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第二一章 跋文(ばつぶん)〔一二五四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第47巻 舎身活躍 戌の巻 篇:第3篇 天国巡覧 よみ(新仮名遣い):てんごくじゅんらん
章:第21章 跋文 よみ(新仮名遣い):ばつぶん 通し章番号:1254
口述日:1923(大正12)年01月10日(旧11月24日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年10月6日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
その一
現代人は霊界一切の事物と人間一切の事物との間に一種の相応があることを知らず、また相応がどのようなものであるかを知る者がない。我と世間に執着して天界から遠ざかってしまっているからである。
古の宣伝使や信者は、相応に関する知識をもってもっとも重要とみなし、これによって智慧と証覚を得たのである。相応の理を知得して天人の知識を得、思索することなお天人のごとく、またしばしば主神とも相見るを得てその教えを直接に受けた者もたくさんある。
自然界は太陽の下にあって熱と光を受ける一切の事物を言う。自然界に属するものはすべて、太陽によって存在を継続するのである。一方、霊界に属するものは天界にある。
人間は一小天界にして、また一小世界である。至大なるものを模しているゆえに、人間の中に自然界もあり霊界もあるのである。心性に属して智と意とに関する内分は霊界を作り、肉体に属して感覚と動作に関する外分は、自然界を成す。
自然界に属する肉体や感覚や動作が、その存在の源泉を霊界に有する時、すなわちその心性、智力、意力から来るときは、これを相応者という。三五教の宣伝使にして以上の相応の真理を知悉しない者はただの一人も無かった。実に主の神の神格を十分に認識しえたからである。
この物語を心にひそめて神の大御心のあるところを会得し、相応の真理を覚り、現界においては万民を善道に救い、死後は天界に上って天人の班に伍して神業に参加されることを希望するものである。
その二
主神の国土は、目的の国土である。目的とは「用」そのものであるため、主神の国土を称して用の国土ということもできる。主神は神格の始めに宇宙を創造し形成し給うや、はじめは天界においてなし給い、次に世界において至るところ、動作の上・結果の上に用を発揮しようとし給うた。
自然界の創造と形成は、天界と同様、種々の度を経て次第をおって、その終局点にまで至らなければ已まない。そのため、自然界事物と霊界事物、世間と天界の相応は、用によって成就する。
この用を中に収めるのは、形体である。和合の媒介によって、この形体が、天界と現界において相応をなすのである。自然界に在っては、用のために、用によって造られたものはみな「相応者」である。
人間にあっては、神の法則にしたがって生活する、主神に対して愛があり、隣人に対して仁ある限り、その行動は「用の形態」に現れたものなのである。
人間は、自然界を霊界に和合せしむるための方便である。すなわち、和合の媒介者となることが、その用なのである。けだし、人間には自然界と霊界と二つの者が備わっているものである。
人間は霊的なることにおいて和合の媒介者となるが、もし自然的であるだけならば、媒介者となることはできない。そうはいっても神格の内流は人間の媒介を経なくても、絶えず世間に流れ入り、人間内の世間的事物にも流れてはいる。
以上のごとく、神の法則にしたがう者はことごとく、自然界にあって天界に相応している。これと反するものはみな、地獄と相応している。天界に相応するものはみな善と真とに関係があるが、地獄と相応するものはみな、偽りと罪悪に交渉している。
霊界が諸々の相応によって自然界と和合しているがゆえに、人は諸々の相応によって天界と交通することができる。人間でありがなら諸相応の知識に住しているときは、その霊的、内的人格において天人と和合しているのである。
地上においても最太古の人間は天的人間であって、相応によって思索していた。ただ自然的な思索は方便にすぎなかったのである。太古の人間は天人とたがいに相交わり相語り、天界と世間の和合は、彼らを通して成就していた。これが黄金時代である。
次に白銀時代になると、もはや人間は相応そのものから思索するのではなく、相応についての知識によって思索していた。なお天と人との和合はあったが、以前のように親密ではなかった。
次に赤銅時代になると、その思索は相応の知識によらなかった。彼らの善徳は自然的のもので、以前のように霊的ではなくなっていた。この時代以後は人間は次第に外的となり、肉体的となり終え、相応の知識も亡びて霊界に関する多くの事項も会得しがたくなってしまった。
さらに下って黒鉄時代となった。黒鉄は冷酷な真を表す。善はここに居らない時代である。現代は黒鉄時代を過ぎて泥土世界と堕落し、善も真もその影を没した暗黒無明の地獄である。
国祖の神はこのような惨憺たる世界を松の代、三五の代、天国の代に復活せしめようとして不断的に愛善と真信のために御活動あそばしつつある。
これを思えば我々は安閑として現代を看過することはできない。一日も早く神の教えに眼をさまし、善のために善を励み、真のために真を照らして空前絶後の神業に参加されることを希望する次第である。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4721
愛善世界社版:284頁 八幡書店版:第8輯 579頁 修補版: 校定版:297頁 普及版:141頁 初版: ページ備考:
001   その一
 
002一、003現代人(げんだいじん)霊界(れいかい)一切(いつさい)事物(じぶつ)と、004人間(にんげん)一切(いつさい)事物(じぶつ)との(あひだ)一種(いつしゆ)相応(さうおう)あることを()らず、005(また)相応(さうおう)(なん)たるを()るものがない。006かかる無智(むち)原因(げんいん)には種々(しゆじゆ)あれども、007(その)(おも)なるものは『()』と世間(せけん)とに執着(しふちやく)して(みづか)霊界(れいかい)(こと)天界(てんかい)より(とほ)ざかれるに()るものである。008何事(なにごと)をも()()きて(われ)世間(せけん)とを(あい)するものは(ただ)外的(ぐわいてき)感覚(かんかく)(よろこ)ばし、009自己(じこ)所欲(しよよく)()げしむる(ところ)世間(せけん)(てき)事物(じぶつ)にのみ留意(りうい)して、010(かつ)てその(ほか)(かへり)みず、011(すなは)内的(ないてき)感覚(かんかく)(たのし)まし心霊(しんれい)(よろこ)ばしむる(ところ)霊的(れいてき)事物(じぶつ)(いた)つては(かれ)()関心(くわんしん)せざる(ところ)である。012(かれ)()(これ)(しりぞ)くる口実(こうじつ)(いは)く、013霊的(れいてき)事物(じぶつ)(あま)(たか)きに()ぎて思想(しさう)対境(たいきやう)となる(あた)はず』云々(うんぬん)014されど(いにしへ)(ひと)なる宣伝使(せんでんし)信者(しんじや)たりしものは、015(これ)(はん)して相応(さうおう)(くわん)する知識(ちしき)(もつ)一切(いつさい)知識中(ちしきちう)(もつと)重要(ぢうえう)なるものとなし、016(これ)()りて智慧(ちゑ)証覚(しようかく)()たものである。017(ゆゑ)三五教(あななひけう)信者(しんじや)(いづ)れも天界(てんかい)との交通(かうつう)(みち)(ひら)きて相応(さうおう)()知得(ちとく)し、018天人(てんにん)知識(ちしき)()たものである。019(すなは)天的(てんてき)人間(にんげん)であつた太古(たいこ)人民(じんみん)相応(さうおう)()(もとづ)いて思索(しさく)する(こと)(なほ)天人(てんにん)(ごと)くであつた。020(これ)(ゆゑ)(いにしへ)(ひと)天人(てんにん)相語(あひかた)るを()たり、021(また)(しばしば)主神(すしん)をも相見(あひみ)るを()て、022(その)(をしへ)直接(ちよくせつ)()けたものも沢山(たくさん)にある。023三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)なぞは()(かみ)直接(ちよくせつ)(をしへ)()けてその心魂(しんこん)(みが)き、024(これ)天下(てんか)宣伝(せんでん)したる次第(しだい)(この)霊界(れいかい)物語(ものがたり)()るも明白(めいはく)である。025現代(げんだい)宣伝使(せんでんし)(いた)つては(この)知識(ちしき)(まつた)絶滅(ぜつめつ)し、026相応(さうおう)()(なん)たるかを()るものは宗教(しうけう)各団体(かくだんたい)(つう)じて(いち)(にん)()いと()つても()(くらゐ)である。027相応(さうおう)(なん)たるかを()らずしては、028霊界(れいかい)()いて明白(めいはく)なる知識(ちしき)(いう)するを()ない。029()霊界(れいかい)事物(じぶつ)無智(むち)なる人間(にんげん)は、030(また)霊界(れいかい)より自然界(しぜんかい)にする内流(ないりう)何物(なにもの)たるを()(こと)出来(でき)ない。031(また)霊的(れいてき)事物(じぶつ)自然(しぜん)(てき)事物(じぶつ)(たい)する関係(くわんけい)をすら()(こと)出来(でき)ない。032(また)霊魂(れいこん)(しよう)する人間(にんげん)心霊(しんれい)(その)身体(しんたい)(およ)ぼす(ところ)活動(くわつどう)や、033死後(しご)()ける人間(にんげん)情態(じやうたい)(くわん)して(がう)明白(めいはく)なる思想(しさう)(いう)する(こと)(あた)はず、034(ゆゑ)(いま)(なに)をか相応(さうおう)()ひ、035如何(いか)なるものを相応(さうおう)()すかを()必要(ひつえう)があると(おも)ふ。
036 (そもそも)(ぜん)自然界(しぜんかい)(これ)総体(そうたい)(うへ)から()ても、037分体(ぶんたい)(うへ)から()ても、038(ことごと)霊界(れいかい)相応(さうおう)がある。039(ゆゑ)何事(なにごと)たりとも自然界(しぜんかい)にあつて(その)存在(そんざい)源泉(げんせん)霊界(れいかい)()るものは(これ)()づけて、040(その)相応者(さうおうしや)()ふのである。041そして自然界(しぜんかい)存在(そんざい)永続(えいぞく)する所以(ゆゑん)霊界(れいかい)によること、042(なほ)結果(けつくわ)有力因(いうりよくいん)によりて(ぞん)するが(ごと)きを()るべきである。043自然界(しぜんかい)とは太陽(たいやう)(もと)にありて(これ)より(ねつ)(ひかり)とを()くる一切(いつさい)事物(じぶつ)()ふものなるが(ゆゑ)に、044(これ)()りて存在(そんざい)継続(けいぞく)するものは、045(いつ)として自然界(しぜんかい)(ぞく)せないものはない。046されど霊界(れいかい)とは天界(てんかい)のことであり、047霊界(れいかい)(ぞく)するものは、048(みな)天界(てんかい)にあるものである。049人間(にんげん)(いち)小天界(せうてんかい)にして(また)(いち)小世界(せうせかい)である。050(しか)して(とも)(その)至大(しだい)なるものの形式(けいしき)()して()るが(ゆゑ)に、051人間(にんげん)(うち)自然界(しぜんかい)もあり霊界(れいかい)もあるのである。052その心性(しんせい)(ぞく)して、053()()とに(くわん)する内分(ないぶん)霊界(れいかい)(つく)り、054その肉体(にくたい)(ぞく)して感覚(かんかく)動作(どうさ)とに(くわん)する外分(ぐわいぶん)自然界(しぜんかい)()すのである。055(ゆゑ)自然界(しぜんかい)()るもの(すなは)()肉体(にくたい)(およ)びその感覚(かんかく)動作(どうさ)とに(ぞく)するものにして、056その存在(そんざい)源泉(げんせん)(かれ)霊界(れいかい)(いう)する(とき)は、057(すなは)(かれ)心性(しんせい)(およ)(その)智力(ちりよく)意力(いりよく)とより(おこ)(きた)(とき)は、058(これ)()づけて相応者(さうおうしや)()ふのである。059三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)にして以上(いじやう)相応(さうおう)真理(しんり)知悉(ちしつ)せざりしものは(ただ)(いち)(にん)()かつたのは、060(じつ)()(かみ)神格(しんかく)充分(じうぶん)認識(にんしき)()(ため)であります。061(ねが)はくは(この)物語(ものがたり)(こころ)(ひそ)めて(かみ)大御心(おほみこころ)のある(ところ)会得(ゑとく)()相応(さうおう)真理(しんり)(さと)り、062現界(げんかい)(おい)ては万民(ばんみん)善道(ぜんだう)(すく)ひ、063死後(しご)(かなら)天界(てんかい)(のぼ)天人(てんにん)(はん)(あひ)()して神業(しんげふ)参加(さんか)せられむことを希望(きばう)いたします。
 
064   その二
 
065一、066主神(すしん)国土(こくど)目的(もくてき)国土(こくど)である。067目的(もくてき)とは(よう)そのものである。068(ゆゑ)主神(すしん)国土(こくど)(しよう)して(よう)国土(こくど)()うても()なる(わけ)である。069(よう)これ目的(もくてき)である。070(ゆゑ)主神(すしん)神格(しんかく)(はじ)めに宇宙(うちう)創造(さうざう)し、071形成(けいせい)(たま)ふや、072(はじ)めは天界(てんかい)において()(たま)ひ、073(つぎ)世界(せかい)(おい)(いた)(ところ)074動作(どうさ)(うへ)(すなは)結果(けつくわ)(うへ)(よう)発揮(はつき)せむとし(たま)うた。075種々(しゆじゆ)()()076次第(しだい)()うて自然界(しぜんかい)終局点(しうきよくてん)(まで)(いた)らなければ()まない。077(ゆゑ)自然界(しぜんかい)事物(じぶつ)霊界(れいかい)事物(じぶつ)(すなは)世間(せけん)天界(てんかい)相応(さうおう)(よう)()つて成就(じやうじゆ)することを()()るのである。078この両者(りやうしや)和合(わがふ)せしむるものは(すなは)(よう)である。079そして(この)(よう)(なか)(をさ)むる(ところ)のものは形体(けいたい)である。080(この)形体(けいたい)相応(さうおう)となす(すなは)和合(わがふ)媒介(ばいかい)である。081されど(その)形態(けいたい)にして没交渉(ぼつかうせふ)なる(とき)(かく)(ごと)きことなきを()るべしである。082自然界(しぜんかい)にありてその三重(さんぢゆう)国土中(こくどちう)順序(じゆんじよ)(したが)つて存在(そんざい)するものは、083すべて(よう)(をさ)めたる形態(けいたい)である。084(すなは)(よう)のため(よう)()つて(つく)られたる結果(けつくわ)である。085(ゆゑ)(かく)(ごと)自然界(しぜんかい)(ちう)諸物(しよぶつ)(みな)相応者(さうおうしや)である。086されど人間(にんげん)にあつては(かみ)法則(はふそく)(したが)つて生活(せいくわつ)する(かぎ)り、087(すなは)主神(すしん)(たい)して(あい)088隣人(りんじん)(たい)して(じん)ある(かぎ)り、089かれの行動(かうどう)(よう)形態(けいたい)(あら)はれたものである。090これ天界(てんかい)和合(わがふ)する(ところ)相応(さうおう)である。091主神(すしん)隣人(りんじん)(あい)するといふのは(えう)するに(よう)()ぐることである。092人間(にんげん)なるものは自然界(しぜんかい)をして霊界(れいかい)和合(わがふ)せしむる方便(はうべん)(すなは)和合(わがふ)媒介者(ばいかいしや)なることである。093(けだ)人間(にんげん)には自然界(しぜんかい)霊界(れいかい)(ふた)つのものは(そな)はつて()るものである。094人間(にんげん)はその霊的(れいてき)なることに(おい)和合(わがふ)媒介者(ばいかいしや)となるけれども、095()(しか)らずして自然(しぜん)(てき)となれば()(こと)あるを()ないのである。096さはいへ神格(しんかく)内流(ないりう)人間(にんげん)媒介(ばいかい)()ずとも、097()えず世間(せけん)(なが)()り、098また人間内(にんげんない)世間(せけん)(てき)事物(じぶつ)にも(なが)()るものである。099(ただ)しその理性(りせい)(てき)には()らぬものである。
100 (すべ)(かみ)法則(はふそく)(したが)ふものは(ことごと)天界(てんかい)相応(さうおう)すれども、101(これ)(はん)するものは(みな)地獄(ぢごく)相応(さうおう)するものである。102天界(てんかい)相応(さうおう)するものは(みな)(ぜん)(しん)とに関係(くわんけい)があるが、103地獄(ぢごく)相応(さうおう)するものは(いつは)りと罪悪(ざいあく)交渉(かうせふ)せないものは()いのである。
104 霊界(れいかい)諸々(もろもろ)相応(さうおう)()つて自然界(しぜんかい)和合(わがふ)するが(ゆゑ)に、105(ひと)諸々(もろもろ)相応(さうおう)によつて天界(てんかい)交通(かうつう)することを()るものである。106在天(ざいてん)天人(てんにん)人間(にんげん)(ごと)自然(しぜん)(てき)事物(じぶつ)によつて思索(しさく)せない。107人間(にんげん)にして、108もし諸相応(しよさうおう)知識(ちしき)(ぢゆう)する(とき)は、109その(こころ)(うへ)にある思想(しさう)より()て、110天人(てんにん)相伍(あひご)するものとなすべく、111かくして(その)霊的(れいてき)112内的(ないてき)人格(じんかく)(おい)天人(てんにん)和合(わがふ)せるものである。
113 地上(ちじやう)()ける最太古(さいたいこ)人間(にんげん)(すなは)天的(てんてき)人間(にんげん)であつて、114相応(さうおう)そのものに()つて思索(しさく)(かれ)()眼前(がんぜん)(よこ)たはれる世間(せけん)自然(しぜん)(てき)事物(じぶつ)は、115(かれ)()天的(てんてき)人間(にんげん)思索(しさく)をなす(ところ)方便(はうべん)()ぎなかつたのである。116太古(たいこ)人間(にんげん)天人(てんにん)(たがひ)相交(あひまじ)はり相語(あひかた)り、117天界(てんかい)世間(せけん)との和合(わがふ)(かれ)()(とほ)して成就(じやうじゆ)したのである。118これの時代(じだい)黄金(わうごん)時代(じだい)()ふのである。119(つぎ)天界(てんかい)住民(ぢゆうみん)地上(ちじやう)人間(にんげん)(とも)()人間(にんげん)(まじ)はること朋侶(ほうりよ)(ごと)くであつた。120されど最早(もはや)(この)時代(じだい)人間(にんげん)相応(さうおう)そのものより思索(しさく)せずして、121相応(さうおう)知識(ちしき)よりせるに()つて、122(なほ)(てん)(ひと)との和合(わがふ)はあつたけれども、123以前(いぜん)(やう)には親密(しんみつ)でなかつた。124この時代(じだい)白銀(はくぎん)時代(じだい)()ふ。125(また)この白銀(はくぎん)時代(じだい)()いだものは相応(さうおう)()らぬにはあらざれども、126(その)思索(しさく)相応(さうおう)知識(ちしき)()らなかつた。127(ゆゑ)(かれ)()がをる(ところ)善徳(ぜんとく)なるものは自然(しぜん)(てき)のものであつて、128前時代(ぜんじだい)(ひと)(ごと)霊的(れいてき)たることを()なかつた。129これを赤銅(せきどう)時代(じだい)()つたのである。130この時代(じだい)以後(いご)人間(にんげん)次第(しだい)々々(しだい)外的(ぐわいてき)となり、131(つひ)肉体(にくたい)(てき)となり()へ、132(したが)つて相応(さうおう)知識(ちしき)なるもの(まつた)()()ちて天界(てんかい)知識(ちしき)(ことごと)(ほろ)び、133霊界(れいかい)(くわん)する数多(あまた)事項(じかう)追々(おひおひ)会得(ゑとく)(がた)くなつたのである。134(また)黄金(わうごん)相応(さうおう)()つて天国(てんごく)(ぜん)(あら)はし、135最太古(さいたいこ)(ひと)()りし境遇(きやうぐう)である。136(また)白銀(はくぎん)霊国(れいごく)(ぜん)(あら)はし中古(ちうこ)(ひと)()りし境遇(きやうぐう)であつた。137赤銅(せきどう)自然界(しぜんかい)(ぜん)(あら)はし(いにしへ)(ひと)()りし境遇(きやうぐう)である。138(さら)(くだ)つて、139黒鉄(こくてつ)時代(じだい)現出(げんしゆつ)した。140黒鉄(こくてつ)なるものは冷酷(れいこく)なる(しん)(あら)はし、141(ぜん)はこれに()らない時代(じだい)である。142(これ)(おも)ふに現今(げんこん)時代(じだい)(まつた)黒鉄(こくてつ)時代(じだい)()ぎて泥土(でいど)世界(せかい)堕落(だらく)し、143(ぜん)(しん)(その)(かげ)(ぼつ)して(しま)つた暗黒(あんこく)無明(むみやう)地獄(ぢごく)である。144国祖(こくそ)(かみ)(かく)(ごと)惨澹(さんたん)たる世界(せかい)をして(まつ)()145三五(あななひ)()146天国(てんごく)()復活(ふくくわつ)せしめむとして不断(ふだん)(てき)愛善(あいぜん)信真(しんしん)(ため)()活動(くわつどう)(あそ)ばし(たま)ひつつあることを(おも)へば、147吾々(われわれ)安閑(あんかん)としてこの現代(げんだい)看過(かんくわ)することは出来(でき)ないのである。148天下(てんか)国家(こくか)(うれ)ふるの()は、149(いち)(にち)(はや)(かみ)(をしへ)()()まし、150(ぜん)(ため)(ぜん)(はげ)み、151(しん)(ため)(しん)(てら)して、152空前(くうぜん)絶後(ぜつご)大神業(だいしんげふ)参加(さんか)されむことを希望(きばう)する次第(しだい)であります。
153 あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
154(ちなみ)(ここ)主神(すしん)とあるは、155太元神(たいげんしん)()したのであります)
156大正一二・一・一〇 旧一一・一一・二四 加藤明子録)
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