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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第3巻(寅の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 国魂の配置
第1章 神々の任命
第2章 八王神の守護
第2篇 新高山
第3章 渓間の悲劇
第4章 鶴の首
第3篇 ロツキー山
第5章 不審の使神
第6章 籠の鳥
第7章 諷詩の徳
第8章 従神司の殊勲
第4篇 鬼城山
第9章 弁者と弁者
第10章 無分別
第11章 裸体の道中
第12章 信仰の力
第13章 嫉妬の報
第14章 霊系の抜擢
第5篇 万寿山
第15章 神世の移写
第16章 玉ノ井の宮
第17章 岩窟の修業
第18章 神霊の遷座
第6篇 青雲山
第19章 楠の根元
第20章 晴天白日
第21章 狐の尻尾
第22章 神前の審判
第7篇 崑崙山
第23章 鶴の一声
第24章 蛸間山の黒雲
第25章 邪神の滅亡
第26章 大蛇の長橋
第8篇 神界の変動
第27章 不意の昇天
第28章 苦心惨憺
第29章 男波女波
第30章 抱擁帰一
第31章 竜神の瀑布
第32章 破軍の剣
第9篇 隠神の活動
第33章 巴形の斑紋
第34章 旭日昇天
第35章 宝の埋換
第36章 唖者の叫び
第37章 天女の舞曲
第38章 四十八滝
第39章 乗合舟
第10篇 神政の破壊
第40章 国の広宮
第41章 二神の帰城
第42章 常世会議
第43章 配所の月
第11篇 新規蒔直し
第44章 可賀天下
第45章 猿猴と渋柿
第46章 探湯の神事
第47章 夫婦の大道
第48章 常夜の闇
第49章 袖手傍観
第12篇 霊力体
第50章 安息日
岩井温泉紀行歌
余白歌
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第3巻(寅の巻)
> 第3篇 ロツキー山 > 第7章 諷詩の徳
<<< 籠の鳥
(B)
(N)
従神司の殊勲 >>>
第七章
諷詩
(
ふうし
)
の
徳
(
とく
)
〔一〇七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻
篇:
第3篇 ロツキー山
よみ(新仮名遣い):
ろっきーざん
章:
第7章 諷詩の徳
よみ(新仮名遣い):
ふうしのとく
通し章番号:
107
口述日:
1921(大正10)年11月14日(旧10月15日)
口述場所:
筆録者:
土井靖都
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年3月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
天使長・大八洲彦命は、偽の国直姫命、国治立命によってロッキー山は占領され、貴治彦や靖国別夫婦が追放され、言霊別命が捕虜となったことを知った。神軍を派遣してロッキー山を奪回するのは難事ではないが、捕虜となった言霊別命の身の上が案じられた。
言霊別命の従者に、忠勇義烈の神・言代別という神人があった。言代別は、自らロッキー山に潜入して言霊別命を救出する計画を提案した。大八洲彦命はこれを許可した。
言代別は偽の如意宝珠を用意し、ロッキー山の国直姫命に献上した。そしてこの功績によって、ロッキー山の獄卒の職を得た。言代別は言霊別命のつながれている獄を見つけ出し、ある日酒宴が張られたのを幸い、言霊別命を手引きして、見事に脱出せしめることに成功した。
またその後も自らは敵中にとどまり、ロッキー山奪回のための活動を続けた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-04-28 15:13:28
OBC :
rm0307
愛善世界社版:
42頁
八幡書店版:
第1輯 274頁
修補版:
校定版:
43頁
普及版:
18頁
初版:
ページ備考:
001
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
は、
002
ロツキー
山
(
ざん
)
は
悪神
(
あくがみ
)
のために
根底
(
こんてい
)
より
覆
(
くつが
)
へされ、
003
貴治彦
(
たかはるひこ
)
、
004
靖国別
(
やすくにわけ
)
夫妻
(
ふさい
)
のいづこともなく
逃亡
(
たうばう
)
し、
005
かつ
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
は
敵
(
てき
)
のために
捕
(
とら
)
はれ、
006
牢獄
(
らうごく
)
につながれ
呻吟
(
しんぎん
)
せることを
知
(
し
)
り、
007
ここに
諸神司
(
しよしん
)
を
集
(
あつ
)
めて、
008
ロツキー
山
(
ざん
)
を
回復
(
くわいふく
)
し、
009
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
を
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
さむことを
協議
(
けふぎ
)
したまひぬ。
010
諸神司
(
しよしん
)
は
鳩首
(
きうしゆ
)
謀議
(
ぼうぎ
)
の
結果
(
けつくわ
)
、
011
神軍
(
しんぐん
)
をおこしてロツキー
山
(
ざん
)
を
一挙
(
いつきよ
)
に
奪還
(
だつくわん
)
するは、
012
さまで
難事
(
なんじ
)
にあらざれども、
013
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
の
身辺
(
しんぺん
)
にかへつて
危険
(
きけん
)
の
迫
(
せま
)
らむことを
慮
(
おもんばか
)
り、
014
表面
(
へうめん
)
これを
攻撃
(
こうげき
)
することを
躊躇
(
ちうちよ
)
したまひぬ。
015
ここに
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
の
侍者
(
じしや
)
に、
016
忠勇
(
ちうゆう
)
義烈
(
ぎれつ
)
の
誉
(
ほまれ
)
高
(
たか
)
き
言代別
(
ことしろわけ
)
といふ
者
(
もの
)
ありき。
017
言代別
(
ことしろわけ
)
は
恐
(
おそ
)
るおそる
諸神将
(
しよしんしよう
)
の
前
(
まへ
)
に
出
(
い
)
で、
018
『
我
(
われ
)
つらつら
考
(
かんが
)
ふるに、
019
ロツキー
山
(
ざん
)
の
攻撃
(
こうげき
)
に
先
(
さき
)
だち、
020
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
を
救
(
すく
)
ひださざれば、
021
命
(
みこと
)
は
人質
(
ひとじち
)
同様
(
どうやう
)
なれば、
022
魔軍
(
まぐん
)
は
危急
(
ききふ
)
におちいりたる
場合
(
ばあひ
)
、
023
命
(
みこと
)
を
殺害
(
さつがい
)
したてまつるは
必定
(
ひつぢやう
)
なり。
024
我
(
われ
)
は「
偽
(
いつは
)
るなかれ」の
厳
(
きび
)
しき
律法
(
りつぱう
)
を
破
(
やぶ
)
りみづから
犠牲
(
ぎせい
)
となりて、
025
我
(
わ
)
が
主
(
しゆ
)
を
救
(
すく
)
ひたてまつらむとす。
026
幸
(
さいはひ
)
にこの
大任
(
たいにん
)
を
我
(
われ
)
に
許
(
ゆる
)
したまへ』
027
と
誠心
(
まごころ
)
おもてに
表
(
あら
)
はして
嘆願
(
たんぐわん
)
したりければ、
028
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
は
打
(
う
)
ちうなづき、
029
『
汝
(
なんぢ
)
は
主
(
しゆ
)
を
救
(
すく
)
はむとして
敵
(
てき
)
を
偽
(
いつは
)
らむとする
行為
(
かうゐ
)
は、
030
元来
(
ぐわんらい
)
忠良
(
ちうりやう
)
の
真情
(
まごころ
)
よりいでたるものなれば
決
(
けつ
)
して
罪
(
つみ
)
とならざるべし。
031
すみやかにロツキー
山
(
ざん
)
にいたりて
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
を
救
(
すく
)
ひだせよ』
032
と
命
(
めい
)
じたまひぬ。
033
言代別
(
ことしろわけ
)
はおほいに
悦
(
よろこ
)
び
天
(
てん
)
にも
昇
(
のぼ
)
る
心地
(
ここち
)
して、
034
ただちにロツキー
山
(
ざん
)
にむかひける。
035
言代別
(
ことしろわけ
)
は
円
(
まる
)
き
石
(
いし
)
に
金鍍金
(
きんめつき
)
をほどこし、
036
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
の
珠
(
たま
)
を
偽造
(
ぎざう
)
して
懐中
(
くわいちう
)
に
深
(
ふか
)
く
秘蔵
(
ひざう
)
し、
037
ロツキー
山
(
ざん
)
の
南門
(
なんもん
)
に
現
(
あら
)
はれ、
038
『
国直姫
(
くになほひめの
)
命
(
みこと
)
に
奉
(
たてまつ
)
るべき
珍宝
(
ちんぽう
)
あり。
039
拝謁
(
はいえつ
)
を
乞
(
こ
)
ひたし。
040
願
(
ねが
)
はくば
貴下
(
きか
)
らの
斡旋
(
あつせん
)
によりこの
由
(
よし
)
を
奏上
(
そうじやう
)
されむことを』
041
と、
042
言葉
(
ことば
)
たくみに
頼
(
たの
)
みこみけるを、
043
番卒
(
ばんそつ
)
はいふ。
044
『
果
(
はた
)
して
貴下
(
きか
)
が
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
の
珠
(
たま
)
を
所持
(
しよぢ
)
さるるならば、
045
我
(
われ
)
らに
一目
(
ひとめ
)
拝観
(
はいくわん
)
せしめよ。
046
珠
(
たま
)
の
有無
(
うむ
)
をたしかめざるにおいては、
047
軽々
(
かるがる
)
しく
奏上
(
そうじやう
)
することを
得
(
え
)
ず』
048
とてやや
難色
(
なんしよく
)
ありければ
言代別
(
ことしろわけ
)
は、
049
『
貴下
(
きか
)
の
仰
(
おほ
)
せ
実
(
げ
)
に
尤
(
もつと
)
もなり』
050
とて
懐
(
ふところ
)
をひらき、
051
金色
(
きんしよく
)
燦然
(
さんぜん
)
たる
珠
(
たま
)
の
一部
(
いちぶ
)
を
現
(
あら
)
はし
見
(
み
)
せたるに、
052
番卒
(
ばんそつ
)
はこれを
上級
(
じやうきふ
)
の
神司
(
かみ
)
に
伝
(
つた
)
へ、
053
漸次
(
ぜんじ
)
国直姫
(
くになほひめの
)
命
(
みこと
)
にこの
次第
(
しだい
)
を
奏上
(
そうじやう
)
したりける。
054
国直姫
(
くになほひめの
)
命
(
みこと
)
は、
055
『ロツキー
山
(
ざん
)
には
未
(
いま
)
だ
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
の
珠
(
たま
)
なきを
憾
(
うら
)
みとす。
056
しかるに
天運
(
てんうん
)
循環
(
じゆんかん
)
してここに
珍宝
(
ちんぽう
)
の
手
(
て
)
に
入
(
い
)
るは、
057
いよいよ
願望
(
ぐわんばう
)
成就
(
じやうじゆ
)
の
時期
(
じき
)
到来
(
たうらい
)
せしならむ。
058
すみやかに
言代別
(
ことしろわけ
)
を
我
(
わ
)
が
前
(
まへ
)
によびきたれ』
059
といそいそとして
命令
(
めいれい
)
したり。
060
かくて
言代別
(
ことしろわけ
)
はしばらくして
城内
(
じやうない
)
の
神司
(
かみがみ
)
にみちびかれ、
061
国直姫
(
くになほひめの
)
命
(
みこと
)
の
前
(
まへ
)
に
現
(
あら
)
はれ
一礼
(
いちれい
)
の
後
(
のち
)
、
062
懐中
(
くわいちゆう
)
より
珠
(
たま
)
を
取出
(
とりだ
)
し
八足
(
やたり
)
の
机上
(
きじやう
)
にうやうやしく
安置
(
あんち
)
し、
063
『
吾
(
われ
)
こそは
高白山
(
かうはくざん
)
の
麓
(
ふもと
)
に
住
(
す
)
む
言代別
(
ことしろわけ
)
といふ
者
(
もの
)
なり。
064
いまや
当山
(
たうざん
)
に
国治立
(
くにはるたちの
)
大神
(
おほかみ
)
現
(
あら
)
はれたまふと
聞
(
き
)
きて
歓喜
(
くわんき
)
にたへず。
065
吾
(
われ
)
は
往古
(
わうこ
)
より
家
(
いへ
)
に
伝
(
つた
)
はる
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
の
珠
(
たま
)
を
持参
(
ぢさん
)
し、
066
これを
大神
(
おほかみ
)
に
奉
(
たてまつ
)
り、
067
もつて
神業
(
しんげふ
)
に
参加
(
さんか
)
せむと
欲
(
ほつ
)
し、
068
遠
(
とほ
)
き
山河
(
さんか
)
を
越
(
こ
)
えてここに
参
(
まゐ
)
のぼりたり』
069
と
言葉
(
ことば
)
をつくして
奏上
(
そうじやう
)
したるに、
070
国直姫
(
くになほひめの
)
命
(
みこと
)
はおほいに
悦
(
よろこ
)
び、
071
その
珠
(
たま
)
を
手
(
て
)
にとり
熟視
(
じゆくし
)
して
満面
(
まんめん
)
笑
(
ゑみ
)
を
含
(
ふく
)
み、
072
『
実
(
げ
)
に
稀代
(
きたい
)
の
珍宝
(
ちんぽう
)
なり。
073
汝
(
なんぢ
)
はこの
珠
(
たま
)
を
奉
(
たてまつ
)
りし
功
(
こう
)
により、
074
いかなる
望
(
のぞ
)
みなりとも
叶
(
かな
)
へつかはさむ』
075
と
宣言
(
せんげん
)
せり。
076
言代別
(
ことしろわけ
)
は
頓首
(
とんしゆ
)
再拝
(
さいはい
)
、
077
喜色
(
きしよく
)
満面
(
まんめん
)
にあふれ、
078
『
実
(
げ
)
に
有難
(
ありがた
)
き
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
仰
(
おほ
)
せ、
079
御恩
(
ごおん
)
は
海山
(
うみやま
)
に
代
(
か
)
へがたし。
080
願
(
ねが
)
はくば
卑
(
いや
)
しき
吾
(
われ
)
をして
牢獄
(
らうごく
)
の
番卒
(
ばんそつ
)
たらしめたまへ、
081
これに
過
(
す
)
ぎたるよろこびはなし』
082
と
願
(
ねが
)
ひけるに、
083
国直姫
(
くになほひめの
)
命
(
みこと
)
は
少
(
すこ
)
しく
首
(
かうべ
)
をかたむけ、
084
『
心得
(
こころえ
)
ぬ
汝
(
なんぢ
)
が
望
(
のぞ
)
み、
085
かかる
麗
(
うるは
)
しき
世界
(
せかい
)
の
珍宝
(
ちんぽう
)
を
奉
(
まつ
)
りたる
功労者
(
こうらうしや
)
でありながら、
086
何
(
なに
)
を
苦
(
くる
)
しみてかかる
卑
(
いや
)
しき
職
(
しよく
)
を
求
(
もと
)
むるや』
087
と
反問
(
はんもん
)
するを、
088
言代別
(
ことしろわけ
)
はただちに
言葉
(
ことば
)
を
反
(
かへ
)
していふ。
089
『
諺
(
ことわざ
)
にも
喬木
(
けうぼく
)
よく
風
(
かぜ
)
にあたり、
090
出
(
で
)
る
杭
(
くひ
)
は
打
(
う
)
たれ、
091
高
(
たか
)
きに
昇
(
のぼ
)
る
者
(
もの
)
は、
092
地
(
ち
)
に
落
(
お
)
つることありと
聞
(
き
)
きおよぶ。
093
吾
(
われ
)
は
役目
(
やくめ
)
の
高下
(
かうげ
)
を
望
(
のぞ
)
まず、
094
ただ
誠心
(
せいしん
)
誠意
(
せいい
)
大神
(
おほかみ
)
に
仕
(
つか
)
へ、
095
神業
(
しんげふ
)
の
一端
(
いつたん
)
に
加
(
くは
)
へたまはばこれに
過
(
す
)
ぎたる
幸
(
さいはひ
)
なし。
096
それとも
吾
(
わ
)
が
技倆
(
ぎりよう
)
を
大神
(
おほかみ
)
において
認
(
みと
)
めたまはば、
097
其
(
そ
)
のとき
相当
(
さうたう
)
の
地位
(
ちゐ
)
を
与
(
あた
)
へたまふべし。
098
急
(
きふ
)
に
上職
(
じやうしよく
)
をたまはるより
漸次
(
ぜんじ
)
に
重
(
おも
)
く
用
(
もち
)
ゐさせたまはば、
099
吾
(
わ
)
が
一身
(
いつしん
)
にとりてもつとも
安全
(
あんぜん
)
ならむ』
100
との
言
(
げん
)
に、
101
国直姫
(
くになほひめの
)
命
(
みこと
)
は
言代別
(
ことしろわけ
)
の
名利
(
めいり
)
を
求
(
もと
)
めず、
102
寡欲
(
くわよく
)
恬淡
(
てんたん
)
なるに
感激
(
かんげき
)
し、
103
ただちにその
乞
(
こ
)
ひを
容
(
い
)
れて
牢獄
(
らうごく
)
の
番卒
(
ばんそつ
)
仲間
(
なかま
)
に
加
(
くは
)
へけり。
104
言代別
(
ことしろわけ
)
は
日夜
(
にちや
)
番卒
(
ばんそつ
)
として
忠実
(
ちうじつ
)
に
奉務
(
ほうむ
)
し、
105
心
(
こころ
)
ひそかに
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
の
繋
(
つな
)
がれたる
牢獄
(
らうごく
)
を
探
(
さぐ
)
りゐたりける。
106
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
は
頭髪
(
とうはつ
)
長
(
なが
)
く
背後
(
はいご
)
に
伸
(
の
)
び、
107
髯
(
ひげ
)
は
胸先
(
むなさき
)
に
垂
(
た
)
れ、
108
顔色
(
がんしよく
)
憔悴
(
せうすい
)
して、
109
ほとんど
見擬
(
みまが
)
ふばかりの
姿
(
すがた
)
と
変
(
へん
)
じゐたまへば、
110
言代別
(
ことしろわけ
)
は
命
(
みこと
)
の
御
(
お
)
姿
(
すがた
)
を
認
(
みと
)
めること
容易
(
ようい
)
ならざりける。
111
あるとき
国治立
(
くにはるたちの
)
命
(
みこと
)
出現
(
しゆつげん
)
の
祝
(
いは
)
ひとして、
112
ロツキー
山
(
ざん
)
の
城内
(
じやうない
)
に
祝宴
(
しゆくえん
)
を
張
(
は
)
られ、
113
また
獄卒
(
ごくそつ
)
一般
(
いつぱん
)
は
獄前
(
ごくぜん
)
において
祝意
(
しゆくい
)
を
表
(
へう
)
するため、
114
酒宴
(
しゆえん
)
を
催
(
もよほ
)
しける。
115
獄卒
(
ごくそつ
)
は
珍
(
めづら
)
しき
酒肴
(
しゆかう
)
に
酔
(
よ
)
ひ、
116
あるひは
舞
(
ま
)
ひ、
117
あるひはうたひ、
118
踊
(
をど
)
りて
立騒
(
たちさわ
)
ぎけり。
119
中
(
なか
)
に
言代別
(
ことしろわけ
)
は
立
(
た
)
ちて
歌
(
うた
)
をうたひ、
120
踊
(
をど
)
りはじめたり。
121
その
歌
(
うた
)
は、
122
昔
(
むかし
)
の
昔
(
むかし
)
のさる
昔
(
むかし
)
猿
(
さる
)
が
三疋
(
さんびき
)
飛
(
と
)
ンできて
123
鬼
(
おに
)
に
遂
(
お
)
はれて
二疋
(
にひき
)
は
逃
(
に
)
げた。
124
残
(
のこ
)
りの
一疋
(
いつぴき
)
捕
(
とら
)
まへられて
125
いまは
鬼
(
おに
)
らの
玩弄
(
おもちや
)
とせられ
暗
(
くら
)
い
穴
(
あな
)
へとほりこまれ
126
消息
(
たより
)
せうにも
言伝
(
ことづて
)
しよにも いまは
詮
(
せん
)
なしただ
一言
(
いちごん
)
の
127
言霊別
(
ことたまわけ
)
の
神代
(
かみしろ
)
と
現
(
あら
)
はれいでし
言代別
(
ことしろわけ
)
の
128
わけて
苦
(
くる
)
しき
暗
(
やみ
)
の
夜半
(
よは
)
高天原
(
たかあまはら
)
より
降
(
くだ
)
りきて
129
お
猿
(
さる
)
の
命
(
いのち
)
を
助
(
たす
)
けむと
思
(
おも
)
ふ
手段
(
てだて
)
は
有明
(
ありあけ
)
の
130
十五
(
じふご
)
の
月
(
つき
)
のまンまるい
光
(
ひかり
)
をあてに
飛
(
と
)
ンで
出
(
で
)
よ。
131
猿
(
さる
)
が
餅
(
もち
)
搗
(
つ
)
きや、
132
兎
(
うさぎ
)
がまぜる。
133
まぜる
兎
(
うさぎ
)
が
言代別
(
ことしろわけ
)
よ。
134
今年
(
ことし
)
や
豊年
(
ほうねん
)
満作
(
まんさく
)
ぢや。
135
心持
(
こころもち
)
よき
望月
(
もちづき
)
の
136
光
(
ひかり
)
とともに
飛
(
と
)
ンで
出
(
で
)
よ。
137
光
(
ひかり
)
とともに
飛
(
と
)
ンで
出
(
で
)
よ。
138
よいとさのよいとさ さつさとぬけ
出
(
で
)
て
東
(
ひがし
)
へ
走
(
はし
)
れ。
139
東
(
ひがし
)
に
羊
(
ひつじ
)
が
千疋
(
せんびき
)
をつて
猿
(
さる
)
をかかへて
飛
(
と
)
ンでゆく。
140
よいとさのよいとさ。
141
と
節
(
ふし
)
面白
(
おもしろ
)
くみづから
謡
(
うた
)
ひみづから
踊
(
をど
)
り
狂
(
くる
)
ふにぞ、
142
あまたの
番卒
(
ばんそつ
)
は
何
(
なん
)
の
意味
(
いみ
)
なるやを
知
(
し
)
らず、
143
ただ
面白
(
おもしろ
)
き
歌
(
うた
)
とのみ
思
(
おも
)
ひて
笑
(
わら
)
ふばかりなりける。
144
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
はこの
歌
(
うた
)
を
聞
(
き
)
きて
言代別
(
ことしろわけ
)
の
我
(
われ
)
を
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
さむために
番卒
(
ばんそつ
)
となり、
145
合図
(
あひづ
)
の
歌
(
うた
)
をうたひしものと
大
(
おほ
)
いによろこび、
146
十五夜
(
じふごや
)
の
月
(
つき
)
を
待
(
ま
)
ちゐたまひぬ。
147
昼
(
ひる
)
きたり
夜
(
よる
)
去
(
さ
)
りて、
148
つひには
仲秋
(
ちゆうしう
)
の
月
(
つき
)
の
夜
(
よ
)
となりぬ。
149
国直姫
(
くになほひめの
)
命
(
みこと
)
以下
(
いか
)
の
曲人
(
まがびと
)
は、
150
高台
(
たかだい
)
に
昇
(
のぼ
)
り
月見
(
つきみ
)
の
宴
(
えん
)
を
催
(
もよほ
)
しゐたれば、
151
番卒
(
ばんそつ
)
もまた
一所
(
いつしよ
)
に
集
(
あつ
)
まりて
月見
(
つきみ
)
の
宴
(
えん
)
を
開
(
ひら
)
き、
152
酒
(
さけ
)
に
酔
(
よ
)
ひくるひ
面白
(
おもしろ
)
き
歌
(
うた
)
をうたひて
余念
(
よねん
)
なくたわむれゐたりけり。
153
このとき
言代別
(
ことしろわけ
)
は、
154
ふたたび
以前
(
いぜん
)
の
歌
(
うた
)
をうたひ
牢獄
(
らうごく
)
を
見廻
(
みまは
)
りぬ。
155
ある
牢獄
(
らうごく
)
の
中
(
なか
)
より
小声
(
こごゑ
)
にて、
156
『
言代別
(
ことしろわけ
)
』
157
と
呼
(
よ
)
ぶ
声
(
こゑ
)
あり。
158
疑
(
うたが
)
ひもなく
聞
(
き
)
きおぼえたる
主
(
しゆ
)
の
声
(
こゑ
)
なるに、
159
言代別
(
ことしろわけ
)
は
大
(
おほ
)
いによろこび、
160
ただちに
戸
(
と
)
をひらき
縛
(
いましめ
)
を
解
(
と
)
き、
161
やつれたる
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
を
背
(
せ
)
に
負
(
お
)
ひ、
162
東門
(
とうもん
)
指
(
さ
)
して
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
したり。
163
外
(
そと
)
には
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
の
部下
(
ぶか
)
の
神卒
(
しんそつ
)
あまた
現
(
あら
)
はれきたり、
164
命
(
みこと
)
を
天磐船
(
あまのいはふね
)
に
乗
(
の
)
せ、
165
天空
(
てんくう
)
高
(
たか
)
くロツキー
山
(
ざん
)
を
後
(
あと
)
に、
166
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
へ
無事
(
ぶじ
)
帰還
(
きくわん
)
したりける。
167
言代別
(
ことしろわけ
)
は
何喰
(
なにく
)
はぬ
顔
(
かほ
)
にて
牢獄
(
らうごく
)
の
戸
(
と
)
を
閉
(
と
)
ぢ、
168
もとのごとく
酒宴
(
しゆえん
)
の
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ、
169
あまたの
番卒
(
ばんそつ
)
とともに
酒
(
さけ
)
に
酔
(
よ
)
ひ
踊
(
をど
)
り
狂
(
くる
)
ひゐたり。
170
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
りし
言代別
(
ことしろわけ
)
は
後日
(
ごじつ
)
いかなる
活動
(
くわつどう
)
をなすか、
171
趣味
(
しゆみ
)
ある
問題
(
もんだい
)
と
云
(
い
)
ふべし。
172
(
大正一〇・一一・一四
旧一〇・一五
土井靖都
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(B)
(N)
従神司の殊勲 >>>
霊界物語
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