霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一八章 神霊(しんれい)遷座(せんざ)〔一一八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻 篇:第5篇 万寿山 よみ(新仮名遣い):まんじゅざん
章:第18章 神霊の遷座 よみ(新仮名遣い):しんれいのせんざ 通し章番号:118
口述日:1921(大正10)年11月17日(旧10月18日) 口述場所: 筆録者:栗原七蔵 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
磐樟彦は霊鷲山の霊窟のそばに神殿を造営した。社殿の完成とともに神人らが参拝し、祭典を催すことになった。
清川彦、常立別が神饌を司り用意したが、その中には鴨、山鳥、いのしし、海魚、川魚などが含まれていた。
旗照彦、久方彦はこれらの供物を見て、禽獣・魚類の肉は不浄にして、神饌としてふさわしくない、また殺生は天地の律法に違反する、と怒った。清川彦、常立別は祓戸の神事によって、どんな供物でも穢れは一切取り除かれるのである、と反論した。
斎主・神世彦は議論を止め、岩窟に入って大神の御神慮を問うた。その神示は、『神は一切の万物を愛す。神の前に犠牲とさるる一切の生物は幸いなるかな。そは一つの罪悪を消滅し、新しき神国に生れ出づればなり』というものであった。
双方はこの神示を尊重し、うやうやしく祭典を執行した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ:旗照彦(旗輝彦) データ凡例: データ最終更新日:2019-09-01 19:30:25 OBC :rm0318
愛善世界社版:104頁 八幡書店版:第1輯 297頁 修補版: 校定版:106頁 普及版:46頁 初版: ページ備考:
001 霊鷲山(れいしうざん)磐樟彦(いはくすひこ)修業(しうげふ)霊場(れいぢやう)にして、002天神(てんじん)地祇(ちぎ)(なか)にてももつとも先見(せんけん)(めい)ある神々(かみがみ)のひそみて(とき)()ちたまふ神仙境(しんせんきやう)なれば、003等閑(とうかん)()すべき(ところ)にあらずとし、004磐樟彦(いわくすひこ)諸神司(しよしん)(はか)霊窟(れいくつ)のほとりに大宮柱(おほみやばしら)太敷(ふとし)造営(ざうえい)し、005神人(かみがみ)らの修業所(しうげふしよ)として鄭重(ていちよう)設備(せつび)をほどこし、006()(どもゑ)神紋(しんもん)は、007社殿(しやでん)(むね)燦然(さんぜん)として朝日(あさひ)(かがや)き、008夕日(ゆふひ)()()えじつに壮観(さうくわん)をきはめたりける。009満山(まんざん)ことごとく常磐(ときは)老松(らうしよう)をもつて(おほ)はれ、010()もいはれぬ神々(かうがう)しさなり。011社殿(しやでん)境内(けいだい)には千年(ちとせ)老松(らうしやう)012(すぎ)013(ひのき)014(かへで)015雑木(ざつぼく)(こけ)()して中天(ちうてん)(たか)(そび)えたち、016諸鳥(しよてう)(さへづ)(こゑ)はあたかも天女(てんによ)のきたりて音楽(おんがく)(そう)するかと(うたが)はるるばかりなりける。
017 ここにいよいよ社殿(しやでん)完全(くわんぜん)()()げられたり。018八王神(やつわうじん)磐樟彦(いはくすひこ)019磐樟姫(いはくすひめ)をはじめ、020八頭神(やつがしらがみ)なる瑞穂別(みづほわけ)021瑞穂姫(みづほひめ)神霊(しんれい)鎮祭(ちんさい)のため神衣(しんい)(ちやく)し、022参拝(さんぱい)さるることとなりけり。
023 祭官(さいくわん)としては、024神世彦(かみよひこ)斎主(さいしゆ)となり、025守国彦(もりくにひこ)副斎主(ふくさいしゆ)となり、026大川彦(おほかはひこ)祓戸主(はらひどぬし)となり、027国清彦(くにきよひこ)後取(しどり)奉仕(ほうし)し、028清川彦(きよかはひこ)神饌長(しんせんちやう)となり、029常立別(とこたちわけ)神饌(しんせん)副長(ふくちやう)奉仕(ほうし)し、030供物(くもつ)海山(うみやま)河野(かはぬ)種々(くさぐさ)(めづ)らしきものを横山(よこやま)なして(たてまつ)られける。031神饌(しんせん)のなかに(かも)032山鳥(やまどり)033(ゐのしし)034海魚(うみうを)035川魚(かはうを)(とう)あまた八足(やたり)机代(つくゑしろ)()られあり。036ここに旗照彦(はたてるひこ)「旗照彦」(本章に2回出る)は第3巻第16章では「旗輝彦」になっている。037久方彦(ひさかたひこ)はこの供物(くもつ)一見(いつけん)して、
038(けが)らはしき(もの)神前(しんぜん)(たてまつ)るは(なん)(ゆゑ)ぞ。039(かみ)清浄(せいじやう)(よろこ)汚穢(をくわい)(きら)はせたまふ。040しかるにかくのごとき禽獣(きんじう)魚類(ぎよるい)(にく)(たてまつ)り、041机上(きじやう)神殿(しんでん)(けが)神慮(しんりよ)(いか)らせ、042(くは)ふるに(ひろ)万物(ばんぶつ)(あい)せよとの、043天地(てんち)律法(りつぱう)侵害(しんがい)生物(いきもの)(ころ)して神饌(しんせん)(きよう)するは、044(なん)たる心得(こころえ)(ちが)ひぞ。045(かみ)律法(りつぱう)(さだ)めて殺生(せつしやう)(かた)(きん)じたまへり。046神威(しんゐ)冒涜(ばうとく)するの(つみ)(かる)からず。047すみやかにこの神饌(しんせん)撤回(てつくわい)清浄(せいじやう)無穢(むくわい)神饌(しんせん)(あらた)めよ』
048二神司(にしん)(かた)をゆすりながら顔色(がんしよく)(あか)気色(けしき)ばみて()()てたり。049これを()くより清川彦(きよかはひこ)050常立別(とこたちわけ)(かたち)をあらため(えり)(ただ)し、051二神司(にしん)(むか)つていふ。
052貴下(きか)らは(いま)(われ)らが(たてまつ)らむとする神饌(しんせん)にたいして色々(いろいろ)故障(こしやう)をいれたまふは心得(こころえ)ぬことどもなり。053いはンやかかる芽出度(めでた)大神(おほかみ)遷座(せんざ)(せき)においてをや。054せつかく()りに()り、055(きよ)めし(うへ)にも(きよ)千辛(せんしん)万苦(ばんく)結果(けつくわ)056山野(さんや)河海(かかい)をあさりて(やうや)(あつ)()たる宇豆(うづ)神饌(しんせん)を、057汚穢(をくわい)供物(くもつ)なればすみやかに撤回(てつくわい)せよとの貴下(きか)暴言(ばうげん)058(じつ)呆然(ばうぜん)たらざるをえず。059貴下(きか)らは祓戸(はらひど)行事(ぎやうじ)()ンと心得(こころえ)らるるや。060(うやうや)しく祓戸(はらひど)(かみ)降臨(かうりん)(あふ)(たてまつ)り、061(きよ)きが(うへ)にも(きよ)神饌(しんせん)なり。062万一(まんいち)これをも汚穢(をくわい)供物(くもつ)なりとせば、063祓戸(はらひど)(かみ)()降臨(かうりん)一切(いつさい)無意義(むいぎ)にして、064ただ(たん)形式(けいしき)のみに(をは)らむ。065(われ)らは大神(おほかみ)祭典(さいてん)奉仕(ほうし)せむとする以上(いじやう)は、066つねに霊主(れいしゆ)体従(たいじゆう)法則(はふそく)により赤誠(せきせい)をこめて奉仕(ほうし)す。067いづくンぞ形式(けいしき)(てき)祓戸(はらひど)神業(しんげふ)奉仕(ほうし)し、068体主(たいしゆ)霊従(れいじゆう)逆事(さかごと)(なら)はンや。069つつしンで二神司(にしん)()熟考(じゆくかう)()(まつ)る』
070顔色(かほいろ)をやはらげながら陳弁(ちんべん)したりしに、071旗照彦(はたてるひこ)072久方彦(ひさかたひこ)(ただ)ちに反対(はんたい)していふ。
073貴下(きか)(げん)一応(いちおう)もつともらしく(きこ)ゆれども、074すべて大神(おほかみ)仁慈(じんじ)をもつて(かみ)御心(みこころ)となし、075(ひろ)万物(ばんぶつ)愛育(あいいく)したまふ。076しかるにその(ひろ)(あつ)大御心(おほみこころ)無視(むし)し、077(かみ)(あい)によりて()()でたる生物(せいぶつ)(ころ)し、078天地(てんち)律法(りつぱう)破壊(はくわい)し、079大罪(だいざい)(をか)しながら、080なほもこれを大神(おほかみ)(きよ)神饌(しんせん)(きよう)せむとするは何事(なにごと)ぞ。081仁慈(じんじ)(かみ)大御心(おほみこころ)無視(むし)したる暴逆(ばうぎやく)無道(むだう)挙動(きよどう)にして、082これに(すぐ)れる無礼(ぶれい)行為(かうゐ)はなかるべし。083是非(ぜひ)々々(ぜひ)この供物(くもつ)瞬時(しゆんじ)(はや)撤回(てつくわい)されたし。084貴下(きか)強情(がうじやう)をはり神饌長(しんせんちやう)(しよく)をもつて、085このままにして(われ)らの(げん)()れず、086汚穢(をくわい)()ちたる祭事(さいじ)敢行(かんかう)さるるにおいては、087(われ)らはただ(いま)かぎり折角(せつかく)()盛典(せいてん)(れつ)すること(あた)はず』
088 吾意(わがい)固執(こしつ)して(うご)(いろ)なく、089清川彦(きよかはひこ)090常立別(とこたちわけ)(おほ)いに当惑(たうわく)しつつありしが、091双方(さうはう)論争(ろんそう)()きかねたる斎主(さいしゆ)神世彦(かみよひこ)は、
092諸神司(しよしん)暫時(ざんじ)論争(ろんそう)中止(ちゆうし)したまへ。093(われ)いま大神(おほかみ)神慮(しんりよ)奉伺(ほうし)神示(しんじ)をえて正邪(せいじや)(けつ)すべし』
094と、095ただちに(くだん)大岩窟(だいがんくつ)(しろ)祭服(さいふく)のまま(すす)()(かみ)教示(けうじ)()ひ、096ふたたび祭場(さいじやう)にかへりて神教(しんけう)(うやうや)しく諸神(しよしん)(つた)へたり。097神教(しんけう)はきはめて簡単(かんたん)にして(えう)()たものなりき。098すなはちその教示(けうじ)は、
099(かみ)一切(いつさい)万物(ばんぶつ)(あい)す。100(かみ)(まへ)犠牲(ぎせい)とさるる一切(いつさい)生物(せいぶつ)(さいはひ)なるかな。101そは(ひとつ)罪悪(ざいあく)消滅(せうめつ)し、102(あたら)しき神国(しんこく)(うま)()づればなり』
103との理義(りぎ)明白(めいはく)なる神示(しんじ)なりける。104双方(さうはう)争論(そうろん)はこの神示(しんじ)尊重(そんちよう)し、105うやうやしく祭典(さいてん)完了(かんれう)し、106天地(てんち)にとどろく言霊(ことたま)祝詞(のりと)四方(よも)神人(しんじん)(あつ)まりきたりて、107荘厳(さうごん)無比(むひ)遷座祭(せんざさい)(しき)執行(しつかう)されたりけり。
108大正一〇・一一・一七 旧一〇・一八 栗原七蔵録)
109(第一六章~第一八章 昭和一〇・一・一六 於みどり丸船室 王仁校正)
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