霊界物語.ネット
～出口王仁三郎 大図書館～
設定
｜
ヘルプ
ホーム
霊界物語
霊主体従（第1～12巻）
第3巻（寅の巻）
序文
凡例
総説
第1篇 国魂の配置
第1章 神々の任命
第2章 八王神の守護
第2篇 新高山
第3章 渓間の悲劇
第4章 鶴の首
第3篇 ロツキー山
第5章 不審の使神
第6章 籠の鳥
第7章 諷詩の徳
第8章 従神司の殊勲
第4篇 鬼城山
第9章 弁者と弁者
第10章 無分別
第11章 裸体の道中
第12章 信仰の力
第13章 嫉妬の報
第14章 霊系の抜擢
第5篇 万寿山
第15章 神世の移写
第16章 玉ノ井の宮
第17章 岩窟の修業
第18章 神霊の遷座
第6篇 青雲山
第19章 楠の根元
第20章 晴天白日
第21章 狐の尻尾
第22章 神前の審判
第7篇 崑崙山
第23章 鶴の一声
第24章 蛸間山の黒雲
第25章 邪神の滅亡
第26章 大蛇の長橋
第8篇 神界の変動
第27章 不意の昇天
第28章 苦心惨憺
第29章 男波女波
第30章 抱擁帰一
第31章 竜神の瀑布
第32章 破軍の剣
第9篇 隠神の活動
第33章 巴形の斑紋
第34章 旭日昇天
第35章 宝の埋換
第36章 唖者の叫び
第37章 天女の舞曲
第38章 四十八滝
第39章 乗合舟
第10篇 神政の破壊
第40章 国の広宮
第41章 二神の帰城
第42章 常世会議
第43章 配所の月
第11篇 新規蒔直し
第44章 可賀天下
第45章 猿猴と渋柿
第46章 探湯の神事
第47章 夫婦の大道
第48章 常夜の闇
第49章 袖手傍観
第12篇 霊力体
第50章 安息日
岩井温泉紀行歌
余白歌
×
設定
この文献を王仁ＤＢで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー＆ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
Ｓ
【標準】
Ｍ
Ｌ
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3～4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます（URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい）。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して（ただし二段目は分かるように一文字下げて）表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注［※］用語解説
[?]
［※］、［＊］、［＃］で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。［※］は主に用語説明、［＊］は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。［＃］は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注［＊］編集用
[?]
［※］、［＊］、［＃］で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。［※］は主に用語説明、［＊］は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。［＃］は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい｜
サブスク
のお知らせ
霊界物語
>
霊主体従（第1～12巻）
>
第3巻（寅の巻）
> 第9篇 隠神の活動 > 第38章 四十八滝
＜＜＜ 天女の舞曲
(B)
(N)
乗合舟 ＞＞＞
第三八章
四十八
(
しじふはち
)
滝
(
たき
)
〔一三八〕
インフォメーション
著者：
出口王仁三郎
巻：
霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻
篇：
第9篇 隠神の活動
よみ（新仮名遣い）：
いんしんのかつどう
章：
第38章 四十八滝
よみ（新仮名遣い）：
しじゅうはちたき
通し章番号：
138
口述日：
1921（大正10）年12月07日（旧11月09日）
口述場所：
筆録者：
栗原七蔵
校正日：
校正場所：
初版発行日：
1922（大正11）年3月3日
概要：
舞台：
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です（一部加筆訂正してあります）。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
：
長高山を出た道彦は、白狐・高倉の後を追って東北に進み、氷の張り詰めた開教を渡ってアラスカの高白山の谷間にやってきた。
すると、高白山の主将である荒熊彦（長白山の清照彦の実父）が谷底に落ちて重傷を負っているところに出くわした。
道彦は高倉の助けによって荒熊彦を谷から救い上げた。この功により、荒熊彦から信頼されて、聾唖痴呆の従僕となって高白山に仕えることになった。
高白山の重臣・八十熊別は実は、常世姫の間者で、長い間密かに高白山に潜んで機会をうかがっていた。
ときしも、ローマの戦いに敗れた言霊別命が、高白山に忍んできた。言霊別命は常世の国に捕虜として送られたが、言代別命によって救われ、密かに高白山に身を隠したのである（言霊別命の妹は、荒熊彦の実の息子・清照彦に嫁いでいるため、荒熊彦とは縁戚にあたる）。
言霊別命は名を変えて高白山の「賓客」として潜伏していたが、八十熊別は醜女の報告によってこのことを知ると、荒熊彦・言霊別命を毒殺しようと企んだ。
しかし道彦がその計略を暴くと、八十熊別は部下の邪軍に荒熊彦・言霊別命を襲わせた。道彦は高倉の術の助けを借りて、邪軍をさんざんに打ち負かした。そして逃げようとする八十熊別を倒した。
言霊別命はしばらく地の高天原にも居所を隠し、高白山の主将となった。道彦は活躍の後、またしても高白山から姿をくらました。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
：
備考：
タグ：
データ凡例：
データ最終更新日：
OBC ：
rm0338
愛善世界社版：
224頁
八幡書店版：
第1輯 340頁
修補版：
校定版：
229頁
普及版：
100頁
初版：
ページ備考：
001
長高山
(
ちやうかうざん
)
の
城塞
(
じやうさい
)
より
煙
(
けむり
)
のごとく
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せたる
道彦
(
みちひこ
)
は、
002
高倉
(
たかくら
)
のあとを
追
(
お
)
ふて、
003
遠
(
とほ
)
く
東北
(
とうほく
)
にすすみ、
004
氷
(
こほり
)
のはりつめたる
海峡
(
かいけふ
)
を
渡
(
わた
)
りて、
005
アラスカの
高白山
(
かうはくざん
)
の
谷間
(
たにま
)
に
進
(
すす
)
みたりしが、
006
すこしく
谷川
(
たにがは
)
の
上流
(
じやうりう
)
にあたりて
喧騒
(
けんさう
)
の
声
(
こゑ
)
聞
(
きこ
)
え
来
(
き
)
たる。
007
道彦
(
みちひこ
)
はその
声
(
こゑ
)
をしるべに
谷川
(
たにがは
)
をどんどん
上
(
のぼ
)
りゆきみれば、
008
谷
(
たに
)
の
両側
(
りやうがは
)
はあたかも
鏡
(
かがみ
)
を
立
(
た
)
てたるごとく、
009
断巌
(
だんがん
)
絶壁
(
ぜつぺき
)
の
一方
(
いつぱう
)
に、
010
あまたの
人々
(
ひとびと
)
寄
(
よ
)
り
集
(
あつ
)
まり、
011
右往
(
うわう
)
左往
(
さわう
)
に
声
(
こゑ
)
を
放
(
はな
)
ちて
騒
(
さわ
)
ぎゐたり。
012
見
(
み
)
れば、
013
高白山
(
かうはくざん
)
の
主将
(
しゆしやう
)
荒熊彦
(
あらくまひこ
)
は、
014
谷間
(
たにま
)
に
顛落
(
てんらく
)
して
大負傷
(
だいふしやう
)
をなし、
015
谷水
(
たにみづ
)
を
鮮血
(
せんけつ
)
にそめ
苦
(
くる
)
しみつつありしなり。
016
神司
(
かみがみ
)
らはこれを
救
(
すく
)
はむとすれども、
017
名
(
な
)
におふ
断巌
(
だんがん
)
絶壁
(
ぜつぺき
)
、
018
いかんともすることあたはず
途方
(
とはう
)
にくれゐたりける。
019
このとき
白狐
(
びやくこ
)
の
高倉
(
たかくら
)
は、
020
金色
(
こんじき
)
の
槌
(
つち
)
と
変化
(
へんくわ
)
し、
021
絶壁
(
ぜつぺき
)
をうち
砕
(
くだ
)
き、
022
足
(
あし
)
のかかるべき
穴
(
あな
)
を
穿
(
うが
)
ちつつ
谷底
(
たにぞこ
)
に
下
(
くだ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
023
道彦
(
みちひこ
)
は
傍
(
かたはら
)
なる
山林
(
さんりん
)
に
生茂
(
おひしげ
)
れる
藤葛
(
ふぢかづら
)
を
長
(
なが
)
く
結
(
むす
)
び、
024
谷川
(
たにがは
)
のほとりの
老木
(
らうぼく
)
の
根
(
ね
)
にその
一端
(
いつたん
)
を
結
(
むす
)
びつけ、
025
みづからその
蔓
(
つる
)
を
谷底
(
たにぞこ
)
に
垂
(
た
)
れ、
026
高倉
(
たかくら
)
の
穿
(
うが
)
ちおきたる
巌壁
(
がんぺき
)
の
穴
(
あな
)
に
足
(
あし
)
をかけ、
027
やうやく
谷底
(
たにぞこ
)
に
下
(
くだ
)
りつき、
028
荒熊彦
(
あらくまひこ
)
のかたはらに
寄
(
よ
)
りそひ、
029
水
(
みづ
)
を
口
(
くち
)
にふくみて
面上
(
めんじやう
)
に
吹
(
ふ
)
きかけ、
030
かつ
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
031
鎮魂
(
ちんこん
)
の
神術
(
かむわざ
)
をほどこし、
032
やうやく
正気
(
しやうき
)
づき、
033
出血
(
しゆつけつ
)
もただちに
止
(
とま
)
りたれば、
034
右
(
みぎ
)
の
脇
(
わき
)
に
引抱
(
ひきかか
)
へ、
035
藤葛
(
ふぢかづら
)
を
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
に
持
(
も
)
ち、
036
巌壁
(
がんぺき
)
の
穴
(
あな
)
に
足
(
あし
)
をかけ
上
(
のぼ
)
りきたりぬ。
037
神司
(
かみがみ
)
らの
喜
(
よろこ
)
びの
声
(
こゑ
)
、
038
感歎
(
かんたん
)
の
声
(
こゑ
)
は
天地
(
てんち
)
も
崩
(
くづ
)
るるばかりなり。
039
荒熊彦
(
あらくまひこ
)
は
道彦
(
みちひこ
)
を
命
(
いのち
)
の
親
(
おや
)
として
尊敬
(
そんけい
)
し
城内
(
じやうない
)
にともなひ
帰
(
かへ
)
り、
040
山海
(
さんかい
)
の
珍味
(
ちんみ
)
を
出
(
だ
)
して
饗応
(
きやうおう
)
し、
041
救命
(
きうめい
)
の
恩
(
おん
)
を
感謝
(
かんしや
)
したりける。
042
さて
荒熊彦
(
あらくまひこ
)
は
衆
(
しゆう
)
とともに、
043
この
谷間
(
たにま
)
の
絶景
(
ぜつけい
)
を
眺
(
なが
)
めて
酒宴
(
しゆえん
)
を
催
(
もよほ
)
し、
044
興
(
きやう
)
に
乗
(
じやう
)
じて
踊
(
をど
)
り
狂
(
くる
)
ひ
眼
(
まなこ
)
くらンで、
045
この
千仭
(
せんじん
)
の
谷間
(
たにま
)
に
顛落
(
てんらく
)
したりしなりけり。
046
この
谷川
(
たにがは
)
は
四十八
(
しじふはち
)
滝
(
たき
)
と
称
(
しよう
)
し、
047
いたる
所
(
ところ
)
に
奇岩
(
きがん
)
、
048
怪石
(
くわいせき
)
散在
(
さんざい
)
して、
049
大小
(
だいせう
)
四十八
(
しじふはち
)
個
(
こ
)
の
荘厳
(
さうごん
)
なる
瀑布
(
ばくふ
)
が
出現
(
しゆつげん
)
し、
050
風光
(
ふうくわう
)
絶佳
(
ぜつか
)
の
遊覧所
(
いうらんしよ
)
となりゐたりけり。
051
道彦
(
みちひこ
)
は
荒熊彦
(
あらくまひこ
)
の
信任
(
しんにん
)
を
得
(
え
)
、
052
聾唖
(
ろうあ
)
痴呆
(
ちはう
)
の
強力
(
がうりき
)
として
侍臣
(
じしん
)
のうちに
加
(
くは
)
へられ、
053
つひには
炊事
(
すゐじ
)
の
用務
(
ようむ
)
を
命
(
めい
)
ぜられ、
054
まめまめしく
奉仕
(
ほうし
)
しゐたり。
055
高白山
(
かうはくざん
)
の
城内
(
じやうない
)
の
宰相
(
さいしやう
)
に、
056
八十
(
やそ
)
熊別
(
くまわけ
)
といふ
徳望
(
とくばう
)
高
(
たか
)
き
人
(
ひと
)
あり。
057
この
人
(
ひと
)
は
常世姫
(
とこよひめ
)
の
間諜
(
かんてふ
)
にして、
058
古
(
ふる
)
くより
高白山
(
かうはくざん
)
に
謀計
(
ぼうけい
)
をもつて
忍
(
しの
)
び
入
(
い
)
り、
059
時
(
とき
)
をみて
高白山
(
かうはくざん
)
を
顛覆
(
てんぷく
)
せむと
企
(
くはだ
)
てゐたりける。
060
ここにローマの
戦
(
たたかひ
)
に
敗
(
やぶ
)
れ、
061
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
に
送
(
おく
)
られたる
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
は
［
※
第二八章参照
］
、
062
中途
(
ちゆうと
)
にて、
063
言代別
(
ことしろわけの
)
命
(
みこと
)
のために
救
(
すく
)
はれ、
064
身
(
み
)
を
変
(
へん
)
じて
高白山
(
かうはくざん
)
にのがれ、
065
賓客
(
ひんきやく
)
として、
066
荘厳
(
さうごん
)
なる
別殿
(
べつでん
)
に
迎
(
むか
)
へられ、
067
時機
(
じき
)
を
待
(
ま
)
ちつつありしが、
068
八十
(
やそ
)
熊別
(
くまわけ
)
は、
069
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
の
素性
(
すじやう
)
を
探知
(
たんち
)
せむと、
070
探女
(
さぐめ
)
を
使役
(
しえき
)
して
常
(
つね
)
にその
行動
(
かうどう
)
を
注視
(
ちうし
)
せしめゐたり。
071
探女
(
さぐめ
)
の
名
(
な
)
を
月
(
つき
)
の
姫
(
ひめ
)
といふ。
072
月
(
つき
)
の
姫
(
ひめ
)
は
常
(
つね
)
に
八十
(
やそ
)
熊別
(
くまわけ
)
の
命
(
めい
)
により、
073
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
の
侍女
(
じぢよ
)
として、
074
表面
(
へうめん
)
まめまめしく
仕
(
つか
)
へゐたりぬ。
075
ある
夜
(
よ
)
、
076
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
と
荒熊彦
(
あらくまひこ
)
の
密談
(
みつだん
)
を
立聴
(
たちぎ
)
きしてをり、
077
ひそかにその
詳細
(
しやうさい
)
を
八十
(
やそ
)
熊別
(
くまわけ
)
に
報告
(
はうこく
)
しければ、
078
八十
(
やそ
)
熊別
(
くまわけ
)
は
月
(
つき
)
の
姫
(
ひめ
)
に
耳語
(
じご
)
して
何事
(
なにごと
)
か
命令
(
めいれい
)
を
下
(
くだ
)
しける。
079
時
(
とき
)
に
八十
(
やそ
)
熊別
(
くまわけ
)
は、
080
茶
(
ちや
)
の
湯
(
ゆ
)
の
饗応
(
きやうおう
)
に
言寄
(
ことよ
)
せて
荒熊彦
(
あらくまひこ
)
夫妻
(
ふさい
)
を
招待
(
せうたい
)
し、
081
かつ
賓客
(
ひんきやく
)
なる
玉照彦
(
たまてるひこ
)
を
招待
(
せうたい
)
したり。
082
玉照彦
(
たまてるひこ
)
は
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
の
仮名
(
かりな
)
なり。
083
道彦
(
みちひこ
)
は
荒熊彦
(
あらくまひこ
)
の
侍者
(
じしや
)
として
宴席
(
えんせき
)
に
現
(
あら
)
はれしが、
084
彼
(
かれ
)
はただちに
炊事場
(
すゐじば
)
にいたり、
085
水
(
みづ
)
をくみ
茶
(
ちや
)
を
沸
(
わ
)
かすなど、
086
まめまめしくたち
働
(
はたら
)
きける。
087
八十
(
やそ
)
熊別
(
くまわけ
)
の
侍者
(
じしや
)
は、
088
道彦
(
みちひこ
)
の
聾唖
(
ろうあ
)
と
痴呆
(
ちはう
)
とに
心
(
こころ
)
をゆるし、
089
よろこびて
炊事
(
すゐじ
)
一切
(
いつさい
)
をうち
任
(
まか
)
せける。
090
月
(
つき
)
の
姫
(
ひめ
)
は
客人
(
きやくじん
)
に
茶
(
ちや
)
をたて、
091
これをすすめむとするとき、
092
懐中
(
くわいちゆう
)
よりひそかに
毒薬
(
どくやく
)
をとり
出
(
だ
)
し、
093
茶
(
ちや
)
の
湯
(
ゆ
)
に
投
(
とう
)
じたるを
道彦
(
みちひこ
)
は
素知
(
そし
)
らぬ
顔
(
かほ
)
にこれを
眺
(
なが
)
めゐたりける。
094
月
(
つき
)
の
姫
(
ひめ
)
はうやうやしく
茶
(
ちや
)
の
湯
(
ゆ
)
を
両手
(
りやうて
)
にささげ、
095
玉照彦
(
たまてるひこ
)
、
096
荒熊彦
(
あらくまひこ
)
らの
前
(
まへ
)
にすゑ、
097
一礼
(
いちれい
)
して
座
(
ざ
)
を
立
(
た
)
ちにける。
098
道彦
(
みちひこ
)
はただちに
月
(
つき
)
の
姫
(
ひめ
)
を
強力
(
がうりき
)
に
任
(
まか
)
せてひきつかみ、
099
茶席
(
ちやせき
)
の
前
(
まへ
)
に
現
(
あら
)
はれ
出
(
い
)
で、
100
仰向
(
あふむけ
)
に
押
(
お
)
し
倒
(
たふ
)
し、
101
その
茶
(
ちや
)
を
取
(
と
)
るより
早
(
はや
)
く、
102
月
(
つき
)
の
姫
(
ひめ
)
の
口
(
くち
)
に
無理
(
むり
)
やりに
飲
(
の
)
ませたり。
103
月
(
つき
)
の
姫
(
ひめ
)
はたちまち
手足
(
てあし
)
をもがき、
104
黒血
(
くろち
)
を
吐
(
は
)
きことぎれにける。
105
八十
(
やそ
)
熊別
(
くまわけ
)
は
謀計
(
ぼうけい
)
の
暴露
(
ばくろ
)
せむことを
恐
(
おそ
)
れ、
106
合図
(
あひづ
)
の
磬盤
(
けいばん
)
を
打
(
う
)
つやいなや、
107
どこともなく
数多
(
あまた
)
の
邪軍
(
じやぐん
)
現
(
あら
)
はれ、
108
玉照彦
(
たまてるひこ
)
、
109
荒熊彦
(
あらくまひこ
)
らを
目
(
め
)
がけて
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
より、
110
長刀
(
ちやうたう
)
を
抜
(
ぬ
)
き
放
(
はな
)
つて
切
(
き
)
り
込
(
こ
)
みぬ。
111
このとき
道彦
(
みちひこ
)
は、
112
高倉
(
たかくら
)
の
妙術
(
めうじゆつ
)
により、
113
数百
(
すうひやく
)
の
道彦
(
みちひこ
)
となつて
現
(
あら
)
はれたれば、
114
八十
(
やそ
)
熊別
(
くまわけ
)
の
味方
(
みかた
)
の
邪軍
(
じやぐん
)
は、
115
縦横
(
じゆうわう
)
無尽
(
むじん
)
に、
116
道彦
(
みちひこ
)
を
目
(
め
)
がけて
切
(
き
)
りこめども、
117
いづれも
皆
(
みな
)
空
(
くう
)
を
斬
(
き
)
り、
118
影
(
かげ
)
を
追
(
お
)
ひ、
119
勢
(
いきほひ
)
あまつて
階上
(
かいじやう
)
より
地上
(
ちじやう
)
に
顛落
(
てんらく
)
し、
120
さんざんに
敗北
(
はいぼく
)
したりける。
121
八十
(
やそ
)
熊別
(
くまわけ
)
はこの
態
(
てい
)
を
見
(
み
)
て、
122
裏門
(
うらもん
)
よりのがれ
出
(
いで
)
むとするや
否
(
いな
)
や、
123
幾千丈
(
いくせんじやう
)
とも
限
(
かぎ
)
りなき
深
(
ふか
)
き
広
(
ひろ
)
き
池沼
(
いけぬま
)
にはかに
現出
(
げんしゆつ
)
して、
124
遁
(
のが
)
るるの
道
(
みち
)
なかりける。
125
これは
高倉
(
たかくら
)
白狐
(
びやくこ
)
の
謀計
(
ぼうけい
)
的
(
てき
)
幻影
(
げんえい
)
なりける。
126
八十
(
やそ
)
熊別
(
くまわけ
)
はやむをえず、
127
あとへ
引返
(
ひきかへ
)
すとたんに、
128
真正
(
しんせい
)
の
道彦
(
みちひこ
)
のために、
129
八
(
や
)
つ
割
(
ざき
)
にされ、
130
ここに
高白山
(
かうはくざん
)
の
妖雲
(
えううん
)
はまつたく
晴
(
は
)
れわたり、
131
真如
(
しんによ
)
の
明月
(
めいげつ
)
は、
132
高
(
たか
)
く
中天
(
ちうてん
)
に
輝
(
かがや
)
きはじめたり。
133
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
は、
134
高白山
(
かうはくざん
)
の
主将
(
しゆしやう
)
となり、
135
しばらく
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
の
神司
(
かみがみ
)
らにも
行衛
(
ゆくゑ
)
を
秘密
(
ひみつ
)
にしゐたまひける。
136
荒熊彦
(
あらくまひこ
)
、
137
荒熊姫
(
あらくまひめ
)
は、
138
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
に
一切
(
いつさい
)
を
譲
(
ゆづ
)
り、
139
みづから
従臣
(
じゆうしん
)
となり
忠実
(
ちうじつ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
したりしが、
140
道彦
(
みちひこ
)
の
姿
(
すがた
)
はまたもや
煙
(
けむり
)
と
消
(
き
)
えにける。
141
（
大正一〇・一二・七
旧一一・九
栗原七蔵
録）
Δこのページの一番上に戻るΔ
＜＜＜ 天女の舞曲
(B)
(N)
乗合舟 ＞＞＞
霊界物語
>
霊主体従（第1～12巻）
>
第3巻（寅の巻）
> 第9篇 隠神の活動 > 第38章 四十八滝
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第38章 四十八滝｜第3巻｜霊主体従｜霊界物語｜／rm0338】
合言葉「みろく」を入力して下さい→
霊界物語.ネット～出口王仁三郎 大図書館～霊界物語.ネット～出口王仁三郎 大図書館～