霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第五章 議場(ぎぢやう)の混乱(こんらん)〔一五五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻 篇:第1篇 八洲の川浪 よみ(新仮名遣い):やすのかわなみ
章:第5章 議場の混乱 よみ(新仮名遣い):ぎじょうのこんらん 通し章番号:155
口述日:1921(大正10)年12月16日(旧11月18日) 口述場所: 筆録者:出口瑞月 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
行成彦は国祖が選定した八王・八頭を廃するなどという意見には絶対反対である、と憤然と述べ立てた。
八王大神は怒りに駆られて怒号し、行成彦を怒鳴りたてた。行成彦が反対意見を述べようと再び登壇するのを、八王大神は蹴り落とそうとした。
すると従者の道彦(大道別)が八王大神の腕をつかんで諌める振りをすると、八王大神は強力に締め上げられてその場に倒れてしまった。大鷹彦、美山彦はただちに駆け寄って、道彦を壇上から蹴り落とした。
ところが道彦の姿は煙と消え、代わりに壇の下に倒れて苦しんでいるのは、行成彦であった。八王大神はやっと立ち上がると、倒れている行成彦をはねのけようとした。すると行成彦の体から数個の玉が現れて、玉は天上へ昇って消えてしまった。
しかして、実際の行成彦は最初から自分の席に座ったままであった。また、道彦は八王大神の館の正門を守っており、会議の場にはいなかったのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-04-29 17:25:39 文字数:2156 OBC :rm0405
愛善世界社版:31頁 八幡書店版:第1輯 383頁 修補版: 校定版:33頁 普及版:15頁 初版: ページ備考:
001 行成彦(ゆきなりひこ)は満場(まんぢやう)にむかつて慇懃(いんぎん)に挨拶(あいさつ)を述(の)べ且(か)つ、
002『今回(こんくわい)の大会議(だいくわいぎ)は世界(せかい)永遠(ゑいゑん)の平和(へいわ)を企図(きと)さるるため、003八王(やつわう)大神(だいじん)および大自在天(だいじざいてん)の発起(ほつき)されしものにして、004じつに現今(げんこん)の世界(せかい)の状況(じやうきやう)よりみて、005まことに吾々(われわれ)は感謝(かんしや)に耐(た)へないのである。006これ全(まつた)く二神(にしん)が天下(てんか)蒼生(さうせい)を愛(あい)したまふ大慈(だいじ)大悲心(だいひしん)の発露(はつろ)にして大神(おほかみ)の慈言(じげん)に等(とう)し。007我々(われわれ)は誠心(せいしん)誠意(せいい)をもつて相(あひ)終始(しうし)しこの平和(へいわ)会議(くわいぎ)をして名実(めいじつ)相伴(あひともな)ひ、008真個(しんこ)世界(せかい)の永遠(ゑいゑん)平和(へいわ)の基礎(きそ)たらしめざるべからず。009この点(てん)においては、010諸神司(しよしん)におかせられても吾々(われわれ)と同感(どうかん)なるべきことを信(しん)じて疑(うたが)はない次第(しだい)である。011各自(かくじ)の武備(ぶび)を撤廃(てつぱい)し、012四海(しかい)同胞(どうはう)和親(わしん)の曙光(しよくわう)に接(せつ)するは実(じつ)に同慶(どうけい)の至(いた)りである。013ゆゑに我々(われわれ)は武備(ぶび)の撤廃(てつぱい)については双手(さうしゆ)をあげて賛成(さんせい)するものである。014されど吾々(われわれ)は八王(やつわう)廃止(はいし)[※御校正本・愛世版では「八王大神廃止」だが、校定版・八幡版では「八王の廃止」になっている。ストーリー上は後者が正しいので、霊界物語ネットでは「八王廃止」とした。]の件(けん)については、015おほいに考(かんが)ふべき余地(よち)の幾多(いくた)存(そん)することと思(おも)ふ。016そのゆゑは、017かの八王(やつわう)なるものは、018天地(てんち)の大神(おほかみ)の定(さだ)められたる規定(きてい)にして、019それぞれに国魂(くにたま)を配置(はいち)し、020もつて神界(しんかい)現界(げんかい)御(ご)経綸(けいりん)の守護(しゆご)となしおかれ、021八王(やつわう)は天地(てんち)の律法(りつぱふ)をあまねく神人(しんじん)に宣伝(せんでん)し、022かつ国魂(くにたま)を通(つう)じて国治立(くにはるたちの)命(みこと)に仕事(しじ)するの聖職(せいしよく)である。023かかる聖職(せいしよく)を神界(しんかい)大神(おほかみ)の御(ご)神慮(しんりよ)をも伺(うかが)はず、024軽々(かるがる)しくこれを提唱(ていしやう)するごときは、025第一(だいいち)天地(てんち)の神明(しんめい)を無視(むし)したる反逆(はんぎやく)的(てき)行為(かうゐ)なれば、026吾(われ)らはこの議案(ぎあん)にたいしては大々(だいだい)的(てき)反対(はんたい)である。027各山(かくざん)各地(かくち)の八王(やつわう)を撤廃(てつぱい)するは、028恰(あたか)も扇子(せんす)の要(かなめ)を抜(ぬ)きとりたると同様(どうやう)にして却(かへ)つて、029世界(せかい)の四分(しぶん)五裂(ごれつ)を招(まね)き、030これより地上(ちじやう)は一層(いつそう)の混乱(こんらん)、031無明(むみやう)の天地(てんち)と悪化(あくくわ)せむ。032吾々(われわれ)は世界(せかい)の前途(ぜんと)を思(おも)ふのあまり、033一(いち)時(じ)も早(はや)くかくのごとき愚案(ぐあん)は撤回(てつくわい)されむことを望(のぞ)まざるべからず。034いかに徳望(とくばう)高(たか)く、035勢力(せいりよく)旺盛(わうせい)にして旭日(きよくじつ)昇天(しようてん)の威望(ゐばう)ある八王(やつわう)大神(だいじん)の提案(ていあん)なりとはいへ、036かくのごとき天意(てんい)に反(はん)したる議案(ぎあん)には他人(たにん)はいざ知(し)らず、037吾々(われわれ)は断(だん)じて盲従(まうじゆう)すること能(あた)はず』
038とやや声(こゑ)を荒(あら)らげ、039憤然(ふんぜん)として降壇(かうだん)した。
040 ここに八王(やつわう)大神(だいじん)は烈火(れつくわ)の如(ごと)く憤(いきどほ)りながら、041強力(ごうりき)の神(かみ)道彦(みちひこ)を従(したが)へ、042ふたたび壇上(だんじやう)に登(のぼ)り一座(いちざ)を瞰下(みくだ)し、043恐(おそ)ろしき眼(め)を見(み)はりつつ、044視線(しせん)を行成彦(ゆきなりひこ)の方(はう)にむけたる時(とき)の容貌(ようばう)は実(じつ)に六面(ろくめん)八臂(はつぴ)の邪鬼(じやき)の面相(めんさう)そのままなりける。045諸神司(しよしん)は固唾(かたづ)をのんで雨(あめ)か、046風(かぜ)か、047はた洪水(こうずゐ)か、048雷鳴(らいめい)か、049地震(ぢしん)かと、050おそるおそる八王(やつわう)大神(だいじん)の顔色(かほいろ)をのぞくやうにして、051見上(みあ)げてゐたり。
052 このとき八王(やつわう)大神(だいじん)声(こゑ)を励(はげ)まし雷鳴(らいめい)のごとくに怒号(どがう)咆哮(はうかう)し、053列座(れつざ)の諸神司(しよしん)をして恐怖(きようふ)の念(ねん)に駆(か)られしめたり。054しかして行成彦(ゆきなりひこ)をハツタとにらみ、
055『汝(なんじ)は若年(じやくねん)の身(み)として小賢(こざか)しくも屁理屈(へりくつ)を百万(ひやくまん)陀羅(だら)述(の)べ立(たつ)るといへども、056口角(こうかく)いまだ乳臭(にうしう)を脱(だつ)せず。057汝(なんぢ)は律法(りつぱふ)を楯(たて)にとりて吾(われ)らの大慈旨(だいじし)を抹消(まつせう)せむとは片腹(かたはら)痛(いた)し。058時世(じせい)の大勢(たいせい)に透徹(とうてつ)せざる迂遠(うゑん)狂愚(きやうぐ)の論議(ろんぎ)を、059かかる尊(たつと)き会議(くわいぎ)の席(せき)において蝶々(てふてふ)喃々(なんなん)し、060議席(ぎせき)の神聖(しんせい)を汚(けが)し、061天下(てんか)の神人(しんじん)万有(ばんいう)を安住(あんぢう)せしめ、062真個(しんこ)の天国(てんごく)を地上(ちじやう)に顕出(けんしゆつ)せむとする大自在天(だいじざいてん)大国彦(おほくにひこ)および吾(われ)らの神策(しんさく)の実行(じつかう)を妨害(ばうがい)せむとする、063その心事(しんじ)の陋劣(ろふれつ)にして悪逆(あくぎやく)無道(むだう)なる実(じつ)に汝(なんぢ)の言辞(げんじ)といひ、064精神(せいしん)といひ見下(みさ)げ果(は)てたるその振舞(ふるま)ひ、065汝(なんぢ)のごとき邪心(じやしん)を包蔵(はうざう)する愚者(おろかもの)は、066この席(せき)に列(れつ)するの資格(しかく)なし、067一(いち)時(じ)もはやく退場(たいぢやう)せよ』
068と厳命(げんめい)し、069かつ諸神司(しよしん)の方(はう)に眼(め)を転(てん)じていふ、
070『諸神司(しよしん)は彼(かれ)行成彦(ゆきなりひこ)の言(げん)をもつて、071天地(てんち)経綸(けいりん)の神策(しんさく)を破壊(はくわい)するものと見做(みな)さざるや。072諸神司(しよしん)にして我(わ)が説(せつ)に賛成(さんせい)ならば、073手(て)をあげて以(もつ)て誠意(せいい)を示(しめ)されたし』
074と傍若(ばうじやく)無人(むじん)の暴言(ばうげん)をはき、075場(ぢやう)の四隅(しぐう)を見渡(みわた)しける。076諸神司(しよしん)はその権幕(けんまく)の猛烈(まうれつ)さに、077ますます気(き)をのまれ、078猫(ねこ)に出(で)あひし鼠(ねずみ)のごとく、079戦々(せんせん)兢々(きやうきやう)として縮(ちぢ)みあがり片言(へんげん)隻句(せきく)も発(はつ)し得(え)ざるの卑怯(ひけふ)さを遺憾(ゐかん)なく発露(はつろ)したりける。
080 行成彦(ゆきなりひこ)は憤然(ふんぜん)として立(た)ち上(あが)り、081何事(なにごと)か自席(じせき)より発言(はつげん)せむとするや、082八王(やつわう)大神(だいじん)大(おほい)に怒(いか)り、
083『汝(なんぢ)は神聖(しんせい)なる議場(ぎぢやう)を汚(けが)す曲人(まがびと)なり。084意見(いけん)あらば何(な)ンぞ場内(ぢやうない)の規律(きりつ)を守(まも)り登壇(とうだん)してこれをなさざるや』
085と叱咤(しつた)したるにぞ、086行成彦(ゆきなりひこ)は、
087『然(しか)らば御免(ごめん)あれ』
088といひつつ自席(じせき)をはなれ登壇(とうだん)せむとするや、089八王(やつわう)大神(だいじん)は、
090『この愚昧者(ぐまいもの)』
091といふより早(はや)く、092壇上(だんじやう)より蹴(け)り落(おと)さむとする際(さい)、093従者(じゆうしや)なる道彦(みちひこ)は暫時(ざんじ)の御(ご)猶予(いうよ)と言(い)ひながら、094八王(やつわう)大神(だいじん)の片腕(かたうで)を掴(つか)みける。095八王(やつわう)大神(だいじん)は強力(ごうりき)の道彦(みちひこ)に利腕(ききうで)を固(かた)く握(にぎ)られ、096全身(ぜんしん)麻痺(まひ)してその場(ば)に顔(かほ)をしかめて打(う)ち倒(たふ)れたり。097この態(てい)を見(み)たる大鷹彦(おほたかひこ)、098美山彦(みやまひこ)は矢庭(やには)に壇上(だんじやう)に立(た)ち上(あ)がり、099道彦(みちひこ)を蹴(け)り落(おと)したり。100蹴落(けおと)されたるは道彦(みちひこ)と思(おも)ひきや、101行成彦(ゆきなりひこ)なりき。102しかして道彦(みちひこ)の姿(すがた)は煙(けむり)と消(き)えて跡形(あとかた)もなくなりぬ。103八王(やつわう)大神(だいじん)は痛(いた)さをこらへ、104やうやくにして立上(たちあが)り、105道彦(みちひこ)を叱咤(しつた)せむとし四辺(あたり)を見(み)れば、106道彦(みちひこ)の姿(すがた)は見(み)えず、107行成彦(ゆきなりひこ)が壇下(だんか)に倒(たふ)れて七転(しちてん)八倒(ばつたう)し居(ゐ)たりける。108八王(やつわう)大神(だいじん)は心地(ここち)よげに打(うち)ながめ、
109『汝(なんぢ)は若年(じやくねん)の分際(ぶんざい)として、110老練(らうれん)なる神政者(しんせいしや)の我(われ)にむかつて抗弁(かうべん)せり。111天地(てんち)の大神(おほかみ)は汝(なんぢ)の暴逆(ばうぎやく)を悪(にく)みたまひて、112その高(たか)き鼻梁(はなばしら)をうち砕(くだ)きたまふ。113今(いま)より汝(なんぢ)は良心(りやうしん)に立(たち)かへり、114我(わが)主張(しゆちやう)に賛成(さんせい)せば汝(なんぢ)のいまの無礼(ぶれい)を許(ゆる)し与(あた)へむ』
115と欣然(きんぜん)として降壇(かうだん)する際(さい)、116八王(やつわう)大神(だいじん)は吾(わ)が足(あし)をもつて行成彦(ゆきなりひこ)の倒(たふ)れたる身体(しんたい)をはね退(の)けむとする刹那(せつな)、117行成彦(ゆきなりひこ)の身体(しんたい)より数個(すうこ)の玉(たま)現(あら)はれ満場(まんぢやう)を照(てら)して天上(てんじやう)へ上(のぼ)ると見(み)るまに玉(たま)はその姿(すがた)をかくしたりける。
118 行成彦(ゆきなりひこ)は、119依然(いぜん)として最前(さいぜん)より自分(じぶん)の議席(ぎせき)に静(しづ)まりゐたるなり。120また道彦(みちひこ)は八王(やつわう)大神(だいじん)の館(やかた)の正門(せいもん)を離(はな)れず厳守(げんしゆ)しゐたりける。121アヽこれ何物(なにもの)の所為(しよゐ)なりしならむか。
122(大正一〇・一二・一六 旧一一・一八 出口瑞月)
123(序~第五章 昭和一〇・一・一九 於鹿児島市錦江支部 王仁校正)
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