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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第3巻(寅の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 国魂の配置
第1章 神々の任命
第2章 八王神の守護
第2篇 新高山
第3章 渓間の悲劇
第4章 鶴の首
第3篇 ロツキー山
第5章 不審の使神
第6章 籠の鳥
第7章 諷詩の徳
第8章 従神司の殊勲
第4篇 鬼城山
第9章 弁者と弁者
第10章 無分別
第11章 裸体の道中
第12章 信仰の力
第13章 嫉妬の報
第14章 霊系の抜擢
第5篇 万寿山
第15章 神世の移写
第16章 玉ノ井の宮
第17章 岩窟の修業
第18章 神霊の遷座
第6篇 青雲山
第19章 楠の根元
第20章 晴天白日
第21章 狐の尻尾
第22章 神前の審判
第7篇 崑崙山
第23章 鶴の一声
第24章 蛸間山の黒雲
第25章 邪神の滅亡
第26章 大蛇の長橋
第8篇 神界の変動
第27章 不意の昇天
第28章 苦心惨憺
第29章 男波女波
第30章 抱擁帰一
第31章 竜神の瀑布
第32章 破軍の剣
第9篇 隠神の活動
第33章 巴形の斑紋
第34章 旭日昇天
第35章 宝の埋換
第36章 唖者の叫び
第37章 天女の舞曲
第38章 四十八滝
第39章 乗合舟
第10篇 神政の破壊
第40章 国の広宮
第41章 二神の帰城
第42章 常世会議
第43章 配所の月
第11篇 新規蒔直し
第44章 可賀天下
第45章 猿猴と渋柿
第46章 探湯の神事
第47章 夫婦の大道
第48章 常夜の闇
第49章 袖手傍観
第12篇 霊力体
第50章 安息日
岩井温泉紀行歌
余白歌
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第3巻(寅の巻)
> 第10篇 神政の破壊 > 第41章 二神の帰城
<<< 国の広宮
(B)
(N)
常世会議 >>>
第四一章
二神
(
にしん
)
の
帰城
(
きじやう
)
〔一四一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻
篇:
第10篇 神政の破壊
よみ(新仮名遣い):
しんせいのはかい
章:
第41章 二神の帰城
よみ(新仮名遣い):
にしんのきじょう
通し章番号:
141
口述日:
1921(大正10)年12月07日(旧11月09日)
口述場所:
筆録者:
桜井重雄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年3月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
美山彦一派は地の高天原を占領し、国の広宮を破壊するために、大国彦・常世彦と手を結んだ。大国彦・常世彦の軍勢は大挙して攻め寄せると、国の広宮を破壊してしまった。
なおも美山彦は、大八洲彦命に代えて竜山別を天使長にしようと運動し、言霊姫命、真澄姫を説きつけて、常世姫を竜宮城に迎えれば、常世の国の捕虜となっている言霊別命(言霊姫命の夫)、大足彦(真澄姫の夫)は解放されるだろう、と迫った。
しかしそこに、大足彦、言霊別命が帰還したために、美山彦らの策略は暴かれて破れたが、美山彦らは厚顔にも一向に懲りず、大国彦・常世彦らに通じて、なおも地の高天原を転覆しようと企んでいた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm0341
愛善世界社版:
240頁
八幡書店版:
第1輯 345頁
修補版:
校定版:
244頁
普及版:
107頁
初版:
ページ備考:
001
美山彦
(
みやまひこ
)
、
002
国照姫
(
くにてるひめ
)
は、
003
天
(
あま
)
の
原
(
はら
)
なる
国
(
くに
)
の
広宮
(
ひろみや
)
の
建設
(
けんせつ
)
されしより、
004
邪鬼
(
じやき
)
、
005
悪狐
(
あくこ
)
の
憑霊
(
ひやうれい
)
現
(
あら
)
はれ、
006
八百万
(
やほよろづ
)
の
神司
(
かみがみ
)
の
手前
(
てまへ
)
面目
(
めんぼく
)
を
失
(
しつ
)
し、
007
竜山別
(
たつやまわけ
)
、
008
広若
(
ひろわか
)
、
009
船木姫
(
ふなきひめ
)
、
010
田糸姫
(
たいとひめ
)
、
011
猿若姫
(
さるわかひめ
)
らとひそかに
広若
(
ひろわか
)
の
館
(
やかた
)
に
集
(
あつ
)
まり、
012
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
をはじめ
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
を
占領
(
せんりやう
)
せむことを
企
(
くはだ
)
てたるが、
013
到底
(
たうてい
)
その
力
(
ちから
)
のおよばざるを
悟
(
さと
)
りて、
014
大国彦
(
おほくにひこ
)
、
015
常世彦
(
とこよひこ
)
の
助力
(
じよりよく
)
を
求
(
もと
)
め、
016
第一
(
だいいち
)
に
国
(
くに
)
の
広宮
(
ひろみや
)
を
破壊
(
はくわい
)
し、
017
厳粛
(
げんしゆく
)
なる
神司
(
かみ
)
の
審判
(
しんぱん
)
を
廃止
(
はいし
)
せしめ、
018
そのうへ
当初
(
たうしよ
)
の
目的
(
もくてき
)
たる
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
を
占領
(
せんりやう
)
せむとし、
019
四方
(
しはう
)
の
魔軍
(
まぐん
)
を
募
(
つの
)
り、
020
かつ
大自在天
(
だいじざいてん
)
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
部下
(
ぶか
)
、
021
醜原彦
(
しこはらひこ
)
、
022
大鷹彦
(
おほたかひこ
)
、
023
中依別
(
なかよりわけ
)
、
024
藤高
(
ふぢたか
)
、
025
鷹取
(
たかとり
)
、
026
遠山
(
とほやま
)
その
他
(
た
)
の
暴悪
(
ばうあく
)
非道
(
ひだう
)
の
曲神
(
まがかみ
)
の
率
(
ひき
)
ゐる
数万
(
すうまん
)
の
魔軍
(
まぐん
)
を、
027
天
(
あま
)
の
原
(
はら
)
にむかつて
攻
(
せ
)
めよせしめたり。
028
宮司
(
ぐうじ
)
の
武直彦
(
たけなほひこ
)
、
029
玉国彦
(
たまくにひこ
)
をはじめ、
030
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
の
従臣
(
じゆうしん
)
佐倉彦
(
さくらひこ
)
、
031
白峰別
(
しらみねわけ
)
は
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
の
命
(
めい
)
によりて
極力
(
きよくりよく
)
防戦
(
ばうせん
)
したれども、
032
暴悪
(
ばうあく
)
なる
魔軍
(
まぐん
)
はなんの
容赦
(
ようしや
)
もなく、
033
多数
(
たすう
)
の
権威
(
けんゐ
)
を
頼
(
たの
)
みてたちまちこれを
破壊
(
はくわい
)
し、
034
凱歌
(
がいか
)
をあげていういうと
引揚
(
ひきあ
)
げたりける。
035
しかるに
美山彦
(
みやまひこ
)
、
036
国照姫
(
くにてるひめ
)
の
一派
(
いつぱ
)
は、
037
この
残虐
(
ざんぎやく
)
を
自己
(
じこ
)
の
関知
(
くわんち
)
せざる
態
(
てい
)
によそほひ、
038
なほも
依然
(
いぜん
)
として
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
内
(
ない
)
に
留
(
とど
)
まり、
039
言霊姫
(
ことたまひめの
)
命
(
みこと
)
、
040
真澄姫
(
ますみひめ
)
、
041
杉生彦
(
すぎふひこ
)
を
甘言
(
かんげん
)
をもつて
説
(
と
)
きつけ、
042
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
の
主宰者
(
しゆさいしや
)
なる
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
をはじめ、
043
神国別
(
かみくにわけの
)
命
(
みこと
)
その
他
(
た
)
の
重職
(
ぢうしよく
)
にある
神司
(
かみがみ
)
を
排除
(
はいじよ
)
し、
044
竜山別
(
たつやまわけ
)
をして
天使長
(
てんしちやう
)
の
職
(
しよく
)
に
代
(
かは
)
らしめむとしたりける。
045
されど
強直
(
きやうちよく
)
無比
(
むひ
)
の
曙姫
(
あけぼのひめ
)
、
046
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
、
047
玉若彦
(
たまわかひこ
)
、
048
豊日別
(
とよひわけ
)
の
若
(
わか
)
き
神人
(
かみがみ
)
のために
遮
(
さへぎ
)
られて、
049
せつかくの
計画
(
けいくわく
)
も
九分
(
くぶ
)
九厘
(
くりん
)
のところにて
一頓挫
(
いちとんざ
)
を
来
(
きた
)
したりけるが、
050
あくまで
執拗
(
しつえう
)
なる
美山彦
(
みやまひこ
)
、
051
国照姫
(
くにてるひめ
)
、
052
船木姫
(
ふなきひめ
)
、
053
杵築姫
(
きつきひめ
)
らは、
054
弁舌
(
べんぜつ
)
たくみに
言霊姫
(
ことたまひめの
)
命
(
みこと
)
、
055
真澄姫
(
ますみひめ
)
を
利害
(
りがい
)
得失
(
とくしつ
)
をもつて
説
(
と
)
きつけ、
056
『
万々一
(
まんまんいち
)
我
(
われ
)
らの
進言
(
しんげん
)
を
用
(
もち
)
ゐたまはざるにおいては、
057
大自在天
(
だいじざいてん
)
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
軍勢
(
ぐんぜい
)
は、
058
直
(
ただ
)
ちに
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
へ
押寄
(
おしよ
)
せきたりて、
059
国
(
くに
)
の
広宮
(
ひろみや
)
のごとく
一挙
(
いつきよ
)
に
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
もろとも
破壊
(
はくわい
)
さるるのみならず、
060
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
以下
(
いか
)
の
神司
(
かみがみ
)
は
残
(
のこ
)
らず
滅
(
ほろ
)
ぼされむ。
061
我
(
われ
)
らの
言
(
げん
)
を
採用
(
さいよう
)
し、
062
常世姫
(
とこよひめ
)
を
迎
(
むか
)
へたてまつり、
063
かつ
竜山別
(
たつやまわけ
)
をして
天使長
(
てんしちやう
)
の
職
(
しよく
)
に
就
(
つ
)
かしめなば、
064
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
も
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
も
安全
(
あんぜん
)
無事
(
ぶじ
)
なるのみならず、
065
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
、
066
大足彦
(
おほだるひこ
)
は
常世国
(
とこよのくに
)
より
解放
(
かいほう
)
の
歓
(
よろこ
)
びにあふは
必然
(
ひつぜん
)
なり。
067
真澄姫
(
ますみひめ
)
、
068
言霊姫
(
ことたまひめ
)
にして、
069
夫
(
をつと
)
の
危難
(
きなん
)
を
救
(
すく
)
ひ
本城
(
ほんじやう
)
を
永遠
(
ゑいゑん
)
に
保
(
たも
)
ち、
070
神徳
(
しんとく
)
を
四方
(
しはう
)
に
発揮
(
はつき
)
せむと
欲
(
ほつ
)
したまはば、
071
速
(
すみ
)
やかに
我
(
われ
)
らの
忠言
(
ちうげん
)
を
容
(
い
)
れられよ。
072
夢
(
ゆめ
)
にも
我
(
われ
)
らの
言
(
げん
)
を
否
(
いな
)
みたまふにおいては、
073
後日
(
ごじつ
)
のため
面白
(
おもしろ
)
からぬ
結果
(
けつくわ
)
を
招
(
まね
)
き、
074
つひには
貴女
(
あなた
)
らの
御
(
おん
)
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
にも
大事
(
だいじ
)
の
発生
(
はつせい
)
せむこと、
075
火
(
ひ
)
を
睹
(
み
)
るよりも
明白
(
めいはく
)
なり』
076
と
脅喝
(
けふかつ
)
したりければ、
077
さすが
女人
(
によにん
)
の
心
(
こころ
)
よわく、
078
真澄姫
(
ますみひめ
)
、
079
言霊姫
(
ことたまひめ
)
は、
080
その
賛否
(
さんぴ
)
に
迷
(
まよ
)
はざるを
得
(
え
)
ざりける。
081
曙姫
(
あけぼのひめ
)
、
082
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
、
083
佐倉姫
(
さくらひめ
)
らの
女性
(
ぢよせい
)
は、
084
いたつて
強剛
(
きやうがう
)
の
態度
(
たいど
)
をとり、
085
真澄姫
(
ますみひめ
)
、
086
言霊姫
(
ことたまひめ
)
にむかつて、
087
『
断
(
だん
)
じて
美山彦
(
みやまひこ
)
一派
(
いつぱ
)
の
言
(
げん
)
に
耳
(
みみ
)
を
傾
(
かたむ
)
けたまふべからず』
088
と
進言
(
しんげん
)
したりけるに、
089
二人
(
ふたり
)
はやや
思案
(
しあん
)
にくれつつありき。
090
そこへまたもや
国照姫
(
くにてるひめ
)
、
091
杵築姫
(
きつきひめ
)
、
092
船木姫
(
ふなきひめ
)
、
093
広若
(
ひろわか
)
らの
邪神
(
じやしん
)
現
(
あら
)
はれ
来
(
き
)
たり、
094
二女
(
にぢよ
)
にむかひて、
095
『
如何
(
いか
)
にしても
吾
(
われ
)
らの
忠言
(
ちうげん
)
を
容
(
い
)
れて
諸神司
(
しよしん
)
を
放逐
(
はうちく
)
し、
096
竜山別
(
たつやまわけ
)
以下
(
いか
)
の
神人
(
かみがみ
)
を
採用
(
さいよう
)
せざるときは、
097
災禍
(
さいくわ
)
たちまちいたりて
本城
(
ほんじやう
)
は
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
部下
(
ぶか
)
に
亡
(
ほろ
)
ぼされ、
098
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
、
099
大足彦
(
おほだるひこ
)
は
常世国
(
とこよのくに
)
の
刑
(
けい
)
に
処
(
しよ
)
せられ、
100
末代
(
まつだい
)
帰還
(
きくわん
)
さるべき
機会
(
きくわい
)
なし。
101
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
吾
(
われ
)
らの
言
(
げん
)
を
容
(
い
)
れて
大改革
(
だいかいかく
)
を
断行
(
だんかう
)
されよ』
102
と
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
より
攻
(
せ
)
めよするをりしも、
103
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
の
門外
(
もんぐわい
)
にはかに
騒
(
さわ
)
がしく、
104
諸神司
(
しよしん
)
の
歓呼
(
くわんこ
)
の
声
(
こゑ
)
、
105
鬨
(
とき
)
の
声
(
こゑ
)
、
106
百雷
(
ひやくらい
)
の
一
(
いち
)
時
(
じ
)
に
轟
(
とどろ
)
くごとく
聞
(
き
)
こえきたりぬ。
107
これは
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
が
神助
(
しんじよ
)
の
下
(
もと
)
に
常世国
(
とこよのくに
)
に
送
(
おく
)
らるる
[
※
第二八章参照
]
中途
(
ちゆうと
)
において、
108
従者
(
じゆうしや
)
言代別
(
ことしろわけの
)
命
(
みこと
)
に
救
(
すく
)
はれ、
109
一
(
いつ
)
たん
高白山
(
かうはくざん
)
の
城主
(
じやうしゆ
)
となり
各地
(
かくち
)
をひそかに
巡視
(
じゆんし
)
し、
110
詳細
(
しやうさい
)
なる
偵察
(
ていさつ
)
を
了
(
を
)
へて
緑毛
(
りよくまう
)
の
大亀
(
おほがめ
)
にうち
乗
(
の
)
り、
111
大足彦
(
おほだるひこ
)
とともに
突然
(
とつぜん
)
帰還
(
きくわん
)
したまひしなりき。
112
かくと
知
(
し
)
りたる
美山彦
(
みやまひこ
)
、
113
国照姫
(
くにてるひめ
)
、
114
杵築姫
(
きつきひめ
)
らの
邪神
(
じやしん
)
は、
115
たちまち
周章
(
しうしやう
)
狼狽
(
らうばい
)
して
色
(
いろ
)
をうしなひ、
116
逃
(
に
)
ぐるにも
逃
(
に
)
げ
途
(
みち
)
なく、
117
梟
(
ふくろ
)
の
夜食
(
やしよく
)
に
外
(
はづ
)
れし
時
(
とき
)
のごとく
面
(
つら
)
ふくらしながら
二神司
(
にしん
)
を
迎
(
むか
)
へて、
118
いやさうな、
119
気乗
(
きのり
)
のせぬ
声
(
こゑ
)
にて、
120
『よくもお
帰
(
かへ
)
りありしぞ、
121
マアマア
御
(
お
)
芽出度
(
めでた
)
し』
122
と
義理
(
ぎり
)
一遍
(
いつぺん
)
の
冷淡
(
れいたん
)
きはまる
挨拶
(
あいさつ
)
をのべ、
123
早々
(
さうさう
)
わが
居室
(
きよしつ
)
に
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
りにけり。
124
あまたの
神司
(
かみがみ
)
は、
125
二神司
(
にしん
)
の
無事
(
ぶじ
)
に
帰還
(
きくわん
)
せられしを
心底
(
しんてい
)
より
欣喜
(
きんき
)
にたへず、
126
天
(
てん
)
を
拝
(
はい
)
し、
127
あるひは
地
(
ち
)
を
拝
(
はい
)
し、
128
枯木
(
かれき
)
に
花
(
はな
)
の
咲
(
さ
)
きしがごとく
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ちにける。
129
二神司
(
にしん
)
はまづ
天
(
てん
)
の
三柱
(
みはしら
)
の
大神
(
おほかみ
)
に
無事
(
ぶじ
)
の
帰城
(
きじやう
)
を
感謝
(
かんしや
)
し、
130
ついで
国治立
(
くにはるたちの
)
命
(
みこと
)
の
神前
(
しんぜん
)
に
拝跪
(
はいき
)
して
神恩
(
しんおん
)
の
深
(
ふか
)
きに
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
し、
131
真澄姫
(
ますみひめ
)
をはじめ
留守中
(
るすちう
)
の
諸神司
(
しよしん
)
に、
132
永日
(
えいじつ
)
の
労苦
(
らうく
)
を
謝
(
しや
)
しをはりて、
133
蓮華台
(
れんげだい
)
上
(
じやう
)
の
聖地
(
せいち
)
にのぼり、
134
天神
(
てんじん
)
地祇
(
ちぎ
)
、
135
八百万
(
やほよろづ
)
の
神々
(
かみがみ
)
に
感謝
(
かんしや
)
の
祝文
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
136
衆
(
しう
)
に
守
(
まも
)
られて
城内
(
じやうない
)
深
(
ふか
)
く
休息
(
きうそく
)
したまひける。
137
ややあつて
国照姫
(
くにてるひめ
)
、
138
杵築姫
(
きつきひめ
)
、
139
広若
(
ひろわか
)
は
二神司
(
にしん
)
の
前
(
まへ
)
に
現
(
あら
)
はれ、
140
『
妾
(
わらは
)
らは、
141
常世城
(
とこよじやう
)
に
捕
(
とら
)
はれ
獄中
(
ごくちう
)
に
呻吟
(
しんぎん
)
したまふことを
悲
(
かな
)
しみ、
142
同情
(
どうじやう
)
の
涙
(
なみだ
)
にたへず、
143
よりて
妾
(
わらは
)
らは
種々
(
しゆじゆ
)
の
手続
(
てつづ
)
きを
求
(
もと
)
めて
大国彦
(
おほくにひこ
)
に
歎願
(
たんぐわん
)
し、
144
かつ
常世彦
(
とこよひこ
)
のもとに
必死
(
ひつし
)
的
(
てき
)
運動
(
うんどう
)
の
結果
(
けつくわ
)
、
145
貴神司
(
きしん
)
らは
今日
(
こんにち
)
無事
(
ぶじ
)
に
帰還
(
きくわん
)
するを
得
(
え
)
たるは
御
(
ご
)
承知
(
しようち
)
のことならむ。
146
神明
(
しんめい
)
の
加護
(
かご
)
とはいひながら、
147
その
大部分
(
だいぶぶん
)
は
妾
(
わらは
)
らが
犠牲
(
ぎせい
)
的
(
てき
)
大運動
(
だいうんどう
)
のたまものなれば、
148
今後
(
こんご
)
は
妾
(
わらは
)
らの
忠言
(
ちうげん
)
を
容
(
い
)
れて、
149
大々
(
だいだい
)
的
(
てき
)
改革
(
かいかく
)
を
断行
(
だんかう
)
したまへ。
150
この
好機
(
かうき
)
を
逸
(
いつ
)
する
時
(
とき
)
は、
151
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
も
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
も、
152
暗黒界
(
あんこくかい
)
と
変
(
へん
)
ぜむこと
明
(
あき
)
らかなり』
153
と
喋々
(
てふてふ
)
として
述
(
の
)
べ
立
(
た
)
つる。
154
二神司
(
にしん
)
は
国照姫
(
くにてるひめ
)
以下
(
いか
)
の
邪神
(
じやしん
)
の、
155
見
(
み
)
えすきたる
虚言
(
きよげん
)
にあきれて、
156
言語
(
げんご
)
も
発
(
はつ
)
し
得
(
え
)
ざりける。
157
すなわち
二神司
(
にしん
)
は
一旦
(
いつたん
)
ローマの
戦
(
たたか
)
ひに
破
(
やぶ
)
れて
捕
(
とら
)
はれたれど、
158
神
(
かみ
)
の
佑助
(
いうじよ
)
によつて
中途
(
ちゆうと
)
に
救
(
すく
)
はれ、
159
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
は
一
(
いち
)
時
(
じ
)
高白山
(
かうはくざん
)
に
隠
(
かく
)
れて
時
(
とき
)
を
待
(
ま
)
ち、
160
それより
不思議
(
ふしぎ
)
にも
途中
(
とちゆう
)
大足彦
(
おほだるひこ
)
に
会
(
くわい
)
し
相
(
あひ
)
共
(
とも
)
に
天下
(
てんか
)
の
諸山
(
しよざん
)
を
歴視
(
れきし
)
し、
161
邪神
(
じやしん
)
の
奸計
(
かんけい
)
を
詳細
(
しやうさい
)
に
探求
(
たんきう
)
し
還
(
かへ
)
りたることを
告
(
つ
)
げ、
162
かつ
国照姫
(
くにてるひめ
)
、
163
杵築姫
(
きつきひめ
)
らの
言葉
(
ことば
)
の
事実
(
じじつ
)
に
相
(
あひ
)
反
(
はん
)
し、
164
全然
(
ぜんぜん
)
虚構
(
きよこう
)
なる
旨
(
むね
)
を
素破抜
(
すつぱぬ
)
きたまひける。
165
国照姫
(
くにてるひめ
)
以下
(
いか
)
の
邪神
(
じやしん
)
らは、
166
二神司
(
にしん
)
の
言
(
げん
)
を
聞
(
き
)
きて
赤面
(
せきめん
)
するやと
思
(
おも
)
ひの
外
(
ほか
)
、
167
厚顔
(
こうがん
)
無恥
(
むち
)
なる
彼
(
かれ
)
ら
悪神
(
あくがみ
)
は、
168
少
(
すこ
)
しの
痛痒
(
つうよう
)
も
感
(
かん
)
ぜざるごとき
態度
(
たいど
)
をよそほひ、
169
かへつて
二神司
(
にしん
)
の
言
(
げん
)
を
虚言
(
きよげん
)
と
言
(
い
)
ひはなちつつ、
170
なほも
陰
(
いん
)
に
陽
(
やう
)
に
反抗
(
はんかう
)
的
(
てき
)
態度
(
たいど
)
を
持続
(
ぢぞく
)
し、
171
あるひは
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
部神
(
ぶしん
)
に
通
(
つう
)
じ、
172
あるひは
常世姫
(
とこよひめ
)
とはかり、
173
盛
(
さか
)
ンに
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
を
顛覆
(
てんぷく
)
せむと
焦慮
(
せうりよ
)
しつつ、
174
表
(
おもて
)
に
善人
(
ぜんにん
)
の
仮面
(
かめん
)
を
被
(
か
)
ぶり、
175
暗々裡
(
あんあんり
)
に
反逆
(
はんぎやく
)
的
(
てき
)
活動
(
くわつどう
)
を
続
(
つづ
)
けたりける。
176
(
大正一〇・一二・七
旧一一・九
桜井重雄
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(B)
(N)
常世会議 >>>
霊界物語
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霊主体従(第1~12巻)
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第3巻(寅の巻)
> 第10篇 神政の破壊 > 第41章 二神の帰城
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