霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四〇章 照魔鏡(せうまきやう)〔一九〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻 篇:第7篇 因果応報 よみ(新仮名遣い):いんがおうほう
章:第40章 照魔鏡 よみ(新仮名遣い):しょうまきょう 通し章番号:190
口述日:1921(大正10)年12月28日(旧11月30日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
高月彦は天使長の職に就いた。その祝宴のさなか、常世姫は夫に死に別れた悲しみから、自ら竜宮城の主宰を辞して、長女・初花姫にその役を譲ることを望み、神人らに承認された。
しかし初花姫が登壇すると、五月姫も傍らに登って互いに姉妹の座を争い始めた。常世姫でさえ、どちらがどちらかわからなくなってしまった。
宮比彦は国祖の審判を仰ごうと奥殿に参向したが、大八洲彦命に「このような妖怪変化を見破ることもできないのか」とたしなめられた。
大八洲彦命の言に恥じた宮比彦は天の真奈井に禊して、国祖の奇魂を宿すにいたった。大広間に戻った宮比彦は鎮魂の組み手から霊光を発射すると、五月姫は金毛九尾白面の悪狐の正体をあらわし、逃げてしまった。
常世姫は悪狐が自分の体を借りて生まれ出たことに衝撃を受け、病を発して昇天してしまった。
一方初花姫は今までと変わって険しい顔立ちになってしまった。神人らは竜宮城主宰という重責に緊張しているのだろう、と思っていたが、これは金毛九尾白面の悪狐が初花姫に懸かってしまったのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:0000-00-00 00:00:00 文字数:2204 OBC :rm0440
愛善世界社版:244頁 八幡書店版:第1輯 458頁 修補版: 校定版:254頁 普及版:110頁 初版: ページ備考:
001 高月彦(たかつきひこ)が父母(ふぼ)二神司(にしん)をはじめ、002八百万(やほよろづ)の神人(かみがみ)の眼力(がんりき)をもつて看破(かんぱ)し得(え)ざりし八頭(やつがしら)八尾(やつを)の大蛇(をろち)の化身(けしん)を、003諸神人(しよしん)満座(まんざ)の中(なか)に善言(ぜんげん)美詞(びし)の神言(かみごと)を奏(そう)し、004その正体(しやうたい)を暴露(ばくろ)せしめた天眼通(てんがんつう)力(りき)は、005あたかも真澄(ますみ)の鏡(かがみ)の六合(りくがふ)を照徹(せうてつ)するがごとしと、006讃嘆(さんたん)せしめたりける。007いかに善言(ぜんげん)美詞(びし)の神言(かみごと)なりといへども、008これを奏上(そうじやう)する神人(かみがみ)にして、009心中(しんちゆう)一片(いつぺん)の暗雲(あんうん)あり、010執着(しふちやく)ある時(とき)はたちまちその言霊(ことたま)は曇(くも)り、011かつ、012かへつて天地(てんち)の邪気(じやき)を発生(はつせい)するものなることは、013第一篇(だいいつぺん)に述(の)べたるところなり。
014 ここに高月彦(たかつきひこ)は神人(かみがみ)らの絶対(ぜつたい)の信望(しんばう)を負(お)ひて父(ちち)の後(あと)を襲(おそ)ひ天使長(てんしちやう)となり、015天使長(てんしちやう)親任(しんにん)の祝宴(しゆくえん)は聖地(せいち)城内(じやうない)の大広前(おほひろまへ)において行(おこな)はれ、016まづ荘厳(さうごん)なる祭壇(さいだん)は新(あらた)に設(まう)けられ、017山野(さんや)河海(かかい)の種々(くさぐさ)の美味物(うましもの)を八足(やたり)の机代(つくゑしろ)に横山(よこやま)のごとく置(お)き足(た)らはし、018御酒(みき)は甕戸(みかのへ)高知(たかし)り、019甕腹充(みかのはらみ)てならべて賑々(にぎにぎ)しく供進(きようしん)されたりける。020神人(かみがみ)らは一斉(いつせい)に天地(てんち)の神明(しんめい)にむかつて天津(あまつ)祝詞(のりと)を奏上(そうじやう)し終(をは)り、021ただちに直会(なほらひ)の宴(えん)に移(うつ)りたり。
022 このとき竜宮城(りうぐうじやう)の主宰者(しゆさいしや)として常世姫(とこよひめ)は、023春日姫(かすがひめ)、024八島姫(やしまひめ)を従(したが)へ礼装(れいさう)を凝(こ)らして臨席(りんせき)し、025この目出度(めでた)き盛宴(せいえん)を祝(しゆく)しける。
026 常世姫(とこよひめ)は夫(つま)と別(わか)れ、027涙(なみだ)のいまだ乾(かわ)かざるに、028吾(わ)が長子(ちやうし)は天使長(てんしちやう)の顕職(けんしよく)につきたるを喜(よろこ)び、029神明(しんめい)に謝(しや)し感涙(かんるい)に咽(むせ)びつつ、030悲喜(ひき)こもごもいたり夏(なつ)冬(ふゆ)の一度(いちど)に来(きた)りしがごとき面色(おももち)なりけり。031ここに長女(ちやうぢよ)初花姫(はつはなひめ)、032五月姫(さつきひめ)も常世姫(とこよひめ)の左右(さいう)に座(ざ)を占(し)めにける。033常世姫(とこよひめ)は夫(つま)の昇天(しようてん)されしのちは、034みづから竜宮城(りうぐうじやう)の主宰(しゆさい)たることを辞(じ)し、035夫(つま)の冥福(めいふく)を祈(いの)らむと決心(けつしん)し、036その後任(こうにん)を初花姫(はつはなひめ)に譲(ゆづ)らむとし、037さいはひ諸神司(しよしん)集合(しふがふ)の式場(しきぢやう)にその意見(いけん)をもちだし、038諸神人(しよしん)の賛否(さんぴ)を求(もと)めたるに、039諸神人(しよしん)はその心情(しんじやう)を察(さつ)し、040一柱(ひとはしら)も拒止(きよし)するものなく異口(いく)同音(どうおん)に初花姫(はつはなひめ)をして、041竜宮城(りうぐうじやう)の主宰者(しゆさいしや)たらしむることを協賛(けふさん)決定(けつてい)したりけり。042善(ぜん)は急(いそ)げの諺(ことわざ)のごとく、043ここに常世姫(とこよひめ)の後任者(こうにんしや)として初花姫(はつはなひめ)就任(しうにん)の披露(ひろう)をなし、044ふたたび厳粛(げんしゆく)なる祭典(さいてん)を執行(しつかう)されたれば、045聖地(せいち)は凶事(きようじ)と吉事(きつじ)の弔祝(てうしゆく)の集合(しふがふ)にて非常(ひじやう)なる雑踏(ざつたふ)を極(きは)めけり。046祭典(さいてん)は無事(ぶじ)にすみ、047初花姫(はつはなひめ)は就任(しうにん)の挨拶(あいさつ)をなさむとし中央(ちうあう)の小高(こだか)き壇上(だんじやう)に現(あら)はれたるに、048同(おな)じく五月姫(さつきひめ)も登壇(とうだん)したり。049しかしてその容貌(ようばう)といひ、050背格好(せかつかう)といひ、051分厘(ふんりん)の差(さ)もなく瓜(うり)を二(ふた)つに割(わ)りたる如(ごと)くなりき。052初花姫(はつはなひめ)が一言(いちげん)諸神人(しよしん)に向(むか)つて挨拶(あいさつ)すれば、053五月姫(さつきひめ)も同時(どうじ)に口(くち)を開(ひら)いて同(おな)じことをいふ。054初花姫(はつはなひめ)が右手(みぎて)を挙(あ)ぐれば五月姫(さつきひめ)も右手(みぎて)を挙(あ)げ、055くさめをすれば同時(どうじ)にくさめをなし、056あたかも影(かげ)の形(かたち)に従(したが)ふがごとく、057あまたの神人(かみがみ)らはこの不思議(ふしぎ)なる場面(ばめん)に二度(にど)びつくりしたり。058さきに二柱(ふたはしら)の高月彦(たかつきひこ)の怪(くわい)に驚(おどろ)き、059漸(やうや)くその正邪(せいじや)を判別(はんべつ)し、060ほつと一息(ひといき)吐(つ)きしまもなく、061またもや姉妹(きやうだい)二人(ふたり)の判別(はんべつ)に苦(くる)しまさるる不思議(ふしぎ)の現象(げんしやう)を見(み)せつけられ、062いづれも目(め)と目(め)を見合(みあは)せ、063またもや常世城(とこよじやう)における野天(のてん)泥田(どろた)会議(くわいぎ)の二(に)の舞(まひ)にあらずやと眉(まゆ)に唾(つばき)し、064頬(ほほ)を抓(つ)めりなどして煩悶(はんもん)しゐたりける。065二(に)女性(ぢよせい)は互(たがひ)に姉妹(しまい)を争(あらそ)ひぬ。066されど現在(げんざい)生(う)み落(おと)したる母(はは)の常世姫(とこよひめ)さへ、067盛装(せいさう)を凝(こ)らしたる姉妹(しまい)を判別(はんべつ)することを得(え)ざりける。
068 ここに高月彦(たかつきひこ)はふたたび「惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)」の神言(かみごと)を奏上(そうじやう)したれど何(なん)の効果(かうくわ)もなく、069依然(いぜん)として二女(にぢよ)は互(たが)ひに姉(あね)の位置(ゐち)を争(あらそ)ふのみ。070ここに宮比彦(みやびひこ)は座(ざ)をたち諸神人(しよしん)にむかつて、
071『我(われ)はこれより国祖(こくそ)大神(おほかみ)の宮殿(きうでん)に参向(さんかう)し、072大神(おほかみ)の審判(しんぱん)を乞(こ)ひ奉(たてまつ)らむと思(おも)ふ。073諸神人(しよしん)の御(ご)意見(いけん)如何(いかん)』
074と満座(まんざ)に問(と)ひけるに、075諸神司(しよしん)は一斉(いつせい)に賛成(さんせい)し、076宮比彦(みやびひこ)をして大神(おほかみ)の神慮(しんりよ)をうかがひ正邪(せいじや)の審判(しんぱん)を乞(こ)ひ奉(まつ)らしめけり。
077 大宮殿(だいきうでん)には大八洲彦(おほやしまひこの)命(みこと)、078高照姫(たかてるひめの)命(みこと)一派(いつぱ)の神人(かみがみ)がまめまめしく国祖(こくそ)大神(おほかみ)に奉侍(ほうじ)し、079神務(しんむ)に奉仕(ほうし)し居(ゐ)たり。080宮比彦(みやびひこ)はただちに奥殿(おくでん)に入(い)り、081神務長(しんむちやう)大八洲彦(おほやしまひこの)命(みこと)にむかひ、082国祖(こくそ)大神(おほかみ)に伝奏(でんそう)されむことを願(ねが)ふにぞ、083大八洲彦(おほやしまひこの)命(みこと)は大(おほ)いに笑(わら)ひ、
084『汝(なんぢ)は常(つね)に神明(しんめい)に奉仕(ほうし)する聖職(せいしよく)にありながら、085かくのごとき妖怪(えうくわい)変化(へんげ)をも看破(かんぱ)し能(あた)はざるや。086我(われ)はかかる小(ちい)さきことを国祖(こくそ)に進言(しんげん)するは畏(おそ)れおほければ謝絶(しやぜつ)す』
087と断乎(だんこ)として撥(は)ねつけたれば、088宮比彦(みやびひこ)は大(おほ)いに恥(は)ぢ、089神務長(しんむちやう)の言(げん)に顧(かへり)み直(ただ)ちに天(あま)の真名井(まなゐ)に走(はし)りゆき、090真裸体(まつぱだか)となりて御禊(みそぎ)を修(しう)し、091祈祷(きたう)を凝(こ)らしけるに、092果然(くわぜん)宮比彦(みやびひこ)は国祖(こくそ)大神(おほかみ)の奇魂(くしみたま)の懸(かか)らせたまふこととなりぬ。093ここに宮比彦(みやびひこ)は急(いそ)ぎ大広間(おほひろま)に現(あら)はれ、094壇上(だんじやう)に立(た)ち両手(りやうて)を組(く)み姉妹(しまい)の女性(ぢよせい)にむかつて鎮魂(ちんこん)の神業(かむわざ)を修(しう)したるに、095命(みこと)の組(く)みたる左右(さいう)の人指指(ひとさしゆび)より光明(くわうみやう)赫灼(かくしやく)たる霊気(れいき)発射(はつしや)して二女(にぢよ)の面(おもて)を照(て)らしければ、096たちまち五月姫(さつきひめ)はその霊威(れいゐ)光明(くわうみやう)に照(て)らされて、097金毛(きんまう)九尾(きうび)白面(はくめん)の悪狐(あくこ)の正体(しやうたい)を現(あら)はし、098城内(じやうない)を黒雲(こくうん)にて包(つつ)み、099雲(くも)に隠(かく)れて何処(いづこ)ともなく逃(に)げ去(さ)りにける。100宮比彦(みやびひこ)は中空(ちうくう)に向(むか)つて鎮魂(ちんこん)をはじめ、
101『一(ひと)二(ふた)三(み)四(よ)五(いつ)六(むゆ)七(なな)八(や)九(ここの)十(たり)百(もも)千(ち)万(よろづ)』
102の天(あま)の数歌(かずうた)を再(ふたた)び繰返(くりかへ)し奏上(そうじやう)し終(をは)るとともに、103大広間(おほひろま)の黒雲(くろくも)は後形(あとかた)もなく消(き)え去(う)せ、104神人(かみがみ)らの面色(めんしよく)はいづれも驚異(きやうい)と感激(かんげき)の色(いろ)ただよひにける。
105 常世姫(とこよひめ)は現在(げんざい)我(わ)が生(う)みの子(こ)五月姫(さつきひめ)の悪狐(あくこ)の我(わ)が胎内(たいない)を借(か)りて生(うま)れ出(で)たりしものなるかと、106驚(おどろ)きあきれ茫然(ばうぜん)として怪(あや)しみの雲(くも)につつまれけり。107これより常世姫(とこよひめ)は病(やまひ)を得(え)、108つひに夫(つま)の後(あと)を追(お)ひて昇天(しようてん)したりしより、109いよいよ竜宮城(りうぐうじやう)は初花姫(はつはなひめ)代(かは)りて主宰者(しゆさいしや)となりぬ。110金毛(きんまう)九尾(きゆうび)白面(はくめん)の悪狐(あくこ)の邪霊(じやれい)現(あら)はるるとともに、111初花姫(はつはなひめ)は精神(せいしん)容貌(ようばう)俄(にはか)に一変(いつぺん)し、112さしも温和(をんわ)なりしその面色(めんしよく)は次第(しだい)に険峻(けんしゆん)の色(いろ)を現(あら)はしけるに、113満座(まんざ)の神人(かみがみ)らは初花姫(はつはなひめ)の面貌(めんばう)の俄(にはか)に険峻(けんしゆん)となりしは、114今(いま)までの気楽(きらく)なる生活(せいくわつ)に引(ひ)き替(か)へ、115竜宮城(りうぐうじやう)の主宰者(しゆさいしや)たるの重職(ぢうしよく)を負(お)ひしより、116心魂(しんこん)緊張(きんちやう)をきたしたる結果(けつくわ)ならむと誤信(ごしん)し居(ゐ)たりける。117ああ初花姫(はつはなひめ)の身魂(みたま)は、118何者(なにもの)ならむか。
119(大正一〇・一二・二八 旧一一・三〇 加藤明子録)
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