霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 天界行(てんかいゆき)〔一二四五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第47巻 舎身活躍 戌の巻 篇:第3篇 天国巡覧 よみ(新仮名遣い):てんごくじゅんらん
章:第12章 天界行 よみ(新仮名遣い):てんかいゆき 通し章番号:1245
口述日:1923(大正12)年01月09日(旧11月23日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年10月6日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高天原の各団体に居住する霊国天人および天国天人は愛を生命とし、一切を広く愛するがゆえに、肉体を離れて上ってきた精霊のためにあらゆる厚誼をつくし、懇篤な教訓を伝え、あるいは面白い歌をうたい舞曲を演じ、音楽を奏するなどして、一人でも多く高天原の団体に導き行こうとする。
これ以外に他に念慮は少しもなく、これが天人の最高最後の歓喜悦楽である。しかしながら精霊が肉体を持って現世にあったころ、善霊(正守護神)や天人(本守護神)の群れに入るべき生涯を送っていなかったならば、これらの精霊は天国的な善霊を離れ去ろうとする。
こうして精霊は、現世に在った時の生涯と一致する精霊と共に群居するまで、どこまでも転遷を休止することはない。自己生前の生涯に準的するものを発見すると、共に死後の生を送ろうとする。実に霊界の法則は不思議なものというべきである。
人間は善霊である本守護神または正守護神によって高天原の諸団体と和合氏、悪霊である副守護神によって地獄の団体と相応の理によって和合する。これらの精霊は高天原と地獄界の中間である中有界(精霊界)に籍を置いている。
副守護神は人間の記憶・想念の中にある悪しき事物の間に潜入し、正守護神は善き事物の間に侵入する。しかし人間の本体である精霊は、これらの精霊が人間の体の中に入り相共に居ることは少しも知らないのである。
彼ら精霊(本守護神や副守護神)は、その人間の記憶と想念を、自分自身の所有物と信じている。また彼らが人間を見ることはない。現実界は彼ら精霊の視覚の対象とはならないのである。大神は彼ら精霊が人間と共にいることに気付かないよう、すこぶる甚深に大御心を用い給いている。
なぜなら、もし副守護神がこのことを知るときには、人間を亡ぼそうと考えるからである。副守護神すなわち悪霊は、根底の国の諸々の悪と虚偽に和合しているゆえに、人間を亡ぼして地獄界に導き、自分の手柄にしようと希求しているからである。
副守護神が人間と相語らうことがなければ、自分が人間の体内にあることを知らないのだから、決して害を加えることはない。大神は、悪霊が思うところや語るところが自分自身の中にあると信じさせることで、人間と共にありながら危害を加えないように取り計らい給うたのである。
天国の団体に交通する精霊も人間に付き添っている。精霊のもっとも清きものを真霊または本守護神といい、やや劣ったものを正守護神という。
人間が生まれると直ちに悪の裡に陥らなければならないことになっている。当初の生涯は、まったくこれら精霊の手の裡にあると言ってもいいのである。
もし自分と相似た精霊が付き添って守らなくては、人間は肉体として生きることはできない。諸々の悪を離れて善に復ることもできない。人間の肉体が悪霊(副守護神)によって生命を保持し得ると同時に、善霊(正守護神、本守護神)によってこの悪を脱離することを得る。
人間はこの両者の徳によって平衡の状態を保持するがゆえに、意志の自由というものがある。意志の自由によって悪を去って善に就き、心に善を植え付けることができる。
一方には根底の国から流れてくる悪霊があり、一方には高天原から流れ来る善霊が活動しており、人間はこの中間に立ち、天国と地獄両方の圧力の間に挟まらなくては、決して意志の自由があるべきものではない。
人間に自由のないときは、生命のあることを得ない。ゆえに、善を持って他人に強いることはできない。人から強いられた善は、けっして内分の霊魂に留まるものではないからである。心の底にどうしても滲み込むことはできない。ただ自由自在に摂受した善のみは、人間の意志の上に深い根底を下ろして、さながら自分ののもであるかの様になるものである。
あらゆるものに対して自然的な事物から推考することしかできない現代では、神的・霊的な人格さえも自然的なものを考えてしまう弊害がある。
神が全宇宙を統御あそばす一個の人格ならば、世上の君王のように多数の官人を用いるだろう、などと誤った憶測をしてしまうのである。
このような人間に対して、高天原の霊界は現実世界のような空間的な延長はないのだ、と告げ諭しても、容易に会得することはできないだろう。
自然界、自然の光明を唯一の標準と定めて思惟する者にとっては、どうしても空間的な延長を考えずにはいられないということなのだ。
高天原の延長は、自然界の延長と違って限定がないために人心小智の測知するべきことではない。
人間の眼界は太陽、太陰、星辰のようなきわめて遠くにあるものも認めることができる。内分の視覚力である想念界の視覚力は、なおも遠方に達する。内辺の視力の至る極みは、なおさらに遠大であり得ることが知られる。
そうであれば、はたして何が神的視力の外にでることができようか。神的視力は現実に、一切の視力のいと深く内的にしてかつ高上である。
想念中にこのような延長の力があるゆえに、高天原の一切の事物はここに住む者のすべてに伝わるのである。
高天原を成就し遍満する主の神の神格より来るものもすべて、このようにして高天原に住むすべての者に伝わるのである。
治国別と竜公はしばらく関所の館に休息していた。そこへ東方から一個の火弾が落下し、たちまち麗しい天人の姿と変わった。いつの間にか二人は想念に引きずられて第三天国に昇っていた。
神人の姿をよく見れば、それは三五教の宣伝使・言依別命であった。治国別は驚きと喜びに打たれて静かに天の数歌を奏上し始めた。
言依別命は、かねてより治国別を天国巡覧に連れて行きたかったのだがその機会を得なかったと語った。そして、このたびはからずもバラモン教によって治国別の肉体が苦しめられて精霊が離脱したため、天国を調べてから現界に立ち返り、神様のために働くよう治国別に言い渡した。
竜公はまだ天国を巡覧するだけの善と信と智慧証覚が備わっていないのだが、大神様によって媒介天人に任ぜられたという言依別命の権限で、特別にお供を許された。そして天国で眼がくらみ息苦しくならないよう、黒い被面布を授けられた。
言依別命はまず第三天国から二人を案内し、丘の上に立って天人たちの部落を見ながら二人に説明を始めた。天人たちは愛の情動によって集まり住んでいるためにおのずと秩序ができ、またそれぞれ天職を楽しみ営々として神業を営んでいるという。
言依別命は、愛の善は吸引力が強く、また無限の生命を保有していると説明した。天人であろうと現界人であろうと地獄界の人間であろうと、それ相応の愛によって生命が保たれており、その愛なるものはすべて、厳の御霊、瑞の御霊の御神格から内分的に流れて来る、無始無終の生命であると説いた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-04-24 19:28:18 OBC :rm4712
愛善世界社版:175頁 八幡書店版:第8輯 537頁 修補版: 校定版:183頁 普及版:87頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 【宗教編】第四篇 神霊世界 > 第十一章 天界行
001 高天原(たかあまはら)各団体(かくだんたい)居住(きよぢう)する霊国(れいごく)天人(てんにん)(およ)天国(てんごく)天人(てんにん)(あい)生命(せいめい)とし、002(しか)して一切(いつさい)(ひろ)(あい)するが(ゆゑ)(ひと)肉体(にくたい)(はな)れて(のぼ)(きた)精霊(せいれい)(ため)にも所在(あらゆる)厚誼(こうぎ)(つく)し、003懇篤(こんとく)なる教訓(けうくん)(つた)へ、004(あるひ)面白(おもしろ)(うた)(うた)ひ、005舞曲(ぶきよく)(えん)じ、006音楽(おんがく)(そう)しなどして、007一人(ひとり)にても(おほ)(これ)高天原(たかあまはら)団体(だんたい)(みちび)()かむと(おも)(ほか)008()念慮(ねんりよ)(すこ)しもないのである。009(これ)所謂(いはゆる)天人(てんにん)最高(さいかう)最後(さいご)歓喜(くわんき)悦楽(えつらく)である。010(しかし)(なが)精霊(せいれい)(ひと)肉体(にくたい)宿(やど)とし、011現世(げんせ)()りし(ころ)善霊(ぜんれい)(すなは)(せい)守護神(しゆごじん)(むれ)()るべき生涯(しやうがい)や、012(あるひ)天人(てんにん)(すなは)(ほん)守護神(しゆごじん)(むれ)(いた)るべき生涯(しやうがい)(おく)つて()らなかつたならば、013(かれ)()精霊(せいれい)(これ)()天国(てんごく)(てき)善霊(ぜんれい)(はな)()らむと(ねが)ふものである。014(かく)(ごと)くにして精霊(せいれい)(つひ)現世(げんせ)()つた(とき)生涯(しやうがい)一致(いつち)する精霊(せいれい)(とも)群居(ぐんきよ)するに(あら)ざれば、015どこ(まで)(この)転遷(てんせん)休止(きうし)せないものである。
016 (かく)(ごと)自己(じこ)生前(せいぜん)生涯(しやうがい)準適(じゆんてき)せるものを発見(はつけん)するに(およ)んで、017()精霊(せいれい)(ここ)(また)在世中(ざいせいちう)生涯(しやうがい)相似(さうじ)せるものと(とも)(おく)らむとするものである。018(じつ)霊界(れいかい)法則(はふそく)は、019不思議(ふしぎ)なものと()ふべきである。
020 (すべ)人間(にんげん)()には(ぜん)(あく)二種(にしゆ)精霊(せいれい)潜在(せんざい)してゐる(こと)(まへ)()べた(とほ)りである。021(しか)して人間(にんげん)善霊(ぜんれい)(すなは)(ほん)守護神(しゆごじん)(また)(せい)守護神(しゆごじん)()つて高天原(たかあまはら)諸団体(しよだんたい)和合(わがふ)し、022悪霊(あくれい)(すなは)(ふく)守護神(しゆごじん)()つて地獄(ぢごく)団体(だんたい)相応(さうおう)()()りて和合(わがふ)するものである、023(これ)()精霊(せいれい)高天原(たかあまはら)地獄界(ぢごくかい)中間(ちうかん)(くらゐ)する中有界(ちううかい)(すなは)精霊界(せいれいかい)(せき)()いてゐる。024(この)精霊(せいれい)人間(にんげん)(きた)(とき)には、025()(その)記憶中(きおくちう)()り、026(つぎ)(その)想念中(さうねんちう)侵入(しんにふ)するものである。027(しか)して(ふく)守護神(しゆごじん)記憶(きおく)(および)想念中(さうねんちう)にある(あし)事物(じぶつ)(あひだ)潜入(せんにふ)し、028(せい)守護神(しゆごじん)(その)記憶(きおく)想念中(さうねんちう)にある(もつと)()事物(じぶつ)(うち)侵入(しんにふ)(きた)るものである。029されど精霊(せいれい)自身(じしん)(おい)ては(その)人間(にんげん)体中(たいちう)()り、030相共(あひとも)()(こと)(すこ)しも()らないものである。031(しか)精霊(せいれい)人間(にんげん)(とも)なる(とき)(すべ)(その)人間(にんげん)記憶(きおく)想念(さうねん)とを(もつ)て、032精霊(せいれい)自身(じしん)所有物(しよいうぶつ)(しん)じてゐる。033(また)(かれ)()精霊(せいれい)なるものは、034人間(にんげん)()ることはない。035何故(なにゆゑ)なれば、036現実(げんじつ)太陽界(たいやうかい)()(ところ)(もの)は、037(かれ)()精霊(せいれい)視覚(しかく)対境(たいきやう)とならないからである。038大神(おほかみ)(これ)()精霊(せいれい)をして、039(その)人間(にんげん)(あひ)(ともな)へる(こと)()らざらしめむが(ため)大御心(おほみこころ)(もち)(たま)(こと)(すこぶ)甚深(じんしん)である。040何故(なにゆゑ)なれば(かれ)()精霊(せいれい)がもし(この)(こと)()(とき)には、041(すなは)人間(にんげん)相語(あひかた)ることあるべく、042(しか)して(ふく)守護神(しゆごじん)たる悪霊(あくれい)人間(にんげん)(ほろ)ぼさむ(こと)(かんが)へるからである。043(ふく)守護神(しゆごじん)(すなは)悪霊(あくれい)根底(ねそこ)(くに)諸々(もろもろ)(あく)虚偽(きよぎ)とに和合(わがふ)せるものなるが(ゆゑ)に、044(ただ)一途(いちづ)人間(にんげん)(ほろ)ぼし地獄界(ぢごくかい)(みちび)き、045自分(じぶん)手柄(てがら)にしようと希求(ききう)するの(ほか)046他事(たじ)ないからである。047(しか)して(ふく)守護神(しゆごじん)(ただ)人間(にんげん)心霊(しんれい)(すなは)(その)(しん)(あい)とのみならず、048(その)肉体(にくたい)をも()げて(ほろ)ぼさむことを希求(ききう)するものである。049(ゆゑ)(かれ)()悪霊(あくれい)人間(にんげん)相語(あひかた)らふことがなければ、050自分(じぶん)人間(にんげん)体内(たいない)にあることを()らないのだから、051(けつ)して(がい)(くは)へないのである。052(かれ)()悪霊(あくれい)(その)(おも)(ところ)053(その)相互(さうご)(かた)(ところ)事物(じぶつ)が、054(はた)して人間(にんげん)より()(きた)るものなりや(いな)やを()らないのである。055(なん)となれば(かれ)()精霊(せいれい)相互(さうご)(もの)()ふは、056その(じつ)人間(にんげん)より(きた)(ところ)のものなれども、057(かれ)()(これ)(もつ)自分(じぶん)(うち)よりするものなりと(しん)()つてゐる。058(しか)して(いづ)れの(ひと)自分(じぶん)(ぞく)する(ところ)(きは)めて尊重(そんちよう)し、059(かつ)(これ)熱愛(ねつあい)するが(ゆゑ)に、060精霊(せいれい)(みづか)(これ)()らないけれども、061自然(しぜん)(てき)人間(にんげん)(あい)し、062()尊重(そんちよう)せなくてはならない(やう)になるのである。063これ(まつた)(みづ)御霊(みたまの)大神(おほかみ)()仁慈(じんじ)御心(みこころ)(もつ)て、064かく精霊(せいれい)人間(にんげん)(とも)なることを()らしめざる(やう)取計(とりはか)らひ(たま)うたのである。
065 天国(てんごく)団体(だんたい)交通(かうつう)する精霊(せいれい)も、066地獄界(ぢごくかい)交通(かうつう)せる精霊(せいれい)(また)(おな)じく人間(にんげん)付添(つきそ)うてゐるのは(まへ)()べた(とほり)である。067(しか)して天国(てんごく)団体(だんたい)交通(かうつう)してゐる精霊(せいれい)(もつと)(きよ)きものを真霊(しんれい)(また)(ほん)守護神(しゆごじん)()ひ、068(やや)(おと)つたものを(せい)守護神(しゆごじん)()ひ、069地獄(ぢごく)交通(かうつう)する精霊(せいれい)悪霊(あくれい)(また)(ふく)守護神(しゆごじん)といふのである。070(しか)人間(にんげん)(うま)るるや(ただち)(あく)(うち)(おちい)らねばならない(こと)になつてゐる。071(ゆゑ)当初(はじめ)生涯(しやうがい)(まつた)(これ)()精霊(せいれい)()(うち)()りと()つてもいいのである。072人間(にんげん)にして()しおのれと相似(あひに)たる精霊(せいれい)付添(つきそ)うて(まも)るに(あら)ざれば、073人間(にんげん)肉体(にくたい)として()くることは出来(でき)ない。074(また)諸々(もろもろ)(あく)(はな)れて(ぜん)(かへ)ることも出来(でき)ないことになるのである。075人間(にんげん)肉体(にくたい)悪霊(あくれい)(すなは)(ふく)守護神(しゆごじん)()つて、076おのれの生命(せいめい)保持(ほぢ)()ると同時(どうじ)(また)善霊(ぜんれい)(すなは)(せい)守護神(しゆごじん)()つて、077(この)(あく)より脱離(だつり)することを()るものである。078人間(にんげん)(また)(この)両者(りやうしや)(とく)()つて、079平衡(へいかう)情態(じやうたい)保持(ほぢ)するが(ゆゑ)意思(いし)自由(じいう)なるものがある。080(この)自由(じいう)意思(いし)()つて(もつ)て、081諸々(もろもろ)(あく)()(また)(ぜん)()くことを()082(また)(その)(こころ)(うへ)(ぜん)()ゑつくることを()るのである。083人間(にんげん)()しも(かく)(ごと)自由(じいう)情態(じやうたい)(あら)ざる(とき)は、084(けつ)して改過(かいくわ)遷善(せんぜん)(じつ)()ぐることは出来(でき)ない。085(しか)るに一方(いつぱう)には根底(ねそこ)(くに)より(なが)(きた)悪霊(あくれい)活動(くわつどう)するあり、086一方(いつぱう)には高天原(たかあまはら)より(なが)(きた)善霊(ぜんれい)活動(くわつどう)するありて、087人間(にんげん)(これ)()両者(りやうしや)中間(ちうかん)()ち、088天国(てんごく)089地獄(ぢごく)両方(りやうはう)圧力(あつりよく)(あひだ)(はさ)まらなくては、090(けつ)して意思(いし)自由(じいう)はあるべきものでない。
091 (また)人間(にんげん)自由(じいう)のない(とき)は、092生命(せいめい)あることを()ない。093(また)(ぜん)(もつ)他人(たにん)()ゆる(こと)出来(でき)ない、094(ひと)から()ひられたる(ぜん)(その)ものは、095(けつ)して内分(ないぶん)霊魂(れいこん)(とど)まるものでない、096(こころ)(そこ)()うしても()()(こと)出来(でき)ない、097(ただし)自由(じいう)自在(じざい)摂受(せつじゆ)した(ところ)(ぜん)のみは、098人間(にんげん)意思(いし)(うへ)(ふか)根底(こんてい)(おろ)して、099宛然(さながら)(その)(ぜん)をおのれの(もの)(ごと)くする(やう)になるものである。
100霊的(れいてき)現的(げんてき)一切(いつさい)
101所在(あらゆる)ものに相対(あひたい)
102自然(しぜん)(てき)なる事物(じぶつ)より
103推考(すゐかう)するに(あら)ざれば
104思索(しさく)すること(あた)はざる
105現代人(げんだいじん)通弊(つうへい)
106神的(しんてき)(すなは)霊的(れいてき)
107人格(じんかく)さへも肉的(にくてき)
108自然(しぜん)(てき)なるものなりと
109思惟(しゐ)する(ゆゑ)()(はい)
110結論(けつろん)する(ところ)()(とき)
111(はた)して(かみ)一個(いつこ)なす
112人格(じんかく)ならば(おほ)いさは
113全大(ぜんだい)宇宙(うちう)同等(どうとう)
114あるべきものと唱導(しやうだう)
115(はた)して(かみ)天地(あめつち)
116統御(とうぎよ)按配(あんばい)するとせば
117世上(せじやう)()ける君王(くんわう)
118(ごと)くに多数(たすう)官人(くわんじん)
119(もち)ゆるならむと臆測(おくそく)
120げにも(おろか)(いた)りなり
121かかる愚昧(ぐまい)人間(にんげん)
122(たい)して高天原(たかあまはら)霊界(れいかい)
123現実(げんじつ)世界(せかい)()ける(ごと)
124空間(くうかん)(てき)延長(えんちやう)なしと
125()(さと)すとも直様(すぐさま)
126容易(ようい)会得(ゑとく)せざるべし
127何故(なにゆゑ)なれば自然界(しぜんかい)
128(およ)自然(しぜん)光明(くわうみやう)
129唯一(ゆゐいつ)標準(へうじゆん)相定(あひさだ)
130思惟(しゐ)する(もの)()(まへ)
131(みと)むる(ごと)延長(えんちやう)
132(のぞ)いて(ほか)()うしても
133考察(かうさつ)()ざる(ゆゑ)ぞかし
134高天原(たかあまはら)延長(えんちやう)
135世界(せかい)()ける延長(えんちやう)
136事情(じじやう)(まつた)相反(あひはん)
137自然界(しぜんかい)なる延長(えんちやう)には
138一種(いつしゆ)限定(げんてい)ある(ゆゑ)
139容易(ようい)測知(そくち)()べけれど
140高天原(たかあまはら)延長(えんちやう)には
141(もと)より限定(げんてい)なき(ゆゑ)
142人心(じんしん)小智(せうち)のやすやすと
143測知(そくち)()べき(こと)ならず
144そも人間(にんげん)眼界(がんかい)
145如何(いか)(とほ)きに(たつ)すとも
146(きは)めて(とほ)距離(きより)のある
147太陽(たいやう)太陰(たいいん)星辰(せいしん)
148容易(ようい)(みと)()べしとは
149何人(なにびと)もよく()れるなり
150(また)(いま)(すこ)(こころ)をば
151(ふか)くひそめて思考(しかう)せば
152(わが)内分(ないぶん)視覚力(しかくりよく)
153(すなは)想念界(さうねんかい)視覚力(しかくりよく)
154(なほ)遠方(ゑんぱう)相達(あひたつ)
155(なほ)(すす)んで内辺(ないへん)
156視力(しりよく)(いた)(きは)みには
157(その)眼界(がんかい)尚更(なほさら)
158遠大(ゑんだい)なるべきことを()
159(はた)して(しか)らば何者(なにもの)
160神的(しんてき)視力(しりよく)現界外(げんかいぐわい)
161()づるを()るとなさざらむ
162神的(しんてき)視力(しりよく)現実(げんじつ)
163一切(いつさい)視力(しりよく)のいと(ふか)
164内的(ないてき)にして(かつ)高上(かうじやう)なるものぞ
165想念中(さうねんちう)(かく)(ごと)
166延長(えんちやう)(ちから)ある(ゆゑ)
167高天原(たかあまはら)一切(いつさい)
168事物(じぶつ)此処(ここ)()(もの)
169すべてに(つた)はらざるはなし
170高天原(たかあまはら)成就(じやうじゆ)
171遍満(へんまん)したる()(かみ)
172(その)神格(しんかく)より(きた)るもの
173(すべ)ては(また)(かく)(ごと)
174ならずと()(こと)(さら)になし
175あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
176御霊(みたま)(さち)はへましませよ。
177 治国別(はるくにわけ)178竜公(たつこう)両人(りやうにん)(しばら)関所(せきしよ)(やかた)休息(きうそく)してゐた、179そこへ東方(とうはう)(そら)(かがや)かして一個(いつこ)火弾(くわだん)空中(くうちう)(すぢ)(ゑが)いて近寄(ちかよ)(きた)り、180二人(ふたり)(まへ)落下(らくか)し、181(たちま)(うるは)しき天人(てんにん)姿(すがた)(かは)つた。182何時(いつ)()にやら、183二人(ふたり)想念(さうねん)(ひき)ずられて第三(だいさん)天国(てんごく)(のぼ)つてゐた。184神人(しんじん)姿(すがた)をよくよく()れば、185(あに)はからむや、186三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)言依別(ことよりわけの)(みこと)であつた。187治国別(はるくにわけ)(おどろ)きと(よろこ)びとに()たれ、188ハツと(くび)()げ、189(しづ)かに(あま)数歌(かずうた)奏上(そうじやう)(はじ)めた。
190言依別治国別(はるくにわけ)さま、191大変(たいへん)好都合(かうつがふ)(ござ)いましたなア。192一度(いちど)高天原(たかあまはら)諸団体(しよだんたい)()案内(あんない)申上(まをしあ)げたいと(おも)うて()りましたが、193(つひ)(その)機会(きくわい)()ませぬでした。194(さいは)ひあなたの肉体(にくたい)はバラモン(けう)(ため)(くるし)められ、195あなたの精霊(せいれい)肉体(にくたい)脱離(だつり)して(やうや)くここにお()しになることを()たのです。196十分(じふぶん)天国(てんごく)をお調(しら)べになつた(うへ)197(ふたた)現界(げんかい)立返(たちかへ)り、198(かみ)(さま)(ため)衆生(しゆじやう)済度(さいど)(ため)にモウ一働(ひとはたら)きやつて(いただ)かねばなりませぬよ』
199治国別(おも)はぬ(ところ)で、200貴神(きしん)にお()にかかり、201(あま)(うれ)しうて言葉(ことば)()でませぬ。202(しか)しながら人間(にんげん)肉体(にくたい)二十四(にじふよ)時間(じかん)()ぐれば(すで)腐敗(ふはい)糜爛(びらん)し、203(ふたた)精霊(せいれい)容器(ようき)となることは出来(でき)ないと()きましたが、204最早(もはや)(わたし)はここへ(まゐ)つてから(ほとん)(じふ)時間(じかん)ばかりも(つひや)した(やう)()(いた)します。205(あま)(ところ)はあと十三四(じふさんよ)時間(じかん)206かかる(みじか)時間(じかん)(あひだ)天国(てんごく)巡覧(じゆんらん)出来(でき)ませうかなア』
207言依別()心配(しんぱい)なさいますな、208霊界(れいかい)(いち)(にち)現界(げんかい)(いち)(ねん)(あた)ります、209貴方(あなた)はまだ霊界(れいかい)より()れば(いつ)分間(ぷんかん)()つて()りませぬ、210(じふ)時間(じかん)もたつたやうに(おも)はれたのは、211現実界(げんじつかい)反映(はんえい)でせう。212(また)霊界(れいかい)には時間(じかん)もなければ空間(くうかん)もありませぬ。213まして天国(てんごく)には秋冬(あきふゆ)もなければ(よる)もない、214(ただ)情動(じやうどう)変化(へんくわ)があるのみです。215(すべ)霊界(れいかい)想念(さうねん)世界(せかい)ですから、216時間(じかん)などは問題(もんだい)にはなりませぬ。217マアゆつくりと(わたし)()いて、218天国(てんごく)諸団体(しよだんたい)巡覧(じゆんらん)なさるが(よろ)しからう』
219治国別『ハイ有難(ありがた)(ござ)います、220(しか)らば(おほせ)(したが)ひ、221(とも)(つかまつ)りませう』
222竜公『モシ先生(せんせい)223どうぞ(わたし)もお(とも)をさして(くだ)さいませ』
224治国別『ウンさうだなア、225言依別(ことよりわけの)(みこと)(さま)()(うかが)ひしてみようかな』
226言依別竜公(たつこう)さまは(いま)天国(てんごく)巡覧(じゆんらん)する(だけ)(ぜん)(しん)智慧(ちゑ)証覚(しようかく)(そな)はつて()りませぬから、227到底(たうてい)巡覧(じゆんらん)出来(でき)ないのですが、228(さいは)拙者(せつしや)大神(おほかみ)(めい)()つて、229媒介(ばいかい)天人(てんにん)任命(にんめい)されて()りますから、230特別(とくべつ)(もつ)てお(とも)(ゆる)しませう』
231治国(はるくに)『ハイ有難(ありがた)(ござ)います、232何分(なにぶん)(よろ)しく()(ねがひ)(まを)します』
233竜公『ア特別(とくべつ)()引立(ひきたて)(あづ)かりまして、234()(あま)光栄(くわうえい)(ござ)います』
235言依別竜公(たつこう)さま、236あなたはまだ精霊界(せいれいかい)(せき)がある(かた)だから、237天国(てんごく)()つたならば、238(まなこ)くらみ、239息苦(いきぐるし)くて到底(たうてい)()()れないでせう。240ここに被面布(ひめんぷ)がありますから、241(これ)()(かぶ)りなさい、242さうすれば、243どうなりかうなりお(とも)(かな)ふでせう』
244(ふところ)より(くろ)被面布(ひめんぷ)取出(とりだ)し、245竜公(たつこう)面上(めんじやう)めがけて()()くれば、246不思議(ふしぎ)竜公(たつこう)(かほ)にはキチンとして被面布(ひめんぷ)がかけられた。
247言依別『サア()れで()第三(だいさん)天国(てんごく)(ある)団体(だんたい)から案内(あんない)(いた)しませう』
248治国別、竜公『ハイ有難(ありがた)う』
249治国別(はるくにわけ)250竜公(たつこう)(あと)(したが)ひ、251(おそ)(おそ)(すす)()く。
252 (にはか)美妙(びめう)音楽(おんがく)(きこ)(きた)り、253馥郁(ふくいく)たる芳香(はうかう)四辺(しへん)をとざし、254えもいはれぬ爽快(さうくわい)気分(きぶん)になつて()た。255言依別(ことよりわけ)(ある)小丘(せうきう)(うへ)二人(ふたり)(みちび)き、256(うる)はしき岩石(がんせき)(こし)()ちかけながら、257眼下(がんか)青野(あをの)(はら)()おろし説明(せつめい)(らう)()つた。
258言依別治国別(はるくにわけ)さま、259あの(ひがし)(はう)御覧(ごらん)なさい。260あこに(ひと)つの小高(こだか)丘陵(きうりよう)があつて、261沢山(たくさん)(いへ)()つてゐるでせう。262あれが第三(だいさん)天国(てんごく)(ある)一部(いちぶ)団体(だんたい)で、263(あい)(しん)とに(ひい)でたる天人(てんにん)住居(ぢゆうきよ)する団体(だんたい)です。264さうして(この)真西(まにし)(あた)(ところ)にも(おな)じく(ひと)つの部落(ぶらく)がありませう、265それは(ぜん)(しん)との(とく)(やや)(うす)く、266(ひかり)(すこ)しく(おぼろ)げなる天人(てんにん)(ども)住居(ぢゆうきよ)(いた)して()団体(だんたい)であります。267(ひがし)団体(だんたい)(くら)ぶれば余程(よほど)西(にし)(はう)(すべ)ての光景(くわうけい)(おと)つて()るでせう。268これは(その)団体(だんたい)()ける天人(てんにん)()愛善(あいぜん)信真(しんしん)(とく)厚薄(こうはく)()つて、269(かく)(ごと)差等(さとう)惟神(かむながら)(てき)についてゐるのです。270同気(どうき)相求(あひもと)むると()つて、271(おな)意思(いし)想念(さうねん)(もの)(あい)(とく)()つて(あつ)まるのであります。272(ゆゑ)(ひがし)団体(だんたい)(くら)ぶれば、273西(にし)(はう)余程(よほど)(おと)つて()ります』
274治国別(おな)天人(てんにん)でも、275(ひがし)団体(だんたい)()(もの)西(にし)団体(だんたい)()(もの)とは大変(たいへん)幸不幸(かうふかう)があるぢやありませぬか、276西(にし)(はう)団体(だんたい)甲団体(かふだんたい)羨望(せんばう)して移住(いぢゆう)して()(やう)(こと)はありますまいかな』
277言依別(けつ)して(けつ)して左様(さやう)(あん)じはありませぬ。278すべて神格(しんかく)よりする(あい)(その)ものの情動(じやうどう)如何(いかん)()つて、279各自(かくじ)運命(うんめい)(さだ)まるのですから、280西(にし)団体(だんたい)(ひがし)団体(だんたい)光明(くわうみやう)羨望(せんばう)して()つた(ところ)で、281自分(じぶん)(とく)()らないで、282(くる)しくて()られないのです。283それ(ゆゑ)個々(ここ)団体(だんたい)天人(てんにん)(けつ)して()自由(じいう)(うつ)るといふやうな(こと)はありませぬ、284すべて高天原(たかあまはら)には順序(じゆんじよ)第一(だいいち)(おも)んぜられて()ります。285(この)順序(じゆんじよ)(あやま)(もの)は、286到底(たうてい)天国(てんごく)生活(せいくわつ)(のぞ)まれないのです。287大神(おほかみ)(さま)神格(しんかく)順序(じゆんじよ)第一(だいいち)(くらゐ)してゐるのですから、288地上(ちじやう)世界(せかい)(ごと)く、289(けつ)して(けつ)して秩序(ちつじよ)紊乱(びんらん)などの(おそれ)は、290(ゆめ)にもありませぬ。291これ(ゆゑ)天国(てんごく)永遠(ゑいゑん)平和(へいわ)(たも)たれてゆくのです』
292治国別成程(なるほど)293(いづ)御霊(みたま)()神諭(しんゆ)にも、294身魂(みたま)相応(さうおう)(とく)(あた)へると(しめ)されてありますが、295いかにも(おそ)()つた次第(しだい)(ござ)いますなア、296さうして天人(てんにん)()日々(にちにち)(なに)をして()るのですか』
297言依別現界(げんかい)人間(にんげん)は、298高天原(たかあまはら)天人(てんにん)(ねん)年中(ねんぢう)歌舞(かぶ)音楽(おんがく)(ふけ)り、299歓楽(くわんらく)()うてゐる(やう)(かんが)へて()りますが、300(けつ)して天国(てんごく)だとて、301のらのらと放蕩(はうたう)遊惰(いうだ)()(おく)つてゐる(もの)はありませぬ。302すべて(かみ)(さま)宇宙(うちう)をお(つく)(あそ)ばしたのは(ひと)つの目的(もくてき)があるためです、303(その)目的(もくてき)とは(すなは)(よう)であります。304(ゆゑ)(よう)のなき人間(にんげん)霊界(れいかい)にも現界(げんかい)にも(けつ)して存在(そんざい)(ゆる)されない(はず)です、305(かれ)()天人(てんにん)各自(かくじ)天職(てんしよく)(たのし)み、306営々(えいえい)として神業(しんげふ)参加(さんか)し、307()(のう)(こう)(しやう)業務(げふむ)(いとな)んで()ります。308さうして(つき)三回(さんくわい)公休日(こうきうび)があつて、309(その)(とき)には天人(てんにん)()(かみ)(いへ)(あつ)まつて、310(ちから)一杯(いつぱい)歓楽(くわんらく)(つく)し、311(かみ)をほめ(たた)へ、312()(かみ)(めぐみ)十二分(じふにぶん)(よく)するのです』
313治国別成程(なるほど)314(じつ)結構(けつこう)()経綸(けいりん)がしてあるものですなア』
315言依別現界(げんかい)(ごと)く、316労資(らうし)衝突(しようとつ)だとか、317労働(らうどう)問題(もんだい)だとか、318地主(ぢぬし)(たい)小作(こさく)争議(さうぎ)だとか、319思想(しさう)問題(もんだい)320政治(せいぢ)問題(もんだい)321経済(けいざい)問題(もんだい)などは(ゆめ)にも(おこ)りませぬ、322(じつ)平和(へいわ)幸福(かうふく)生涯(しやうがい)ですよ。323現界人(げんかいじん)一度(いちど)天国(てんごく)情況(じやうきやう)()たならば、324(ふたた)現界(げんかい)(かへ)るのは(いや)になつて(しま)ひますよ』
325治国別『さうですな、326吾々(われわれ)(この)(まま)天国(てんごく)生涯(しやうがい)(おく)りたくなりました』
327竜公先生(せんせい)328言依別(ことよりわけの)(みこと)(さま)(ねが)つて、329(ふたた)娑婆(しやば)()(かへ)されないやうにして(くだ)さいな、330本当(ほんたう)にいい(ところ)ですなア』
331治国別何事(なにごと)(かみ)(さま)(あふ)せのままに、332吾々(われわれ)使(つか)はれるべき身分(みぶん)だから、333左様(さやう)勝手(かつて)気儘(きまま)願望(ぐわんまう)(おこ)しちやならないぞ。334只々(ただただ)人間(にんげん)(かみ)さまの御用(ごよう)神妙(しんめう)にお(つと)めさへすればいいのだ』
335竜公『ハイ(かしこ)まりました。336(しか)(あま)()(ところ)で、337実際(じつさい)(こと)338(かへ)るのが(いや)になりました、339(しか)(かみ)さまの()命令(めいれい)ならば仕方(しかた)がありませぬ』
340 言依別(ことよりわけ)(また)(みなみ)(はう)(ゆびさ)し、
341言依別治国別(はるくにわけ)さま、342あの(みなみ)(はう)(ちひ)さき丘陵(きうりよう)()えませう、343あれは智慧(ちゑ)証覚(しようかく)とに()ちたる天人(てんにん)(ども)住居(ぢゆうきよ)する団体(だんたい)です。344さうして(この)真北(まきた)(あた)(ところ)(また)(ひと)つの丘陵(きうりよう)があつて一部落(いちぶらく)()えませう、345あれは愛善(あいぜん)信真(しんしん)(とく)よりする智慧(ちゑ)証覚(しようかく)()ちたる天人(てんにん)(ども)居住(きよぢゆう)する一個(いつこ)団体(だんたい)でありまして、346(みなみ)団体(だんたい)よりは(すこ)しく(おと)つてゐる天人(てんにん)群居(ぐんきよ)して()ります。347(すこ)し、348(これ)から()ても朧気(おぼろげ)()えるでせう』
349治国別『なる(ほど)350(あふ)せの(とほ)りですなア、351ヤハリ情動(じやうどう)如何(いかん)()つて、352運命(うんめい)(さだ)まるのですかなア。353(おな)智慧(ちゑ)意思(いし)人間(にんげん)ばかりが、354一所(ひとところ)(あつ)まつて()(ほど)355愉快(ゆくわい)(こと)はありますまい』
356言依別『あゝさうです、357(あい)(ぜん)といふものは(すべ)吸引力(きふいんりよく)(つよ)いもので、358(また)無限(むげん)生命(せいめい)保有(ほいう)してゐるものです。359天人(てんにん)であらうと現界人(げんかいじん)であらうと地獄界(ぢごくかい)人間(にんげん)であらうと、360それ相応(さうおう)(あい)()つて生命(せいめい)(たも)たれてゐるのですからなア、361そして(その)(あい)なるものは(すべ)(いづ)御霊(みたま)362(みづ)御霊(みたま)()神格(しんかく)より内分(ないぶん)(てき)(なが)()るものですから、363(じつ)無始(むし)無終(むしう)生命(せいめい)ですよ、364あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
365大正一二・一・九 旧一一・一一・二三 松村真澄録)
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