霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三三章 巴形(ともゑがた)の斑紋(はんもん)〔一三三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻 篇:第9篇 隠神の活動 よみ(新仮名遣い):いんしんのかつどう
章:第33章 巴形の斑紋 よみ(新仮名遣い):ともえがたのはんもん 通し章番号:133
口述日:1921(大正10)年12月06日(旧11月08日) 口述場所: 筆録者:栗原七蔵 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]: 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:0000-00-00 00:00:00 文字数:1707 OBC :rm0333
愛善世界社版:197頁 八幡書店版:第1輯 330頁 修補版: 校定版:201頁 普及版:88頁 初版: ページ備考:
001 大道別(おほみちわけ)は、002常世(とこよ)の国(くに)の邪神(じやしん)の変化(へんげ)たる春日姫(かすがひめ)を亡(ほろ)ぼし、003偉勲(ゐくん)を建(た)てたる際(さい)、004邪神(じやしん)の血液(けつえき)の一滴(いつてき)口中(こうちう)に飛(と)び入(い)り、005ために全身(ぜんしん)の血液(けつえき)けがれて聾唖(ろうあ)となり痴呆(ちはう)となり、006かつ発狂者(はつきやうしや)となりてモスコーを立出(たちい)で、007地上(ちじやう)の各山(かくざん)各川(かくせん)を漂浪(へうらう)し、008長年月(ちやうねんげつ)を経(へ)て、009南高山(なんかうざん)の深(ふか)き谷間(たにま)に迷(まよ)ひ入(い)りける。
010 この時(とき)いづこともなく、011巨大(きよだい)なる呻(うめ)き声(ごゑ)の起(おこ)りしよと思(おも)ふ瞬間(しゆんかん)、012幾万(いくまん)ともかぎりなき猛虎(まうこ)現(あら)はれきたり、013大道別(おほみちわけ)に前後(ぜんご)左右(さいう)より噛(か)みつききたる。014聾者(ろうしや)となりし大道別(おほみちわけ)もこの呻(うな)り声(ごゑ)は、015透(す)きとほるごとく耳(みみ)に入(い)りければ、016心得(こころえ)たりと大道別(おほみちわけ)は噛(か)みつきたる猛虎(まうこ)の首筋(くびすぢ)を引(ひき)つかみ谷間(たにま)の岩角(いはかど)に打(う)ちつけ、017これを亡(ほろ)ぼすこと数(かぞ)ふるにいとまなきほどなりき。018猛虎(まうこ)の群(むれ)はますます怒(いか)り猛(たけ)り狂(くる)ひ、019命(いのち)かぎりに飛(と)びついてくるを、020大道別(おほみちわけ)は縦横(じゆうわう)無尽(むじん)に戦(たたか)ひけるが、021つひに心身(しんしん)ともに大(おほ)いに疲労(ひらう)を感(かん)じ、022千仭(せんじん)の谷間(たにま)へ真逆(まつさか)様(さま)に転倒(てんたう)し、023頭部(とうぶ)に大負傷(だいふしやう)をなし、024多量(たりやう)に出血(しゆつけつ)して、025谷間(たにま)に失心(しつしん)のまま横(よこ)たはりける。
026 数万(すうまん)の猛虎(まうこ)はそれと同時(どうじ)に掻(か)き消(け)すごとく姿(すがた)を隠(かく)し、027あとには南高山(なんかうざん)の松風(まつかぜ)と、028谷川(たにがは)の激流(げきりう)の音(おと)ばかりなりける。
029 南高山(なんかうざん)の山(やま)つづきなる此方(こなた)の高山(かうざん)の奥(おく)に、030荒河(あらかは)の宮(みや)といふ社殿(しやでん)建(た)ちをり、031その神名(しんめい)は荒河(あらかは)明神(みやうじん)ととなへ、032年々(ねんねん)地方(ちはう)の神人(かみがみ)をして犠牲(いけにえ)を供(きよう)せしむるを、033慣例(くわんれい)となしをりける。034毎年(まいねん)冬(ふゆ)のはじめに、035南高山(なんかうざん)一帯(いつたい)の神人(かみがみ)は犠牲(いけにへ)をささげて盛大(せいだい)なる祭典(さいてん)を執行(しつかう)することとなれり。036万一(まんいち)、037一回(いつくわい)にてもこの祭典(さいてん)を怠(おこた)りしときは、038南高山(なんかうざん)一帯(いつたい)は暴風(ばうふう)吹(ふ)きおこり猛雨(まうう)降(ふ)りそそぎ、039たちまち大洪水(だいこうずゐ)をおこして、040神人(しんじん)樹草(じゆさう)その他(た)の生物(せいぶつ)を苦(くる)しむる暴悪(ばうあく)無比(むひ)の神(かみ)なりける。
041 南高山(なんかうざん)の守神(しゆしん)大島別(おほしまわけ)は、042一切(いつさい)の危難(きなん)を免(まぬが)れしめむがために、043毎年(まいねん)犠牲(いけにへ)の祭祀(さいし)を怠(おこた)らず執行(しつかう)されゐたりける。044大島別(おほしまわけ)の子(こ)に八島彦(やしまひこ)、045八島姫(やしまひめ)といふ二人(ふたり)の子女(しぢよ)ありき。046八島姫(やしまひめ)の額(ひたひ)に、047たちまち巴形(ともゑがた)の黒(くろ)き斑点(はんてん)が現(あら)はれたるが、048上下(じやうげ)貴賤(きせん)の区別(くべつ)なく、049この斑点(はんてん)の現(あら)はれたる者(もの)は、050その年(とし)の祭典(さいてん)の犠牲者(ぎせいしや)たるべき運命(うんめい)の定(さだ)まりしものとせられゐたり。
051 大島別(おほしまわけ)、052大島姫(おほしまひめ)をはじめ数多(あまた)の神司(かみがみ)は、053八島姫(やしまひめ)の額(ひたひ)の斑点(はんてん)を見(み)て、054悲歎(ひたん)やるかたなく、055部下(ぶか)の神司(かみがみ)をあつめ種々(しゆじゆ)協議(けふぎ)の結果(けつくわ)、056その身代(みがは)りを立(た)てむと、057地方(ちはう)一般(いつぱん)に神司(かみがみ)を派(は)して、058他(た)に巴形(ともゑがた)の斑紋(はんもん)ある女(をんな)はなきやと、059昼夜(ちうや)間断(かんだん)なく山野(さんや)河川(かせん)を捜索(さうさく)しつつありき。
060 時(とき)しも、061南高山(なんかうざん)の谷川(たにがは)を渡(わた)るとき、062平素(へいそ)清(きよ)けき川水(かはみづ)は、063血液(けつえき)の色(いろ)を帯(お)びゐるを認(みと)めたる玉純彦(たますみひこ)、064高山彦(たかやまひこ)は、065流(なが)れの変(かは)りたるを訝(いぶ)かり、066あまたの神司(かみがみ)とともに渓流(ながれ)をつたひ、067岩(いは)の根(ね)、068木(き)の根(ね)踏(ふ)みさくみ上(のぼ)りゆく。069谷川(たにがは)の底(そこ)にあたりて、070何(なん)とも知(し)れぬ呻(うめ)き声(ごゑ)聞(きこ)えきたるにぞ、071諸神司(しよしん)は、072巌壁(がんぺき)をつたひ、073辛(から)うじて谷底(たにぞこ)に下(くだ)りみれば、074仁王(にわう)のごとき容貌(ようばう)骨格(こつかく)のたくましき一人(ひとり)の男子(だんし)が岩角(いはかど)に頭(あたま)をうち出血(しゆつけつ)して、075ほとんど虫(むし)の息(いき)となり呻(うめ)きゐたりける。
076 玉純彦(たますみひこ)は直(ただ)ちに谷水(たにみづ)を掬(すく)ひ来(きた)りて口(くち)に飲(の)ませ、077かつ伊吹(いぶ)きの狭霧(さぎり)を吹(ふ)きかけなど種々(いろいろ)介抱(かいはう)に手(て)をつくしたる結果(けつくわ)さいはひに蘇生(そせい)し、078目(め)をギロギロとみはり、079ものをもいはず茫然(ばうぜん)として神司(かみがみ)らの顔(かほ)を眺(なが)めゐたり。
080 高山彦(たかやまひこ)は、081この男(をとこ)の額(ひたひ)に巴形(ともゑがた)の斑紋(はんもん)歴然(れきぜん)として現(あら)はれをることを目撃(もくげき)し、082欣喜(きんき)雀躍(じやくやく)しながら、083玉純彦(たますみひこ)の耳(みみ)に口(くち)をよせ、084何事(なにごと)をか私語(ささや)きける。085あまたの従者(じゆうしや)の顔(かほ)にも何(なん)となく晴(はれ)やかなる気分(きぶん)のただよひ見(み)えゐたるなり。
086 大道別(おほみちわけ)は神司(かみがみ)らに誘(さそ)はれ、087南高山(なんかうざん)の城塞(じやうさい)に連(つ)れゆかれ、088その夜(よ)は鄭重(ていちやう)なる饗応(きやうおう)を受(う)け、089かつ再生(さいせい)の恩(おん)を謝(しや)したりしが、090この時(とき)すでに大道別(おほみちわけ)の精神(せいしん)状態(じやうたい)は、091出血(しゆつけつ)のため改(あらた)まり、092耳(みみ)は漸次(ぜんじ)聞(きこ)えだし、093口(くち)はものをいふことを得(え)、094視力(しりよく)はますます正確(せいかく)になりゐたりける。
095 大道別(おほみちわけ)は、096モスコーを出(いで)しより、097無我(むが)無中(むちう)に幾千(いくせん)里(り)を跋渉(ばつせふ)しつつありしが、098今(いま)この南高山(なんかうざん)において病気(びやうき)恢復(くわいふく)したれば、099今(いま)の吾(わ)が身(み)は、100その身(み)のいづれの地(ち)にあるやも分(わか)らざりしなり。
101 大道別(おほみちわけ)は玉純彦(たますみひこ)にむかひ、
102『ここの地名(ちめい)は何(なん)といふや、103吾(われ)は永(なが)らく病気(びやうき)のため夢中(むちう)の旅行(りよかう)をなし、104突然(とつぜん)精神(せいしん)状態(じやうたい)の正気(しやうき)にかへりたる際(さい)なれば、105はじめて生(うま)れ出(いで)たるごとく、106何事(なにごと)も分明(ぶんめい)せず』
107と云(い)ふにぞ、108玉純彦(たますみひこ)は、
109『ここは南高山(なんかうざん)の城塞(じやうさい)なり』
110と答(こた)へけるにぞ、111大道別(おほみちわけ)はその長途(ちやうと)の旅行(りよかう)に、112みづから驚(おどろ)きゐたりける。
113(大正一〇・一二・六 旧一一・八 栗原七蔵録)
114(第三二章~第三三章 昭和一〇・一・一七 於延岡市 王仁校正)
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