ)二度(にど)とあるまい』
197などと四辺(あたり)かまはず、198無垢(むく)(こころ)より、199遠慮(ゑんりよ)会釈(ゑしやく)もなく(しやべ)つてゐる。200宣伝使(せんでんし)(かがや)きの面貌(めんばう)両人(りやうにん)()け、201ニコニコと(わら)つてゐる。202竜公(たつこう)(かま)はず、
203竜公『モシ先生(せんせい)204あの宣伝使(せんでんし)(かほ)御覧(ごらん)なさい。205三日月(みかづき)眉毛(まゆげ)(ほほ)のゑくぼ、206()のつき(かた)から、207(はな)格好(かくかう)208(くち)のチヨンモリした(ところ)209五三公(いそこう)にそつくりぢやありませぬか』
210 治国別(はるくにわけ)(はじ)めて(くち)(ひら)き、
211治国別『よく()てゐられるなア』
212竜公先生(せんせい)213()るも()ぬもありますか。214本真者(ほんまもの)五三公(いそこう)ですよ。215オイ五三公(いそこう)216(なん)偉相(えらさう)に、217(おれ)(おれ)だ、218(おれ)被面布(ひめんぷ)(かぶ)つてるから(わか)らぬだらうが、219竜公(たつこう)さまだ。220そして一人(ひとり)はお(まへ)大切(たいせつ)先生(せんせい)治国別(はるくにわけ)さまだ。221()(さが)つて挨拶(あいさつ)をせないか、222エヽーン、223いつの()()(ほど)出世(しゆつせ)したのだ』
224 宣伝使(せんでんし)はますますニコニコと(わら)つてゐる。
225治国別『これはこれは木花姫(このはなひめの)(みこと)(さま)226よくもマア(わたくし)(ごと)(もの)徒弟(とてい)となり、227化相(けさう)(じゆつ)(もつ)今迄(いままで)(この)愚鈍(ぐどん)治国別(はるくにわけ)をよくもお(みちび)(くだ)さいました。228有難(ありがた)感謝(かんしや)(いた)します』
229 宣伝使(せんでんし)(はじ)めて(くち)(ひら)き、
230宣伝使(言霊別)治国別(はるくにわけ)(さま)231竜公(たつこう)(さま)232失礼(しつれい)(いた)しました。233(しか)(わたくし)(つき)大神(おほかみ)御側(みそば)(つか)へまつる言霊別(ことたまわけの)(みこと)(ござ)います。234(この)(たび)大神(おほかみ)(めい)()り、235地上(ちじやう)(くだ)り、236五三公(いそこう)精霊(せいれい)()たし神国(しんこく)成就(じやうじゆ)(ため)に、237貴方(あなた)(とも)活動(くわつどう)をしてゐた(もの)(ござ)います。238()(ゆゑ)(わたくし)五三公(いそこう)とは(まつた)別個(べつこ)人間(にんげん)です。239(しか)しながら(わたくし)神格(しんかく)全部(ぜんぶ)が、240五三公(いそこう)精霊(せいれい)をみたしたる(ため)241面貌(めんばう)までが()()てゐるのでせう。242今後(こんご)(おい)ても時々(ときどき)五三公(いそこう)精霊(せいれい)(くだ)り、243地上(ちじやう)天国(てんごく)建設(けんせつ)する(ため)244化相(けさう)(もつ)活動(くわつどう)(いた)しますれば、245五三公(いそこう)はヤハリ貴方(あなた)徒弟(とてい)としてお使(つか)ひを(ねが)ひます』
246 治国別(はるくにわけ)(この)物語(ものがたり)打驚(うちおどろ)き、
247治国別『ハイ』
248()つたきり、249(かみ)(めぐみ)広大(くわうだい)無辺(むへん)なるに感謝(かんしや)(なみだ)をこぼしてゐる。
250竜公(たつこう)『モシ宣伝使(せんでんし)(さま)……(いな)言霊別(ことたまわけの)(みこと)(さま)251(わたくし)現界(げんかい)(かへ)りました(とき)は、252五三公(いそこう)さまに(たい)し、253今迄(いままで)(とほ)りの交際振(かうさいぶり)をやつて()ればいいのですか、254(これ)(うかが)つておかねば、255今後(こんご)都合(つがふ)(ござ)いますからなア』
256言霊別化相(けさう)(もつ)(あら)はるれば、257ヤハリ五三公(いそこう)です。258従前(じゆうぜん)(とほ)交際(かうさい)(ねが)ひます』
259竜公『ヤ、260五三公(いそこう)261承知(しようち)した。262(まへ)がこんな(えら)(もの)になることを(おも)へば、263(おれ)だつてヤツパリ友達(ともだち)だ。264何程(なにほど)智慧(ちゑ)証覚(しようかく)があるといつても、265現界(げんかい)()れば、266(おれ)とチーと(えら)いか、267(すこ)(をと)つた(くらゐ)なものだ。268(おれ)一升(いつしよう)でお(まへ)九合(くがふ)か、269(まへ)一升(いつしよう)(おれ)九合(くがふ)(くらゐ)なものだ。270なア五三公(いそこう)271さうだらう』
272 言霊別(ことたまわけ)はパツと上衣(うはぎ)()いだ。273(たちま)現界(げんかい)()五三公(いそこう)と、274風体(ふうてい)まで(かは)らないやうになり、275言葉(ことば)もなれなれしくなつて()た。
276五三公天国(てんごく)法衣(ほふい)をぬいで、277(しばら)気楽(きらく)(また)(まへ)天国(てんごく)旅行(りよかう)をしようぢやないか。278治国別(はるくにわけ)先生(せんせい)279これから五三公(いそこう)第二(だいに)天国(てんごく)()ふも(さら)(なり)280第一(だいいち)天国(てんごく)まで()案内(あんない)(いた)しませう』
281治国別何卒(なにとぞ)(よろ)しく()(ねがひ)(いた)します』
282竜公『コレ先生(せんせい)283融通(ゆうづう)()かぬ(ひと)だな。284ヨシ五三公(いそこう)285(とも)(ゆる)すと何故(なぜ)仰有(おつしや)らぬのだ。286なア五三公(いそこう)287さうぢやないか』
288五三公『ウン、289(ばけ)(かは)をぬいだら、290ヤツパリ(もと)五三公(いそこう)だ。291ヤア珍彦(うづひこ)(さま)292珍姫(うづひめ)(さま)293有難(ありがた)(ござ)いました。294(これ)から天国(てんごく)巡覧(じゆんらん)(いた)しますから、295(これ)でお(わか)(いた)しませう』
296 珍彦(うづひこ)夫婦(ふうふ)意外(いぐわい)(この)問答(もんだふ)(あき)()て、297黙然(もくねん)として(さん)(にん)(かほ)()つめてゐる。298二人(ふたり)宣伝使(せんでんし)侍者(じしや)はどこへ()つたか、299(かげ)(かたち)()えなくなつて()た。
300 (ここ)治国別(はるくにわけ)五三公(いそこう)301竜公(たつこう)(ともな)珍彦(うづひこ)302珍姫(うづひめ)(あつ)(れい)()べ、303宣伝歌(せんでんか)(うた)ひながら、304五三公(いそこう)案内(あんない)につれて、305南方(なんぱう)さして(すす)()く。
306大正一二・一・一〇 旧一一・一一・二四 松村真澄録)
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