霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二四章 蛸間山(たこまやま)黒雲(くろくも)〔一二四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻 篇:第7篇 崑崙山 よみ(新仮名遣い):こんろんざん
章:第24章 蛸間山の黒雲 よみ(新仮名遣い):たこまやまのくろくも 通し章番号:124
口述日:1921(大正10)年11月20日(旧10月21日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-05-08 11:31:20 OBC :rm0324
愛善世界社版:141頁 八幡書店版:第1輯 311頁 修補版: 校定版:145頁 普及版:63頁 初版: ページ備考:
001 蛸間山(たこまやま)には銅色(どうしよく)国玉(くにたま)鎮祭(ちんさい)し、002吾妻別(あづまわけ)八王神(やつわうじん)(にん)神務(しんむ)主管(しゆくわん)せしめ、003(つま)には吾妻姫(あづまひめ)(めあ)はし内面(ないめん)(てき)輔佐(ほさ)(めい)じ、004国玉別(くにたまわけ)八頭神(やつがしらがみ)(にん)国玉姫(くにたまひめ)(つま)として神政(しんせい)輔助(ほじよ)せしめられ、005駒世彦(こまよひこ)宮司(ぐうじ)となし駒世姫(こまよひめ)をして祭事(さいじ)従事(じゆうじ)せしめられたりしなり。006しかるにこの蛸間山(たこまやま)には、007かねて()高天原(たかあまはら)より、008言霊別(ことたまわけの)(みこと)神命(しんめい)(ほう)じて国魂(くにたま)(かみ)鎮祭(ちんさい)し、009荘厳(さうごん)なる宮殿(きうでん)まで建立(こんりふ)しあれば第2巻第9章「タコマ山の祭典 その一」参照010つまり二個(にこ)国魂(くにたま)(なら)べ、011祭祀(さいし)さるることとなりぬ。012ここに(ふた)つの国魂(くにたま)(れい)(あら)はれて(たが)ひに主権(しゆけん)(あらそ)ひたまへば、013蛸間山(たこまやま)(つね)風雲(ふううん)たちこめ、014(とき)暴風(ばうふう)()きおこり強雨(がうう)()りそそぎ樹木(じゆもく)(たふ)し、015河川(かせん)堤防(ていばう)破壊(はくわい)し、016濁水(だくすゐ)地上(ちじやう)氾濫(はんらん)して神人(しんじん)その()(やす)ンずること(あた)はず、017神人(かみがみ)嫉視(しつし)反目(はんもく)()(つき)激烈(げきれつ)()(くは)へ、018東天(とうてん)より西天(せいてん)にむかつて真黒(しんこく)雲橋(くもばし)かかりて天地(てんち)(ため)暗黒(あんこく)となり咫尺(しせき)(べん)ぜず。019ここをもつて常夜(とこよ)ゆく(よろづ)(わざはひ)ことごとく(おこ)り、020国土(こくど)間断(かんだん)なく震動(しんどう)し、021(くさ)片葉(かきは)にいたるまで言問(ことと)無道(ぶだう)社会(しやくわい)現出(げんしゆつ)し、022所々(ところどころ)大火(たいくわ)あり大洪水(だいこうずゐ)あり疫病(えきびやう)蔓延(まんえん)して神人(しんじん)まさに滅亡(めつぼう)せむとし、023また銅能宮(どうのみや)日夜(にちや)震動(しんどう)して妖気(えうき)()き、024国魂(くにたま)(みや)また同時(どうじ)大音響(だいおんきやう)(はつ)して百雷(ひやくらい)(いち)()(とどろ)くかと(うたが)はるるばかり凶兆(きようてう)しきりにいたり、025神人(しんじん)ともに(こころ)(やす)からず、026戦々(せんせん)兢々(けうけう)として(はづか)()(おく)状態(じやうたい)馴致(じゆんち)したりける。
027 国魂(くにたま)(かみ)よりしてすでに()くのごとく(たが)ひに主権(しゆけん)(あらそ)ひ、028ほとンど寧日(ねいじつ)なきの有様(ありさま)なりければ、029その霊精(れいせい)また(いち)八王神(やつわうじん)憑依(ひようい)し、030(いち)八頭神(やつがしらがみ)(かか)りてつねに狂暴(きやうばう)行為(かうゐ)(おほ)く、031ことに八頭神(やつがしらがみ)には(まへ)国魂神(くにたまがみ)憑依(ひようい)して、032八王神(やつわうじん)命令(めいれい)一々(いちいち)反抗(はんかう)し、033たがひに権利(けんり)主張(しゆちやう)して(あひ)(ゆづ)らず、034犬猿(けんゑん)もただならず氷炭(ひようたん)相容(あひい)れず、035混乱(こんらん)紛糾(ふんきう)ますます(はなは)だしく、036神人(しんじん)塗炭(とたん)(やく)(くる)しみ、037(あら)ぶる神人(かみがみ)言騒(ことさわ)ぐその(こゑ)は、038五月蠅(さばえ)のごとく(むら)がりおこりて修羅道(しゆらだう)現出(げんしゆつ)し、039動乱(どうらん)()むことなく饑饉(ききん)相次(あひつ)ぎ、040虎狼(こらう)041豺狼(さいらう)042毒蛇(どくじや)043悪鬼(あくき)044妖怪(えうくわい)なぞの邪霊(じやれい)地上(ちじやう)()()ちたり。045このことただちに国祖(こくそ)(おん)(みみ)()り、046国直姫(くになほひめの)(みこと)(くち)をかりて、047大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)神教(しんけう)(つた)へしめたまひける。
048 国祖(こくそ)()神教(しんけう)大要(たいえう)は、
049(てん)二日(にじつ)なく()二王(にわう)なきは天地(てんち)神則(しんそく)なり。050(なんぢ)らさきに蛸間山(たこまやま)国魂(くにたま)(かみ)鎮祭(ちんさい)しおきながら、051国魂神(くにたまがみ)には(なん)通告(つうこく)もなさず、052(あらた)(おな)神山(かみやま)二個(にこ)国玉(くにたま)奉斎(ほうさい)せるは、053おのづから秩序(ちつじよ)紊乱(ぶんらん)争乱(そうらん)(たね)をまくものなり。054(かれ)八王神(やつわうじん)八頭神(やつがしらがみ)名利(めいり)にふけりて(あらそ)(にく)み、055たがひに(いか)りて天下(てんか)騒擾(さうぜう)せしむるの(つみ)(かる)からずといへども、056(えう)するに一所(いつしよ)霊山(れいざん)二体(にたい)国魂(くにたま)(しづ)めたる失敗(しつぱい)結果(けつくわ)にして、057ただちに二神(にしん)懲戒(ちようかい)すべきに(あら)ず、058このたびの出来事(できごと)はすべて(なんぢ)らの一大(いちだい)責任(せきにん)なるぞ。059(かみ)神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)見直(みなほ)()(なほ)し、060もつて今回(こんくわい)はその(つみ)()はざるべし。061(いち)(にち)(はや)改言(かいげん)改過(かいくわ)(じつ)をあげ、062蛸間山(たこまやま)(さかひ)として国土(こくど)南北(なんぽく)両分(りやうぶん)し、063その持場(もちば)決定(けつてい)し、064騒乱(さうらん)鎮定(ちんてい)国祖(こくそ)大神(おほかみ)復命(ふくめい)せよ』
065とおごそかに()りたまひける。
066 大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)恐懼(きようく)()くところを()らず、067みづからの不明(ふめい)不徳(ふとく)(しや)し、068大足彦(おほだるひこ)とともに蛸間山(たこまやま)(むか)つて出発(しゆつぱつ)したまひけり。
069 大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)八王神(やつわうじん)に、070大足彦(おほだるひこ)八頭神(やつがしらがみ)にむかつて神示(しんじ)()(さと)神恩(しんおん)(かたじけ)なく(たつと)きことを慇懃(いんぎん)()(つた)へける。071八王神(やつわうじん)はただちに天使長(てんしちやう)懇篤(こんとく)なる説示(せつじ)(うけたまは)り、072翻然(ほんぜん)として前非(ぜんぴ)(さと)り、073かつ国魂(くにたま)(かみ)のもつとも(おそ)るべき威力(ゐりよく)(かん)じ、074正心(せいしん)誠意(せいい)をもつて神業(しんげふ)(あつ)奉仕(ほうし)し、075かつ如何(いか)なる神勅(しんちよく)なりとも、076今日(こんにち)かぎり(だん)じて違背(ゐはい)せじと、077心底(しんてい)より誓約(せいやく)をなしたりにける。
078 これに引替(ひきか)へ、079大足彦(おほだるひこ)八頭神(やつがしらがみ)なる国玉別(くにたまわけ)にむかひ順逆(じゆんぎやく)(みち)()き、080(かみ)威徳(ゐとく)をさとし言辞(ことば)(つく)して説示(せつじ)したるが、081国玉別(くにたまわけ)天使(てんし)教示(けうじ)()くやたちまち顔色(がんしよく)獰猛(だうまう)(さう)をあらはし、082(くち)をきはめて反抗(はんかう)容易(ようい)屈伏(くつぷく)せず、083ほとンど捨鉢(すてばち)となりて天使(てんし)大足彦(おほだるひこ)面上(めんじやう)()みつかむとせるを、084大足彦(おほだるひこ)は、085心得(こころえ)たりと両手(りやうて)(ゆび)交叉(かうさ)鎮魂(ちんこん)姿勢(しせい)をとり、086ウーと一声(いつせい)(ひら)くその言霊(ことたま)に、087国玉別(くにたまわけ)地上(ちじやう)仰天(ぎやうてん)(たふ)()し、088口中(こうちう)よりは多量(たりやう)泡沫(あは)()きだし(もだ)(くる)しみけり。089天使(てんし)はなほも一声(いつせい)言霊(ことたま)()(はな)つや、090八頭神(やつがしらがみ)体内(たいない)よりは、091にはかに黒煙(こくえん)()ちのぼるよと()るまに、092金毛(きんまう)八尾(はちぴ)悪狐(あくこ)姿(すがた)(あら)はれ、093(くも)をかすみと西(にし)(そら)めがけて逃失(にげう)せにけり。
094 国魂神(くにたまがみ)嫉妬(しつと)(てき)発動(はつどう)狂態(きやうたい)洞察(どうさつ)したる常世国(とこよのくに)邪神(じやしん)は、095(どん)(しん)()(まよひ)につけ()り、096たちまち憑依(ひようい)目的(もくてき)(たつ)し、097(すす)ンで八王神(やつわうじん)(たふ)し、098八頭神(やつがしらがみ)失墜(しつつゐ)せしめ、099蛸間山(たこまやま)攪乱(かくらん)せむとしゐたりしが、100八頭神(やつがしらがみ)(はじ)めて覚醒(かくせい)し、101天使(てんし)にむかつて以前(いぜん)無礼(ぶれい)(しや)し、102()精神(せいしん)空弱(くうじやく)にして意志(いし)(つよ)からず、103つひに邪神(じやしん)容器(ようき)となり、104(かみ)無視(むし)長上(ちやうじやう)侮蔑(ぶべつ)し、105天地(てんち)律法(りつぱう)(やぶ)りたる大罪(だいざい)()い、106低頭(ていとう)平身(へいしん)(つみ)(しよ)せられむことを(ねが)ひけり。107大足彦(おほだるひこ)は、
108国魂(くにたま)(かみ)ある(うへ)(かさ)ねて(ふたた)び、109国魂(くにたま)(かみ)(まつ)りたるは天使長(てんしちやう)以下(いか)経綸(けいりん)(あやま)りたる結果(けつくわ)なれば、110その責任(せきにん)(われ)らも同様(どうやう)なり。111されど仁慈(じんじ)ふかき大神(おほかみ)は、112この(たび)事件(じけん)(くわん)しては寛大(くわんだい)なる大御心(おほみこころ)をもつて、113神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)見直(みなほ)()(なほ)()(なほ)したまひて、114(われ)らがたがひの大罪(だいざい)(わす)れさせたまひたり。115心安(こころやす)思召(おぼしめ)されよ』
116満面(まんめん)(ゑみ)をうかべて()()かせたるに、117国玉別(くにたまわけ)神恩(しんおん)(たふと)(かたじけ)なさに(なみだ)(たき)のごとく(なが)し、118衷心(ちうしん)より改悛(かいしゆん)(じやう)をあらはし、119八王神(やつわうじん)忠実(ちうじつ)(つか)へける。120それより天地(てんち)和順(わじゆん)上下(じやうげ)よく(をさ)まりて、121(まつ)神代(かみよ)常永(とことは)時津風(ときつかぜ)(えだ)()らさぬ聖代(せいだい)招来(せうらい)したりける。
122 (いま)まで天空(てんくう)橋状(けうじやう)をなして(よこ)たはりし黒雲(こくうん)は、123次第(しだい)散乱(さんらん)して(ぬぐ)ふがごとく、124(てん)(あき)らけく()(きよ)く、125神人(しんじん)和楽(わらく)極楽(ごくらく)浄土(じやうど)現出(げんしゆつ)したるぞ目出度(めでた)けれ。126これより二個(にこ)国魂(くにたま)南北(なんぽく)(わか)(まつ)られ、127国土(こくど)二分(にぶん)して、128北方(ほつぱう)八王神(やつわうじん)吾妻別(あづまわけ)これを主管(しゆくわん)し、129南方(なんぱう)八頭神(やつがしらがみ)国玉別(くにたまわけ)これを主管(しゆくわん)することとなりぬ。130君主(くんしゆ)(てき)神政(しんせい)神界(しんかい)経綸(けいりん)も、131ここにいよいよ民主(みんしゆ)(てき)神政(しんせい)(たん)(ひら)かれたるぞ是非(ぜひ)なけれ。
132大正一〇・一一・二〇 旧一〇・二一 午後八時東の天より西の天に向つて一条の怪しき黒雲横たはり、天を南北に区劃し、天地暗澹たる時、竜宮館において、加藤明子録)
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