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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第4巻(卯の巻)
序
凡例
総説
第1篇 八洲の川浪
第1章 常世会議
第2章 聖地の会議
第3章 使臣の派遣
第4章 乱暴な提案
第5章 議場の混乱
第6章 怪また怪
第7章 涼風凄風
第2篇 天地暗雲
第8章 不意の邂逅
第9章 大の字の斑紋
第10章 雲の天井
第11章 敬神の自覚
第12章 横紙破り
第13章 再転再落
第14章 大怪物
第15章 出雲舞
第3篇 正邪混交
第16章 善言美辞
第17章 殺風景
第18章 隠忍自重
第19章 猿女の舞
第20章 長者の態度
第21章 敵本主義
第22章 窮策の替玉
第4篇 天地転動
第23章 思ひ奇やその一
第24章 思ひ奇やその二
第25章 燕返し
第26章 庚申の眷属
第27章 阿鼻叫喚
第28章 武器制限
第5篇 局面一転
第29章 月雪花
第30章 七面鳥
第31章 傘屋の丁稚
第32章 免れぬ道
第6篇 宇宙大道
第33章 至仁至愛
第34章 紫陽花
第35章 頭上の冷水
第36章 天地開明
第37章 時節到来
第38章 隙行く駒
第7篇 因果応報
第39章 常世の暗
第40章 照魔鏡
第41章 悪盛勝天
第42章 無道の極
第8篇 天上会議
第43章 勧告使
第44章 虎の威
第45章 あゝ大変
第9篇 宇宙真相
第46章 神示の宇宙その一
第47章 神示の宇宙その二
第48章 神示の宇宙その三
第49章 神示の宇宙その四
第50章 神示の宇宙その五
附録 第二回高熊山参拝紀行歌
余白歌
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霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
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第4巻(卯の巻)
> 第8篇 天上会議 > 第45章 あゝ大変
<<< 虎の威
(B)
(N)
神示の宇宙その一 >>>
第四五章 ああ
大変
(
たいへん
)
〔一九五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻
篇:
第8篇 天上会議
よみ(新仮名遣い):
てんじょうかいぎ
章:
第45章 あゝ大変
よみ(新仮名遣い):
ああたいへん
通し章番号:
195
口述日:
1921(大正10)年12月29日(旧12月01日)
口述場所:
筆録者:
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年3月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
常世彦は天上の日の大神、月の大神、広目大神に、国祖が頑強にして、地上神界の主宰者として不適任であることを奏上した。
天の大神たちは、自分の祖神である国祖の身の上を慮り、神政をいったん緩和して神々の心を和めようとした。
しかし国祖を動かすことができなかったので、国祖の妻神である豊国姫命を招き、国祖に諫言してもらうよう説得をした。豊国姫命は命を受けて国祖に柔軟な神政を敷くことを説いたが、国祖は天地の律法は神聖犯すべからずとして、聞き入れなかった。
ついに常世彦は、父親の常世彦が開催した最初の常世会議の際に、国祖が権謀術数を尽くして妨害工作をしたことを持ち出し、天の大神に国祖を律法違反で追放するよう奏上した。
天の三体の大神はついに聖地に降り、根底の国へご退隠すべきことを、涙を呑みつつ伝えられた。三体の大神の心情を察した国祖は、自ら退隠の意を表するに至った。
国祖はただちに幽界に降り、幽政を司ることとなった。しかしその精霊は地上神界の聖地から東北の方角にあたる、七五三垣の秀妻国にとどめた。諸神人は国祖の精霊を封じるために、七五三縄を張り巡らした。
豊国姫命は夫神の隠退にともない、みずから聖地の西南にあたる島国に隠退し、隠れて神界を守護することとなった。
これが、艮の金神、坤の金神の名の始まりである。
天地の律法を国祖とともに制定した天道別命、天真道彦命も八王大神に弾劾され、天使の職を退いた。二神は世界の各地を遍歴し、身を変じて五六七神政の再建を待つこととなった。
国祖大神以下の神々がご退隠した地点を明示するために、神示の宇宙を述べることとする。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-04-29 22:24:55
OBC :
rm0445
愛善世界社版:
271頁
八幡書店版:
第1輯 468頁
修補版:
校定版:
279頁
普及版:
122頁
初版:
ページ備考:
001
ここに
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
は
諸神人
(
しよしん
)
と
図
(
はか
)
り、
002
その
一致
(
いつち
)
的
(
てき
)
意見
(
いけん
)
を
集
(
あつ
)
めて、
003
天上
(
てんじやう
)
にまします
日
(
ひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
、
004
月
(
つき
)
の
大神
(
おほかみ
)
、
005
広目
(
ひろめ
)
大神
(
おほかみ
)
に、
006
国祖
(
こくそ
)
の
頑強
(
ぐわんきやう
)
にして
到底
(
たうてい
)
地上
(
ちじやう
)
世界
(
せかい
)
統理
(
とうり
)
の
不適任
(
ふてきにん
)
なることを
奏上
(
そうじやう
)
すべく、
007
天地
(
てんち
)
を
震動
(
しんどう
)
させながら
数多
(
あまた
)
の
神人
(
かみがみ
)
を
率
(
ひき
)
ゐて、
008
日
(
ひ
)
の
若宮
(
わかみや
)
に
参上
(
まゐあが
)
り
大神
(
おほかみ
)
に
謁
(
えつ
)
し、
009
国祖
(
こくそ
)
御
(
ご
)
退隠
(
たいいん
)
の
希望
(
きばう
)
を
口
(
くち
)
を
極
(
きは
)
めて
奏上
(
そうじやう
)
したり。
010
天上
(
てんじやう
)
の
大神
(
おほかみ
)
といへどもその
祖神
(
そしん
)
は、
011
国祖
(
こくそ
)
国治立
(
くにはるたちの
)
命
(
みこと
)
なれば、
012
大
(
おほ
)
いに
驚
(
おどろ
)
きたまひ、
013
如何
(
いか
)
にもして
国祖
(
こくそ
)
の
志
(
こころざし
)
を
翻
(
ひるがへ
)
さしめ、
014
やや
緩和
(
くわんわ
)
なる
神業
(
しんげふ
)
神政
(
しんせい
)
を
地上
(
ちじやう
)
に
施行
(
しかう
)
して、
015
万神
(
ばんしん
)
の
心
(
こころ
)
を
和
(
なご
)
めしめ、
016
従来
(
じゆうらい
)
のごとく
国祖
(
こくそ
)
執権
(
しつけん
)
の
下
(
もと
)
に
諸神人
(
しよしん
)
を
統一
(
とういつ
)
せしめむと、
017
焦慮
(
せうりよ
)
せられたるは、
018
骨肉
(
こつにく
)
の
情
(
じやう
)
としては
実
(
じつ
)
にもつともの
次第
(
しだい
)
なりといふべし。
019
ここに
天
(
あま
)
の
若宮
(
わかみや
)
にます
日
(
ひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
、
020
広目
(
ひろめ
)
大神
(
おほかみ
)
および、
021
月界
(
げつかい
)
の
主宰神
(
しゆさいじん
)
月
(
つき
)
の
大神
(
おほかみ
)
は、
022
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
以下
(
いか
)
の
神人
(
かみがみ
)
に
対
(
たい
)
し、
023
追
(
お
)
つて
何分
(
なにぶん
)
の
沙汰
(
さた
)
あるまで
下土
(
かど
)
に
降
(
くだ
)
りて
命
(
めい
)
を
待
(
ま
)
つべしとの
神命
(
しんめい
)
に、
024
唯々
(
ゐゐ
)
諾々
(
だくだく
)
として
降
(
くだ
)
り
来
(
き
)
たりける。
[
※
「~命を待つべし」との神命を与えた。それを聞いた八王大神以下の神人は唯々諾々として降った──という意味だと思われる。霊界物語ネットでは御校正本・愛世版の文章の通りにしたが、校定版・八幡版では「ここに八王大神以下の神人は、天の若宮にます日の大神、広目大神および月界の主宰神月の大神から「追つて何分の沙汰あるまで下土に降りて命を待つべし」との神命に、唯々諾々として降り来たりける」と修正している。
]
025
アヽ
国祖
(
こくそ
)
国治立
(
くにはるたちの
)
命
(
みこと
)
は、
026
大宇宙
(
だいうちう
)
の
太祖
(
たいそ
)
大六合治立
(
おほくにはるたちの
)
尊
(
みこと
)
の
神命
(
しんめい
)
を
遵奉
(
じゆんぽう
)
し、
027
天地
(
てんち
)
未分
(
みぶん
)
、
028
陰陽
(
いんやう
)
未剖
(
みぼう
)
の
太初
(
たいしよ
)
より、
029
大地
(
だいち
)
の
中心
(
ちうしん
)
なる
地球
(
ちきう
)
世界
(
せかい
)
の
総
(
そう
)
守護神
(
しゆごじん
)
として、
030
修理
(
しうり
)
固成
(
こせい
)
の
大業
(
たいげふ
)
を
遂行
(
すゐかう
)
し、
031
久良芸那
(
くらげな
)
す
漂
(
ただよ
)
へる
神国
(
しんこく
)
を
統轄
(
とうかつ
)
し、
032
律法
(
りつぱふ
)
を
厳行
(
げんかう
)
したまひける。
033
されど
大神
(
おほかみ
)
の
施政
(
しせい
)
[
※
校正本では「施設」
]
たるや、
034
あまりに
厳格
(
げんかく
)
にして
剛直
(
がうちよく
)
なりしため、
035
混沌
(
こんとん
)
時代
(
じだい
)
の
主管神
(
しゆくわんしん
)
としては、
036
少
(
すこ
)
しく
不適任
(
ふてきにん
)
たるを
免
(
まぬ
)
がれざりき。
037
ゆゑに
部下
(
ぶか
)
の
諸神人
(
しよしん
)
は、
038
神政
(
しんせい
)
施行
(
しかう
)
上
(
じやう
)
、
039
非常
(
ひじやう
)
なる
不便
(
ふべん
)
を
感
(
かん
)
じゐたるなり。
040
さいはひ
和光
(
わくわう
)
同塵
(
どうじん
)
的
(
てき
)
神策
(
しんさく
)
を
行
(
おこな
)
はむとする
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
および、
041
大自在天
(
だいじざいてん
)
の
施政
(
しせい
)
方針
(
はうしん
)
の
臨機
(
りんき
)
応変
(
おうへん
)
にして
活殺
(
くわつさつ
)
自在
(
じざい
)
なるに、
042
何
(
いづ
)
れの
神人
(
かみがみ
)
も
賛成
(
さんせい
)
を
表
(
へう
)
し、
043
つひに
常世城
(
とこよじやう
)
に
万神
(
ばんしん
)
集合
(
しふがふ
)
して、
044
国祖
(
こくそ
)
の
退隠
(
たいいん
)
されむことを
決議
(
けつぎ
)
するに
至
(
いた
)
れるなり。
045
三柱
(
みはしら
)
の
大神
(
おほかみ
)
は
地上
(
ちじやう
)
世界
(
せかい
)
の
状況
(
じやうきやう
)
やむを
得
(
え
)
ずとなし、
046
涙
(
なみだ
)
を
呑
(
の
)
ンで
万神人
(
ばんしん
)
の
奏願
(
そうぐわん
)
を
聴許
(
ちやうきよ
)
せむとせられたり。
047
されど
一旦
(
いつたん
)
地上
(
ちじやう
)
世界
(
せかい
)
の
主宰者
(
しゆさいしや
)
に
任
(
にん
)
ぜられたる
以上
(
いじやう
)
は、
048
神勅
(
しんちよく
)
の
重大
(
ぢゆうだい
)
にして、
049
軽々
(
かるがる
)
しく
変改
(
へんかい
)
すべきものに
非
(
あら
)
ざることを
省
(
かへり
)
みたまひて、
050
容易
(
ようい
)
に
万神人
(
ばんしん
)
の
奏願
(
そうぐわん
)
を
許
(
ゆる
)
させたまはず、
051
直
(
ただ
)
ちに
国祖
(
こくそ
)
に
向
(
むか
)
つて
少
(
すこ
)
しく
緩和
(
くわんわ
)
的
(
てき
)
神政
(
しんせい
)
を
行
(
おこな
)
ひたまふべく、
052
種々
(
いろいろ
)
と
言
(
げん
)
をつくして、
053
あるひは
慰撫
(
ゐぶ
)
し、
054
あるひは
説得
(
せつとく
)
を
試
(
こころ
)
みたまひける。
055
されど、
056
至正
(
しせい
)
、
057
至直
(
しちよく
)
、
058
至厳
(
しげん
)
、
059
至公
(
しこう
)
なる
国祖
(
こくそ
)
の
聖慮
(
せいりよ
)
は、
060
三体
(
さんたい
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
といへども
容易
(
ようい
)
に
動
(
うご
)
かしたまはざりける。
061
三体
(
さんたい
)
の
天
(
てん
)
の
大神
(
おほかみ
)
は、
062
ほとんど
手
(
て
)
を
下
(
くだ
)
すに
由
(
よし
)
なく、
063
ここに、
064
国祖
(
こくそ
)
の
御
(
おん
)
妻
(
つま
)
豊国姫
(
とよくにひめの
)
命
(
みこと
)
を
天上
(
てんじやう
)
に
招
(
まね
)
きて、
065
国祖
(
こくそ
)
に
対
(
たい
)
し、
066
時代
(
じだい
)
の
趨勢
(
すうせい
)
に
順応
(
じゆんおう
)
する
神政
(
しんせい
)
を
施行
(
しかう
)
さるるやう、
067
諫言
(
かんげん
)
の
労
(
らう
)
を
取
(
と
)
らしめむとなしたまひぬ。
068
豊国姫
(
とよくにひめの
)
命
(
みこと
)
は
神命
(
しんめい
)
を
奉
(
ほう
)
じて
聖地
(
せいち
)
に
降
(
くだ
)
り、
069
百方
(
ひやつぱう
)
言
(
げん
)
を
尽
(
つく
)
して、
070
天津
(
あまつ
)
大神
(
おほかみ
)
の
神慮
(
しんりよ
)
を
伝
(
つた
)
へ、
071
涙
(
なみだ
)
とともに
諫言
(
かんげん
)
したまひたれど、
072
元来
(
ぐわんらい
)
剛直
(
がうちよく
)
一途
(
いちづ
)
の
国祖
(
こくそ
)
大神
(
おほかみ
)
は、
073
その
和光
(
わくわう
)
同塵
(
どうじん
)
的
(
てき
)
神政
(
しんせい
)
を
行
(
おこな
)
ふことを
好
(
この
)
みたまはず、
074
断乎
(
だんこ
)
として
妻
(
つま
)
の
諫言
(
かんげん
)
を
峻拒
(
しゆんきよ
)
し
天地
(
てんち
)
の
律法
(
りつぱふ
)
の
神聖
(
しんせい
)
犯
(
をか
)
すべからざるを
説示
(
せつじ
)
して
寸毫
(
すんがう
)
も
譲
(
ゆづ
)
りたまはざりける。
075
ここに
豊国姫
(
とよくにひめの
)
命
(
みこと
)
は
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ずふたたび
天上
(
てんじやう
)
に
上
(
のぼ
)
りて、
076
三体
(
さんたい
)
の
大神
(
おほかみ
)
に
国祖
(
こくそ
)
の
決心
(
けつしん
)
強
(
つよ
)
くして、
077
到底
(
たうてい
)
動
(
うご
)
かすべからざることを
奏上
(
そうじやう
)
されたり。
078
時
(
とき
)
しも
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
は、
079
豊国姫
(
とよくにひめの
)
命
(
みこと
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
ひて、
080
天上
(
てんじやう
)
に
登
(
のぼ
)
りきたり、
081
天
(
あま
)
の
若宮
(
わかみや
)
にます
日
(
ひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
恭
(
うやうや
)
しく
奏問状
(
そうもんじやう
)
を
捧呈
(
ほうてい
)
して
裁許
(
さいきよ
)
を
請
(
こ
)
ひぬ。
082
日
(
ひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
は、
083
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
の
奉
(
たてまつ
)
れる
奏問状
(
そうもんじやう
)
を
御覧
(
ごらん
)
遊
(
あそ
)
ばされて、
084
御
(
ご
)
面色
(
めんしよく
)
俄
(
にはか
)
に
変
(
かは
)
らせたまひ、
085
太
(
ふと
)
き
息
(
いき
)
をつきたまひける。
086
その
文面
(
ぶんめん
)
には、
087
『
国祖
(
こくそ
)
国治立
(
くにはるたちの
)
命
(
みこと
)
は、
088
至厳
(
しげん
)
至直
(
しちよく
)
にして
律法
(
りつぱふ
)
を
厳守
(
げんしゆ
)
したまふ
神聖者
(
かみ
)
とはまをせども、
089
その
実
(
じつ
)
は
正反対
(
せいはんたい
)
の
行動
(
かうどう
)
多
(
おほ
)
く、
090
現
(
げん
)
に
前代
(
ぜんだい
)
常世彦
(
とこよひこの
)
命
(
みこと
)
、
091
常世城
(
とこよじやう
)
に
大会議
(
だいくわいぎ
)
を
開催
(
かいさい
)
するや、
092
聖地
(
せいち
)
の
従臣
(
じゆうしん
)
なる、
093
大江山
(
たいかうざん
)
の
鬼武彦
(
おにたけひこ
)
にみづから
秘策
(
ひさく
)
を
授
(
さづ
)
け、
094
権謀
(
けんぼう
)
術数
(
じゆつすう
)
の
限
(
かぎ
)
りをつくして、
095
至厳
(
しげん
)
至聖
(
しせい
)
なる
神人
(
かみがみ
)
らの
大会議
(
だいくわいぎ
)
を
混乱
(
こんらん
)
紛糾
(
ふんきう
)
せしめ、
096
つひに
根底
(
こんてい
)
より
顛覆
(
てんぷく
)
せしめたまへり。
097
吾
(
われ
)
らをはじめ、
098
地上
(
ちじやう
)
世界
(
せかい
)
の
神人
(
かみがみ
)
は、
099
もはや
国祖
(
こくそ
)
を
信頼
(
しんらい
)
したてまつる
者
(
もの
)
一柱
(
ひとはしら
)
もなし。
100
速
(
すみ
)
やかに
国祖
(
こくそ
)
を
退隠
(
たいいん
)
せしめ、
101
温厚
(
をんこう
)
篤実
(
とくじつ
)
にして
名望
(
めいばう
)
天下
(
てんか
)
に
冠
(
くわん
)
たる
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
塩長彦
(
しほながひこの
)
命
(
みこと
)
をして、
102
国祖
(
こくそ
)
の
神権
(
しんけん
)
を
附与
(
ふよ
)
したまはむことを、
103
地上
(
ちじやう
)
一般
(
いつぱん
)
の
神人
(
しんじん
)
の
代表
(
だいへう
)
として
奏請
(
そうせい
)
し
奉
(
まつ
)
る。
104
以上
(
いじやう
)
敬白
(
けいはく
)
』
105
地上
(
ちじやう
)
の
世界
(
せかい
)
一般
(
いつぱん
)
の
神人
(
かみがみ
)
らは、
106
幾回
(
いくくわい
)
となく
天上
(
てんじやう
)
に
上
(
のぼ
)
りきたり、
107
国祖
(
こくそ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
ご
)
退隠
(
たいいん
)
を
奏請
(
そうせい
)
すること
頻
(
しきり
)
にして、
108
三体
(
さんたい
)
の
大神
(
おほかみ
)
はこれを
制止
(
せいし
)
し、
109
慰撫
(
ゐぶ
)
し、
110
緩和
(
くわんわ
)
せしむる
神策
(
しんさく
)
につきたまひ
終
(
つひ
)
に
自
(
みづか
)
ら
天上
(
てんじやう
)
より
三体
(
さんたい
)
の
大神
(
おほかみ
)
相
(
あひ
)
ともなひて、
111
聖地
(
せいち
)
に
降
(
くだ
)
らせたまひ、
112
国祖
(
こくそ
)
大神
(
おほかみ
)
をして、
113
聖地
(
せいち
)
ヱルサレムを
退去
(
たいきよ
)
し、
114
根
(
ね
)
の
国
(
くに
)
に
降
(
くだ
)
るべきことを、
115
涙
(
なみだ
)
を
呑
(
の
)
み
以
(
もつ
)
て
以心
(
いしん
)
伝心
(
でんしん
)
的
(
てき
)
に
伝
(
つた
)
へられたりける。
116
国祖
(
こくそ
)
大神
(
おほかみ
)
は、
117
三体
(
さんたい
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
深
(
ふか
)
き
御
(
ご
)
心情
(
しんじやう
)
を
察知
(
さつち
)
し、
118
自発
(
じはつ
)
的
(
てき
)
に、
119
『
我
(
われ
)
は
元来
(
ぐわんらい
)
頑迷
(
ぐわんめい
)
不霊
(
ふれい
)
にして
時世
(
じせい
)
を
解
(
かい
)
せず、
120
ために
地上
(
ちじやう
)
の
神人
(
しんじん
)
らをして、
121
かくのごとく
常暗
(
とこやみ
)
の
世
(
よ
)
と
化
(
くわ
)
せしめたるは、
122
まつたく
吾
(
わ
)
が
不明
(
ふめい
)
の
罪
(
つみ
)
なれば、
123
吾
(
われ
)
はこれより
根
(
ね
)
の
国
(
くに
)
に
落
(
お
)
ちゆきて、
124
苦業
(
くげふ
)
を
嘗
(
な
)
め、
125
その
罪過
(
ざいくわ
)
を
償却
(
しやうきやく
)
せむ』
126
と
自
(
みづか
)
ら
千座
(
ちくら
)
の
置戸
(
おきど
)
を
負
(
お
)
ひて、
127
退隠
(
たいいん
)
の
意
(
い
)
を
表示
(
へうじ
)
したまひける。
128
アヽ
国祖
(
こくそ
)
は、
129
至正
(
しせい
)
、
130
至直
(
しちよく
)
、
131
至厳
(
しげん
)
、
132
至愛
(
しあい
)
の
神格
(
しんかく
)
を
発揮
(
はつき
)
して、
133
地上
(
ちじやう
)
の
世界
(
せかい
)
を
至治
(
しち
)
太平
(
たいへい
)
の
神国
(
しんこく
)
たらしめむと、
134
永年
(
ゑいねん
)
肝胆
(
かんたん
)
を
砕
(
くだ
)
かせたまひし、
135
その
大
(
だい
)
御神業
(
ごしんげふ
)
は、
136
つひに
万神人
(
ばんしん
)
の
容
(
い
)
るるところとならず、
137
かへつて
邪神
(
じやしん
)
悪鬼
(
あくき
)
のごとく
見做
(
みな
)
されたまひ、
138
世界
(
せかい
)
平和
(
へいわ
)
のために
一身
(
いつしん
)
を
犠牲
(
ぎせい
)
に
供
(
きよう
)
して
自
(
みづか
)
ら
退隠
(
たいいん
)
の
決心
(
けつしん
)
を
定
(
さだ
)
めたまひたる、
139
その
大慈
(
だいじ
)
大悲
(
だいひ
)
の
大御心
(
おほみこころ
)
を
拝察
(
はいさつ
)
したてまつりて、
140
何人
(
なにびと
)
か
泣
(
な
)
かざるものあらむや。
141
神諭
(
しんゆ
)
に
曰
(
いは
)
く、
142
『
善
(
ぜん
)
一
(
ひ
)
と
筋
(
すぢ
)
の
誠
(
まこと
)
ばかりを
立貫
(
たてぬ
)
いて
来
(
き
)
て、
143
悪神
(
あくがみ
)
祟
(
たた
)
り
神
(
がみ
)
と
申
(
まを
)
され、
144
悔
(
くや
)
し
残念
(
ざんねん
)
、
145
苦労
(
くらう
)
、
146
艱難
(
かんなん
)
を
耐
(
こば
)
り
詰
(
つ
)
めて、
147
世
(
よ
)
に
落
(
お
)
とされて
蔭
(
かげ
)
に
隠
(
かく
)
れて、
148
この
世
(
よ
)
を
潰
(
つぶ
)
さぬために、
149
世界
(
せかい
)
を
守護
(
しゆご
)
いたして
居
(
を
)
りた
御
(
お
)
蔭
(
かげ
)
で、
150
天
(
てん
)
の
御
(
ご
)
三体
(
さんたい
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
目
(
め
)
にとまり、
151
今度
(
こんど
)
の
二度目
(
にどめ
)
の
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
を
開
(
ひら
)
いて、
152
また
元
(
もと
)
の
昔
(
むかし
)
の
御用
(
ごよう
)
を
致
(
いた
)
すやうになりたぞよ』
153
と
示
(
しめ
)
されたるごとく、
154
数千万
(
すうせんまん
)
年
(
ねん
)
の
長
(
なが
)
き
星霜
(
せいさう
)
を
隠忍
(
いんにん
)
したまひしは、
155
実
(
じつ
)
に
恐
(
おそ
)
れ
多
(
おほ
)
きことなり。
156
さて
三体
(
さんたい
)
の
大神
(
おほかみ
)
は
国祖
(
こくそ
)
にむかつて、
157
『
貴神
(
きしん
)
は
我
(
わが
)
胸中
(
きようちう
)
の
苦衷
(
くちう
)
を
察
(
さつ
)
し、
158
自
(
みづか
)
ら
進
(
すす
)
ンで
退隠
(
たいいん
)
さるるは、
159
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
としても、
160
千万
(
せんばん
)
無量
(
むりやう
)
の
悲歎
(
ひたん
)
に
充
(
み
)
たさる。
161
されど
我
(
われ
)
また、
162
一陽
(
いちやう
)
来復
(
らいふく
)
の
時
(
とき
)
を
待
(
ま
)
つて、
163
貴神
(
きしん
)
を
元
(
もと
)
の
地上
(
ちじやう
)
世界
(
せかい
)
の
主権神
(
しゆけんしん
)
に
任
(
にん
)
ずることあらむ。
164
その
時
(
とき
)
来
(
きた
)
らば、
165
我
(
われ
)
らも
天上
(
てんじやう
)
より
地上
(
ちじやう
)
に
降
(
くだ
)
り
来
(
きた
)
りて、
166
貴神
(
きしん
)
の
神業
(
しんげふ
)
を
輔佐
(
ほさ
)
せむ』
167
と
神勅
(
しんちよく
)
厳
(
おごそ
)
かに
宣示
(
せんじ
)
したまひけり。
168
ここに
国祖
(
こくそ
)
大神
(
おほかみ
)
は、
169
妻
(
つま
)
の
身
(
み
)
に
累
(
るゐ
)
を
及
(
およ
)
ぼさむことを
憂慮
(
いうりよ
)
したまひて、
170
夫妻
(
ふさい
)
の
縁
(
えん
)
を
断
(
た
)
ち、
171
独
(
ひと
)
り
配所
(
はいしよ
)
に
隠退
(
いんたい
)
したまひけり。
172
国祖
(
こくそ
)
はただちに
幽界
(
いうかい
)
に
降
(
くだ
)
つて、
173
幽政
(
いうせい
)
を
視
(
み
)
たまふこととなりぬ。
174
されど、
175
その
精霊
(
せいれい
)
は
地上
(
ちじやう
)
の
神界
(
しんかい
)
なる、
176
聖地
(
せいち
)
より
東北
(
うしとら
)
にあたる、
177
七五三
(
しは
)
垣
(
がき
)
の
秀妻国
(
ほつまのくに
)
に
止
(
とど
)
めさせたまひぬ。
178
諸神
(
しよしん
)
は
国祖
(
こくそ
)
大神
(
おほかみ
)
の
威霊
(
ゐれい
)
のふたたび
出現
(
しゆつげん
)
されむことを
恐畏
(
きようゐ
)
して、
179
七五三
(
しめ
)
縄
(
なは
)
を
張
(
は
)
り
廻
(
まは
)
したり。
180
ここに
豊国姫
(
とよくにひめの
)
命
(
みこと
)
は、
181
夫
(
をつと
)
の
退隠
(
たいいん
)
されしその
悲惨
(
ひさん
)
なる
御
(
ご
)
境遇
(
きやうぐう
)
を
坐視
(
ざし
)
するに
忍
(
しの
)
びずして、
182
自
(
みづか
)
ら
聖地
(
せいち
)
の
西南
(
ひつじさる
)
なる
島国
(
しまぐに
)
に
退隠
(
たいいん
)
し、
183
夫
(
をつと
)
に
殉
(
じゆん
)
じて
世
(
よ
)
に
隠
(
かく
)
れ、
184
神界
(
しんかい
)
を
守護
(
しゆご
)
したまひける。
185
ここに
艮
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
、
186
坤
(
ひつじさる
)
の
金神
(
こんじん
)
の
名称
(
めいしよう
)
起
(
おこ
)
れるなり。
187
豊国姫
(
とよくにひめの
)
命
(
みこと
)
が
夫神
(
をつとがみ
)
の
逆境
(
ぎやくきやう
)
に
立
(
た
)
たせたまふをみて、
188
一片
(
いつぺん
)
の
罪
(
つみ
)
なく
過
(
あやま
)
ちなく、
189
かつ
一旦
(
いつたん
)
離縁
(
りえん
)
されし
身
(
み
)
ながらも、
190
自
(
みづか
)
ら
夫神
(
をつとがみ
)
に
殉
(
じゆん
)
じて、
191
坤
(
ひつじさる
)
に
退隠
(
たいいん
)
したまひし
貞節
(
ていせつ
)
の
御
(
ご
)
心情
(
しんじやう
)
は、
192
実
(
じつ
)
に
夫妻
(
ふさい
)
苦楽
(
くらく
)
をともになすべき、
193
倫理
(
りんり
)
上
(
じやう
)
における
末代
(
まつだい
)
の
亀鑑
(
きかん
)
とも
称
(
しよう
)
したてまつるべき
御
(
ご
)
行為
(
かうゐ
)
なりといふべし。
194
アヽ
天地
(
てんち
)
の
律法
(
りつぱふ
)
を
国祖
(
こくそ
)
とともに
制定
(
せいてい
)
したる
天道別
(
あまぢわけの
)
命
(
みこと
)
および、
195
天真道彦
(
あめのまみちひこの
)
命
(
みこと
)
も
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
のために
弾劾
(
だんがい
)
されて、
196
ここに
天使
(
てんし
)
の
職
(
しよく
)
を
退
(
しりぞ
)
き、
197
恨
(
うらみ
)
を
呑
(
の
)
ンで
二神
(
にしん
)
は、
198
世界
(
せかい
)
の
各地
(
かくち
)
を
遍歴
(
へんれき
)
し、
199
ふたたび
身
(
み
)
を
変
(
へん
)
じて
地上
(
ちじやう
)
に
顕没
(
けんぼつ
)
し、
200
五六七
(
みろく
)
神政
(
しんせい
)
の
再建
(
さいけん
)
を
待
(
ま
)
たせたまひける。
201
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
202
国祖
(
こくそ
)
大神
(
おほかみ
)
以下
(
いか
)
の
神々
(
かみがみ
)
の
御
(
ご
)
退隠
(
たいいん
)
について、
203
その
地点
(
ちてん
)
を
明示
(
めいじ
)
する
必要
(
ひつえう
)
上
(
じやう
)
、
204
神示
(
しんじ
)
の
宇宙
(
うちう
)
を
次章
(
じしやう
)
に
述
(
の
)
べ
示
(
しめ
)
さむとす。
205
(
大正一〇・一二・二九
旧一二・一
出口瑞月
)
206
(第四四章~第四五章 昭和一〇・一・二三 於佐賀市松本忠左氏邸 王仁校正)
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