霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】サブスクのお知らせ
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第六章 高圧(かうあつ)〔一四三六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第56巻 真善美愛 未の巻 篇:第2篇 宿縁妄執 よみ(新仮名遣い):しゅくえんもうしゅう
章:第6章 高圧 よみ(新仮名遣い):こうあつ 通し章番号:1436
口述日:1923(大正12)年03月14日(旧01月27日) 口述場所:竜宮館 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年5月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高姫は地獄に籍を置き、直ちに地獄に降るべき資格が備わっていたが、大神はその精霊を救おうと三年の間修業を命じ給うたのであった。
地獄界に籍を有する精霊はもっとも尊大にして自我の心強く、他に対して軽侮の念を持しこれを外部に知らず知らずの間に現すものである。自分を尊敬せざるものにたちまち威喝を現し、また憎悪や復讐の相好を現すものである。
一言たりともその意に合わざることを言う者は、慢心だとか悪だとか虚偽だとか称して、これを叩きつけようとするのが、地獄界に籍を置く者の情態である。
現界、霊界を問わず地獄にある者はすべて世間愛と自己より来る悪と虚偽に浸っている。その心と相似たる者でなければ、一緒に居ることは実に苦しく、呼吸も自由にできないくらいである。地獄における者は、悪心をもって悪を行い、悪をもってすべての真理を表明したり説明しようとする。
このような者が地獄界に自ら進んで堕ち行くときは、地獄の数多の悪霊が集まり来たり、俊酷獰猛な責罰を加えようとする。これは現界における法律組織とほぼ類似している。悪を罰する者は悪人でなければならないからである。
幽界においては善悪はそのまま表れるので、現界と違って誤解がない。また地獄界は悪そのものが自ら進んで堕ち行くのであるから、あたかも秤にかけたごとく、少しの不平衡もないのである。
地獄界の者は虚偽をもって真と信じ、悪をもって善と感じている。神の稜威も信真の光明も、地獄に籍を置いた人間から見たときは暗黒と見えるのである。
高姫は中有界に放たれて精霊の修養を積むべき期間を与えられたにもかかわらず、地獄の境涯を脱することができず、虚偽と悪を善と信じて拡充しようと活動を続けていた。そして四人の男女を吾が居間に導き、支離滅裂な教えを説きはじめた。
ヘルとケリナは、高姫の説教に納得がいかず、いちいち反論している。高姫は手を合わせてケリナの改心を祈っていると、どら声を張り上げて門の戸を叩く者があった。高姫は表へ出て行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-06-13 19:36:20 OBC :rm5606
愛善世界社版:71頁 八幡書店版:第10輯 171頁 修補版: 校定版:75頁 普及版:31頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 【宗教編】第四篇 神霊世界 > 第九章 地獄の精霊
001 高姫(たかひめ)(みちび)かれて()(にん)男女(なんによ)は、002細谷川(ほそたにがは)一本橋(いつぽんばし)(わた)り、003二間造(ふたまづく)りの(ちひ)さき(いへ)(みちび)かれた。004高姫(たかひめ)精霊(せいれい)(すで)地獄(ぢごく)(せき)()き、005(ただ)ちに地獄(ぢごく)(くだ)るべき自然(しぜん)資格(しかく)(そな)はつてゐる。006(しか)(なが)仁慈(じんじ)無限(むげん)大神(おほかみ)如何(いか)にもして(その)精霊(せいれい)(すく)ひやらむと(さん)(ねん)(あひだ)007ブルガリオの修行(しうぎやう)(めい)(たま)ふたのである。008(すべ)精霊(せいれい)内分(ないぶん)(たちま)外分(ぐわいぶん)(あら)はれるものである。009外分(ぐわいぶん)とは(がい)して()へば身体(しんたい)010動作(どうさ)011面貌(めんばう)012言語(げんご)(とう)()すのである。013内分(ないぶん)とは善愛(ぜんあい)想念(さうねん)情動(じやうどう)である。
014 地獄界(ぢごくかい)(せき)(いう)する精霊(せいれい)(もつと)尊大(そんだい)自我(じが)(こころ)(つよ)く、015()(たい)して軽侮(けいぶ)(ねん)()(これ)外部(ぐわいぶ)不知(しらず)不識(しらず)(あひだ)(あら)はすものである。016自分(じぶん)尊敬(そんけい)せざるものに(たい)しては(たちま)威喝(ゐかつ)(あら)はし、017(また)憎悪(ぞうを)相好(さうがう)復讐(ふくしう)(てき)相好(さうがう)(あら)はすものである。
018 (ゆゑ)一言(いちごん)たりとも(その)()()はざる(こと)()(もの)は、019(たちま)慢心(まんしん)だとか(あく)だとか虚偽(きよぎ)だとか、020いろいろの名称(めいしよう)()して、021(これ)(たた)きつけむとするのが地獄界(ぢごくかい)(せき)()くものの情態(じやうたい)である。
022 現界(げんかい)()ける人間(にんげん)(また)023顕幽(けんいう)一致(いつち)道理(だうり)()つて同様(どうやう)である。024現界(げんかい)025霊界(れいかい)()はず地獄(ぢごく)にあるものは、026(すべ)世間愛(せけんあい)自己(じこ)よりする、027(もろもろ)(あく)(もろもろ)虚偽(きよぎ)(ひた)つてゐるが(ゆゑ)に、028(その)(こころ)自己(じこ)(こころ)相似(あひに)たるものとでなければ、029(こころ)相応(さうおう)せないものと一緒(いつしよ)()(こと)(じつ)(くる)しく、030呼吸(こきふ)自由(じいう)出来(でき)ない(くらゐ)である。031(しか)(なが)(あく)(すなは)地獄(ぢごく)()ける(もの)悪心(あくしん)(もつ)(あく)(おこな)ひ、032(また)(あく)(もつ)(すべ)ての真理(しんり)表明(へうめい)したり、033説明(せつめい)せむとするものである。034(ゆゑ)(その)説明(せつめい)には矛盾(むじゆん)撞着(どうちやく)支離(しり)滅裂(めつれつ)箇所(かしよ)ばかりで、035(ただ)しき人間(にんげん)精霊(せいれい)()から()れば、036(じつ)不都合(ふつがふ)(きは)まるものである。037()かる悪霊(あくれい)地獄界(ぢごくかい)(みづか)(すす)んで()ちゆく(とき)は、038其処(そこ)()数多(あまた)悪霊(あくれい)は、039(かれ)()(うへ)(あつ)まり(きた)り、040峻酷(しゆんこく)獰猛(だうまう)なる責罰(せきばつ)(くは)へむとするものである。041(その)有様(ありさま)現界(げんかい)()ける法律(はふりつ)組織(そしき)(ほぼ)類似(るゐじ)して()る。042(すべ)(あく)(ばつ)するものは悪人(あくにん)でなければならぬ。043虚偽(きよぎ)044譎詐(きつさ)045獰猛(だうまう)046峻酷(しゆんこく)(とう)悪徳(あくとく)()きものは到底(たうてい)悪人(あくにん)(ばつ)することは出来得(できえ)ないのである。047(しか)(なが)現界(げんかい)幽界(いうかい)(こと)なる(てん)現界(げんかい)にては大悪(だいあく)発見(はつけん)されなかつたり、048(また)善人(ぜんにん)(あく)誤解(ごかい)されて責罰(せきばつ)()くる(こと)沢山(たくさん)にあるに(はん)し、049地獄界(ぢごくかい)(おい)ては、050(あく)(その)(もの)(みづか)(すす)んで()()くのであるから、051(あだか)(はかり)にかけた(ごと)く、052(すこ)しの不平衡(ふへいかう)()いものである。
053 (しか)して獰猛(だうまう)峻酷(しゆんこく)内分(ないぶん)(また)外分(ぐわいぶん)(すなは)相好(さうがう)(うへ)(あら)はるるものである。054(ゆゑ)地獄(ぢごく)()ちて()邪鬼(じやき)(および)邪霊(じやれい)(いづ)れも(その)内分(ないぶん)相応(さうおう)面貌(めんばう)(たも)生気(せいき)()死屍(しし)(さう)(げん)じ、055(いぼ)(ほくろ)056(だい)なる腫物(しゆもつ)(とう)一見(いつけん)して(じつ)不快(ふくわい)(かん)じを(あた)ふる(もの)である。057(しか)(これ)天国(てんごく)(いた)るべき天人(てんにん)()より(その)内分(ないぶん)(とほ)して()たる形相(ぎやうさう)であつて、058地獄(ぢごく)邪霊(じやれい)相互(さうご)(あひだ)にては(けつ)して(あま)(みぐる)しく()えない(もの)である。059何故(なぜ)なれば(かれ)()(みな)虚偽(きよぎ)(もつ)(しん)(しん)じ、060(あく)(もつ)(ぜん)(かん)じて()るからである。061(とき)あつて天上(てんじやう)より大神(おほかみ)光明(くわうみやう)062地獄界(ぢごくかい)(てら)(とき)は、063(かれ)()(たちま)珍姿(ちんし)怪態(くわいたい)曝露(ばくろ)し、064(あだか)妖怪(えうくわい)(ごと)相好(さうがう)(あら)はし、065(みづか)(その)姿(すがた)(おそ)ろしきに(おどろ)くものである。066(しか)(なが)天界(てんかい)より光明(くわうみやう)(くだ)(きた)(とき)は、067朦朧(もうろう)たる地獄(ぢごく)層一層(そういつそう)暗黒(あんこく)()()すものである。068愛善(あいぜん)(とく)信真(しんしん)光明(くわうみやう)(あく)虚偽(きよぎ)とに(みた)されたる地獄(ぢごく)では益々(ますます)暗黒(あんこく)となるものである。069(ゆゑ)如何(いか)なる(かみ)稜威(みいづ)善徳(ぜんとく)も、070信真(しんしん)光明(くわうみやう)も、071地獄(ぢごく)(せき)()きたる人間(にんげん)より()たる(とき)は、072自分(じぶん)(ぢゆう)する世界(せかい)よりは暗黒(あんこく)()え、073真理(しんり)虚偽(きよぎ)(かん)じ、074愛善(あいぜん)(とく)憎悪(ぞうを)(かん)ずるに(いた)るものである。075(ゆゑ)大部分(だいぶぶん)地獄界(ぢごくかい)堕落(だらく)せる現代人(げんだいじん)が、076大本(おほもと)光明(くわうみやう)()(かへつ)(これ)暗黒(あんこく)となし、077至善(しぜん)至美(しび)(をしへ)(もつ)至醜(ししう)至悪(しあく)教理(けうり)となし、078(あるひ)邪教(じやけう)(そし)るに(いた)るは、079(その)(ひと)内分(ないぶん)相応(さうおう)()()つて(むし)当然(たうぜん)()()きものである。
080 高姫(たかひめ)中有界(ちううかい)(はな)たれ精霊(せいれい)修養(しうやう)()むべき期間(きかん)(あた)へられたるにも(かかは)らず、081容易(ようい)地獄(ぢごく)境涯(きやうがい)(だつ)する(こと)()ず、082虚偽(きよぎ)(もつ)真理(しんり)()し、083(あく)(もつ)(ぜん)(しん)じ、084一心(いつしん)不乱(ふらん)(ぜん)(みち)拡充(くわくじゆう)せむと車輪(しやりん)活動(くわつどう)(つづ)けて()るのである。085(るゐ)(もつ)(あつ)まるとか()つて、086自分(じぶん)内分(ないぶん)相似(あひに)たるものでなければ、087到底(たうてい)相和(あひわ)する(こと)霊界(れいかい)(おい)ては出来(でき)ない。088現界(げんかい)ならばいろいろと巧言(かうげん)令色(れいしよく)089(あるひ)虚偽(きよぎ)なぞに()つて内分(ないぶん)幾分(いくぶん)かを(つつ)()るが(ゆゑ)高姫(たかひめ)(をしへ)()くものも多少(たせう)はあつたけれども、090最早(もはや)霊界(れいかい)(きた)つては自分(じぶん)相似(あひに)たるものでなければ、091(とも)(とも)生涯(しやうがい)(おく)(こと)出来(でき)なくなつてゐた。092(しか)(なが)高姫(たかひめ)依然(いぜん)として現界(げんかい)()るものとのみ(かんが)へ、093八衢(やちまた)守衛(しゆゑい)言葉(ことば)半信(はんしん)半疑(はんぎ)(てい)取扱(とりあつか)ふてゐた。094霊界(れいかい)()てから(ほとん)(いつ)(ねん)095月日(つきひ)()るに(したが)つて守衛(しゆゑい)言葉(ことば)(すこ)しも()()めなくなり、096益々(ますます)悪化(あくくわ)(なが)らも自分(じぶん)(をしへ)至善(しぜん)である、097自分(じぶん)動作(どうさ)(かみ)(かな)ひしものである、098(しか)して自分(じぶん)義理(ぎり)天上(てんじやう)日出(ひのでの)(かみ)生宮(いきみや)で、099天地(てんち)総轄(そうかつ)したる底津(そこつ)岩根(いはね)大弥勒(おほみろく)(かみ)神柱(かみばしら)(かた)(しん)じてゐるのだから(たま)らない。100さて高姫(たかひめ)()(にん)男女(なんによ)(わが)居間(ゐま)(みちび)き、101自分(じぶん)正座(しやうざ)傲然(がうぜん)としてかまへ、102諄々(じゆんじゆん)として支離(しり)滅裂(めつれつ)なる(をしへ)()(はじ)めた。
103高姫(たかひめ)(みな)さま、104よくまア日出(ひのでの)(かみ)(をしへ)(したが)つて此処(ここ)()いて(ござ)つた。105(まへ)余程(よつぽど)因縁(いんねん)(ふか)いお(かた)だぞえ。106こんな結構(けつこう)(をしへ)(かね)草鞋(わらぢ)()(ところ)(まで)世界中(せかいぢう)(さが)(まは)つても(ほか)にはありませぬぞや。107そして(よろこ)びなされ、108(この)高姫(たかひめ)高天原(たかあまはら)第一(だいいち)霊国(れいごく)のエンゼルの身魂(みたま)で、109根本(こつぽん)根本(こつぽん)大神(おほかみ)生宮(いきみや)だから、110(てん)(かま)へば()(かま)ひ、111何処(どこ)彼処(かしこ)(ひと)つに(にぎ)つた太柱(ふとばしら)112(あふぎ)(たと)へたら(かなめ)だぞえ。113時計(とけい)(たとへ)たら竜頭(りうづ)(やう)(もの)だ。114(あふぎ)(かなめ)()ければバラバラと(つぶ)れて(しま)ふ。115時計(とけい)竜頭(りうづ)()ければ(ねぢ)をかける(こと)出来(でき)ますまい。116(それ)だから(この)高姫(たかひめ)根本(こつぽん)根本(こつぽん)世界(せかい)(また)()如意(によい)宝珠(ほつしゆ)(たま)ぢやから、117よく()きなされや。118(まへ)(たち)泥坊(どろばう)をしたり、119バラモンの軍人(ぐんじん)になつたり所在(あらゆる)(あく)をやつて()たのだから、120直様(すぐさま)地獄(ぢごく)(おと)すべき代物(しろもの)だけれども、121()高姫(たかひめ)生宮(いきみや)(まを)(こと)をよく()いて(おこな)ひを(いた)したなれば結構(けつこう)結構(けつこう)第一(だいいち)天国(てんごく)へでも(たす)けて()げますぞや』
122()()もなく大法螺(おほぼら)()()てる。123(しか)(なが)高姫(たかひめ)自身(じしん)(けつ)して自分(じぶん)言葉(ことば)大法螺(おほぼら)だとは(おも)つて()ない。124正真(しやうしん)正銘(しやうめい)一分(いちぶ)一厘(いちりん)間違(まちが)ひのない(かみ)慈言(じげん)だと(かた)(しん)じて()るのだ。
125ヘル『モシ高姫(たかひめ)(さま)126貴女(あなた)()(ほど)(えら)()(かた)なら何故(なぜ)(てん)(あが)つて下界(げかい)()守護(しゆご)(あそ)ばさぬのですか。127(この)(やう)(やま)ほでら御殿(ごてん)()てて吾々(われわれ)(やう)人間(にんげん)一人(ひとり)二人(ふたり)(つか)まへて説教(せつけう)をなさるとは、128(かみ)としては(あま)迂濶(うくわつ)ぢやないですか。129世界中(せかいぢう)には幾億万(いくおくまん)とも()れぬ精霊(せいれい)があるにも(かかは)らず、130根本(こつぽん)大神(おほかみ)(さま)生宮(いきみや)さまが左様(さやう)(こと)をなさるとは、131(ちつ)合点(がつてん)(まゐ)りませぬワ。132(えう)するに高姫(たかひめ)さまの法螺(ほら)では(ござ)いますまいかなア』
133 高姫(たかひめ)(たちま)地獄(ぢごく)(てき)精神(せいしん)になり、134軽侮(けいぶ)威喝(ゐかつ)憎悪(ぞうを)面相(めんさう)(あら)はし、135(かつ)プンプンとふくれ()言葉(ことば)(まで)地獄(ぢごく)(さう)(あら)はして()た。
136高姫(たかひめ)『コレお(まへ)(なん)といふ途方(とはう)もない(こと)()ふのだ。137ホンに(むし)けら同然(どうぜん)のつまらぬ代物(しろもの)だな。138勿体(もつたい)なくも(かみ)生宮(いきみや)軽蔑(けいべつ)するとは(もつ)ての(ほか)ぢや。139そんな不量見(ふれうけん)(こと)では(この)生宮(いきみや)(ゆる)しませぬぞや。140(ただ)ちに地獄(ぢごく)(おと)してやるから(その)(つも)りでゐなされよ』
141獰猛(だうまう)なる形相(ぎやうさう)憤怒(ふんぬ)(いろ)(あら)はし、142()をキリキリと()みしめて、143()(いか)らし()めつけて()る。
144 ヘルは高姫(たかひめ)面貌(めんばう)()てギヨツとしながら、145屹度(きつと)(むね)をすゑ、146(ひぢ)()りわざとに(からだ)(まへ)(はう)()()し、147(むね)動悸(どうき)をかくし、
148ヘル『アハハハハハ(ぬか)したりな高姫(たかひめ)149(その)鬼面(おにづら)(なん)(こと)150仁慈(じんじ)無限(むげん)(かみ)(さま)(ちつ)(ばか)()()らぬ(こと)()つたからとて、151そんな六ケ敷(むつかし)相好(さうがう)はなさりませぬぞや。152(かみ)(あい)(ぜん)(しん)とでは(ござ)らぬか。153(かり)にも(ひと)威喝(ゐかつ)154軽侮(けいぶ)155憎悪(ぞうを)するやうな(こと)で、156()うして(ただ)しい(かみ)()へますか。157()(ひか)()され』
158呶鳴(どな)りつけた。
159 高姫(たかひめ)烈火(れつくわ)(ごと)(いきどほ)り、160相好(さうがう)益々(ますます)獰猛(だうまう)となり、161さも憎々(にくにく)しげに()めつけ(なが)ら、
162高姫(たかひめ)『コリヤ、163バラモンの小盗人(こぬすと)()164(なに)()ふのだ。165(まこと)生神(いきがみ)貴様(きさま)のやうな(めくら)(つんぼ)(わか)つて(たま)らうか。166(まへ)(こころ)(うち)(あく)()地獄(ぢごく)(きづ)()げてゐるから、167(この)日出(ひのでの)(かみ)円満(ゑんまん)なる美貌(びばう)(こは)()えたり、168善言(ぜんげん)美詞(びし)悪言(あくげん)暴語(ばうご)(ごと)(きこ)ゆるのだ。169身魂(みたま)階級(かいきふ)(ちが)ふと(あく)(ぜん)()え、170(ぜん)(あく)()えたりするものだ』
171自分(じぶん)(あく)虚偽(きよぎ)とにより地獄(ぢごく)()()(こと)()らず、172無性(むしやう)矢鱈(やたら)()(たい)して悪呼(あくよば)はりをしてゐる。173人間(にんげん)精霊(せいれい)此処(ここ)(まで)暗愚(あんぐ)になつては如何(いか)なる(かみ)(ちから)(これ)(すく)(こと)出来(でき)ないものである。
174 ヘルは高姫(たかひめ)(まへ)(くび)をヌツと()()し、175背水(はいすゐ)(ぢん)()つたつもりで、176(にぎ)(こぶし)(かた)め、
177ヘル『今一言(いまいちごん)178(なん)なと()つて()よ。179この鉄拳(てつけん)貴様(きさま)脳天(なうてん)(さは)るや(いな)木端(こつぱ)微塵(みぢん)にして()れるぞよ』
180との(いきほひ)(しめ)してゐる。181流石(さすが)高姫(たかひめ)(その)権幕(けんまく)辟易(へきえき)したか、182ヘルに(むか)つては()()相手(あひて)にしなかつた。183ヘルは()()げた(こぶし)のやり(どころ)がなくなつて、184首尾(しゆび)(わる)げに(もと)(なほ)した。
185 高姫(たかひめ)はニヤリと(わら)(なが)らさも横柄(わうへい)面付(つらつき)して(うしろ)(さん)(にん)見下(みくだ)し、
186高姫(たかひめ)『コレ六公(ろくこう)にシャル、187ケリナ、188(なん)()つても身魂(みたま)因縁(いんねん)性来(しやうらい)(こと)より出来(でき)ぬのだから、189(わたし)()(こと)(みみ)(はい)らぬ(ひと)は、190如何(どう)しても地獄行(ぢごくゆ)きぢやぞえ。191皆々(みなみな)192どうだい、193(ひと)(この)生宮(いきみや)()(こと)()いて天国(てんごく)(のぼ)()はないか』
194ケリナ『ハイ有難(ありがた)(ござ)います。195到底(たうてい)(わたし)のやうな(つみ)(ふか)人間(にんげん)自分(じぶん)(つく)つた罪業(ざいごふ)()つて相応(さうおう)地獄(ぢごく)()かねばなりますまい。196何程(なにほど)貴女(あなた)(さま)天国(てんごく)(すく)()げてやらうと仰有(おつしや)つて(くだ)さつても、197身魂(みたま)不相応(ふさうおう)(ところ)()くのは(くる)しくて()えられませぬ。198(わたし)現在(げんざい)(まま)何時(いつ)(まで)(この)()(くら)したいと(ぞん)じます』
199高姫(たかひめ)『ハテ、200さて(わか)らぬ(かた)だなア。201(かみ)()(かげ)をやらうと(おも)ふてつき()して()るのに受取(うけと)らぬと()(こと)があるものか。202(ことわざ)にも……(てん)(あた)ふるものを()らざれば(かへ)つて(わざはひ)(その)()(およ)ぶ……といふ(こと)があるぢやないか。203何故(なぜ)(この)生宮(いきみや)がつき()した神徳(しんとく)辞退(じたい)するのだい』
204ケリナ『ハイ、205()親切(しんせつ)有難(ありがた)(ござ)いますが、206(かみ)(さま)から(いただ)いた神徳(しんとく)なれば自分(じぶん)がお(かへ)(まを)さぬ(かぎ)(けつ)して取上(とりあ)げらるる(こと)(ござ)いませぬ。207(しか)(なが)人間(にんげん)さまから(いただ)いた神徳(しんとく)は、208何時(なんどき)取返(とりかへ)されるか()れませぬから、209(はじ)めから(いただ)かない(はう)が、210双方(さうはう)利益(りえき)(ござ)いませう』
211高姫(たかひめ)『コレ、212ケリナ、213(なん)()(わか)らぬ(こと)をお(まへ)()ふのだい。214最前(さいぜん)からも()つた(とほ)り、215底津(そこつ)岩根(いはね)大弥勒(おほみろく)さまの生宮(いきみや)ぢやないか。216(この)生宮(いきみや)人間(にんげん)ぢやと(おも)ふて()るのが、217テンカラ間違(まちが)ひぢやぞえ。218それだからお(まへ)改心(かいしん)()らぬといふのだ。219(まへ)(わたし)(やかた)()たのも(むかし)(むかし)根本(こつぽん)(ふる)神代(かみよ)から、220身魂(みたま)因縁(いんねん)があつて引寄(ひきよ)せられたのだ。221(まへ)大先祖(おほせんぞ)大将軍(だいしやうぐん)(さま)(くる)しめた十悪道(じふあくだう)身魂(みたま)ぢやから、222(その)(つみ)子孫(しそん)(つた)はり今度(こんど)()立替(たてかへ)立直(たてなほ)しにつれて、223大掃除(おほさうぢ)(はじ)まるのだから、224(あく)系統(ひつぽう)身魂(みたま)()(ほろ)ぼし、225天地(てんち)(あひだ)()かぬやうにするのだから、226(この)生宮(いきみや)(まを)(うち)柔順(すなほ)()(はう)が、227(ぬし)(とく)ぢやぞえ』
228ケリナ『ハイ、229()親切(しんせつ)有難(ありがた)(ござ)いますが、230(わたし)には大先祖(おほせんぞ)がどんな(こと)をして()つたか、231中先祖(ちうせんぞ)()うだつたか、232そんな(こと)はテンと(わか)りませぬ。233(わたし)(わたし)(しん)ずる(かみ)(さま)(ござ)いますから、234折角(せつかく)(なが)()辞退(じたい)(いた)します』
235高姫(たかひめ)『ドークズの身魂(みたま)といふものは()げも(おろ)しもならぬものだなア。236人間(にんげん)分際(ぶんざい)として根本(こつぽん)因縁(いんねん)(わか)るものかいなア。237それだから(この)高姫(たかひめ)身魂調(みたましら)べをして各自(めんめ)因縁(いんねん)性来(しやうらい)(あら)はし、238因縁(いんねん)だけの御用(ごよう)(おほ)せつけるのだ。239先祖(せんぞ)からの因縁(いんねん)性来(しやうらい)(わか)らぬやうな(こと)で、240()うして底津(そこつ)岩根(いはね)大神(おほかみ)(さま)生宮(いきみや)御用(ごよう)(つと)まりますか。241(かみ)(まを)(うち)柔順(すなほ)()いて()きなさらぬと(あと)後悔(こうくわい)(いた)しても、242其処(そこ)になりたらモウ(かみ)()りませぬぞや。243マア(ゆつく)りと(むね)()()てて雪隠(せつちん)へでも(はい)つて(かんが)へて()なさい。244アーア一人(ひとり)氏子(うぢこ)(まこと)(みち)(みちび)かうと(おも)へば、245(なみ)大抵(たいてい)(こと)ぢやない。246乃木(のぎ)大将(たいしやう)旅順口(りよじゆんこう)十万(じふまん)兵士(へいし)(もつ)(おと)したよりも(むつかし)いものだ。247(はり)(あな)駱駝(らくだ)(とほ)すよりも(むつかし)い。248これでは(かみ)(ほね)()れるワイ。249(めくら)(つんぼ)何程(なにほど)結構(けつこう)(こと)()んで(くく)めるやうに()()かしてやつても、250(ぶた)真珠(しんじゆ)251(ねこ)小判(こばん)のやうなものだ。252(あは)れみ(たま)(たす)(たま)へ、253底津(そこつ)岩根(いはね)大弥勒(おほみろく)(さま)
254()(あは)一生(いつしやう)懸命(けんめい)にケリナ(ひめ)改心(かいしん)(いの)つてゐる。255シャル、256六造(ろくざう)二人(ふたり)(この)問答(もんだふ)をポカンと(くち)()けた(まま)()(あが)つて立膝(たてひざ)(なが)()いてゐる。257(しばら)くは土佐犬(とさいぬ)()()ひのやうな光景(くわうけい)沈黙(ちんもく)(まく)()りた。258其処(そこ)銅羅声(どらごゑ)()()げて(かど)()をブチ()れる(ほど)(たた)くものがある。
259 高姫(たかひめ)はツと立上(たちあが)()(にん)尻目(しりめ)にかけ(なが)ら、260(かど)()(ひら)()(おもて)()して(すす)()く。
261大正一二・三・一四 旧一・二七 於竜宮館二階 外山豊二録)
文芸社文庫『あらすじで読む霊界物語』絶賛発売中!
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→  
霊界物語ネットは飯塚弘明が運営しています。【メールアドレス】 / 動作に不具合や誤字脱字等を発見されましたら是非お知らせ下さるようお願い申し上げます。 / 本サイトに掲載されている霊界物語等の著作物の電子データは飯塚弘明ほか、多数の方々の協力によって作られました。(スペシャルサンクス) / 本サイトの著作権(デザイン、プログラム、凡例等)は飯塚弘明にあります。出口王仁三郎の著作物(霊界物語等)の著作権は保護期間が過ぎていますのでご自由にお使いいただいて構いません。ただし一部分を引用するのではなく、本サイト掲載の大部分を利用して電子書籍等に転用する場合には、必ず出典と連絡先を記して下さい。→「本サイト掲載文献の利用について」 / 出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別的と見なされる言葉や表現もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。 / プライバシーポリシー
(C) 2007-2024 Iizuka Hiroaki