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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第3巻(寅の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 国魂の配置
第1章 神々の任命
第2章 八王神の守護
第2篇 新高山
第3章 渓間の悲劇
第4章 鶴の首
第3篇 ロツキー山
第5章 不審の使神
第6章 籠の鳥
第7章 諷詩の徳
第8章 従神司の殊勲
第4篇 鬼城山
第9章 弁者と弁者
第10章 無分別
第11章 裸体の道中
第12章 信仰の力
第13章 嫉妬の報
第14章 霊系の抜擢
第5篇 万寿山
第15章 神世の移写
第16章 玉ノ井の宮
第17章 岩窟の修業
第18章 神霊の遷座
第6篇 青雲山
第19章 楠の根元
第20章 晴天白日
第21章 狐の尻尾
第22章 神前の審判
第7篇 崑崙山
第23章 鶴の一声
第24章 蛸間山の黒雲
第25章 邪神の滅亡
第26章 大蛇の長橋
第8篇 神界の変動
第27章 不意の昇天
第28章 苦心惨憺
第29章 男波女波
第30章 抱擁帰一
第31章 竜神の瀑布
第32章 破軍の剣
第9篇 隠神の活動
第33章 巴形の斑紋
第34章 旭日昇天
第35章 宝の埋換
第36章 唖者の叫び
第37章 天女の舞曲
第38章 四十八滝
第39章 乗合舟
第10篇 神政の破壊
第40章 国の広宮
第41章 二神の帰城
第42章 常世会議
第43章 配所の月
第11篇 新規蒔直し
第44章 可賀天下
第45章 猿猴と渋柿
第46章 探湯の神事
第47章 夫婦の大道
第48章 常夜の闇
第49章 袖手傍観
第12篇 霊力体
第50章 安息日
岩井温泉紀行歌
余白歌
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> 第8篇 神界の変動 > 第31章 竜神の瀑布
<<< 抱擁帰一
(B)
(N)
破軍の剣 >>>
第三一章
竜神
(
りうじん
)
の
瀑布
(
ばくふ
)
〔一三一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻
篇:
第8篇 神界の変動
よみ(新仮名遣い):
しんかいのへんどう
章:
第31章 竜神の瀑布
よみ(新仮名遣い):
りゅうじんのばくふ
通し章番号:
131
口述日:
1921(大正10)年11月29日(旧11月01日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年3月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2019-09-01 16:54:55
OBC :
rm0331
愛善世界社版:
182頁
八幡書店版:
第1輯 325頁
修補版:
校定版:
186頁
普及版:
81頁
初版:
ページ備考:
001
長
(
なが
)
らくローマに
足
(
あし
)
を
留
(
とど
)
めたる
八王神
(
やつわうじん
)
道貫彦
(
みちつらひこ
)
は、
002
ローマの
没落
(
ぼつらく
)
とともに、
003
モスコーを
気
(
き
)
づかひ、
004
あまたの
敵軍
(
てきぐん
)
を
突破
(
とつぱ
)
してやうやく
帰城
(
きじやう
)
し、
005
道貫姫
(
みちつらひめ
)
とともに
長物語
(
ながものがた
)
りに
夜
(
よ
)
を
徹
(
てつ
)
したりける。
006
しかるに
道貫彦
(
みちつらひこ
)
はわが
不在中
(
ふざいちゆう
)
、
007
春日姫
(
かすがひめ
)
の
鷹住別
(
たかすみわけ
)
と
夫婦
(
ふうふ
)
となりしことを
大
(
おほ
)
いに
怒
(
いか
)
り、
008
かかる
一身
(
いつしん
)
上
(
じやう
)
の
大問題
(
だいもんだい
)
を
父
(
ちち
)
にも
母
(
はは
)
にも
計
(
はか
)
らず、
009
決行
(
けつかう
)
したる
春日姫
(
かすがひめ
)
も
不都合
(
ふつがふ
)
なれども、
010
第一
(
だいいち
)
母
(
はは
)
たる
道貫姫
(
みちつらひめ
)
の
行
(
ゆ
)
き
届
(
とど
)
かざる
行為
(
かうゐ
)
を
怒
(
いか
)
り、
011
道貫姫
(
みちつらひめ
)
には
別殿
(
べつでん
)
を
造
(
つく
)
りてこれに
蟄居
(
ちつきよ
)
せしめ、
012
鷹住別
(
たかすみわけ
)
と
春日姫
(
かすがひめ
)
のあひだを
生木
(
なまき
)
を
割
(
さ
)
くごとく、
013
無残
(
むざん
)
にも
夜半
(
よは
)
の
嵐
(
あらし
)
の
物凄
(
ものすご
)
く、
014
常世国
(
とこよのくに
)
にむかつて
鷹住別
(
たかすみわけ
)
を
神退
(
かむやら
)
ひに
退
(
やら
)
はれにける。
015
春日姫
(
かすがひめ
)
は、
016
海洋
(
かいやう
)
万里
(
ばんり
)
の
孤島
(
こたう
)
にただ
一柱
(
ひとはしら
)
とりのこされし
心地
(
ここち
)
して、
017
連日
(
れんじつ
)
連夜
(
れんや
)
泣
(
な
)
き
暮
(
くら
)
したる。
018
その
結果
(
けつくわ
)
、
019
つひに
心魂
(
しんこん
)
に
異状
(
いじやう
)
を
呈
(
てい
)
し、
020
狂乱
(
きやうらん
)
となり、
021
行
(
ゆ
)
きあふ
人
(
ひと
)
ごとに
形相
(
ぎやうさう
)
を
変
(
へん
)
じ
眼
(
め
)
を
見
(
み
)
はりて、
022
『
鷹住別
(
たかすみわけ
)
、
023
々々々
(
たかすみわけ
)
』
024
と
叫
(
さけ
)
び
狂
(
くる
)
ふ。
025
ここに
竹友別
(
たけともわけ
)
、
026
畠照彦
(
はたてるひこ
)
は、
027
いかにもして
春日姫
(
かすがひめ
)
の
病
(
やまひ
)
を
癒
(
なほ
)
さむとし、
028
遠近
(
をちこち
)
の
高山
(
かうざん
)
に
分
(
わ
)
け
入
(
い
)
り
瀑布
(
ばくふ
)
に
身
(
み
)
を
浸
(
ひた
)
し、
029
あるひは
断食
(
だんじき
)
をなして
祈願
(
きぐわん
)
を
籠
(
こ
)
めたれども、
030
病気
(
びやうき
)
はおひおひ
重
(
おも
)
くなるばかりなりける。
031
あるとき
畠照彦
(
はたてるひこ
)
、
032
竹友別
(
たけともわけ
)
はゆくりなくも
天道山
(
てんだうざん
)
に
分
(
わ
)
け
入
(
い
)
りしが、
033
ここには「
竜神
(
りうじん
)
の
滝
(
たき
)
」といふがありて、
034
山頂
(
さんちやう
)
より
落下
(
らくか
)
する
水勢
(
すゐせい
)
は
百雷
(
ひやくらい
)
の
一度
(
いちど
)
に
轟
(
とどろ
)
くがごとく、
035
水煙
(
みづけぶり
)
濛々
(
もうもう
)
として
立
(
た
)
ち
上
(
のぼ
)
り、
036
実
(
じつ
)
にすさまじき
深山
(
しんざん
)
幽谷
(
いうこく
)
なりける。
037
ここに
二人
(
ふたり
)
は、
038
七日
(
なぬか
)
七夜
(
ななよ
)
精神
(
せいしん
)
をこめて
祈願
(
きぐわん
)
したりしが、
039
その
時
(
とき
)
馬
(
うま
)
の
蹄
(
ひづめ
)
の
音
(
おと
)
嘎々
(
かつかつ
)
と
山上
(
さんじやう
)
より
聞
(
きこ
)
えて、
040
六面
(
ろくめん
)
八臂
(
はつぴ
)
の
鬼神
(
きじん
)
あらはれ
二人
(
ふたり
)
にむかひ、
041
『
春日姫
(
かすがひめ
)
の
病気
(
びやうき
)
は、
042
この
瀑布
(
ばくふ
)
に
一
(
いつ
)
ケ
月
(
げつ
)
打
(
う
)
たれなば
全快
(
ぜんくわい
)
せむ』
043
と
告
(
つ
)
げ、
044
そのまま
姿
(
すがた
)
は
煙雲
(
えんうん
)
のごとく
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せけり。
045
二人
(
ふたり
)
は
天
(
てん
)
にも
上
(
のぼ
)
る
心地
(
ここち
)
して
急
(
いそ
)
ぎモスコーに
帰
(
かへ
)
り、
046
平玉彦
(
ひらたまひこ
)
とはかり
春日姫
(
かすがひめ
)
をひそかに
誘
(
さそ
)
ひ、
047
天道山
(
てんだうざん
)
の
瀑布
(
ばくふ
)
に
連
(
つ
)
れ
行
(
ゆ
)
かむとしたるに、
048
大道別
(
おほみちわけ
)
はこれを
探知
(
たんち
)
し、
049
直
(
ただ
)
ちにこれを
厳禁
(
げんきん
)
したるに、
050
畠照彦
(
はたてるひこ
)
、
051
竹友別
(
たけともわけ
)
は
顔色
(
がんしよく
)
をかへ
大道別
(
おほみちわけ
)
にむかつて、
052
『
心得
(
こころえ
)
ぬ
貴下
(
きか
)
の
仰
(
おほ
)
せなるかな。
053
貴下
(
きか
)
は
八王神
(
やつわうじん
)
に
仕
(
つか
)
へまつる
侍従長
(
じじゆうちやう
)
の
顕職
(
けんしよく
)
にありながら、
054
毫末
(
がうまつ
)
も
忠良
(
ちうりやう
)
の
志
(
こころざし
)
なし。
055
われは
身命
(
しんめい
)
を
捨
(
す
)
て、
056
八王神
(
やつわうじん
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
心痛
(
しんつう
)
を
助
(
たす
)
けまつらむ
忠義
(
ちうぎ
)
の
心
(
こころ
)
より
出
(
い
)
でたるなり。
057
数月
(
すうげつ
)
のあひだ、
058
食
(
しよく
)
を
断
(
た
)
ち、
059
あるひは
深山
(
しんざん
)
に
分
(
わ
)
け
入
(
い
)
り、
060
瀑布
(
ばくふ
)
に
投
(
とう
)
じあらゆる
艱難
(
かんなん
)
辛苦
(
しんく
)
を
嘗
(
な
)
め、
061
その
報
(
むく
)
いによつて
神
(
かみ
)
の
命
(
めい
)
を
受
(
う
)
け、
062
春日姫
(
かすがひめ
)
を
救
(
すく
)
ひまつらむとす。
063
しかるに
厳禁
(
げんきん
)
すとは
何事
(
なにごと
)
ぞ。
064
いかに
長上
(
ちやうじやう
)
の
言
(
げん
)
なればとて、
065
かかる
不忠
(
ふちゆう
)
不義
(
ふぎ
)
の
言
(
げん
)
に
服従
(
ふくじゆう
)
すること
能
(
あた
)
はず』
066
と
云
(
い
)
ひ
放
(
はな
)
ち、
067
ひそかに
春日姫
(
かすがひめ
)
を
鶴舞姫
(
つるまひひめ
)
と
仮名
(
かめい
)
し、
068
ここに
主従
(
しゆじゆう
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
[
※
従者は畠照彦、竹友別、平玉彦の3人いるので「主従四人」の間違いでは?
]
は
天道山
(
てんだうざん
)
の
大瀑布
(
だいばくふ
)
の
下
(
した
)
に
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
りにける。
069
道貫彦
(
みちつらひこ
)
は、
070
平玉彦
(
ひらたまひこ
)
以下
(
いか
)
二人
(
ふたり
)
の
赤誠
(
せきせい
)
を
非常
(
ひじやう
)
に
感謝
(
かんしや
)
されたりといふ。
071
ここに
大道別
(
おほみちわけ
)
は
守高彦
(
もりたかひこ
)
を
瀑布
(
ばくふ
)
に
遣
(
つか
)
はし、
072
すみやかに
春日姫
(
かすがひめ
)
をともなひ
帰
(
かへ
)
るべく
命令
(
めいれい
)
を
伝
(
つた
)
へしめたれば、
073
守高彦
(
もりたかひこ
)
は、
074
天道山
(
てんだうざん
)
の
瀑布
(
ばくふ
)
にいたり
窺
(
うかが
)
ひみれば、
075
平玉彦
(
ひらたまひこ
)
以下
(
いか
)
の
人々
(
ひとびと
)
は
春日姫
(
かすがひめ
)
の
鶴舞姫
(
つるまひひめ
)
を
傍
(
かたはら
)
の
石
(
いし
)
の
上
(
うへ
)
に
横臥
(
わうぐわ
)
せしめ、
076
代
(
かは
)
るがはる
瀑布
(
ばくふ
)
に
打
(
う
)
たれ、
077
真裸
(
まつぱだか
)
のまま
春日姫
(
かすがひめ
)
の
身体
(
しんたい
)
にむかつて
指
(
ゆび
)
を
組
(
く
)
み、
078
鎮魂
(
ちんこん
)
の
姿勢
(
しせい
)
をとり
汗
(
あせ
)
を
滝水
(
たきみづ
)
と
流
(
なが
)
して、
079
ウーウー
と
呻
(
うな
)
りゐたり。
080
守高彦
(
もりたかひこ
)
はこの
体
(
てい
)
を
見
(
み
)
てあきれ
果
(
は
)
て、
081
つひには
抱腹
(
はうふく
)
絶倒
(
ぜつたう
)
のあまり、
082
自分
(
じぶん
)
も
気
(
き
)
が
変
(
へん
)
になりきたりぬ。
083
そのとき
鶴舞姫
(
つるまひひめ
)
は、
084
『
竹友別
(
たけともわけ
)
、
085
々々々
(
たけともわけ
)
』
086
と
連呼
(
れんこ
)
しけるが、
087
竹友別
(
たけともわけ
)
は
唯々
(
ゐゐ
)
諾々
(
だくだく
)
として
滝壺
(
たきつぼ
)
より
這
(
は
)
ひあがり、
088
鶴舞姫
(
つるまひひめ
)
の
前
(
まへ
)
に
畏
(
おそ
)
るおそる
跪坐
(
きざ
)
しける。
089
鶴舞姫
(
つるまひひめ
)
はいやらしき
笑
(
ゑみ
)
をうかべて、
090
『
貴下
(
きか
)
は
恋
(
こひ
)
しき
鷹住別
(
たかすみわけ
)
に
非
(
あら
)
ずや』
091
と
力
(
ちから
)
のかぎり
手首
(
てくび
)
を
握
(
にぎ
)
りたり。
092
強力
(
がうりき
)
の
鶴舞姫
(
つるまひひめ
)
に
手首
(
てくび
)
を
握
(
にぎ
)
られたる
竹友別
(
たけともわけ
)
はみるみる
顔色
(
がんしよく
)
青褪
(
あをざ
)
め、
093
その
場
(
ば
)
に
打
(
う
)
ち
倒
(
たふ
)
れたり。
094
畠照彦
(
はたてるひこ
)
は
驚
(
おどろ
)
きて
滝壺
(
たきつぼ
)
より
這
(
は
)
ひあがり
滝水
(
たきみづ
)
を
口
(
くち
)
に
含
(
ふく
)
み、
095
竹友別
(
たけともわけ
)
の
面上
(
めんじやう
)
を
目
(
め
)
がけて
息吹
(
いぶ
)
き
放
(
はな
)
ちけるに、
096
竹友別
(
たけともわけ
)
やうやくして
正気
(
しやうき
)
づきぬ。
097
されど
鶴舞姫
(
つるまひひめ
)
は
堅
(
かた
)
く
手
(
て
)
を
握
(
にぎ
)
りて
放
(
はな
)
さねば、
098
竹友別
(
たけともわけ
)
は
耳菟
(
みみづく
)
のごとき
円
(
まる
)
き
目
(
め
)
を
白黒
(
しろくろ
)
とむき
出
(
だ
)
し、
099
一言
(
いちごん
)
も
発
(
はつ
)
しえず
悶
(
もだ
)
え
苦
(
くる
)
しみにけり。
100
時
(
とき
)
しもあれ
守高彦
(
もりたかひこ
)
は、
101
やにはに
鶴舞姫
(
つるまひひめ
)
の
横面
(
よこづら
)
目
(
め
)
がけて
拳固
(
げんこ
)
を
加
(
くは
)
へたるが、
102
そのはずみに
鶴舞姫
(
つるまひひめ
)
は
滝壺
(
たきつぼ
)
へ
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
みたり。
103
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
驚
(
おどろ
)
きて
鶴舞姫
(
つるまひひめ
)
を
滝壺
(
たきつぼ
)
より
救
(
すく
)
ひあげ、
104
守高彦
(
もりたかひこ
)
の
手足
(
てあし
)
に
搦
(
から
)
みつき、
105
『
汝
(
なんぢ
)
は
不忠
(
ふちゆう
)
不義
(
ふぎ
)
の
悪人
(
あくにん
)
よ。
106
主
(
しゆ
)
にたいして
無礼
(
ぶれい
)
の
段
(
だん
)
その
罪
(
つみ
)
もつとも
重
(
おも
)
し、
107
目
(
め
)
に
物
(
もの
)
見
(
み
)
せてくれむ』
108
と、
109
三
(
さん
)
人
(
にん
)
一度
(
いちど
)
に
有
(
あ
)
りあふ
岩
(
いは
)
を
手
(
て
)
に
持
(
も
)
ち、
110
守高彦
(
もりたかひこ
)
の
身体
(
しんたい
)
を
処
(
ところ
)
かまはず
打
(
う
)
ち
据
(
す
)
ゑける。
111
守高彦
(
もりたかひこ
)
は
四
(
よ
)
つ
這
(
ばひ
)
となり、
112
笑
(
わら
)
ひながら、
113
『もう、
114
それでよいか』
115
と
嘲笑
(
てうせう
)
したるに、
116
三
(
さん
)
人
(
にん
)
はますます
怒
(
いか
)
り、
117
岩
(
いは
)
を
持
(
も
)
つて
打
(
う
)
てども
擲
(
なぐ
)
れども、
118
不死身
(
ふじみ
)
の
守高彦
(
もりたかひこ
)
は
平然
(
へいぜん
)
たり。
119
何
(
なに
)
はともあれ、
120
一
(
いち
)
時
(
じ
)
もはやくこの
様子
(
やうす
)
を
大道別
(
おほみちわけ
)
に
報告
(
はうこく
)
し、
121
あまたの
神司
(
かみがみ
)
を
引
(
ひ
)
き
連
(
つ
)
れきたりて
三
(
さん
)
人
(
にん
)
をしばり、
122
春日姫
(
かすがひめ
)
を
連
(
つ
)
れ
帰
(
かへ
)
らむと
心
(
こころ
)
を
定
(
さだ
)
め、
123
守高彦
(
もりたかひこ
)
は
一目散
(
いちもくさん
)
にモスコーに
走
(
はし
)
り
帰
(
かへ
)
り、
124
この
次第
(
しだい
)
を
大道別
(
おほみちわけ
)
に
奏上
(
そうじやう
)
したりける。
125
大道別
(
おほみちわけ
)
は
大石別
(
おほいしわけ
)
を
守高彦
(
もりたかひこ
)
にそへ、
126
あまたの
神司
(
かみがみ
)
をひきゐて
天道山
(
てんだうざん
)
の
瀑布
(
ばくふ
)
にむかひ、
127
『
鶴舞姫
(
つるまひひめ
)
以下
(
いか
)
諸神司
(
しよしん
)
を
残
(
のこ
)
らず
打
(
う
)
ち
殺
(
ころ
)
し
帰
(
かへ
)
るべし』
128
と
命令
(
めいれい
)
したり。
129
大石別
(
おほいしわけ
)
、
130
守高彦
(
もりたかひこ
)
は
案
(
あん
)
に
相違
(
さうゐ
)
の
顔色
(
がんしよく
)
にて、
131
『
畏
(
おそ
)
れおほくも
主
(
しゆ
)
の
御
(
おん
)
娘
(
むすめ
)
を、
132
従臣
(
じゆうしん
)
の
分際
(
ぶんざい
)
として、
133
打
(
う
)
ち
殺
(
ころ
)
し
帰
(
かへ
)
れとはその
意
(
い
)
を
得
(
え
)
ず。
134
貴下
(
きか
)
もまた
常世国
(
とこよのくに
)
の
邪神
(
じやしん
)
に
憑依
(
ひようい
)
されて、
135
かくのごとき
暴言
(
ばうげん
)
を
吐
(
は
)
かるるならむ。
136
決
(
けつ
)
して
決
(
けつ
)
して
貴下
(
きか
)
の
本心
(
ほんしん
)
より
出
(
いで
)
し
言
(
げん
)
には
非
(
あら
)
ざるべし』
137
と
言
(
い
)
ひつつ、
138
大石別
(
おほいしわけ
)
、
139
守高彦
(
もりたかひこ
)
は
前後
(
ぜんご
)
より
手
(
て
)
を
組
(
く
)
み
合
(
あは
)
せ、
140
ウーウー
と
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
霊力
(
れいりよく
)
をこめ
鎮魂
(
ちんこん
)
の
姿勢
(
しせい
)
を
取
(
と
)
りける。
141
大道別
(
おほみちわけ
)
は
吹
(
ふ
)
きだし、
142
腹
(
はら
)
をかかへてその
場
(
ば
)
に
打
(
う
)
ち
伏
(
ふ
)
し、
143
『
大石別
(
おほいしわけ
)
腰
(
こし
)
を
揉
(
も
)
め、
144
守高彦
(
もりたかひこ
)
足
(
あし
)
を
撫
(
な
)
でよ。
145
あまりのをかしさに
腹
(
はら
)
も
腰
(
こし
)
もだるくて
置
(
お
)
き
処
(
どころ
)
なし』
146
とて
哄笑
(
こうせう
)
せり。
147
二人
(
ふたり
)
は
烈火
(
れつくわ
)
のごとく
憤
(
いきどほ
)
り、
148
『
不忠
(
ふちゆう
)
不義
(
ふぎ
)
の
悪魔
(
あくま
)
の
張本
(
ちやうほん
)
、
149
天
(
てん
)
にかはりて
誅戮
(
ちうりく
)
せむ。
150
思
(
おも
)
ひ
知
(
し
)
れよ』
151
と
力自慢
(
ちからじまん
)
の
守高彦
(
もりたかひこ
)
は、
152
蠑螺
(
さざえ
)
のごとき
拳固
(
げんこ
)
をかためて
大道別
(
おほみちわけ
)
を
打
(
う
)
たんとしたるその
刹那
(
せつな
)
、
153
守高彦
(
もりたかひこ
)
の
腕
(
うで
)
は
銅像
(
どうざう
)
のごとく
手
(
て
)
を
振
(
ふ
)
り
上
(
あ
)
げしまま
少
(
すこ
)
しも
動
(
うご
)
かずなりにける。
154
大道別
(
おほみちわけ
)
は
二人
(
ふたり
)
にむかひ、
155
『
吾
(
われ
)
は
臣下
(
しんか
)
の
分際
(
ぶんざい
)
として
忠義
(
ちうぎ
)
の
道
(
みち
)
をわきまへざるに
非
(
あら
)
ず。
156
春日姫
(
かすがひめ
)
はすでに
鷹住別
(
たかすみわけ
)
と
手
(
て
)
をたづさへて
常世国
(
とこよのくに
)
にあり。
157
しかるに
二人
(
ふたり
)
の
春日姫
(
かすがひめ
)
の
在
(
おは
)
すは
合点
(
がつてん
)
ゆかずと、
158
毎夜
(
まいよ
)
ひそかに
烏羽玉
(
うばたま
)
の
宮
(
みや
)
に
詣
(
まう
)
で、
159
神勅
(
しんちよく
)
を
請
(
こ
)
ひゐるをりしも
大神
(
おほかみ
)
現
(
あら
)
はれたまひ、
160
かれ
春日姫
(
かすがひめ
)
は
銀毛
(
ぎんまう
)
八尾
(
はつぴ
)
の
悪狐
(
あくこ
)
の
変身
(
へんしん
)
なり。
161
その
証拠
(
しようこ
)
はかれの
足
(
あし
)
の
裏
(
うら
)
に
狐
(
きつね
)
の
形
(
かたち
)
したる
斑紋
(
はんもん
)
ありとの
神示
(
しんじ
)
なりしかば、
162
吾
(
われ
)
は
常
(
つね
)
に
注意
(
ちうい
)
しつつありしに、
163
ある
機会
(
きくわい
)
にその
斑紋
(
はんもん
)
を
見届
(
みとど
)
けたり。
164
ゆゑに
偽
(
いつは
)
りもなき
悪狐
(
あくこ
)
の
変化
(
へんげ
)
なれば、
165
汝
(
なんぢ
)
はすみやかに
天道山
(
てんだうざん
)
の
瀑布
(
ばくふ
)
にいたり、
166
姫
(
ひめ
)
もろともに
一度
(
いちど
)
に
打
(
う
)
ちとるか、
167
さなくばこれを
生擒
(
いけど
)
りにして
帰
(
かへ
)
りきたるべし』
168
と
初
(
はじ
)
めて
心中
(
しんちう
)
を
打
(
う
)
ち
明
(
あ
)
けたりしに、
169
守高彦
(
もりたかひこ
)
はいづれが
真
(
しん
)
の
狐
(
きつね
)
なるや
合点
(
がつてん
)
ゆかず、
170
ともかくも
春日姫
(
かすがひめ
)
の
足
(
あし
)
の
裏
(
うら
)
を
見
(
み
)
とどけての
上
(
うへ
)
決
(
けつ
)
せむと、
171
大石別
(
おほいしわけ
)
もろとも
急
(
いそ
)
ぎ
竜神
(
りうじん
)
の
瀑布
(
ばくふ
)
に
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
りにける。
172
(
大正一〇・一一・二九
旧一一・一
加藤明子
録)
173
(第二九章~第三一章 昭和一〇・一・一七 於延岡市吉野屋旅館 王仁校正)
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(B)
(N)
破軍の剣 >>>
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