霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第3巻(寅の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 国魂の配置
第1章 神々の任命
第2章 八王神の守護
第2篇 新高山
第3章 渓間の悲劇
第4章 鶴の首
第3篇 ロツキー山
第5章 不審の使神
第6章 籠の鳥
第7章 諷詩の徳
第8章 従神司の殊勲
第4篇 鬼城山
第9章 弁者と弁者
第10章 無分別
第11章 裸体の道中
第12章 信仰の力
第13章 嫉妬の報
第14章 霊系の抜擢
第5篇 万寿山
第15章 神世の移写
第16章 玉ノ井の宮
第17章 岩窟の修業
第18章 神霊の遷座
第6篇 青雲山
第19章 楠の根元
第20章 晴天白日
第21章 狐の尻尾
第22章 神前の審判
第7篇 崑崙山
第23章 鶴の一声
第24章 蛸間山の黒雲
第25章 邪神の滅亡
第26章 大蛇の長橋
第8篇 神界の変動
第27章 不意の昇天
第28章 苦心惨憺
第29章 男波女波
第30章 抱擁帰一
第31章 竜神の瀑布
第32章 破軍の剣
第9篇 隠神の活動
第33章 巴形の斑紋
第34章 旭日昇天
第35章 宝の埋換
第36章 唖者の叫び
第37章 天女の舞曲
第38章 四十八滝
第39章 乗合舟
第10篇 神政の破壊
第40章 国の広宮
第41章 二神の帰城
第42章 常世会議
第43章 配所の月
第11篇 新規蒔直し
第44章 可賀天下
第45章 猿猴と渋柿
第46章 探湯の神事
第47章 夫婦の大道
第48章 常夜の闇
第49章 袖手傍観
第12篇 霊力体
第50章 安息日
岩井温泉紀行歌
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サブスク完了しました
。どうもありがとうございます。
|
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい
霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
>
第3巻(寅の巻)
> 第7篇 崑崙山 > 第25章 邪神の滅亡
<<< 蛸間山の黒雲
(B)
(N)
大蛇の長橋 >>>
第二五章
邪神
(
じやしん
)
の
滅亡
(
めつぼう
)
〔一二五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻
篇:
第7篇 崑崙山
よみ(新仮名遣い):
こんろんざん
章:
第25章 邪神の滅亡
よみ(新仮名遣い):
じゃしんのめつぼう
通し章番号:
125
口述日:
1921(大正10)年11月20日(旧10月21日)
口述場所:
筆録者:
外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年3月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-01-19 15:31:29
OBC :
rm0325
愛善世界社版:
147頁
八幡書店版:
第1輯 313頁
修補版:
校定版:
151頁
普及版:
66頁
初版:
ページ備考:
001
吾妻別
(
あづまわけ
)
、
002
吾妻姫
(
あづまひめ
)
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あひだ
)
に、
003
月世姫
(
つきよひめ
)
、
004
月照姫
(
つきてるひめ
)
、
005
五月姫
(
さつきひめ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
生
(
うま
)
れたり。
006
長女
(
ちやうぢよ
)
の
月世姫
(
つきよひめ
)
は、
007
その
性質
(
せいしつ
)
粗暴
(
そばう
)
にして
常
(
つね
)
に
邪神
(
じやしん
)
の
群
(
むれ
)
に
出入
(
しゆつにふ
)
し、
008
邪神
(
じやしん
)
と
結託
(
けつたく
)
して、
009
蛸間山
(
たこまやま
)
を
混乱
(
こんらん
)
紛擾
(
ふんぜう
)
せしむることにのみ
全力
(
ぜんりよく
)
を
集注
(
しふちう
)
しゐたりけるが、
010
吾妻別
(
あづまわけ
)
の
重臣
(
ぢうしん
)
たる
日出彦
(
ひのでひこ
)
は、
011
平素
(
へいそ
)
月世姫
(
つきよひめ
)
の
行動
(
かうどう
)
ますます
暴逆
(
ばうぎやく
)
の
度
(
ど
)
を
加
(
くは
)
へ、
012
非事
(
ひじ
)
醜行
(
しうかう
)
止
(
や
)
まざるを
歎
(
なげ
)
き、
013
涙
(
なみだ
)
をふるつてしばしばこれを
諫
(
いさ
)
めたれども、
014
月世姫
(
つきよひめ
)
は
一言
(
いちごん
)
半句
(
はんく
)
も
耳
(
みみ
)
をかさず、
015
つひには
日出彦
(
ひのでひこ
)
を
讒訴
(
ざんそ
)
してこれを
排除
(
はいじよ
)
せむとくはだて、
016
百方
(
ひやつぱう
)
手段
(
しゆだん
)
をつくして
蛸間山
(
たこまさん
)
城
(
じやう
)
の
神人
(
かみがみ
)
を
籠絡
(
ろうらく
)
し、
017
市守姫
(
いちもりひめ
)
、
018
畑野彦
(
はたのひこ
)
、
019
田長彦
(
たながひこ
)
、
020
国平別
(
くにひらわけ
)
、
021
竹代彦
(
たけよひこ
)
らを
股肱
(
ここう
)
の
臣
(
しん
)
となし、
022
昼夜
(
ちうや
)
謀計
(
ぼうけい
)
をめぐらし、
023
日出彦
(
ひのでひこ
)
に
失敗
(
しつぱい
)
を
来
(
きた
)
さしめむとし、
024
ここに
芳香姫
(
よしかひめ
)
といふ
美
(
うる
)
はしき
女性
(
によしよう
)
に
策
(
さく
)
を
授
(
さづ
)
けて、
025
日出彦
(
ひのでひこ
)
を
陥
(
おとし
)
いれむとしたりけり。
026
日出彦
(
ひのでひこ
)
は
八王神
(
やつわうじん
)
の
命
(
めい
)
を
奉
(
ほう
)
じて、
027
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
に
使
(
つか
)
ひせむとする
時
(
とき
)
、
028
芳香姫
(
よしかひめ
)
は
門
(
もん
)
に
立
(
たち
)
ふさがり
日出彦
(
ひのでひこ
)
の
袖
(
そで
)
をひきてこれをとどめ、
029
かつその
顔色
(
かほいろ
)
を
熟視
(
じゆくし
)
していふ。
030
『
貴下
(
きか
)
は
何故
(
なにゆゑ
)
に
妾
(
わらは
)
を
平素
(
へいそ
)
詐
(
いつは
)
りたまひしや、
031
残念
(
ざんねん
)
々々
(
ざんねん
)
』
032
と
身
(
み
)
をふるはし、
033
声
(
こゑ
)
をくもらせ
涕泣
(
ていきふ
)
する。
034
日出彦
(
ひのでひこ
)
は
芳香姫
(
よしかひめ
)
の
言
(
げん
)
、
035
少
(
すこ
)
しも
合点
(
がつてん
)
ゆかず、
036
ただ
呆然
(
ばうぜん
)
として
芳香姫
(
よしかひめ
)
の
様子
(
やうす
)
を
怪
(
あや
)
しみ
眺
(
なが
)
めゐたるのみ。
037
芳香姫
(
よしかひめ
)
はたちまち
日出彦
(
ひのでひこ
)
に
抱
(
いだ
)
きつき、
038
『
無情
(
むじやう
)
非道
(
ひだう
)
のわが
夫
(
をつと
)
よ。
039
しらじらしきその
御
(
ご
)
様子
(
やうす
)
。
040
アヽ
妾
(
わらは
)
は
今
(
いま
)
まで
貴下
(
きか
)
の
玩弄物
(
おもちや
)
とされゐたるか。
041
死
(
し
)
なば
諸共
(
もろとも
)
死出
(
しで
)
の
山
(
やま
)
、
042
三途
(
さんづ
)
の
川
(
かは
)
もともどもに
渡
(
わた
)
らむものと
誓
(
ちか
)
ひし
仲
(
なか
)
をも
顧
(
かへり
)
みず、
043
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
に
御
(
お
)
使
(
つか
)
ひの
旅出
(
たびで
)
に、
044
ただ
一言
(
いちごん
)
の
御
(
ご
)
相談
(
さうだん
)
もなく
妾
(
わらは
)
を
捨
(
す
)
て、
045
はるばると
出行
(
いでゆ
)
きたまふは
余
(
あま
)
りの
無情
(
むじやう
)
。
046
アヽ
残念
(
ざんねん
)
や、
047
口惜
(
くちをし
)
や』
048
と
歯
(
は
)
をくひしばり、
049
大地
(
だいち
)
にドツと
打
(
う
)
ち
伏
(
ふ
)
し、
050
声
(
こゑ
)
をかぎりに
泣
(
な
)
き
叫
(
さけ
)
びける。
051
日出彦
(
ひのでひこ
)
は
藪
(
やぶ
)
から
棒
(
ぼう
)
の
出来事
(
できごと
)
に、
052
月世姫
(
つきよひめ
)
一派
(
いつぱ
)
の
奸計
(
かんけい
)
とは
知
(
し
)
らず、
053
『
芳香姫
(
よしかひめ
)
は
発狂
(
はつきやう
)
せしか、
054
不憫
(
ふびん
)
の
者
(
もの
)
よ』
055
といひつつも、
056
直
(
ただ
)
ちに
手
(
て
)
をとり
抱
(
いだ
)
きおこし
労
(
いた
)
はり
介抱
(
かいはう
)
せむとする
折
(
をり
)
しも、
057
時
(
とき
)
を
待
(
ま
)
ちゐたる
月世姫
(
つきよひめ
)
は、
058
市守姫
(
いちもりひめ
)
、
059
畑野彦
(
はたのひこ
)
、
060
田長彦
(
たながひこ
)
、
061
国平別
(
くにひらわけ
)
、
062
竹代彦
(
たけよひこ
)
らの
一味
(
いちみ
)
と
共
(
とも
)
にその
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ、
063
『
天地
(
てんち
)
の
律法
(
りつぱう
)
を
破
(
やぶ
)
れる
不義
(
ふぎ
)
もの、
064
日出彦
(
ひのでひこ
)
を
縛
(
しば
)
れよ』
065
と
下知
(
げち
)
の
声
(
こゑ
)
とともに、
066
田長彦
(
たながひこ
)
らは
何
(
なん
)
の
容赦
(
ようしや
)
もなく
荒縄
(
あらなは
)
おつとり、
067
手足
(
てあし
)
をしばりて
八王神
(
やつわうじん
)
の
御前
(
みまへ
)
にまかりいで、
068
『
天地
(
てんち
)
の
律法
(
りつぱう
)
を
破
(
やぶ
)
り、
069
芳香姫
(
よしかひめ
)
を
玩弄
(
ぐわんろう
)
せし
曲者
(
くせもの
)
捕
(
とら
)
へたり。
070
かかる
曲者
(
くせもの
)
を
城内
(
じやうない
)
に
止
(
とど
)
めおくは、
071
風儀
(
ふうぎ
)
を
乱
(
みだ
)
し
秩序
(
ちつじよ
)
を
破
(
やぶ
)
るの
恐
(
おそ
)
れあるのみならず、
072
八王神
(
やつわうじん
)
の
御
(
おん
)
名
(
な
)
の
汚
(
けが
)
れなり。
073
すみやかに
厳罰
(
げんばつ
)
に
処
(
しよ
)
し、
074
当城
(
たうじやう
)
を
追放
(
つゐはう
)
し
禍根
(
くわこん
)
を
絶
(
た
)
ちたまへ。
075
証拠
(
しようこ
)
は
吾
(
われ
)
ら
数名
(
すうめい
)
の
実地
(
じつち
)
目撃
(
もくげき
)
せるところなり』
076
と
言辞
(
ことば
)
たくみに
無実
(
むじつ
)
の
奏上
(
そうじやう
)
をなしたりしが、
077
日出彦
(
ひのでひこ
)
は、
078
神色
(
しんしよく
)
自若
(
じじやく
)
として
恐
(
おそ
)
るる
心
(
こころ
)
なく、
079
『ただただ
賢明
(
けんめい
)
なる
八王神
(
やつわうじん
)
の
御
(
ご
)
裁断
(
さいだん
)
を
請
(
こ
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る』
080
と
言
(
い
)
ひしまま、
081
一言
(
いちごん
)
も
発
(
はつ
)
せざりける。
082
八王神
(
やつわうじん
)
は、
083
黙然
(
もくぜん
)
としてこの
訴
(
うつた
)
へを
聞
(
き
)
きつつありしが、
084
何
(
なん
)
の
言葉
(
ことば
)
もなく、
085
ツト
立
(
た
)
ちて
宮殿
(
きうでん
)
の
奥
(
おく
)
深
(
ふか
)
く
入
(
い
)
りたまひ、
086
ただちに
神前
(
しんぜん
)
に
端坐
(
たんざ
)
して
神教
(
しんけう
)
を
請
(
こ
)
ひたまひ、
087
日出彦
(
ひのでひこ
)
、
088
月世姫
(
つきよひめ
)
その
他
(
た
)
一同
(
いちどう
)
を
召
(
め
)
し
出
(
だ
)
し
列
(
れつ
)
を
作
(
つく
)
らしめ、
089
日出彦
(
ひのでひこ
)
にむかつて
叮嚀
(
ていねい
)
に
言葉
(
ことば
)
をかけ、
090
吾
(
わ
)
が
長女
(
ちやうぢよ
)
月世姫
(
つきよひめ
)
の
不都合
(
ふつがふ
)
きはまる
行動
(
かうどう
)
を
謝
(
しや
)
し、
091
かつ、
092
懇
(
ねんご
)
ろにこれを
慰撫
(
ゐぶ
)
したまひ、
093
月世姫
(
つきよひめ
)
に
向
(
むか
)
つて
今後
(
こんご
)
を
戒
(
いまし
)
め、
094
その
他
(
た
)
の
神人
(
かみがみ
)
にも
厳
(
きび
)
しく
訓戒
(
くんかい
)
したまひ、
095
ここにいよいよ
神示
(
しんじ
)
によりて
日出彦
(
ひのでひこ
)
の
疑
(
うたが
)
ひは
氷解
(
ひようかい
)
され、
096
正邪
(
せいじや
)
の
判断
(
はんだん
)
は、
097
日月
(
じつげつ
)
のごとく
明
(
あき
)
らかとなりにける。
098
日出彦
(
ひのでひこ
)
は
無実
(
むじつ
)
の
疑
(
うたが
)
ひ、
099
まつたく
神
(
かみ
)
の
明白
(
めいはく
)
なる
教示
(
けうじ
)
によりて
晴
(
は
)
れわたりたれば、
100
天地
(
てんち
)
にむかつて
拝謝
(
はいしや
)
し、
101
急
(
いそ
)
ぎ
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
さして
出発
(
しゆつぱつ
)
したりける。
102
月世姫
(
つきよひめ
)
は
謀計
(
ぼうけい
)
のガラリはづれたるに
失望
(
しつばう
)
し、
103
いかにもして
初志
(
しよし
)
を
達
(
たつ
)
せむと、
104
蛸間
(
たこま
)
の
滝
(
たき
)
に
芳香姫
(
よしかひめ
)
をともなひ、
105
悪竜
(
あくりう
)
の
神
(
かみ
)
に
七日
(
なぬか
)
七夜
(
ななよ
)
祈願
(
きぐわん
)
を
籠
(
こ
)
めけるが、
106
芳香姫
(
よしかひめ
)
は
忽然
(
こつぜん
)
として
六面
(
ろくめん
)
八臂
(
はつぴ
)
の
邪鬼
(
じやき
)
と
変
(
へん
)
じ、
107
中空
(
ちうくう
)
に
駆
(
か
)
けのぼるよと
見
(
み
)
るまに、
108
東北
(
とうほく
)
の
天
(
てん
)
に
怪
(
あや
)
しき
雲塊
(
うんくわい
)
あらはれ、
109
たちまち
西北
(
せいほく
)
の
空
(
そら
)
にむかつて
延長
(
えんちやう
)
し、
110
昼夜
(
ちうや
)
を
弁
(
べん
)
ぜざる
常暗
(
とこやみ
)
の
空
(
そら
)
となり、
111
あまたの
黒竜
(
こくりう
)
は
月世姫
(
つきよひめ
)
の
頭上
(
づじやう
)
目
(
め
)
がけて
降
(
くだ
)
りきたり、
112
盛
(
さか
)
ンに
毒気
(
どくき
)
を
吹
(
ふ
)
きかけ、
113
火炎
(
くわえん
)
の
舌
(
した
)
を
出
(
だ
)
して
月世姫
(
つきよひめ
)
を
喰
(
く
)
ひ
殺
(
ころ
)
さむとす。
114
このとき
月世姫
(
つきよひめ
)
は
声
(
こゑ
)
をあげていふ。
115
『
汝
(
なんぢ
)
は
芳香姫
(
よしかひめ
)
の
変化
(
へんげ
)
にあらずや。
116
妾
(
わらは
)
の
汝
(
なんぢ
)
に
命
(
めい
)
ずるところは、
117
妾
(
わらは
)
を
苦
(
くる
)
しめよとには
非
(
あら
)
ず。
118
日出彦
(
ひのでひこ
)
を
悩
(
なや
)
ませ
滅亡
(
めつぼう
)
せしめむがためなり。
119
何
(
なに
)
をまちがへてかかる
反対
(
はんたい
)
的
(
てき
)
行動
(
かうどう
)
をとるや』
120
と
絶叫
(
ぜつけう
)
したりしに、
121
その
時
(
とき
)
黒雲
(
こくうん
)
の
間
(
あひだ
)
より
声
(
こゑ
)
ありて、
122
『
汝
(
なんぢ
)
は
実
(
じつ
)
に
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
なり。
123
芳香姫
(
よしかひめ
)
は
今
(
いま
)
や
悪竜
(
あくりう
)
となりて
汝
(
なんぢ
)
を
滅
(
ほろ
)
ぼさむとす。
124
他
(
ひと
)
を
呪
(
のろ
)
はば
穴
(
あな
)
二
(
ふた
)
つ、
125
自己
(
おのれ
)
に
出
(
いづ
)
るものは
自己
(
おのれ
)
に
還
(
かへ
)
る。
126
天
(
てん
)
の
賞罰
(
しやうばつ
)
は、
127
寸毫
(
すんがう
)
もたがふことなし、
128
思
(
おも
)
ひ
知
(
し
)
れや』
129
と
言葉
(
ことば
)
の
下
(
した
)
より
鎗
(
やり
)
の
穂尖
(
ほさき
)
は
雨
(
あめ
)
の
降
(
ふ
)
るがごとく、
130
危険
(
きけん
)
身
(
み
)
にせまりて
寸毫
(
すんがう
)
も
免
(
のが
)
るるの
余地
(
よち
)
なかりけるが、
131
辛
(
から
)
うじてわが
居室
(
きよしつ
)
に
逃
(
に
)
げいりホツト
一息
(
ひといき
)
つぐ
間
(
ま
)
もなく、
132
家
(
いへ
)
の
四隅
(
しぐう
)
より
毒竜
(
どくりう
)
あまた
出現
(
しゆつげん
)
して
瞬
(
またた
)
くうちに
火炎
(
くわえん
)
と
化
(
くわ
)
し、
133
烟
(
けむり
)
は
身辺
(
しんぺん
)
をつつみ、
134
猛火
(
まうくわ
)
炎々
(
えんえん
)
として
天
(
てん
)
に
冲
(
ちゆう
)
し、
135
月世姫
(
つきよひめ
)
は
黒焦
(
くろこげ
)
となりて
敢
(
あえ
)
なくも
亡
(
ほろ
)
びける。
136
今
(
いま
)
まで
稍
(
やや
)
さえたる
月世姫
(
つきよひめ
)
も、
137
神
(
かみ
)
の
懲罰
(
ちようばつ
)
によりて
暗路
(
やみぢ
)
をたどり
幽界
(
いうかい
)
のふたたび
刑罰
(
けいばつ
)
を
受
(
う
)
くるの
破目
(
はめ
)
に
陥
(
おちい
)
りしなり。
138
アヽ
天地
(
てんち
)
に
依怙
(
えこ
)
なし、
139
善
(
ぜん
)
を
助
(
たす
)
け
悪
(
あく
)
を
亡
(
ほろ
)
ぼし、
140
世界
(
せかい
)
の
神人
(
しんじん
)
を
戒
(
いまし
)
めたまふこと、
141
実
(
じつ
)
に
明鏡
(
めいきやう
)
の
物
(
もの
)
を
写
(
うつ
)
して
余蘊
(
ようん
)
なきがごとし。
142
慎
(
つつし
)
むべきは
悪事
(
あくじ
)
にして、
143
恐
(
おそ
)
るべきは
天地
(
てんち
)
神明
(
しんめい
)
の
大道
(
だいだう
)
なり。
144
神
(
かみ
)
はかかる
暗黒
(
あんこく
)
無道
(
ぶだう
)
の
世
(
よ
)
に
出現
(
しゆつげん
)
して、
145
神
(
しん
)
、
146
幽
(
いう
)
、
147
現
(
げん
)
の
三界
(
さんがい
)
の
立替
(
たてかへ
)
立直
(
たてなほ
)
しの
神業
(
しんげふ
)
を
開始
(
かいし
)
し、
148
真善美
(
しんぜんび
)
の
天国
(
てんごく
)
を
地上
(
ちじやう
)
に
樹立
(
じゆりつ
)
したまはむとす。
149
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
に
生
(
うま
)
れ、
150
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
の
粟
(
あは
)
を
食
(
は
)
む
神
(
かみ
)
の
子孫
(
しそん
)
たる
吾人
(
ごじん
)
は、
151
つつしみて
神業
(
しんげふ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
し、
152
神恩
(
しんおん
)
に
報
(
むく
)
いたてまつるべき
責任
(
せきにん
)
の
重大
(
ぢゆうだい
)
なるを
深
(
ふか
)
く
自覚
(
じかく
)
すべきなり。
153
(
大正一〇・一一・二〇
旧一〇・二一
外山豊二
録)
154
(第二四章~第二五章 昭和一〇・一・一六 於亀の井旅館 王仁校正)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 蛸間山の黒雲
(B)
(N)
大蛇の長橋 >>>
霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
>
第3巻(寅の巻)
> 第7篇 崑崙山 > 第25章 邪神の滅亡
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第25章 邪神の滅亡|第3巻|霊主体従|霊界物語|/rm0325】
合言葉「みろく」を入力して下さい→