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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第3巻(寅の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 国魂の配置
第1章 神々の任命
第2章 八王神の守護
第2篇 新高山
第3章 渓間の悲劇
第4章 鶴の首
第3篇 ロツキー山
第5章 不審の使神
第6章 籠の鳥
第7章 諷詩の徳
第8章 従神司の殊勲
第4篇 鬼城山
第9章 弁者と弁者
第10章 無分別
第11章 裸体の道中
第12章 信仰の力
第13章 嫉妬の報
第14章 霊系の抜擢
第5篇 万寿山
第15章 神世の移写
第16章 玉ノ井の宮
第17章 岩窟の修業
第18章 神霊の遷座
第6篇 青雲山
第19章 楠の根元
第20章 晴天白日
第21章 狐の尻尾
第22章 神前の審判
第7篇 崑崙山
第23章 鶴の一声
第24章 蛸間山の黒雲
第25章 邪神の滅亡
第26章 大蛇の長橋
第8篇 神界の変動
第27章 不意の昇天
第28章 苦心惨憺
第29章 男波女波
第30章 抱擁帰一
第31章 竜神の瀑布
第32章 破軍の剣
第9篇 隠神の活動
第33章 巴形の斑紋
第34章 旭日昇天
第35章 宝の埋換
第36章 唖者の叫び
第37章 天女の舞曲
第38章 四十八滝
第39章 乗合舟
第10篇 神政の破壊
第40章 国の広宮
第41章 二神の帰城
第42章 常世会議
第43章 配所の月
第11篇 新規蒔直し
第44章 可賀天下
第45章 猿猴と渋柿
第46章 探湯の神事
第47章 夫婦の大道
第48章 常夜の闇
第49章 袖手傍観
第12篇 霊力体
第50章 安息日
岩井温泉紀行歌
余白歌
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<<< 可賀天下
(B)
(N)
探湯の神事 >>>
第四五章
猿猴
(
ゑんこう
)
と
渋柿
(
しぶがき
)
〔一四五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻
篇:
第11篇 新規蒔直し
よみ(新仮名遣い):
しんきまきなおし
章:
第45章 猿猴と渋柿
よみ(新仮名遣い):
えんこうとしぶがき
通し章番号:
145
口述日:
1921(大正10)年12月09日(旧11月11日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年3月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
聖地の天変地異が一向に収まらない中、国照姫らは国祖に高照姫命らを律法違反で訴えた。国祖はまたしても、自ら定めた律法に背くわけにもいかず、四柱の天使たちをエデンの園に追放した。これにより、聖地の天変地異はぴたりと収まった。
ちなみに高照姫命は金勝要神の和魂であり、真澄姫命は幸魂、言霊姫命は荒魂、竜世姫命は奇魂である。金勝要神は大地神界の根神であったが、自我心が頑強であったためにエデンの園に押し込められ、次いで地底の穢き国に墜落して、三千年の辛苦を嘗めることになった。
邪神たちは、跡継ぎの天使長は八王大神・常世彦が任命されるであろうと期待していたが、国祖は天から沢田彦命を降し、天使長に任命した。沢田彦命は金神の首領にして、大将軍と称せられる神である。
天使には、同じく天より降した沢田彦命一派の真心彦らを任じた。
真心彦の部下、百照彦は、主人を慰めようと日夜焦慮していた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm0345
愛善世界社版:
263頁
八幡書店版:
第1輯 353頁
修補版:
校定版:
267頁
普及版:
119頁
初版:
ページ備考:
001
天使長
(
てんしちやう
)
高照姫
(
たかてるひめの
)
命
(
みこと
)
以下
(
いか
)
の
女天使
(
によてんし
)
は、
002
天地
(
てんち
)
の
激怒
(
げきど
)
に
狼狽
(
らうばい
)
し、
003
ほとンど
為
(
な
)
すところを
知
(
し
)
らず、
004
部下
(
ぶか
)
の
神司
(
かみがみ
)
らは
残
(
のこ
)
らず
驚
(
おどろ
)
きのあまり
右往
(
うわう
)
左往
(
さわう
)
に
逃
(
に
)
げまはり、
005
或
(
ある
)
ひはつまづき
或
(
ある
)
ひは
失神
(
しつしん
)
し、
006
とかげ
の
欠伸
(
あくび
)
したるごとき
怪
(
あや
)
しき
顔
(
かほ
)
にて
呆
(
あき
)
れ
仰天
(
ぎやうてん
)
するもあり、
007
石亀
(
いしがめ
)
の
酒壺
(
さけつぼ
)
におちいりて
溺
(
おぼ
)
れし
時
(
とき
)
のごとき
顔付
(
かほつき
)
にて、
008
じつに
見
(
み
)
るも
滑稽
(
こつけい
)
至極
(
しごく
)
のいたりなりける。
009
雷鳴
(
らいめい
)
は
容易
(
ようい
)
にやまざるのみならず、
010
ますます
激烈
(
げきれつ
)
に
鳴
(
な
)
りとどろき、
011
東北
(
とうほく
)
の
強風
(
きやうふう
)
しきりに
吹
(
ふ
)
き
荒
(
すさ
)
み、
012
暗雲
(
あんうん
)
天地
(
てんち
)
に
閉
(
とざ
)
してすさまじく、
013
常夜
(
とこよ
)
の
暗
(
やみ
)
のごとく
神人
(
しんじん
)
戦慄
(
せんりつ
)
し、
014
禽獣
(
きんじう
)
虫族
(
ちうぞく
)
にいたるまで、
015
いづれも
地
(
ち
)
に
俯伏
(
ふふく
)
して
息
(
いき
)
をも
発
(
はつ
)
せざるの
惨状
(
さんじやう
)
を
現出
(
げんしゆつ
)
したるぞ
畏
(
かし
)
こけれ。
016
また
四柱
(
よはしら
)
の
女天使
(
によてんし
)
は
自我心
(
じがしん
)
もつとも
強
(
つよ
)
くして、
017
神命
(
しんめい
)
さへも
抗拒
(
かうきよ
)
し
律法
(
りつぱう
)
を
破
(
やぶ
)
りたれば、
018
天地
(
てんち
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
怒
(
いか
)
りに
触
(
ふ
)
れ、
019
かかる
混乱
(
こんらん
)
状態
(
じやうたい
)
に
陥
(
おちい
)
りたるぞ
是非
(
ぜひ
)
なき
次第
(
しだい
)
なりけり。
020
待
(
ま
)
ちまうけたる
常世姫
(
とこよひめ
)
の
部下
(
ぶか
)
、
021
国照姫
(
くにてるひめ
)
、
022
杵築姫
(
きつきひめ
)
は、
023
平素
(
へいそ
)
の
願望
(
ぐわんばう
)
を
成就
(
じやうじゆ
)
するはこの
時
(
とき
)
を
逸
(
いつ
)
すべからずとし、
024
国治立
(
くにはるたちの
)
命
(
みこと
)
の
奥殿
(
おくでん
)
に
参向
(
さんかう
)
し、
025
高照姫
(
たかてるひめの
)
命
(
みこと
)
以下
(
いか
)
の
女天使
(
によてんし
)
らの
神勅
(
しんちよく
)
を
無視
(
むし
)
し、
026
律法
(
りつぱう
)
に
違反
(
ゐはん
)
せる
罪科
(
ざいくわ
)
を
詳細
(
しやうさい
)
に
陳述
(
ちんじゆつ
)
し、
027
すみやかに
四柱
(
よはしら
)
の
女天使
(
によてんし
)
の
職
(
しよく
)
を
免
(
めん
)
じ、
028
聖地
(
せいち
)
聖城
(
せいじやう
)
を
追放
(
つゐはう
)
されたしと
進言
(
しんげん
)
したり。
029
神明
(
しんめい
)
に
依怙
(
えこ
)
なし、
030
大神
(
おほかみ
)
は
天地
(
てんち
)
の
律法
(
りつぱう
)
に
対
(
たい
)
し、
031
情
(
じやう
)
に
訴
(
うつた
)
へて
四天使
(
してんし
)
を
赦
(
ゆる
)
すわけにもゆかず、
032
つひに
涙
(
なみだ
)
をのンで
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
聖職
(
せいしよく
)
を
免
(
めん
)
じ、
033
かつ
四
(
よ
)
人
(
にん
)
に
対
(
たい
)
し、
034
改心
(
かいしん
)
のためとてエデンの
園
(
その
)
に
籠居
(
ろうきよ
)
を
厳命
(
げんめい
)
したまひける。
035
四天使
(
してんし
)
は
神命
(
しんめい
)
と
律法
(
りつぱう
)
にたいしては
抗弁
(
かうべん
)
するの
余地
(
よち
)
なく、
036
唯々
(
ゐゐ
)
として
厳命
(
げんめい
)
を
拝受
(
はいじゆ
)
し、
037
命
(
めい
)
のまにまにエデンの
園
(
その
)
に
籠居
(
ろうきよ
)
の
憂目
(
うきめ
)
を
味
(
あぢ
)
はふの
止
(
や
)
むなきに
立
(
たち
)
いたりけり。
038
四天使
(
してんし
)
の
追放
(
つゐはう
)
とともに、
039
さしも
激烈
(
げきれつ
)
なりし
雷鳴
(
らいめい
)
も、
040
凄
(
すさま
)
じかりし
電火
(
でんくわ
)
も、
041
烈風
(
れつぷう
)
強雨
(
がうう
)
も、
042
たちまち
鎮
(
をさ
)
まりて
清澄
(
せいちやう
)
なる
天地
(
てんち
)
と
化
(
くわ
)
し、
043
宇宙
(
うちう
)
は
夢
(
ゆめ
)
の
醒
(
さ
)
めたるごとき
光景
(
くわうけい
)
となりにける。
044
エデンの
園
(
その
)
は、
045
東
(
ひがし
)
北
(
きた
)
西
(
にし
)
の
三方
(
さんぱう
)
青山
(
せいざん
)
をもつて
囲
(
かこ
)
まれ、
046
南方
(
なんぱう
)
のみ
広
(
ひろ
)
く
展開
(
てんかい
)
して
一条
(
いちでう
)
の
大川
(
おほかわ
)
清
(
きよ
)
く
流
(
なが
)
れ、
047
自然
(
しぜん
)
の
城壁
(
じやうへき
)
を
造
(
つく
)
られあり。
048
四
(
よ
)
人
(
にん
)
はこの
一定
(
いつてい
)
の
場所
(
ばしよ
)
に
押込
(
おしこ
)
められ、
049
草木
(
さうもく
)
の
実
(
み
)
を
食用
(
しよくよう
)
に
供
(
きよう
)
しつつ
楽
(
たのし
)
からぬ
光陰
(
くわういん
)
を
送
(
おく
)
りけり。
050
エデンの
園
(
その
)
は、
051
かつて
邪神
(
じやしん
)
の
棟梁
(
とうりやう
)
竹熊
(
たけくま
)
の
割拠
(
かつきよ
)
せし
所
(
ところ
)
にして、
052
鬼熊
(
おにくま
)
のために
占領
(
せんりやう
)
せられしが、
053
鬼熊
(
おにくま
)
、
054
鬼姫
(
おにひめ
)
の
没落後
(
ぼつらくご
)
まつたく
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
の
管下
(
くわんか
)
になりゐたりしところなり。
055
因
(
ちなみ
)
に、
056
高照姫
(
たかてるひめの
)
命
(
みこと
)
は
金勝要
(
きんかつかね
)
の
神
(
かみ
)
の
和魂
(
にぎみたま
)
であり、
057
真澄姫
(
ますみひめの
)
命
(
みこと
)
は
幸魂
(
さちみたま
)
であり、
058
言霊姫
(
ことたまひめの
)
命
(
みこと
)
は
荒魂
(
あらみたま
)
であり、
059
竜世姫
(
たつよひめの
)
命
(
みこと
)
は
奇魂
(
くしみたま
)
である。
060
今
(
いま
)
まで
四魂
(
しこん
)
合一
(
がふいつ
)
して、
061
神業
(
しんげふ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
されつつありしが、
062
自我心
(
じがしん
)
の
強烈
(
きやうれつ
)
なりしために、
063
聖地
(
せいち
)
聖城
(
せいじやう
)
を
追放
(
つゐはう
)
され、
064
さびしき
配所
(
はいしよ
)
の
月
(
つき
)
に
心
(
こころ
)
を
慰
(
なぐさ
)
め、
065
時
(
とき
)
を
待
(
ま
)
ちたまふの
止
(
や
)
むをえざるに
立
(
たち
)
いたりしは
実
(
じつ
)
に
残念
(
ざんねん
)
のいたりなりける。
066
これについても
慎
(
つつし
)
むべきは、
067
自我心
(
じがしん
)
と
驕慢心
(
けうまんしん
)
なれ。
068
神諭
(
しんゆ
)
の
各所
(
かくしよ
)
に、
069
『
金勝要之
(
きんかつかねの
)
神
(
かみ
)
もあまり
自我心
(
じがしん
)
が
強
(
つよ
)
かつたゆゑに、
070
狭
(
せま
)
い
処
(
ところ
)
へ
押込
(
おしこ
)
められなさつたぞよ』
071
とあるも、
072
この
消息
(
せうそく
)
を
漏
(
も
)
らされたるなり。
073
しかるに
金勝要
(
きんかつかね
)
の
神
(
かみ
)
は、
074
一旦
(
いつたん
)
大地
(
だいち
)
神界
(
しんかい
)
の
根神
(
こんじん
)
とまでなりたまひしに、
075
自我心
(
じがしん
)
の
頑強
(
ぐわんきやう
)
なりしため、
076
エデンの
園
(
その
)
に
押
(
おし
)
こめられ、
077
なほも
自我
(
じが
)
を
頑強
(
ぐわんきやう
)
に
張
(
は
)
りしため、
078
つひには
地底
(
ちてい
)
の
醜
(
しこ
)
めき
穢
(
きた
)
なき
国
(
くに
)
に
墜落
(
つゐらく
)
し、
079
三千
(
さんぜん
)
年
(
ねん
)
の
辛苦
(
しんく
)
をなめたまふに
至
(
いた
)
りしなり。
080
美山彦
(
みやまひこ
)
、
081
国照姫
(
くにてるひめ
)
の
一派
(
いつぱ
)
は、
082
時運
(
じうん
)
の
到来
(
たうらい
)
をよろこびつつ、
083
かならずや
後継
(
あとつぎ
)
の
天使長
(
てんしちやう
)
は、
084
常世彦
(
とこよひこ
)
に
新任
(
しんにん
)
され、
085
自分
(
じぶん
)
らの
一派
(
いつぱ
)
は
天使
(
てんし
)
の
聖職
(
せいしよく
)
を
命
(
めい
)
ぜらるるものと
期待
(
きたい
)
し、
086
肩
(
かた
)
を
怒
(
いか
)
らし
鼻
(
はな
)
をうごめかし、
087
得意
(
とくい
)
頂点
(
ちやうてん
)
に
達
(
たつ
)
し、
088
その
吉報
(
きつぱう
)
を
今
(
いま
)
か、
089
いまかと
指
(
ゆび
)
をり
数
(
かぞ
)
へて
楽
(
たの
)
しみ
待
(
ま
)
ちゐたりける。
090
しかるに
豈計
(
あにはか
)
らむや、
091
後継
(
あとつぎ
)
の
神司
(
かみ
)
は
常世彦
(
とこよひこ
)
一派
(
いつぱ
)
に
下
(
くだ
)
らずして、
092
天上
(
てんじやう
)
より
降
(
くだ
)
りきたれる
金神
(
こんじん
)
の
首領
(
しゆりやう
)
なる
沢田彦
(
さはだひこの
)
命
(
みこと
)
の
一派
(
いつぱ
)
に
降
(
くだ
)
りける。
093
沢田彦
(
さはだひこの
)
命
(
みこと
)
は
一名
(
いちめい
)
大将軍
(
だいしやうぐん
)
と
諸神将
(
しよしんしよう
)
より
賞揚
(
しやうやう
)
されつつありし
英雄神
(
えいゆうしん
)
におはせり。
094
常世彦
(
とこよひこ
)
の
一派
(
いつぱ
)
は、
095
案
(
あん
)
に
相違
(
さうゐ
)
し、
096
猿猴
(
ゑんこう
)
が
渋柿
(
しぶがき
)
を
口
(
くち
)
一杯
(
いつぱい
)
に
含
(
ふく
)
みしごとく、
097
頬
(
ほほ
)
をふくらせ
渋面
(
じふめん
)
を
造
(
つく
)
りながら、
098
悄然
(
せうぜん
)
として
引下
(
ひきさ
)
がりたるその
状
(
さま
)
、
099
見
(
み
)
るも
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なる
次第
(
しだい
)
なりける。
100
ここに
国治立
(
くにはるたちの
)
命
(
みこと
)
は
沢田彦
(
さはだひこの
)
命
(
みこと
)
を
天使長
(
てんしちやう
)
に
任
(
にん
)
じ、
101
妻
(
つま
)
沢田姫
(
さはだひめの
)
命
(
みこと
)
を
輔佐
(
ほさ
)
神司
(
しん
)
となし、
102
真心彦
(
うらひこ
)
を
天使
(
てんし
)
に
任
(
にん
)
じ、
103
妻
(
つま
)
の
事足姫
(
ことたるひめ
)
をして
神務
(
しんむ
)
を
輔佐
(
ほさ
)
せしめたまひける。
104
また
沢田彦
(
さはだひこの
)
命
(
みこと
)
の
従臣
(
じゆうしん
)
に、
105
八雲彦
(
やくもひこ
)
、
106
八雲姫
(
やくもひめ
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
ありしが
抜擢
(
ばつてき
)
されて
用
(
もち
)
ひられ、
107
また
真心彦
(
うらひこ
)
には
国比古
(
くにひこ
)
、
108
国比女
(
くにひめ
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
および
百照彦
(
ももてるひこ
)
を
従臣
(
じゆうしん
)
として
奉仕
(
ほうし
)
せしめられたり。
109
百照彦
(
ももてるひこ
)
は、
110
真心彦
(
うらひこ
)
のもつとも
寵愛
(
ちようあい
)
深
(
ふか
)
かりし
者
(
もの
)
にして、
111
真心彦
(
うらひこ
)
は
霜
(
しも
)
の
朝
(
あした
)
、
112
月
(
つき
)
の
夕
(
ゆふべ
)
に
無聊
(
むれう
)
を
晴
(
は
)
らすためと、
113
百照彦
(
ももてるひこ
)
を
居室
(
きよしつ
)
に
招
(
まね
)
き、
114
種々
(
しゆじゆ
)
の
面白
(
おもしろ
)
き
物語
(
ものがたり
)
を
聞
(
き
)
きて
心
(
こころ
)
の
労
(
らう
)
を
慰
(
なぐさ
)
めゐたり。
115
百照彦
(
ももてるひこ
)
は、
116
いかにして
主
(
しゆ
)
の
心労
(
しんらう
)
を
慰安
(
ゐあん
)
せむかと
常
(
つね
)
に
焦慮
(
せうりよ
)
しゐたれども、
117
主
(
しゆ
)
の
機嫌
(
きげん
)
とるべき
物語
(
ものがたり
)
も、
118
もはや
種絶
(
たねぎ
)
れとなりにける。
119
いかにせば
良
(
よ
)
からむやと
我
(
わ
)
が
居間
(
ゐま
)
に
端座
(
たんざ
)
し、
120
双手
(
もろて
)
を
組
(
く
)
みて
吐息
(
といき
)
をもらし、
121
思案
(
しあん
)
に
沈
(
しづ
)
みてゐたるを、
122
妻
(
つま
)
なる
春子姫
(
はるこひめ
)
は
夫
(
をつと
)
の
近
(
ちか
)
ごろの
様子
(
やうす
)
をうかがひ、
123
夫
(
をつと
)
には
何
(
なに
)
か
一大事
(
いちだいじ
)
の
出来
(
しゆつたい
)
し、
124
それがために
朝夕
(
てうせき
)
苦慮
(
くりよ
)
をめぐらしたまふならむかと、
125
心
(
こころ
)
も
心
(
こころ
)
ならず、
126
思
(
おも
)
ひきりて
夫
(
をつと
)
にむかひ
言
(
い
)
ふやう、
127
『
近
(
ちか
)
ごろの
夫
(
をつと
)
の
様子
(
やうす
)
を
伺
(
うかが
)
ひまつるに、
128
よほど
御
(
ご
)
心痛
(
しんつう
)
のていに
見受
(
みう
)
けたてまつる。
129
天地
(
てんち
)
の
間
(
あひだ
)
にかけがへなき
水
(
みづ
)
ももらさぬ
夫婦
(
ふうふ
)
のあひだに、
130
なにの
遠慮
(
ゑんりよ
)
懸念
(
けねん
)
のあるべきぞ、
131
苦楽
(
くらく
)
を
共
(
とも
)
にすべき
偕老
(
かいらう
)
同穴
(
どうけつ
)
の
契
(
ちぎり
)
を
結
(
むす
)
びたる
妻
(
つま
)
に、
132
心
(
こころ
)
の
苦衷
(
くちゆう
)
を
隠
(
かく
)
したまふは、
133
実
(
じつ
)
に
冷酷
(
れいこく
)
無慈悲
(
むじひ
)
の
御
(
おん
)
仕打
(
しう
)
ち、
134
妾
(
わらは
)
はこれを
恨
(
うら
)
みまつる』
135
と
涙
(
なみだ
)
片手
(
かたて
)
に
口説
(
くど
)
き
立
(
た
)
つれば、
136
百照彦
(
ももてるひこ
)
はやうやく
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
き、
137
『
吾
(
われ
)
は
主
(
しゆ
)
の
仁慈
(
じんじ
)
と
恩徳
(
おんとく
)
の
深
(
ふか
)
きに
昼夜
(
ちうや
)
感謝
(
かんしや
)
の
念
(
ねん
)
を
断
(
た
)
たず。
138
しかるに
主
(
しゆ
)
真心彦
(
うらひこ
)
は
神務
(
しんむ
)
の
繁忙
(
はんばう
)
に
心身
(
しんしん
)
を
疲労
(
ひらう
)
し、
139
日
(
ひ
)
をおひて
身体
(
しんたい
)
やつれ
弱
(
よわ
)
らせたまふを
見
(
み
)
るにつけ、
140
従臣
(
じゆうしん
)
の
身
(
み
)
として、
141
これを
対岸
(
たいがん
)
の
火災視
(
くわさいし
)
するあたはず、
142
いかにもして
主
(
しゆ
)
の
御心
(
みこころ
)
を
慰
(
なぐさ
)
め
奉
(
まつ
)
らむと
日々
(
ひび
)
御
(
お
)
側
(
そば
)
に
侍
(
じ
)
し、
143
神務
(
しんむ
)
の
閑暇
(
かんか
)
には
面白
(
おもしろ
)
き
四方山
(
よもやま
)
の
物語
(
ものがたり
)
を
御
(
お
)
聞
(
きき
)
に
達
(
たつ
)
し、
144
御心
(
みこころ
)
を
幾分
(
いくぶん
)
か
慰
(
なぐさ
)
め
奉
(
まつ
)
りきたりしに、
145
もはや
吾
(
われ
)
はめづらしき
物語
(
ものがたり
)
もつきたれば、
146
今後
(
こんご
)
はいかにして
御心
(
みこころ
)
を
慰
(
なぐさ
)
め
奉
(
まつ
)
らむと、
147
とつおいつ
思案
(
しあん
)
にくるるなり』
148
と
語
(
かた
)
りて
太
(
ふと
)
き
吐息
(
といき
)
をつく。
149
春子姫
(
はるこひめ
)
は
何事
(
なにごと
)
か
期
(
き
)
するところあるもののごとく、
150
夫
(
をつと
)
にむかひ
笑顔
(
ゑがほ
)
をたたへ
見
(
み
)
せゐたりけり。
151
(
大正一〇・一二・九
旧一一・一一
加藤明子
録)
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(B)
(N)
探湯の神事 >>>
霊界物語
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【第45章 猿猴と渋柿|第3巻|霊主体従|霊界物語|/rm0345】
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