霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三六章 天地(てんち)開明(かいめい)〔一八六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻 篇:第6篇 宇宙大道 よみ(新仮名遣い):うちゅうたいどう
章:第36章 天地開明 よみ(新仮名遣い):てんちかいめい 通し章番号:186
口述日:1921(大正10)年12月26日(旧11月28日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
桃上彦は辞任の意を常世姫に伝えた。常世姫は内心喜びつつ桃上彦の辞表を受け取った。
ここに聖地は四分五裂の惨状を呈した。この危急に各地の八王、竜神たちをはじめ神々が聖地にはせ参じた。八王大神常世彦、大自在天も聖地の存亡を憂うあまり、敵味方の心情を忘れて聖地に参画したのである。
もとはみな、国祖を大神といただく神々であるから、その天性に立ち返ればたちまち至善至美の徳を発揮するのである。
しかしそうした神代の神人らも、ふとした隙に邪神に魅入られてしまうと、たちまち行動一変し御魂も変化してしまうのである。
ここで六面八臂の邪鬼とは、さまざまな姿かたちに変化し、さまざまな技巧・技能に通じた邪神のことを言うのである。
また金毛九尾白面の悪狐とは、美しい女性の姿と威厳ある金色によって諸神を驚惑する所業をいう。また九尾とは完全無欠を意味している。魔術に長じていることを指す。
八頭八尾の大蛇は、自分の分霊を各地に配って千変万化の悪事をなす竜神、という意味である。
蛇足ながら、悪神の三種類について述べたまでである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-05-01 22:24:21 文字数:2521 OBC :rm0436
愛善世界社版:218頁 八幡書店版:第1輯 449頁 修補版: 校定版:228頁 普及版:98頁 初版: ページ備考:
001 桃上彦(ももがみひこの)命(みこと)は、002国祖(こくそ)大神(おほかみ)の峻厳(しゆんげん)骨(ほね)を刺(さ)すてふ厳格(げんかく)なる御(ご)一言(いちげん)にいよいよ退職(たいしよく)の決心(けつしん)をなし、003その由(よし)をただちに竜宮城(りうぐうじやう)の主宰(しゆさい)常世姫(とこよひめ)に伝(つた)へたり。004常世姫(とこよひめ)はただ一言(いちげん)留任(りうにん)の勧告(くわんこく)をも与(あた)へず、005内心(ないしん)欣喜(きんき)雀躍(じやくやく)しながら、006さあらぬ体(てい)にて同情(どうじやう)の色(いろ)をうかべ、007無言(むごん)のまま命(みこと)の辞表(じへう)を受(う)けとり、008ただちに聖地(せいち)ヱルサレムの大宮殿(だいきうでん)に参向(さんかう)し、009桃上彦(ももがみひこの)命(みこと)の責任(せきにん)を自覚(じかく)し、010骸骨(がいこつ)を乞(こ)ふ旨(むね)を恭(うやうや)しく進言(しんげん)したりける。
011 ここに聖地(せいち)高天原(たかあまはら)はあたかも扇子(せんす)の要(かなめ)を除(はづ)したるがごとく、012四分(しぶん)五裂(ごれつ)の惨状(さんじやう)を呈(てい)するの止(や)むなきに立(た)ち到(いた)り、013各山(かくざん)各地(かくち)の八王(やつわう)八頭(やつがしら)をはじめ国魂(くにたま)その他(た)の諸神司(しよしん)らは高山(たかやま)の末(すゑ)低山(ひきやま)の末(すゑ)より集(あつ)まり来(きた)り、014また竜神(りうじん)は五(いつ)つの海(うみ)より聖地(せいち)をさして暴風(ばうふう)を捲(ま)き起(おこ)し、015海面(かいめん)を躍(をど)らせながら黒雲(こくうん)に乗(じやう)じて残(のこ)らず聖地(せいち)に集(あつ)まりける。016聖地(せいち)に集(あつ)まりし神人(しんじん)の数(すう)はほとんど粟粒(あはつぶ)三石(さんごく)の数(かず)に達(たつ)したり。017さしも剛直(がうちよく)にかまへ常世(とこよ)会議(くわいぎ)の出席(しゆつせき)を峻拒(しゆんきよ)したりし万寿山(まんじゆさん)の八王(やつわう)も、018聖地(せいち)の変乱(へんらん)を聞(き)き一切(いつさい)の情実(じやうじつ)を排(はい)して集(あつ)まり来(き)たり、019霊鷲山(れいしうざん)に退隠(たいいん)したる大八洲彦(おほやしまひこの)命(みこと)、020言霊別(ことたまわけの)命(みこと)、021神国別(かみくにわけの)命(みこと)、022大足彦(おおだるひこ)をはじめ、023エデンの野(の)に蟄居(ちつきよ)を命(めい)ぜられたる高照姫(たかてるひめの)命(みこと)、024真澄姫(ますみひめ)、025言霊姫(ことたまひめ)、026竜世姫(たつよひめ)の諸神人(しよしん)も禁(きん)を破(やぶ)り、027あまたの従臣(じゆうしん)を引(ひ)き連(つ)れ聖地(せいち)の一大事(いちだいじ)とかけ集(あつ)まり来(き)たりける。
028 今(いま)まで大八洲彦(おほやしまひこの)命(みこと)一派(いつぱ)ならびに高照姫(たかてるひめの)命(みこと)一派(いつぱ)にたいし、029極力(きよくりよく)反抗(はんかう)の態度(たいど)を持(ぢ)しゐたる大自在天(だいじざいてん)大国彦(おほくにひこ)も常世彦(とこよひこ)も、030この度(たび)の聖地(せいち)の殆(ほと)ンど滅亡(めつぼう)に瀕(ひん)したる惨状(さんじやう)をながめ、031何(いづ)れも憂愁(いうしう)の念(ねん)にかられ、032敵味方(てきみかた)の感情(かんじやう)を心底(しんてい)より除却(ぢよきやく)し、033たがひに聖地(せいち)回復(くわいふく)の誠意(せいい)を復起(ふくき)したり。034ことに大自在天(だいじざいてん)のごときは、035大八洲彦(おほやしまひこの)命(みこと)、036高照姫(たかてるひめの)命(みこと)一派(いつぱ)の神人(かみがみ)の隠忍(いんにん)蟄伏(ちつぷく)の心情(しんじやう)を察(さつ)して同情(どうじやう)の涙(なみだ)に暮(く)れゐたりける。037元来(ぐわんらい)は全部(ぜんぶ)国治立(くにはるたちの)命(みこと)を元祖(ぐわんそ)といただく神人(かみがみ)なれば、038いよいよ危急(ききふ)存亡(そんばう)の場合(ばあひ)に立(た)ちいたりては、039区々(くく)たる感情(かんじやう)はいづこにか雲散(うんさん)霧消(むせう)して各自(かくじ)神司(かみがみ)は互(たがひ)に謙譲(けんじやう)の徳(とく)を発揮(はつき)し、040相親(あひした)しみ相(あひ)愛(あい)し、041毫末(がうまつ)も心中(しんちゆう)に障壁(しやうへき)を築(きづ)かざりけり。042諺(ことわざ)に、
043『親(しん)は泣(な)き寄(よ)り、044他人(たにん)は食(く)ひ寄(よ)り』
045といふ。046元来(ぐわんらい)正(ただ)しき神(かみ)の直系(ちよくけい)を受(う)け又(また)は直系(ちよくけい)より分派(ぶんぱ)して生(うま)れ出(いで)たる神人(かみがみ)は、047この時(とき)こそ惟神(かむながら)の本心(ほんしん)に立(た)ち復(かへ)り至誠(しせい)を発揮(はつき)し大神(おほかみ)に対(たい)し報本(はうほん)反始(はんし)の実(じつ)を挙(あ)げむとの誠意(せいい)を顕(あら)はしける。
048『落(おち)ぶれて袖(そで)に涙(なみだ)のかかる時(とき)人(ひと)の心(こころ)の奥(おく)ぞ知(し)らるる』
049 遉(さすが)に神世(かみよ)の神人(しんじん)だけありて、050その天性(てんせい)に立復(たちかへ)り本(ほん)守護神(しゆごじん)の発動(はつどう)に復帰(ふくき)したる時(とき)はすべて敵(てき)もなく味方(みかた)もなく、051怨恨(えんこん)、052嫉妬(しつと)、053不平(ふへい)不満(ふまん)の悪心(あくしん)も発生(はつせい)する余地(よち)無(な)かりしなり。054かくのごとき至善(しぜん)、055至美(しび)、056至直(しちよく)の神心(かみごころ)を天賦(てんぷ)的(てき)に保有(ほいう)する神人(かみがみ)といへども、057天地間(てんちかん)の邪気(じやき)の凝結(ぎようけつ)して現(あら)はれ出(いで)たる六面(ろくめん)八臂(はつぴ)の鬼(おに)や、058金毛(きんまう)九尾(きうび)の悪狐(あくこ)や、059八頭(はつとう)八尾(はちび)の大蛇(おろち)の霊(れい)にその身魂(みたま)を誑惑(けうわく)され、060かつ憑依(ひようい)さるる時(とき)は、061大神(おほかみ)の分霊(ぶんれい)なる至純(しじゆん)至粋(しすゐ)の身魂(みたま)もたちまち掌(てのひら)をかへすごとく変化(へんくわ)するにいたる。062その速(すみや)かなること恰(あたか)も影(かげ)の形(かたち)に随(したが)ふが如(ごと)くなり。
063 序(ついで)に述(の)べおきたきことあり、064そは三種(さんしゆ)の邪神(じやしん)の名義(めいぎ)についてなり。065六面(ろくめん)八臂(はつぴ)の邪鬼(じやき)といふは一(ひと)つの身体(しんたい)に六個(ろくこ)の頭(あたま)や顔(かほ)の付属(ふぞく)せるにあらず。066ある時(とき)は老人(らうじん)と化(くわ)し、067ある時(とき)は幼者(えうじや)と変(へん)じ、068美人(びじん)となり醜人(しうじん)と化(くわ)し、069正神(せいしん)をよそほひ、070ある時(とき)は純然(じゆんぜん)たる邪神(じやしん)と容貌(ようばう)を変(へん)じ、071もつて神変(しんぺん)不思議(ふしぎ)の魔術(まじゆつ)をおこなふ者(もの)の謂(いひ)にして、072また八臂(はつぴ)とは一(ひと)つの身体(しんたい)に八(やつ)つの臂(ひぢ)あるにあらず。073これを今日(こんにち)の人間(にんげん)に譬(たと)ふれば、074一(ひと)つの手(て)をもつて精巧(せいかう)なる機械(きかい)を作(つく)るに妙(めう)を得(え)てをり、075書(しよ)に妙(めう)を得(え)てをり、076絵画(くわいぐわ)に堪能(たんのう)してをり、077音楽(おんがく)に妙(めう)を得(え)てゐるとか、078一切(いつさい)の技術(ぎじゆつ)、079技能(ぎのう)を他(た)に勝(すぐ)れて持(も)ち居(ゐ)たる手腕(しゆわん)の意(い)なり。080強(あなが)ち八種(はつしゆ)のことに妙(めう)を得(え)たりといふ意味(いみ)ではなく、081一切(いつさい)百種(ひやくしゆ)の技能(ぎのう)に熟達(じゆくたつ)し居(を)るの意義(いぎ)なり。
082 また金毛(きんまう)九尾(きゆうび)白面(はくめん)の悪狐(あくこ)といふは、083金色(きんしよく)はもつとも色(いろ)の中(なか)においても尊(たつと)く、084金属(きんぞく)としても最上位(さいじやうい)を占(しめ)てをる。085狐(きつね)としては黄金色(わうごんしよく)の光沢(くわうたく)ある硬(かた)き針毛(しんまう)を有(いう)して居(を)るが、086化現(くわげん)するときに美(うつく)しき女人(によにん)の体(たい)を現(あら)はし優美(いうび)にして高貴(かうき)なる服装(ふくさう)を身(み)に纏(まと)ひ、087すべての神人(しんじん)を驚(おどろ)かしめ、088その威厳(ゐげん)に打(う)たれしめむとするをいふなり。089また九尾(きうび)といふは一匹(いつぴき)の狐(きつね)に九本(きうほん)の尾(を)の生(は)えてゐる意味(いみ)にあらず、090九(きう)とは数(すう)の終極(しうきよく)、091尽(つく)すといふ意味(いみ)にして、092語(ご)をかへていへば、093完全(くわんぜん)無欠(むけつ)といふことなり。
094 いま筑紫(つくし)の島(しま)を九州(きうしう)といふのも、095九(きう)は尽(つく)しの意味(いみ)から出(で)たるなり。096尾(を)といふは総(すべ)てのものを支配(しはい)する力(ちから)をいふ。097後世(こうせい)にいたり三軍(さんぐん)の将(しやう)が采配(さいはい)を振(ふ)つて軍卒(ぐんそつ)を指揮(しき)し、098あるひは祭典(さいてん)にさいし祓戸主(はらひどぬし)の役(やく)が大幣(おほぬさ)を左右左(さいうさ)に振(ふ)つて悪魔(あくま)を退(しりぞ)け、099かつ正(ただ)しき神(かみ)を召集(せうしふ)し、100邪気(じやき)を払拭(ふつしき)するが如(ごと)し。101真澄姫(ますみひめ)が黄金(わうごん)の幣(ぬさ)を打(う)ち振(ふ)りて魔軍(まぐん)を亡(ほろ)ぼしたまひしも、102悪(わる)くたとへていへば金毛(きんまう)九尾(きうび)の尾(を)を振(ふ)りたると同意味(どういみ)なり。103されど正(ただ)しき神(かみ)の使用(しよう)するときは金幣(きんぺい)を左右左(さいうさ)に振(ふ)るといひ、104邪神(じやしん)の使用(しよう)する時(とき)は九尾(きうび)を振(ふ)ると称(とな)へたるなり。105この物語(ものがたり)のなかの所々(ところどころ)に金毛(きんまう)八尾(はちび)、106銀毛(ぎんまう)八尾(はちび)とあるは、107九尾(きうび)にやや劣(おと)りし働(はたら)きをなす邪神(じやしん)といふ意味(いみ)なり。
108 また八頭(やつがしら)八尾(やつを)の大蛇(をろち)といふも、109決(けつ)して一(ひと)つの蛇体(じやたい)に八(や)つの頭(かしら)があり、110また尾(を)が八(やつ)ツあるにあらず。111蛸(たこ)や烏賊(いか)や、112蟹(かに)には足(あし)が八(やつ)つもあるが、113蛇体(じやたい)には偶(たま)に尾(を)の先(さき)二(ふた)つに裂(さ)けて固(かた)まれるがありても、114決(けつ)して八(やつ)つの岐(また)になり居(ゐ)るものはなし。115仏書(ぶつしよ)に九頭竜(くづりう)などといひ、116九(ここの)つの頭(かしら)のある竜(りう)のことが示(しめ)しあれど、117これも全(まつた)く象徴(しやうちやう)的(てき)の語(ご)にして、118神変(しんぺん)不可思議(ふかしぎ)の働(はたら)きをなす竜神(りうじん)といふ意味(いみ)なり。119昔(むかし)から「長(なが)いものには捲(ま)かれよ」といふ譬(たとへ)あり。120大蛇(をろち)は他(た)の動物(どうぶつ)に比(ひ)して身(み)の丈(たけ)もつとも長(なが)く、121かつ蚯蚓(みみず)のやうに軟弱(なんじやく)ならず相当(さうたう)に堅(かた)き鱗(うろこ)をもちて身体(しんたい)を保護(ほご)し、122沢山(たくさん)の代用足(だいようあし)を腹部(ふくぶ)に備(そな)へゐるなり。123腹部(ふくぶ)の鱗(うろこ)と見(み)ゆるは、124みな蛇(へび)の足(あし)の代用(だいよう)をするものなり。125足(あし)は下(した)を意味(いみ)す。126ゆゑに上(うへ)に立(た)ちて下(した)を指揮(しき)するものを長(をさ)といひ、127また長者(ちやうじや)ともいふなり。128この大蛇(をろち)の霊(れい)は世界(せかい)の各地(かくち)にその分霊(ぶんれい)を配(くば)り、129千変(せんぺん)万化(ばんくわ)の活動(くわつどう)をなし、130神人(しんじん)の身体(しんたい)を容器(ようき)として邪悪(じやあく)を起(おこ)さしむる悪霊(あくれい)の意(い)なり。131十二柱(じふにはしら)の八王(やつわう)八頭(やつがしら)を十二王(じふにわう)、132十二頭(じふにかしら)と称(とな)へず、133八王(やつわう)、134八頭(やつがしら)と称(とな)へらるるごとく、135この八頭(やつがしら)八尾(やつを)の大蛇(をろち)の働(はたら)きも決(けつ)して八種(やいろ)に限(かぎ)るにあらず。136千変(せんぺん)万化(ばんくわ)反道(はんだう)的(てき)行為(かうゐ)を敢行(かんかう)する悪力(あくりよく)の働(はたら)きの意(い)なり。
137 王仁(おに)は聖地(せいち)の混乱(こんらん)の状況(じやうきやう)を述(の)ぶる心算(つもり)なりしが、138つい談(はなし)が蛇(へび)のごとくぬるぬると長(なが)く滑(すべ)りて、139知(し)らず識(し)らず山(やま)の奥(おく)に這(は)ひ込(こ)み、140深(ふか)き谷間(たにま)に陥(おちい)りけり。141これがいはゆる蛇足(だそく)を添(そ)へるとでもいふならむか。
142(大正一〇・一二・二六 旧一一・二八 加藤明子録)
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