霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第九章 弁者(べんしや)と弁者(べんしや)〔一〇九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻 篇:第4篇 鬼城山 よみ(新仮名遣い):きじょうざん
章:第9章 弁者と弁者 よみ(新仮名遣い):べんしゃとべんしゃ 通し章番号:109
口述日:1921(大正10)年11月15日(旧10月16日) 口述場所: 筆録者:森良仁 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
鬼城山には灰色の玉が国魂として鎮祭され、真鉄彦が八王神、元照彦が八頭神と任じられた。しかし鬼城山にはかねてから美山彦一派の悪神が割拠し、常世姫の威勢を借りて、地の高天原に対抗し、八王八頭神の着任を妨害していた。
地の高天原は弁舌によって美山彦らを説き伏せようと、弁舌巧みな口子姫を使わした。しかし口子姫は国照姫に論破され、竜宮城に復命せずに逆に敵方に就いてしまった。
竜宮城は口子姫が三年も帰城せず、敵方に就いたことを知り、今度は吾妻別の息子・須賀彦を使わすことになった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:0000-00-00 00:00:00 文字数:1790 OBC :rm0309
愛善世界社版:57頁 八幡書店版:第1輯 280頁 修補版: 校定版:59頁 普及版:25頁 初版: ページ備考:
001 寒風(かんぷう)吹(ふ)き荒(すさ)み、002牡丹餅(ぼたもち)雪(ゆき)さへ降(ふ)りきたる高熊山(たかくまやま)の巌窟(がんくつ)の入口(いりぐち)に、003霊縛(れいばく)を受(う)け、004身動(みうご)きならぬ苦(くる)しさに、005二(に)時間(じかん)ばかりを費(つひ)やせしと思(おも)ふころ、006またもや王仁(おに)は霊界(れいかい)に逍遥(せうえう)したりける。
007 たちまち巌壁(がんぺき)に紫紺色(しこんいろ)の雲(くも)の戸帳(とばり)がおろされ、008中(なか)より荘重(さうちよう)なる大神(おほかみ)の御声(みこゑ)聞(き)こゆると同時(どうじ)に、009紫紺色(しこんしよく)の雲(くも)の戸帳(とばり)は自然(しぜん)にまきあげられ、010正面(しやうめん)には、011えもいはれぬ荘厳(さうごん)なる宝座(ほうざ)が設(まう)けられ、012あまたの天使(てんし)を従(したが)へて国治立(くにはるたちの)命(みこと)、013国直姫(くになほひめの)命(みこと)と共(とも)に中央(ちうあう)に着座(ちやくざ)され、014ふたたび神界(しんかい)探険(たんけん)の厳命(げんめい)を降(くだ)したまひしが、015宝座(ほうざ)は忽然(こつぜん)として消(き)え去(さ)りし刹那(せつな)に、016自分(じぶん)はある高山(かうざん)の頂(いただき)に登(のぼ)り、017鬼城山(きじやうざん)におこれる種々(しゆじゆ)の経緯(いきさつ)を見(み)るとはなしに、018見聞(けんぶん)しゐたりける。
019 鬼城山(きじやうざん)には灰色(はひいろ)の玉(たま)を鎮祭(ちんさい)し、020真鉄彦(まがねひこ)を八王神(やつわうじん)となし、021元照彦(もとてるひこ)を八頭神(やつがしらがみ)となし、022真鉄姫(まがねひめ)、023元照姫(もとてるひめ)を八王(やつわう)八頭神(やつがしらがみ)の妻(つま)として、024永遠(ゑいゑん)に守護(しゆご)せしむることに決定(けつてい)されたり。025しかるに鬼城山(きじやうざん)にはすでに棒振彦(ぼうふりひこ)の変名(へんめい)なる美山彦(みやまひこ)、026高虎姫(たかとらひめ)の変名(へんめい)なる国照姫(くにてるひめ)ら、027常世姫(とこよひめ)の権威(けんゐ)を笠(かさ)にきて傍若(ばうじやく)無人(ぶじん)の挙動(ふるまひ)多(おほ)く、028加(くは)ふるに杵築姫(きつきひめ)、029清熊(きよくま)、030猿世彦(さるよひこ)、031駒山彦(こまやまひこ)らの邪神(じやしん)とともに武威(ぶゐ)を輝(かがや)かし、032容易(ようい)に国治立(くにはるたちの)命(みこと)の神命(しんめい)を奉(ほう)ぜず、033かつ律法(りつぱう)を遵守(じゆんしゆ)せず、034地(ち)の高天原(たかあまはら)より八王(やつわう)八頭(やつがしら)の神司(かみ)の赴任(ふにん)をさまたげ、035魔神(ましん)を集(あつ)めてあくまで対抗(たいかう)しつつありしなり。
036 ここに大八洲彦(おほやしまひこの)命(みこと)は諸神将(しよしんしよう)をあつめ、037美山彦(みやまひこ)の罪状(ざいじやう)にたいし、
038『天地(てんち)の律法(りつぱう)御(ご)制定(せいてい)により従前(じゆうぜん)の罪悪(ざいあく)を大赦(たいしや)せられたれば、039この際(さい)本心(ほんしん)に立(た)ち帰(かへ)らせ、040神業(しんげふ)に参加(さんか)せしめなば如何(いかん)』
041と提議(ていぎ)されたり。042諸神将(しよしんしよう)は天使長(てんしちやう)の御(ご)意見(いけん)に賛成(さんせい)したてまつらむと、043満場(まんぢやう)一致(いつち)をもつて命(みこと)の提議(ていぎ)を可決(かけつ)したり。044されど邪智(じやち)ふかき美山彦(みやまひこ)以下(いか)の曲人(まがびと)らの一筋縄(ひとすぢなは)にては到底(たうてい)城(しろ)を追(お)ひがたきを知(し)り、045竜宮城(りゆうぐうじやう)の侍女(じぢよ)にして弁舌(べんぜつ)に巧(たく)みなる口子姫(くちこひめ)をつかはし、046神意(しんい)を伝達(でんたつ)し、047すみやかに大神(おほかみ)に帰順(きじゆん)せしむべく旨(むね)を含(ふく)めて鬼城山(きじやうざん)に遣(つか)はしたまひける。
048 口子姫(くちこひめ)は照妙(てるたへ)のうるはしき衣(ころも)を着(き)かざり、049二柱(ふたはしら)の侍女(じぢよ)をともなひ、050鬼城山(きじやうざん)にいたり、051美山彦(みやまひこ)をはじめ国照姫(くにてるひめ)に面接(めんせつ)を申込(まをしこ)みたり。052美山彦(みやまひこ)らは、053口子姫(くちこひめ)を奥(おく)の間(ま)にみちびき来意(らいい)を尋(たづ)ねたるに、054口子姫(くちこひめ)は一礼(いちれい)して後(のち)おもむろにいふ。
055『このたび天地(てんち)の律法(りつぱう)地(ち)の高天原(たかあまはら)において制定(せいてい)され、056世界(せかい)の各所(かくしよ)に十二(じふに)の国魂(くにたま)を鎮祭(ちんさい)し、057八王(やつわう)八頭(やつがしら)の神司(かみ)を任命(にんめい)したまひたり。058しかして鬼城山(きじやうざん)は真鉄彦(まがねひこ)、059真鉄姫(まがねひめ)、060元照彦(もとてるひこ)、061元照姫(もとてるひめ)の主宰(しゆさい)のもとに於(お)かるることに決定(けつてい)されたり。062汝(なんぢ)はすみやかにこの神命(しんめい)を拝受(はいじゆ)し、063鬼城山(きじやうざん)の城塞(じやうさい)を明(あ)けわたし、064地(ち)の高天原(たかあまはら)に参上(まゐのぼ)りて神務(しんむ)に奉仕(ほうし)されよ。065以上(いじやう)は天使長(てんしちやう)大八洲彦(おほやしまひこの)命(みこと)の直命(ぢきめい)なり』
066と淀(よど)みなく申渡(まをしわた)しけるに、067国照姫(くにてるひめ)は、068膝(ひざ)をすすめてその処置(しよち)の不当(ふたう)なるを罵(ののし)り、069かつ懸河(けんが)の弁舌(べんぜつ)をふるひて滔々(たうたう)と弁駁(べんばく)につとめたり。070されど口子姫(くちこひめ)は名題(なだい)の弁舌者(べんぜつしや)なれば、071負(まけ)ず、072劣(おと)らず布留那(ふるな)の弁(べん)をふるひて、073神命(しんめい)の冒(をか)すべからざる理由(りいう)を極力(きよくりよく)弁明(べんめい)したりけれども、074国照姫(くにてるひめ)もさすがの悪漢(しれもの)、075口子姫(くちこひめ)が一言(ひとこと)述(の)ぶればまた一言(ひとこと)、076たがひに舌鉾(ぜつぽう)火花(ひばな)を散(ち)らし鎬(しのぎ)を削(けづ)り、077弁論(べんろん)はてしもなく、078寝食(しんしよく)を忘(わす)れて七日(なぬか)七夜(ななよ)を費(つひ)やしけるが、079布留那(ふるな)の弁者(べんしや)口子姫(くちこひめ)も、080つひに国照姫(くにてるひめ)の舌鉾(ぜつぽう)に突(つ)き破(やぶ)られて兜(かぶと)を脱(ぬ)ぎ、081国照姫(くにてるひめ)の幕下(ばくか)となり、082地(ち)の高天原(たかあまはら)に三(さん)年(ねん)を経(ふ)るも復命(ふくめい)せざるのみならず、083その身(み)は鬼城山(きじやうざん)の美山彦(みやまひこ)に重用(ぢうよう)され、084高天原(たかあまはら)に一(いち)時(じ)は反旗(はんき)を翻(ひるがへ)すにいたりける。
085 大八洲彦(おほやしまひこの)命(みこと)はふたたび諸神将(しよしんしよう)を集(あつ)めていふ。
086『鬼城山(きじやうざん)に遣(つか)はせし口子姫(くちこひめ)は三(さん)年(ねん)を経(ふ)るもいまだ復命(ふくめい)せざるのみか、087もろくも国照姫(くにてるひめ)の侫弁(ねいべん)に肝(きも)をぬかれ、088いまや鬼城山(きじやうざん)の重臣(ぢうしん)となり、089反旗(はんき)を翻(ひるがへ)さむとせりと聞(き)く。090鬼城山(きじやうざん)の美山彦(みやまひこ)一派(いつぱ)にたいし膺懲(ようちよう)の神軍(しんぐん)をむけ、091一挙(いつきよ)にこれを討滅(たうめつ)せむは容易(ようい)の業(わざ)なれども如何(いかん)せむ、092天地(てんち)の律法(りつぱう)は厳然(げんぜん)として日月(じつげつ)のごとく、093毫末(がうまつ)も犯(をか)すべからず、094諸神(しよしん)の御(ご)意見(いけん)承(うけたまは)りたし』
095と諸神司(しよしん)に対(たい)しはかりたまひける。096ここに天使(てんし)神国別(かみくにわけの)命(みこと)すすみいで、
097『天地(てんち)の律法(りつぱう)は「殺(ころ)す勿(なか)れ」とあり、098仁慈(じんじ)をもつて万物(ばんぶつ)に対(たい)するは、099大神(おほかみ)の御(ご)神慮(しんりよ)にして、100かつ律法(りつぱう)の示(しめ)すところなり。101大神(おほかみ)は禽獣(きんじう)虫魚(ちうぎよ)にいたるまで、102広(ひろ)く万物(ばんぶつ)を愛(あい)せよと宣(のたま)ひ、103かつ律法(りつぱう)に定(さだ)めおかれたり。104彼(かれ)らはいかに猛悪(まうあく)の神(かみ)なりといへども、105一方(いつぱう)の頭領(とうりやう)と仰(あふ)がるるにおいておや。106望(のぞ)むらくは再(ふたた)び使(つかひ)をつかはして大神(おほかみ)の神慮(しんりよ)を懇切(こんせつ)に説(と)き示(しめ)し、107大義(たいぎ)名分(めいぶん)を悟(さと)らせなば、108つひに心底(しんてい)より帰順(きじゆん)するにいたらむ。109よろしく吾妻別(あづまわけ)の一子(いつし)須賀彦(すがひこ)を遣(つか)はしたまへ』
110と進言(しんげん)しければ、111天使長(てんしちやう)はこの言(げん)を容(い)れ、112須賀彦(すがひこ)を第二(だいに)の使者(ししや)として、113鬼城山(きじやうざん)に派遣(はけん)したまひける。
114(大正一〇・一一・一五 旧一〇・一六 森良仁録)
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