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第58巻(酉の巻)
序文
総説
第1篇 玉石混淆
01 神風
〔1476〕
02 多数尻
〔1477〕
03 怪散
〔1478〕
04 銅盥
〔1479〕
05 潔別
〔1480〕
第2篇 湖上神通
06 茶袋
〔1481〕
07 神船
〔1482〕
08 孤島
〔1483〕
09 湖月
〔1484〕
第3篇 千波万波
10 報恩
〔1485〕
11 欵乃
〔1486〕
12 素破抜
〔1487〕
13 兎耳
〔1488〕
14 猩々島
〔1489〕
15 哀別
〔1490〕
16 聖歌
〔1491〕
17 怪物
〔1492〕
18 船待
〔1493〕
第4篇 猩々潔白
19 舞踏
〔1494〕
20 酒談
〔1495〕
21 館帰
〔1496〕
22 獣婚
〔1497〕
23 昼餐
〔1498〕
24 礼祭
〔1499〕
25 万歳楽
〔1500〕
余白歌
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第一二章
素破抜
(
すつぱぬき
)
〔一四八七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第58巻 真善美愛 酉の巻
篇:
第3篇 千波万波
よみ(新仮名遣い):
せんぱばんぱ
章:
第12章 素破抜
よみ(新仮名遣い):
すっぱぬき
通し章番号:
1487
口述日:
1923(大正12)年03月29日(旧02月13日)
口述場所:
皆生温泉 浜屋
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年6月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
ダルは船中の無聊から阿呆陀羅文句を歌いだした。その歌は、ヤッコス、ハール、サボールの三人は偽の改心であり、キヨの港に着いたら三五教の宣伝使を一網打尽にしようと企んでいることをすっぱ抜き、今のうちにやっつけてしまおうと宣伝使たちに呼びかけていた。
ヤッコス、ハール、サボールの三人は図星を指されて青い顔で震えていたが、伊太彦は三人に危害を加えるつもりはないと安心させ、何か歌うように促した。ヤッコスはダルの前に進むと左右の耳を握って弁解を歌いだした。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm5812
愛善世界社版:
149頁
八幡書店版:
第10輯 423頁
修補版:
校定版:
160頁
普及版:
57頁
初版:
ページ備考:
001
南北
(
なんぽく
)
二百
(
にひやく
)
里
(
り
)
の
航路
(
かうろ
)
にはそろそろ
退屈
(
たいくつ
)
気分
(
きぶん
)
が
漂
(
ただよ
)
ひ、
002
いろいろと
腮
(
あご
)
を
解
(
と
)
く
雑談
(
ざつだん
)
が
初
(
はじ
)
まつて
来
(
き
)
た。
003
彼方
(
あちら
)
にも
此方
(
こちら
)
にも
欠伸
(
あくび
)
に
節
(
ふし
)
をつけたり
放屁
(
はうひ
)
を
刻
(
きざ
)
んだり、
004
他愛
(
たあい
)
もなく
笑
(
わら
)
ひ
狂
(
くる
)
ふて
居
(
ゐ
)
る。
005
ダルは
船中
(
せんちう
)
の
無聊
(
ぶれう
)
を
慰
(
なぐさ
)
むる
為
(
た
)
め、
006
骨
(
ほね
)
と
皮
(
かは
)
との
餓鬼
(
がき
)
のやうな
体
(
からだ
)
を
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
揺
(
ゆす
)
り
阿保陀羅
(
あほだら
)
文句
(
もんく
)
を
並
(
なら
)
べだした。
007
ダル『カカポコカカポコ、
008
ポコポコポコ。
009
──エー
憚
(
はばか
)
り
乍
(
なが
)
ら、
010
所
(
ところ
)
は
何処
(
いづく
)
と
尋
(
たづ
)
ねましたら、
011
愛想
(
あいさう
)
もこそも
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
、
012
人
(
ひと
)
を
取
(
と
)
り
食
(
く
)
ふ
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
八岐
(
やまた
)
の
大蛇
(
をろち
)
の
住家
(
すみか
)
なる、
013
大雲山
(
だいうんざん
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
に、
014
後前
(
あとさき
)
バラバラ バラモンの、
015
神
(
かみ
)
を
祭
(
まつ
)
つた
洞
(
ほら
)
の
中
(
なか
)
、
016
中
(
うち
)
はホラホラ
外
(
そと
)
はスブスブと、
017
焼野
(
やけの
)
の
鼠
(
ねずみ
)
ぢやないけれど、
018
この
世
(
よ
)
を
乱
(
みだ
)
すバラモンの、
019
ガラクタ
神
(
がみ
)
が
巣
(
す
)
をくんで、
020
彼方
(
あなた
)
此方
(
こなた
)
と
駆
(
か
)
け
廻
(
めぐ
)
り、
021
人
(
ひと
)
の
女房
(
にようばう
)
を
誘拐
(
かどはか
)
し、
022
汗水
(
あせみづ
)
垂
(
た
)
らして
儲
(
まう
)
けた
金
(
かね
)
を、
023
スツカリコンのコンコロコンと、
024
引
(
ひ
)
つたくり、
025
六百六
(
ろくぴやくろく
)
号
(
がう
)
の
御
(
ご
)
開山
(
かいさん
)
、
026
鼻落
(
はなお
)
ち
女
(
をんな
)
に
現
(
うつつ
)
をぬかし、
027
終
(
しまひ
)
の
果
(
はて
)
にはフガフガフガと、
028
鼻声
(
はなごゑ
)
交
(
まじ
)
りに、
029
痘痕
(
あばた
)
の
面
(
つら
)
を
曝
(
さら
)
しつつ、
030
人
(
ひと
)
には
嫌
(
きら
)
はれ
鬼
(
おに
)
や
悪魔
(
あくま
)
と
厭
(
いや
)
がられ、
031
一人
(
ひとり
)
よがりの
ヒヨツトコ
男
(
をとこ
)
、
032
此処
(
ここ
)
にも
一人
(
ひとり
)
や
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は、
033
あるかも
知
(
し
)
れないバラモンの、
034
泥棒
(
どろばう
)
上
(
あが
)
りの
目付役
(
めつけやく
)
、
035
おつとどつこい
間違
(
まちが
)
つた。
036
泥棒
(
どろばう
)
やめて
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の、
037
誠
(
まこと
)
の
教
(
をしへ
)
に
コツクリコツ
と
帰順
(
きじゆん
)
をなされました。
038
それは
誠
(
まこと
)
に
誠
(
まこと
)
に
御
(
ご
)
結構
(
けつこう
)
とは
云
(
い
)
ふものの
行先
(
ゆくさき
)
が、
039
私
(
わたし
)
は
案
(
あん
)
じられてなりませぬ。
040
キヨの
港
(
みなと
)
に
着
(
つ
)
いたなら、
041
ウンバラサンバラ、
042
バラバラバラバラ バラモンの、
043
捕吏
(
とりて
)
の
奴
(
やつ
)
等
(
ら
)
がやつて
来
(
き
)
て、
044
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
045
神
(
かみ
)
の
使
(
つかひ
)
を
初
(
はじ
)
めとし、
046
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
二人
(
ふたり
)
を
引
(
ひ
)
んづかみ、
047
惨
(
むご
)
い
目
(
め
)
見
(
み
)
せて
呉
(
く
)
れむずと、
048
心
(
こころ
)
の
鬼
(
おに
)
が
角
(
つの
)
生
(
は
)
やし、
049
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
るのに
違
(
ちが
)
ひない、
050
カカポコカカポコ、
051
ポコポコポコ。
052
人
(
ひと
)
の
心
(
こころ
)
は
分
(
わか
)
らない、
053
改心
(
かいしん
)
したと
見
(
み
)
せかけて、
054
これの
湖水
(
こすい
)
をまんまと
渡
(
わた
)
り、
055
岸
(
きし
)
へヒヨツクリコと
登
(
のぼ
)
るや
否
(
いな
)
や、
056
又
(
また
)
もや
地金
(
ぢがね
)
を
現
(
あら
)
はして、
057
目付
(
めつけ
)
の
役
(
やく
)
を
振
(
ふ
)
り
廻
(
まは
)
し、
058
難
(
むつかし
)
い
顔
(
かほ
)
をして
居
(
ゐ
)
るだらう。
059
何程
(
なにほど
)
改心
(
かいしん
)
したとても、
060
瓦
(
かはら
)
は
黄金
(
こがね
)
になりはせぬ。
061
身魂
(
みたま
)
の
悪
(
わる
)
い
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
、
062
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
ふやら
蜜柑
(
みかん
)
やら、
063
金柑
(
きんかん
)
桝
(
ます
)
で
量
(
はか
)
るやら、
064
橙
(
だいだい
)
だいの
厄介物
(
やくかいもの
)
よ、
065
これを
思
(
おも
)
へば
迂
(
う
)
つかりと、
066
温
(
ぬく
)
い
夢
(
ゆめ
)
みてネーブルと、
067
云
(
い
)
ふよな
訳
(
わけ
)
には
参
(
まゐ
)
らない。
068
罪
(
つみ
)
の
島
(
しま
)
へとやつて
来
(
き
)
て、
069
蟹
(
かに
)
や
貝
(
かひ
)
をば
漁
(
あさ
)
りつつ、
070
寄
(
よ
)
せ
来
(
く
)
る
浪
(
なみ
)
にも
怯
(
お
)
ぢ
怖
(
おそ
)
れ、
071
腹
(
はら
)
はペコペコ
胃袋
(
ゐぶくろ
)
を、
072
充実
(
じゆうじつ
)
させむと
穴
(
あな
)
さがし、
073
岩窟
(
いはや
)
の
口
(
くち
)
へとやつて
来
(
き
)
て、
074
俺
(
おれ
)
等
(
ら
)
の
両腕
(
りやううで
)
引掴
(
ひつつか
)
み、
075
バラバラバラと
引
(
ひ
)
き
裂
(
さ
)
いて、
076
頭
(
あたま
)
からかぶらうとした
奴
(
やつ
)
は、
077
矢張
(
やつぱ
)
り
鬼
(
おに
)
の
性来
(
しやうらい
)
だ。
078
これを
思
(
おも
)
へば
怖
(
おそ
)
ろしや、
079
チヤカポコチヤカポコ、
080
ポコポコポコ。
081
これこれ
申
(
まを
)
し
皆
(
みな
)
さまよ、
082
随分
(
ずいぶん
)
用心
(
ようじん
)
なさいませ、
083
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
を
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
せ、
084
虎穴
(
こけつ
)
に
入
(
い
)
つてやすやすと、
085
睡
(
ねむ
)
つて
居
(
ゐ
)
るよな
剣呑
(
けんのん
)
さ、
086
それより
一層
(
いつそう
)
今
(
いま
)
此処
(
ここ
)
で、
087
同盟軍
(
どうめいぐん
)
を
組織
(
そしき
)
して、
088
改心
(
かいしん
)
したと
見
(
み
)
せかけて、
089
猫
(
ねこ
)
を
被
(
かぶ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
狸
(
たぬき
)
、
090
成敗
(
せいばい
)
したらどうでしよか、
091
後
(
あと
)
の
後悔
(
こうくわい
)
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
はぬ、
092
こんな
奴
(
やつ
)
等
(
ら
)
の
命
(
いのち
)
をば、
093
助
(
たす
)
けた
所
(
ところ
)
で
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
に、
094
一
(
ひと
)
つもなるでは
有
(
あ
)
らうまい、
095
お
米
(
こめ
)
が
高
(
たか
)
うなる
許
(
ばか
)
り、
096
製糞
(
せいふん
)
機械
(
きかい
)
がウヨウヨと、
097
辛
(
から
)
い
時節
(
じせつ
)
に
迂路
(
うろ
)
づいて、
098
コソコソコソと
暗
(
くら
)
いとこ、
099
穴
(
あな
)
のありかを
嗅
(
かぎ
)
つけて、
100
スパイの
役
(
やく
)
をする
餓鬼
(
がき
)
は、
101
人間姿
(
にんげんすがた
)
の
犬畜生
(
いぬちくしやう
)
、
102
仇
(
あだ
)
を
打
(
う
)
つなら
今
(
いま
)
ぢやぞや、
103
チヤカポコチヤカポコ、
104
ポコポコポコ、
105
骨
(
ほね
)
と
皮
(
かは
)
とになり
果
(
は
)
てた、
106
ばつちよ
笠
(
がさ
)
見
(
み
)
たよな
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
の、
107
肉
(
にく
)
でも
叩
(
たた
)
いて
喰
(
くら
)
はうと、
108
企
(
たく
)
んだ
餓鬼
(
がき
)
は
怖
(
おそ
)
ろしい、
109
因縁
(
いんねん
)
悪
(
わる
)
い
生
(
うま
)
れつき、
110
可愛
(
かあい
)
さうだと
思
(
おも
)
へども、
111
吾
(
わが
)
身
(
み
)
が
可愛
(
かあい
)
と
思
(
おも
)
ふたら、
112
敵
(
てき
)
をムザムザ
許
(
ゆる
)
せない、
113
悪人輩
(
あくにんばら
)
を
平
(
たひら
)
げて、
114
根底
(
ねそこ
)
の
国
(
くに
)
へ
追
(
お
)
ひやれば、
115
キツと
世界
(
せかい
)
の
為
(
ため
)
となる、
116
杢平
(
もくべい
)
も
助
(
すけ
)
も、
117
田吾作
(
たごさく
)
も
喜
(
よろこ
)
んで、
118
お
前
(
まへ
)
は
世界
(
せかい
)
の
救
(
すく
)
ひ
主
(
ぬし
)
、
119
偉
(
えら
)
い
手柄
(
てがら
)
をして
呉
(
く
)
れた、
120
餅
(
もち
)
でもついて
祝
(
いは
)
はうと、
121
近所
(
きんじよ
)
合壁
(
がつぺき
)
呼
(
よ
)
び
集
(
つど
)
へ、
122
疳瘡
(
かんさう
)
や
痒癬
(
ひぜん
)
の
親方
(
おやかた
)
を、
123
ようま
殺
(
ころ
)
して
下
(
くだ
)
さつた、
124
なぞと
云
(
い
)
ひ
云
(
い
)
ひ
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて、
125
踊
(
をど
)
り
狂
(
くる
)
ふに
違
(
ちが
)
ひない、
126
ああ
面白
(
おもしろ
)
い
面白
(
おもしろ
)
い、
127
バラモン
軍
(
ぐん
)
の
目付役
(
めつけやく
)
、
128
ヤッコス、
129
ハール、
130
サボールの、
131
贋改心
(
にせかいしん
)
の
御
(
おん
)
大将
(
たいしやう
)
、
132
茲
(
ここ
)
に
本音
(
ほんね
)
を
吹
(
ふ
)
くがよい、
133
海賊船
(
かいぞくせん
)
に
出会
(
であ
)
つた
時
(
とき
)
、
134
お
前
(
まへ
)
の
視線
(
しせん
)
が
何
(
なん
)
となく、
135
奇妙
(
きめう
)
奇怪
(
きくわい
)
にキラキラと、
136
光
(
ひか
)
つて
居
(
ゐ
)
たのを
一寸
(
ちよつと
)
見
(
み
)
た。
137
あの
八艘
(
はつそう
)
の
賊船
(
ぞくせん
)
は、
138
初稚丸
(
はつわかまる
)
が
安々
(
やすやす
)
と、
139
キヨ
の
港
(
みなと
)
へ
着
(
つ
)
いた
時
(
とき
)
、
140
関守
(
せきもり
)
さまと
腹
(
はら
)
合
(
あは
)
せ、
141
先
(
さき
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
て、
142
苦労
(
くらう
)
もなしに
吾々
(
われわれ
)
を、
143
一網
(
いちまう
)
打尽
(
だじん
)
にふん
縛
(
じば
)
り、
144
甘
(
うま
)
く
目的
(
もくてき
)
達成
(
たつせい
)
し、
145
ハルナの
都
(
みやこ
)
の
鬼神
(
おにがみ
)
の、
146
前
(
まへ
)
に
手柄
(
てがら
)
を
立
(
た
)
てやうと、
147
深
(
ふか
)
く
企
(
たく
)
んで
厶
(
ござ
)
ろがな、
148
そんな
企
(
たく
)
みの
分
(
わか
)
らない、
149
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
神司
(
かむつかさ
)
、
150
神
(
かみ
)
の
使
(
つかひ
)
ぢやない
程
(
ほど
)
に、
151
改心
(
かいしん
)
するのがお
身
(
み
)
の
徳
(
とく
)
、
152
ダルに
的切
(
てつき
)
り
図星
(
づぼし
)
をば、
153
指
(
さ
)
されて
胸
(
むね
)
が
痛
(
いた
)
からう、
154
仮令
(
たとへ
)
天地
(
てんち
)
は
変
(
かは
)
るとも、
155
ダルの
言葉
(
ことば
)
は
変
(
かは
)
らない、
156
俺
(
おれ
)
の
眼
(
まなこ
)
で
睨
(
にら
)
んだら、
157
決
(
けつ
)
して
間違
(
まちが
)
ひ
無
(
な
)
い
程
(
ほど
)
に、
158
コラコラどうだバラモンの、
159
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
の
目付役
(
めつけやく
)
、
160
もう
斯
(
か
)
うなつた
上
(
うへ
)
からは、
161
お
前
(
まへ
)
の
心
(
こころ
)
の
黒幕
(
くろまく
)
を、
162
薩張
(
さつぱり
)
こんと
打
(
う
)
ちあけて、
163
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
のどん
底
(
ぞこ
)
の、
164
暗
(
くら
)
い
穴
(
あな
)
迄
(
まで
)
見
(
み
)
て
置
(
お
)
いた。
165
これに
間違
(
まちが
)
ひあるまいぞ、
166
これこれ
皆
(
みな
)
さまこのダルが、
167
申
(
まを
)
す
言葉
(
ことば
)
を
疑
(
うたが
)
はず、
168
固
(
かた
)
く
信
(
しん
)
じて
下
(
くだ
)
さんせ、
169
私
(
わたし
)
は
観相
(
くわんそう
)
に
妙
(
めう
)
を
得
(
え
)
た、
170
イヅミの
国
(
くに
)
で
名
(
な
)
の
高
(
たか
)
い、
171
ダルのシヤンクと
云
(
い
)
ふ
男
(
をとこ
)
、
172
天眼力
(
てんがんりき
)
で
調
(
しら
)
べました、
173
この
大湖
(
おほうみ
)
の
中央
(
まんなか
)
で、
174
一
(
ひと
)
つの
成敗
(
せいばい
)
なされませ、
175
後
(
あと
)
で
後悔
(
こうくわい
)
せぬやうに、
176
夫
(
そ
)
れ
夫
(
そ
)
れ
御覧
(
ごらん
)
それ
御覧
(
ごらん
)
、
177
心
(
こころ
)
の
色
(
いろ
)
が
現
(
あら
)
はれた、
178
青
(
あを
)
い
顔
(
かほ
)
してビリビリと、
179
手足
(
てあし
)
はワナワナ
慄
(
ふる
)
ひ
出
(
だ
)
す、
180
これが
外
(
はづ
)
れぬ
証拠
(
しようこ
)
です、
181
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
、
182
叶
(
かな
)
はぬからとて
涙
(
なみだ
)
ぐみ、
183
魂
(
たま
)
は
中空
(
ちうくう
)
に
飛
(
と
)
び
散
(
ち
)
つて、
184
ズ
蟹
(
がに
)
のやうに
目玉
(
めだま
)
迄
(
まで
)
、
185
一寸先
(
いつすんさき
)
へつん
出
(
で
)
てる、
186
さても
愚僧
(
ぐそう
)
が
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
を
遍歴
(
へんれき
)
し、
187
数千万
(
すうせんまん
)
の
人相
(
にんさう
)
を、
188
取
(
と
)
り
調
(
しら
)
べたる
経験
(
けいけん
)
上
(
じやう
)
、
189
どうしても
此奴
(
こいつ
)
は
悪人
(
あくにん
)
だ、
190
芝
(
しば
)
をかぶらにや
直
(
なほ
)
らない、
191
地獄
(
ぢごく
)
に
籍
(
せき
)
をおいて
居
(
ゐ
)
る、
192
奸怪
(
えうくわい
)
変化
(
へんげ
)
の
容器
(
いれもの
)
だ、
193
ああ
惟神
(
かむながら
)
、
194
あのまア
目玉
(
めだま
)
の
飛
(
と
)
び
出
(
で
)
やう、
195
アハハハハツハ、
196
アハハハハ。
197
呆
(
あき
)
れて
物
(
もの
)
が
云
(
い
)
はれない、
198
頭
(
あたま
)
を
掻
(
か
)
いて
俯向
(
うつむ
)
いて、
199
青
(
あを
)
い
顔
(
かほ
)
して
泡
(
あわ
)
を
吹
(
ふ
)
く、
200
イヒヒヒヒツヒイヒヒヒヒ。
201
種々
(
いろいろ
)
雑多
(
ざつた
)
と
言葉
(
ことば
)
を
構
(
かま
)
へ
佯
(
いつは
)
り
並
(
なら
)
べて
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
命
(
いのち
)
をば、
202
暫
(
しば
)
しながらへ、
203
陸
(
くが
)
に
登
(
のぼ
)
つた
其
(
その
)
上
(
うへ
)
で、
204
以心
(
いしん
)
伝心
(
でんしん
)
関守
(
せきもり
)
と、
205
異様
(
いやう
)
な
眼
(
まなこ
)
を
交換
(
かうくわん
)
し、
206
威張
(
ゐば
)
り
散
(
ち
)
らしてインチキに、
207
かけて
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
を
縛
(
しば
)
らむと、
208
企
(
たく
)
む
心
(
こころ
)
は
顔色
(
かほいろ
)
に、
209
すつかり
見
(
み
)
えて
居
(
を
)
りますぞ、
210
ウフフフフツフ、
211
ウフフフフ。
212
うかうか
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
りたなら、
213
動
(
うご
)
きの
取
(
と
)
れぬ
事
(
こと
)
になる、
214
甘
(
うま
)
い
言葉
(
ことば
)
を
並
(
なら
)
べたて、
215
甘
(
うま
)
い
汁
(
しる
)
をば
絞
(
しぼ
)
らうと、
216
甘
(
うま
)
く
企
(
たく
)
んだ
大泥棒
(
おほどろばう
)
、
217
バラモン
教
(
けう
)
の
目付役
(
めつけやく
)
、
218
ヤッコス、
219
ハール、
220
サボールの、
221
迂散
(
うさん
)
な
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
なされや、
222
うるさい
奴
(
やつ
)
が
乗
(
の
)
つたものだ。
223
エヘヘヘヘツヘ、
224
エヘヘヘヘ。
225
えぐいと
云
(
い
)
つてもこれ
位
(
くらゐ
)
、
226
えぐたらしい、
227
餓鬼
(
がき
)
どもが
又
(
また
)
と
世界
(
せかい
)
に
有
(
あ
)
りませうか、
228
遠慮
(
ゑんりよ
)
会釈
(
ゑしやく
)
はいらないで、
229
今
(
いま
)
から
師弟
(
してい
)
の
縁
(
えん
)
を
切
(
き
)
り、
230
えたい
の
知
(
し
)
れぬ
餓鬼
(
がき
)
共
(
ども
)
を、
231
一
(
ひと
)
つ
成敗
(
せいばい
)
なされませ、
232
オホホホホツホ、
233
オホホホホ。
234
怖
(
おそ
)
ろし
企
(
たく
)
みを
懐
(
いだ
)
いてる、
235
鬼
(
おに
)
か
大蛇
(
をろち
)
か
曲神
(
まがかみ
)
の、
236
お
化
(
ばけ
)
に
等
(
ひと
)
しき
横道
(
わうど
)
もの、
237
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
が
現
(
あら
)
はれて、
238
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へばお
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
、
239
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
つたかバラモンの、
240
海賊
(
かいぞく
)
上
(
あが
)
りの
目付役
(
めつけやく
)
、
241
俺
(
おれ
)
の
言葉
(
ことば
)
が
違
(
ちが
)
ふたら、
242
お
前
(
まへ
)
の
前
(
まへ
)
で
尻
(
しり
)
まくり、
243
犬蹲
(
いぬつくばひ
)
になつてやろ、
244
カカカカカツカ、
245
カカカカカ。
246
叶
(
かな
)
はぬ
時
(
とき
)
の
神頼
(
かみだの
)
み、
247
蟹
(
かに
)
のやうなる
泡
(
あわ
)
吹
(
ふ
)
ひて、
248
悲
(
かな
)
しみ
歎
(
なげ
)
いて
見
(
み
)
た
所
(
とこ
)
で、
249
もう
勘忍
(
かんにん
)
は
出来
(
でき
)
ないで、
250
観念
(
くわんねん
)
するのが
第一
(
だいいち
)
だ、
251
チヤカポコチヤカポコ、
252
ポコポコポコ、
253
未
(
ま
)
だ
未
(
ま
)
だ
先
(
さき
)
はあるけれど、
254
頂
(
いただ
)
くお
金
(
かね
)
の
愛想
(
あいそ
)
だけ、
255
此
(
この
)
先
(
さき
)
聞
(
きこ
)
うと
思
(
おも
)
ふたら、
256
お
金
(
かね
)
を
沢山
(
どつさり
)
下
(
くだ
)
しやんせ、
257
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
正念場
(
しやうねんば
)
、
258
供養
(
くやう
)
の
為
(
ため
)
にダルさまが、
259
ゆるゆる
申
(
まを
)
し
述
(
の
)
べませう、
260
カカポコ カカポコ ポコポコポコ』
261
ダルに
素
(
す
)
ツ
破
(
ぱ
)
抜
(
ぬ
)
かれて、
262
ヤッコス
外
(
ほか
)
二人
(
ふたり
)
は
顔色
(
がんしよく
)
を
変
(
か
)
へ、
263
肩
(
かた
)
で
息
(
いき
)
をして
船底
(
ふなぞこ
)
へ
小
(
ちひ
)
さくなつて
踞
(
しやがん
)
で
居
(
ゐ
)
る、
264
伊太彦
(
いたひこ
)
は
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
前
(
まへ
)
に
進
(
すす
)
み
寄
(
よ
)
り、
265
伊太
(
いた
)
『オイ、
266
ヤッコス、
267
お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
は
何
(
なに
)
さう
鬱
(
ふさ
)
いで
居
(
ゐ
)
るのだ。
268
滑稽
(
こつけい
)
交
(
まじ
)
りの
阿呆
(
あほ
)
陀羅
(
だら
)
がお
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
は
気分
(
きぶん
)
が
悪
(
わる
)
いのか、
269
誰
(
たれ
)
があんな
事
(
こと
)
本当
(
ほんたう
)
にするものか、
270
間違
(
まちが
)
つて、
271
よしやお
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
がダルの
云
(
い
)
つた
通
(
とほ
)
りの
悪人
(
あくにん
)
であつたにせよ、
272
酷
(
ひど
)
い
事
(
こと
)
はしないよ。
273
そんな
事
(
こと
)
をする
位
(
くらゐ
)
なら、
274
罪
(
つみ
)
の
島
(
しま
)
へ
残
(
のこ
)
して
置
(
お
)
くのだ。
275
吾々
(
われわれ
)
は
紳士
(
しんし
)
的
(
てき
)
態度
(
たいど
)
を
取
(
と
)
るものだ。
276
決
(
けつ
)
して
卑怯
(
ひけふ
)
な
事
(
こと
)
はしないよ。
277
夫
(
それ
)
よりも
歌
(
うた
)
でも
歌
(
うた
)
つて
機嫌
(
きげん
)
を
直
(
なほ
)
したまへ。
278
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
先生
(
せんせい
)
だつて
些
(
ちつ
)
とも
気
(
き
)
にかけて
厶
(
ござ
)
るやうな
方
(
かた
)
ではないからなア』
279
ヤッコス『ハイ
有難
(
ありがた
)
う
厶
(
ござ
)
います。
280
それを
承
(
うけたま
)
はつて
安心
(
あんしん
)
致
(
いた
)
しました。
281
ダルの
奴
(
やつ
)
どこ
迄
(
まで
)
も
私
(
わたし
)
を
恨
(
うら
)
んであんな
讒言
(
ざんげん
)
するのです。
282
何卒
(
どうぞ
)
御
(
ご
)
推量
(
すいりやう
)
下
(
くだ
)
さいませ』
283
伊太
(
いた
)
『ヨシヨシ、
284
誰
(
たれ
)
も
彼
(
か
)
れもみんな、
285
心
(
こころ
)
の
盲
(
めくら
)
は
居
(
ゐ
)
ないから、
286
腹
(
はら
)
のどん
底
(
ぞこ
)
迄
(
まで
)
分
(
わか
)
つて
居
(
ゐ
)
るのだ。
287
仮令
(
たとへ
)
仮
(
かり
)
にお
前
(
まへ
)
がダルの
云
(
い
)
つたやうな
事
(
こと
)
を
企
(
たく
)
んで
居
(
を
)
つたつて、
288
そんな
事
(
こと
)
にびくつくやうなものは
一人
(
ひとり
)
も
居
(
ゐ
)
ないのだから、
289
安心
(
あんしん
)
したがよからう。
290
お
前
(
まへ
)
も
一
(
ひと
)
つ
歌
(
うた
)
でも
歌
(
うた
)
つて
船中
(
せんちう
)
の
無聊
(
ぶれう
)
を
慰
(
なぐさ
)
めたらどうだ』
291
ヤッコス『ハイ、
292
有難
(
ありがた
)
う
厶
(
ござ
)
います。
293
そんならお
言葉
(
ことば
)
に
甘
(
あま
)
へ
長
(
なが
)
の
航路
(
かうろ
)
で
厶
(
ござ
)
いますから、
294
不調法
(
ぶてうはふ
)
ながら
歌
(
うた
)
はして
頂
(
いただ
)
きませう』
295
伊太
(
いた
)
『ヨシヨシ、
296
何
(
なん
)
でも
構
(
かま
)
はぬ、
297
一
(
ひと
)
つ
機嫌
(
きげん
)
を
直
(
なほ
)
して
歌
(
うた
)
つてくれ』
298
ヤッコス『ハイ
有難
(
ありがた
)
う、
299
御免
(
ごめん
)
下
(
くだ
)
さい』
300
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
301
ダルの
前
(
まへ
)
にツカツカと
進
(
すす
)
み、
302
ダルが
左右
(
さいう
)
の
耳
(
みみ
)
を
自分
(
じぶん
)
の
両手
(
りやうて
)
でグツと
握
(
にぎ
)
り、
303
顔
(
かほ
)
を
前
(
まへ
)
へ
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
して、
304
一口
(
ひとくち
)
歌
(
うた
)
つては、
305
首
(
くび
)
をしやくり、
306
一口
(
ひとくち
)
歌
(
うた
)
つては
首
(
くび
)
をしやくり
乍
(
なが
)
ら
弁解
(
べんかい
)
的
(
てき
)
阿呆駄羅
(
あほうだら
)
経
(
きやう
)
を
喋
(
しやべ
)
り
出
(
だ
)
した。
307
(
大正一二・三・二九
旧二・一三
於皆生温泉浜屋
加藤明子
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