霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一五章 公義(こうぎ)正道(せいだう)〔一二四八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第47巻 舎身活躍 戌の巻 篇:第3篇 天国巡覧 よみ(新仮名遣い):てんごくじゅんらん
章:第15章 公義正道 よみ(新仮名遣い):こうぎせいどう 通し章番号:1248
口述日:1923(大正12)年01月09日(旧11月23日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年10月6日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
最奥一の天国にある天人の想念と情動と言語とは、中間天国の天人たちには知覚できない。最奥一天国人はすべてにおいて、中天界より勝れて超絶しているからである。しかし大神の心にかなったときは、上天高くに火焔のような光彩として見ることができる。
天国を下に下るにしたがって、円満の度はいっそう低くなる。また各天国は、神から来る内流によって、また別の天国のために存在するのである。
高天原の形式がどのような情態に活動し、どのように流通するかは、天国の天人といえども会得することは難しい。しかし神の智慧に富んだ人が、人体の種々の事物の形態を検査して推して考えるときは、その大要を悟り得ることができる。
人間の各部を連結する神経線維、心臓肺臓胃腸、各臓腑、肢体筋肉が幽玄微妙に活動するさま、また想念によって働く知性と意性が不可思議に働くさまは、天界の形式と相応している。しかし自然界の科学によっては高天原の原則を十分に探求することはできない。
高天原に上中下があるように、天人の生涯にもまた三つの度がある。しかして下層の天界から上層の天界へは神格の内流はない。神の順序に逆らうからである。神は順序と讃え奉ってもよいものである。ゆえに、上天界から下天界に向かって内流がある。
高天原の天人は、その証覚にさまざまの程度があり、ゆえに統治の制度が布かれている。諸天人はどうしても順序を守らねばならぬ。
高天原の統治制度は正道という。正道は大神のみに属し、諸天人を導く。天人はこれを知覚し心中に記憶し感得することができる。天人は正道にしたがって大神の導き給うままに生息することをもって歓喜悦楽とする。
霊国の統治制度は公義という。霊国の諸天人は霊善にある。霊善は隣人に対する仁の徳である。各所属団体ごとに、証覚のある者が統治者となって律法を制定し事物を統制している。律法に疑問があれば、大神ご自身が下られて明白な解釈を与え給う。
天国霊国の各団体の統治者は決して尊大ぶることはなく謙譲の徳を充たし、その団体の福利と隣人のことを第一に置いて自己の福利を最後におく。統治者は非常な名誉と光栄を有しているが、それはまったく大神の御稜威であることを知っているから自然に徳がそなわるのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-04-27 19:58:48 OBC :rm4715
愛善世界社版:213頁 八幡書店版:第8輯 551頁 修補版: 校定版:222頁 普及版:104頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 【宗教編】第四篇 神霊世界 > 第十五章 公義正道
001最奥一(さいおういち)天国(てんごく)
002()天人(てんにん)想念(さうねん)
003(その)情動(じやうどう)言語(げんご)とは
004(けつ)して中間(ちうかん)天国(てんごく)
005天人(てんにん)(ども)知覚(ちかく)()
006ものには(あら)何故(なぜ)ならば
007最奥(さいおう)天国人(てんごくじん)一切(いつさい)
008中天界(ちうてんかい)事物(じぶつ)より
009(すぐ)れて超絶(てうぜつ)すればなり
010さはさりながら大神(おほかみ)
011(こころ)(かな)ひし(その)(とき)
012中天国(ちうてんごく)天人(てんにん)
013上天(じやうてん)(たか)(あふ)()
014火焔(くわえん)(ごと)光彩(くわうさい)
015天空(てんくう)(たか)()るものぞ
016(また)中天(ちうてん)天人(てんにん)
017想念(さうねん)(およ)情動(じやうどう)
018言語(げんご)はさながら光明(くわうみやう)
019(ごと)きものとし最下層(さいかそう)
020天国人(てんごくじん)より()るを()
021(その)光彩(くわうさい)(かがや)きて
022いろいろ雑多(ざつた)(いろ)をなし
023(あるひ)(くも)()ゆるあり
024(その)(くも)(およ)光彩(くわうさい)
025上下(しやうか)模様(もやう)(はじ)めとし
026(その)形態(けいたい)思索(しさく)して
027ある程度(ていど)(まで)上天(じやうてん)
028()ける天人(てんにん)諸々(もろもろ)
029言説(げんせつ)()状態(じやうたい)
030(はるか)(さと)()らるなり
031最高奥(さいかうあう)天国(てんごく)
032いと円満(ゑんまん)具足(ぐそく)して
033神光(しんくわう)(かがや)きみち(わた)
034中天界(ちうてんかい)(くら)ぶれば
035円満(ゑんまん)()はいと(たか)
036(つぎ)最下(さいか)天国(てんごく)
037(くだ)るに(およ)んで(その)度合(どあひ)
038一層(いつそう)(ひく)きを(くは)ふべし
039(また)甲天(かふてん)形式(けいしき)
040(かみ)より(きた)内流(ないりう)
041よりて(まつた)乙天(おつてん)
042ために永久(とこしへ)存在(そんざい)す。
043 高天原(たかあまはら)形式(けいしき)を、044(その)細目(さいもく)(わた)つて了解(れうかい)する(こと)や、045(また)(この)形式(けいしき)如何(いか)なる情態(じやうたい)活動(くわつどう)し、046如何(いか)流通(りうつう)するかを会得(ゑとく)するのは、047現在(げんざい)天国(てんごく)にある天人(てんにん)(いへど)()くし()ざる(ところ)である。048これを(たと)ふるならば、049(もつと)聰明(そうめい)にして(かみ)智慧(ちゑ)()んだ(ひと)が、050人体(じんたい)()ける種々(しゆじゆ)事物(じぶつ)形態(けいたい)検査(けんさ)し、051これより()して(かんが)へる(とき)は、052高天原(たかあまはら)(その)形式(けいしき)(くわん)して、053(あるひ)(その)大要(たいえう)(さと)()(こと)出来(でき)るであらう。054高天原(たかあまはら)全体(ぜんたい)形式(けいしき)は、055一個(いつこ)人身(じんしん)()()(やう)である。056(また)人身中(じんしんちう)()ける(よろづ)事物(じぶつ)(すべ)高天原(たかあまはら)事物(じぶつ)相応(さうおう)するものである。057(ゆゑ)高天原(たかあまはら)形式(けいしき)如何(いか)人間(にんげん)として(かい)(がた)く、058(また)説明(せつめい)(がた)きかは、059人間(にんげん)各部(かくぶ)連結(れんけつ)する(ところ)神経(しんけい)繊維(せんゐ)()たならば、060(ほぼ)察知(さつち)する(こと)出来(でき)るであらう。061(これ)()神経(しんけい)繊維(せんゐ)(そもそも)何物(なにもの)なるか、062(また)如何(いか)にして脳髄中(なうずゐちう)活動(くわつどう)流行(りうかう)()るかは、063如何(いか)なる医学(いがく)博士(はかせ)(いへど)も、064肉眼(にくがん)(もつ)て、065(あるひ)顕微鏡(けんびきやう)をもつて見得(みう)るものではない。066人間(にんげん)頭脳中(づなうちう)には無数(むすう)繊維(せんゐ)があつて、067交叉(かうさ)する(さま)(その)(あつ)まれる(ところ)より()れば、068(じつ)(やはら)かき連絡(れんらく)した(ひと)つの(かた)まりに()()るけれど、069意性(いせい)(およ)智性(ちせい)よりする(ところ)個々(ここ)別々(べつべつ)活動(くわつどう)は、070(みな)(この)繊維(せんゐ)によつて(おこな)はれて()(こと)無論(むろん)である。071(すべ)(これ)()繊維(せんゐ)肉体中(にくたいちう)にあつて、072如何(いか)にして相結束(あひけつそく)活躍(くわつやく)するかは種々(しゆじゆ)様々(さまざま)中枢(ちうすう)機関(きくわん)073(たと)へば心臓(しんざう)肺臓(はいざう)胃腸(ゐちやう)074(その)()のものを()れば(あきら)かである。075(また)医学(いがく)(じやう)(おい)て、076神経節(しんけいせつ)()ばれて()神経(しんけい)(たば)()れば、077数多(あまた)繊維(せんゐ)(かく)(その)局部(きよくぶ)より(きた)つて此処(ここ)(あつ)まり、078(ここ)交雑(かうざつ)し、079(また)種々(しゆじゆ)連結(れんけつ)したる(のち)080(ふたた)此処(ここ)()()き、081(ほか)にあつて(かく)(その)官能(くわんのう)(まつた)うするものである。082(しか)して(かく)(ごと)きもの一再(いつさい)にして(とど)まらない。083(また)(かく)臓腑(ざうふ)(かく)肢体(したい)(かく)筋肉(きんにく)にあつても(この)(とほ)りである。084証覚者(しようかくしや)()(もつ)(これ)()事物(じぶつ)(その)数多(あまた)不可思議(ふかしぎ)とを考査(かうさ)する(とき)は、085唯々(ただただ)(その)幽玄(いうげん)微妙(びめう)なる活動(くわつどう)驚嘆(きやうたん)するの(ほか)はないのである。086(しか)しながら以上(いじやう)肉眼(にくがん)にて見得(みう)(ところ)のほんの僅少(きんせう)部分(ぶぶん)(てき)観察(くわんさつ)()ぎないのである。087(その)自然界(しぜんかい)内面(ないめん)にかくれて、088吾人(ごじん)視覚(しかく)(およ)ばない(ところ)にある(もの)(いた)つては、089(さら)一層(いつそう)不可思議(ふかしぎ)(つつ)んで()るのである。090以上(いじやう)身体(しんたい)(じやう)形式(けいしき)の、091高天原(たかあまはら)形式(けいしき)相応(さうおう)すると()(こと)は、092(その)形式(けいしき)(うち)にあり、093(これ)によつて(はたら)(ところ)智性(ちせい)意性(いせい)とが、094万般(ばんぱん)(たい)発作(ほつさ)するを()ても(あきら)かである。095人間(にんげん)(その)()(けつ)する(ところ)があれば、096(みな)(おのづか)らにして(この)形式(けいしき)(うへ)発作(ほつさ)するからである。097(また)(ひと)(いやし)くも何事(なにごと)思惟(しゐ)する(ところ)があれば、098(その)想念(さうねん)最初(さいしよ)発作点(ほつさてん)より末端(まつたん)(いた)つて神経(しんけい)繊維(せんゐ)(うへ)環流(くわんりう)せざるはなく、099(これ)よりして(ここ)感覚(かんかく)なるものがある。100さうして(この)形式(けいしき)はやがて想念(さうねん)意思(いし)との形式(けいしき)である(ゆゑ)に、101(また)智慧(ちゑ)証覚(しようかく)との形式(けいしき)なりと()つてもよいのである。102(ゆゑ)天界(てんかい)形式(けいしき)は、103人体(じんたい)()ける(すべ)ての諸官能(しよくわんのう)活動(くわつどう)相応(さうおう)するものなる(こと)()()らるるのである。104(また)天人(てんにん)情動(じやうどう)想念(さうねん)とは(ことごと)(この)形式(けいしき)(したが)つて、105(おのづか)延長(えんちやう)するものなる(こと)()り、106(かれ)()天人(てんにん)はこの形式(けいしき)(うち)にある(かぎ)り、107智慧(ちゑ)証覚(しようかく)とに()るものなる(こと)()()らるるのである。108(しか)しながら高天原(たかあまはら)形式(けいしき)は、109(その)大体(だいたい)原則(げんそく)すら充分(じうぶん)探究(たんきう)すべからざる(こと)を、110自然界(しぜんかい)科学(くわがく)万能(ばんのう)主義者(しゆぎしや)()らさむために、111人間(にんげん)身体(しんたい)(れい)()いて()たのである。
112 高天原(たかあまはら)には(みつ)つの()ある(ごと)く、113各天人(かくてんにん)生涯(しやうがい)にも(また)114(みつ)つの()があつて、115最高(さいかう)第一(だいいち)天国(てんごく)(および)霊国(れいごく)にあるものは、116第三度(だいさんど)(すなは)最奥(さいあう)()(ひら)けて()り、117中間(ちうかん)天界(てんかい)最下(さいか)天界(てんかい)とは(ふさ)がり、118(また)中間(ちうかん)天界(てんかい)()るものは、119第二度(だいにど)のみ(ひら)けて、120上天(じやうてん)下天(かてん)とは(ふさ)がれ、121(また)最下層(さいかそう)天界(てんかい)にあるものは第一度(だいいちど)のみ(ひら)けて、122中間(ちうかん)天界(てんかい)上天界(じやうてんかい)とは(ふさ)がつて()るのである。123(ゆゑ)にもし上天国(じやうてんごく)天人(てんにん)にして中天国(ちうてんごく)団体(だんたい)瞰下(かんか)して、124(これ)相語(あひかた)(こと)あらむには、125上天人(じやうてんにん)(いう)する第三度(だいさんど)(たちま)(ふさ)がつて(しま)ふのである。126(しか)して(その)閉塞(へいそく)(とも)証覚(しようかく)(まで)(ほろ)ぶのである。127何故(なにゆゑ)なれば、128上天国(じやうてんごく)天人(てんにん)証覚(しようかく)は、129第三度(だいさんど)(ぢゆう)し、130第一(だいいち)(およ)第二(だいに)()()らないからである。131(みづ)御霊(みたま)聖言(せいげん)に、
132一、133屋上(をくじやう)にあるものは、134(その)(いへ)のものを()らむとて(くだ)るなかれ。135()()るものは、136(その)(ころも)()らむとて(かへ)るなかれ。
137一、138(その)()には(ひと)屋上(をくじやう)にあれば、139(その)器具室(きぐしつ)にあるともこれを()らむとて(くだ)るなかれ。140(また)田畑(たはた)にあるものも(かへ)るなかれ。
141(しめ)されたるは(みぎ)密意(みつい)(しめ)されたる言葉(ことば)である。142さうして下層(かそう)天界(てんかい)より、143上層(じやうそう)天界(てんかい)へは神格(しんかく)内流(ないりう)なるものがない。144それは(かみ)順序(じゆんじよ)(さか)らふからである。145(かみ)一名(いちめい)順序(じゆんじよ)(たた)(まつ)つてもよいものである。146(ゆゑ)上天界(じやうてんかい)より下天界(かてんかい)(むか)つては内流(ないりう)がある。147さうして上天界(じやうてんかい)天人(てんにん)証覚(しようかく)下天界(かてんかい)天人(てんにん)(まさ)(こと)(まん)(いち)とに比例(ひれい)するのである。148(これ)(また)下天界(かてんかい)天人(てんにん)上天界(じやうてんかい)天人(てんにん)相語(あひかた)(こと)出来(でき)ない理由(りいう)である。149仮令(たとへ)下天界(かてんかい)天人(てんにん)(あふ)(のぞ)(こと)あるも、150(さら)(さら)(その)姿(すがた)()(こと)()ず、151(ただ)上天界(じやうてんかい)(なほ)(くも)頭上(づじやう)にかかつて()(ごと)()えるばかりである。152これに(はん)上天界(じやうてんかい)天人(てんにん)は、153下天界(かてんかい)天人(てんにん)()(こと)出来(でき)る。154(しか)(なが)らこれと相語(あひかた)(こと)出来(でき)ない。155もしも下天界(かてんかい)(じん)相語(あひかた)るやうな(こと)があれば、156(たちま)(その)証覚(しようかく)(うしな)ふものである。157高天原(たかあまはら)()ける諸々(もろもろ)団体中(だんたいちう)天人(てんにん)は、158(ぜん)(しん)とに()(こと)(いづ)れも同様(どうやう)なれども、159(その)証覚(しようかく)には様々(さまざま)程度(ていど)がある(ゆゑ)に、160必然(ひつぜん)理由(りいう)として高天原(たかあまはら)にも(また)統治(とうち)制度(せいど)()かれてある。161諸天人(しよてんにん)()うしても、162(その)順序(じゆんじよ)(まも)らねばならぬ。163さうして順序(じゆんじよ)(くわん)する百般(ひやくぱん)事項(じかう)は、164どうしても破壊(はくわい)する(こと)出来(でき)ぬ。165それから高天原(たかあまはら)統治(とうち)制度(せいど)(けつ)して一様(いちやう)ではない。166(その)団体(だんたい)々々(だんたい)()ける個々(ここ)制度(せいど)()かれてある。167(みづ)御霊(みたま)大神(おほかみ)(つかさど)(たま)霊国(れいごく)(すなは)(つき)(くに)構成(こうせい)する団体(だんたい)にも(また)一種(いつしゆ)統治(とうち)制度(せいど)()かれてある。168各団体(かくだんたい)職掌(しよくしやう)(ことな)るにつれ、169(その)制度(せいど)にも(また)不同(ふどう)あるは()むを()ない。170(しか)高天原(たかあまはら)(おい)ては、171相愛(さうあい)制度(せいど)(ほか)にしては(べつ)制度(せいど)なるものはないのである。
172 高天原(たかあまはら)()ける統治(とうち)制度(せいど)(しよう)して正道(せいだう)()ふ。173大神(おほかみ)(たい)する愛善(あいぜん)(とく)(ぢゆう)して(おこな)(ところ)(すべ)正道(せいだう)()ふのである。174この統治(とうち)制度(せいど)(ただ)大神(おほかみ)のみに(ぞく)するものであつて、175大神(おほかみ)()自身(じしん)諸天界(しよてんかい)天人(てんにん)(みちび)き、176(また)(これ)処世(しよせい)事物(じぶつ)(をし)(たま)公義(こうぎ)(じやう)理法(りはふ)とも()ふべき種々(しゆじゆ)真理(しんり)(いた)りては、177(かく)天人中(てんにんちう)心中(しんちう)(あきら)かに記憶(きおく)さるるをもつて、178天人(てんにん)として(これ)()(また)(これ)知覚(ちかく)し、179(また)(これ)感得(かんとく)()ないものはない。180(ゆゑ)公義(こうぎ)(じやう)事件(じけん)()いては争議(さうぎ)(じやう)(たね)とはならないけれども、181正道(せいだう)(じやう)事件(じけん)(すなは)各天人(かくてんにん)実践(じつせん)躬行(きうかう)(じやう)事件(じけん)のみは時々(ときどき)疑問(ぎもん)となる(こと)がある。182(かく)(ごと)正道(せいだう)(じやう)事件(じけん)(おこ)つた(とき)には証覚(しようかく)(すくな)きものより(これ)自己(じこ)より(すぐ)れたる天人(てんにん)(ただ)し、183(あるひ)(これ)直接(ちよくせつ)大神(おほかみ)(をしへ)()うて、184(その)結着(けつちやく)(さだ)むるものである。185(ゆゑ)天人(てんにん)(ただ)正道(せいだう)(したが)つて、186大神(おほかみ)(みちび)(たま)ふが(まま)生息(せいそく)するのをもつて自分(じぶん)()天界(てんかい)となし、187(また)極秘(ごくひ)歓喜(くわんき)悦楽(えつらく)とするのである。188(つぎ)大神(おほかみ)霊国(れいごく)(すなは)(つき)御国(みくに)()ける制度(せいど)を、189公義(こうぎ)()ふ。190霊国(れいごく)諸天人(しよてんにん)霊善(れいぜん)()るからである。191霊善(れいぜん)とは、192隣人(りんじん)(たい)する(じん)(とく)()ふのである。193さうして(その)実性(じつせい)(しん)である。194(しか)して(しん)(すなは)公義(こうぎ)(ぞく)し、195(ぜん)正道(せいだう)(ぞく)するものである。196(いま)(ここ)(つき)(くに)()つたのは、197現在(げんざい)地球(ちきう)(じやう)人間(にんげん)()月球(げつきう)(こと)ではない。198(かみ)神格(しんかく)によつて構成(こうせい)されたる霊的(れいてき)国土(こくど)である。199この国土(こくど)()める諸々(もろもろ)天人(てんにん)(また)大神(おほかみ)(みちび)(たま)ひ、200統治(すべをさ)(たま)(ところ)なれども、201直接(ちよくせつ)ならざるが(ゆゑ)(ここ)には統治者(とうちしや)なるものが出来(でき)()る。202(その)統治者(とうちしや)多寡(たくわ)は、203(かく)(その)所属(しよぞく)団体(だんたい)必要(ひつえう)によつて(まう)けらるるものである。204(また)(ここ)には律法(りつぱう)制定(せいてい)せられて諸々(もろもろ)天人(てんにん)(これ)(したが)ひて群居(ぐんきよ)して()るのである。205統治者(とうちしや)(その)律法(りつぱう)によつて数多(あまた)事物(じぶつ)統制(とうせい)するの任務(にんむ)(あた)つて()る。206さうして、207(これ)()天人(てんにん)(いづ)れも証覚(しようかく)あるにより、208その律法(りつぱう)をよく(かい)し、209万一(まんいち)(うたが)(ところ)あれば、210大神(おほかみ)(くだ)らせ(たま)うて、211(これ)明白(めいはく)なる解釈(かいしやく)(あた)(たま)(こと)になつて()る。212天国(てんごく)(すなは)()(くに)にあるが(ごと)き、213(ぜん)によつて(おこな)はるる統治(とうち)正道(せいだう)()ひ、214霊国(れいごく)(すなは)(つき)(くに)にあるやうな(しん)によつて(おこな)はるる統治(とうち)公義(こうぎ)()ふのである。215天国(てんごく)216霊国(れいごく)各団体(かくだんたい)統治者(とうちしや)現代(げんだい)()ける各国(かくこく)統治者(とうちしや)(ごと)く、217(けつ)して(みづか)尊大(そんだい)()るものでない、218(かへつ)卑下(ひげ)()謙譲(けんじやう)(とく)()たして()るものである。219さうして(その)団体(だんたい)福利(ふくり)隣人(りんじん)(こと)第一(だいいち)()いて、220自己(じこ)福利(ふくり)最後(さいご)におくものである。221けれども(その)統治者(とうちしや)非常(ひじやう)なる名誉(めいよ)光栄(くわうえい)とを(いう)して()る。222(これ)()統治者(とうちしや)自分(じぶん)(あた)へられたる光栄(くわうえい)名誉(めいよ)(まつた)大神(おほかみ)(あた)へられたるものたる(こと)自覚(じかく)し、223()天人(てんにん)自分(じぶん)服従(ふくじう)するのは、224これ(まつた)大神(おほかみ)御稜威(みいづ)なる(こと)()つて()るから、225自然(しぜん)謙譲(けんじやう)(とく)(そな)はり尊大(そんだい)()らぬのである。
226大正一二・一・九 旧一一・一一・二三 加藤明子録)
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